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第四節東雲雪という女③
しおりを挟む次郎「修正だぁぁぁぁぁぁぁ」
次郎の左のショートフックが空を切る音がした。タルカスの右ウィービングからの右のショートフックが次郎の左脇腹を抉り取った。
レバーとは逆脇腹であるため、並のパンチャーの右ボディーなら耐えれたかもしれないが、タルカスの右ボディーのKO率は驚異の85%だった。
次郎「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおぉぉ」
次郎の体は綺麗なくの字に曲がり、殴ってくださいと言わんばかりにタルカスの前に顎を突き出していた。
渋谷タルカス「グッバイブサイク、くそジジイ」
タルカスは返刀としての顎に対する左アッパーではなく、右ボディーフックの反動を使った、流動体を意識した右フックのダブルを選択。
ダブルは脳天直下しそのまま地面に叩きつけられる予定だったが、次郎とタルカスの間に謎の女が割って入りタルカスの右フックはその女のテンプルに直撃した。
渋谷タルカス「嘘だろ!!お前何してんだ雪」
何と東雲雪がタルカスのパンチをくらい泡蟹みたいに、泡を吹きながら痙攣してしまっているではないか。
笠谷竜蔵「まずいぞ救急車を呼ばないと、おい、オッサン救急車呼べ、早く。」
次郎「クヒヒヒヒ、これは儲けもんだったぜ、まさか雪、役に立たねぇ奴隷のお前が、こんなとこで役に立つとはな、クヒッ。」
笠谷竜蔵「そういうことか、なら、、、」
竜蔵の顔が鬼の形相に変わり、右腕から全身にかけて赤紫の光のヒビが入った。筋骨が隆々になり、右腕からかっこいい突起が生え、目は近未来を思わせるデザインの紅蓮のバイザーが装着されていた。
笠谷竜蔵「“I like dragons.”」
そういうと、下卑た目をした次郎に向かって走り、地面に流れる大陸の大きな力を体という媒体を通し、大きなスクリューを右腕から次郎の顔面へ流し込んだ。
次郎「うぉぉぉぉぉおおおおおおおおおぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
次郎の体はスクリューを受けた竜蔵の拳を起点に螺旋状に四肢が破壊されては再生し、また破壊されては、再生を繰り返していた。
次郎「痛い、うわ、治った、痛い、痛い痛い、直った、痛たた、いたい、いたたた、治った、痛い」
渋谷タルカス「竜蔵、これがお前の得たものなのか、、、」
笠谷竜蔵「らしいな、今の俺なら、タルカス、お前もワンパンで終わらせられるだろうな。」
渋谷タルカス「だろうな。だってもう、これ人の力超えてんだもん。物理法則どこいった。」
前園豪鬼「おい、何くっちゃべってんだ。雪の手当が先だドンッッッ!!!」
渋谷タルカス「竜蔵お前、治せるんじゃないのか?」
笠谷竜蔵「フンッ、気づいていたか、今の覚醒した俺なら治せるかもな、、、」
前園豪鬼「お前ら何言ってんだ?」
笠谷竜蔵「“I like dragons.”」
そう言うと、手のひらを竜蔵は雪のぷにぷにの顔面へ優しく当て大地の力を流し込んだ。すると、
渋谷タルカス「おぉぉぉ治ってる、ありがとう竜蔵」
笠谷竜蔵「俺も驚いてるぜ、この俺の眠っていた力にな。」
前園豪鬼「お前ら何やってるドンッッッ!!雪の体がっっ」
東雲雪「痛い、痛い、いたい、治った、痛い、いたい、いたい治った、痛い痛い、痛い。」
次郎と同じ状態になっていたのであった。街のど真ん中で悲痛な叫びと、奇声が響きわたっていた。場の雰囲気は大魔境へと変わっていた。
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