腹黒令嬢シンデレラ

篠山猫(ささやまねこ)

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付録番外編:17世紀頃の食文化世界

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ここに記載するのは、あくまでも当小説で扱う17世紀頃の食文化、雰囲気を知って頂くためのものです。
世界を知って頂く為に、書籍からほんの一部のレシピを抜粋したものです。
実際にはまだまだ多くのレシピがあります。

全体的に卵や砂糖、蜂蜜が多く使われており、17世紀後半に登場するルイ14世は歯が無かったという史実を裏付けるものです。
当時の貴族は多粘質の糖類を取る場面が多く、歯の健康状態は悪かったと言われる所以でしょう。


また、書籍で記載されているレシピは17世紀頃の古文書をそのまま復刻したものです。
これ以上の詳細に興味のある方はぜひ、書籍をお求め下さい。

参考文献:食材と調理からたどる中世ヨーロッパの食生活(薯:ハンネレ・クレメッティラー)


※イースト菌を使っていますが、当時は純粋なイースト菌の入手は簡単では無かったため、実際にはビール酵母が使われていたものと考えられます。
現代では逆にビール酵母は簡単に入手できません。


■イラクサのパン
 湯:600ml
 イラクサの葉:180g
 塩:小さじ1~2
 キャラウエイシード:小さじ2
 イースト:50g
 あらびきのライ麦粉:170g
 全粒粉:500~650g

塩、イースト、キャラウエイシード、イラクサを温めの湯に入れる
ライ麦、全粒粉を加え、しっかりこねる
2倍の大きさになるまで寝かす
再度こねて生地を丸くする
生地をベーキングシートに置いて更に寝かす
200度に熱したオーブンで40~50分焼く


■サブランパン
 中力粉:1Kg
 湯:500ml
 イースト:35g
 砂糖:175g
 塩:小さじ2
 オリーブオイル:100ml
 卵:3個
 サフラン:少々

イーストを湯に入れてかきまぜる
調味料、オリーブオイル、卵、小麦粉をくわえてこねる。
生地に布をかぶせてふくらむまで寝かせる
適度な大きさの5個に分けて丸め、更にベーキングシートの上で寝かせる
200度のオーブンの下段で約15分、パンの皮がきつね色になるまで焼く
※焼く前に生地の上に十文字を刻むのは中世の伝統であった。


■ハチミツ衣のカブ
 カブ
 ビーフストック
 バター
 スパイスまたはハチミツ

かぶを1~1.5センチの厚さにスライスする
かぶのスライスをビーフストックで煮崩れしない程度に煮る
ソースパンにバターを加えてかぶを色がつくまで炒める
最後にハチミツを適量かける


■肉料理のための米の付け合わせ
 米:160g
 チキンまたはビーフストック:500ml
 アーモンドミルク:
 サフラン:少々
 塩

チキンまたはビーフストックと米をソースパンに入れて沸騰させたら弱火にして煮る
別のソースパンでアーモンドミルクを作る
上記を混ぜて更に10分ほどコメが煮えるまで煮込む
味見して必要なら塩を加える
肉に添えて食べる


■人参とキャラウエイのスープ
 人参:1kg
 水:2l
 野菜のブイヨン:2~3個
 キャラウエイシード:大匙1
 クリーム:100ml

皮をむき、カットした人参を柔らかくなるまで茹でてピューレにする。
(ゆで汁は取っておく)
ブイヨンとピューレした人参をゆで汁に加えて煮てキャラウエイシードとクリームを加える


■野生マッシュルームのトスカーナ風
 マッシュルーム:600g
 玉ねぎ;2個
 オリーブオイル
 黒コショウ:小さじ1
 ナツメグ:小さじ1
 コリアンダー:小さじ2
 塩

マッシュルームを刻み、鍋で炒めて水分を飛ばす
刻み玉ねぎをオイルで優しく炒め、これにマッシュルームを加えて暫く炒める
スパイスを入れて二をして約15分、弱火で熱する。
肉料理の付け合わせに使われる


■野菜とハーブのパイ
 パイ生地
  バター:125g
  中力粉:350ml
  塩:小さじ1/2
  水:大さじ4
  
 フィーリング
  チャード(ブタン草):125g
  パセり:55g
  チャービル:100ml
  フェンネルの茎:1本
  ほうれん草:55g
  調理オイル
  クリームチーズ:100g
  おろしたチーズ:
  卵:3個
  胡椒:小さじ1/2

パイ生地を用意する
指先で小麦粉、塩、バターをこねてボロボロの状態にしたら水を加えて混ぜ合わせる
底を取り出し可能なオーブン調理用焼き型(22センチ)の底と側面にパイ生地の元を押し付ける
オイルを塗ったアルミホイルを生地に敷き重石をつける(重石:乾燥豆を敷き詰めるなど)
200度に熱したオーブンの中断で9分ブラインドベイクする。
重石とホイルを取り出し、パイ生地全体をフォークで刺して穴をあけ、更に2~3分焼く

野菜と生のハーブ類を洗って刻む
オイルでや柔らかくなるまで炒め、塩、胡椒で味付けする
出来上がったパイ生地の上に上記で炒めた野菜類を広げる
ボウルに卵を溶きほぐし、クリームチーズと下したチーズを加えて野菜の上に注ぐ
200度のオーブンで30~40分フィーリングが固まり、軽く色がつくまで焼く


■子牛のロースト、ポーピエット(イタリア地方)
 子牛の肉(またはヒレ肉):400~600g
 塩:小さじ1
 フェンネルパウダー:小さじ2
 マジョラムパウダー:小さじ2
 パセリ:大さじ3
 ベーコンのスライス:6~8切れ
 生のタイム:大さじ3
 バジルパウダー:小さじ2

子牛の肉を長細く4本に切って叩いて薄く延ばし、焼き皿に並べる
上から塩、フェンネル、マジョラム、パセリを振る
ベーコンを細かく刻んで子牛の肉の上に散らし、バジル、刻んだタイムを振りかけたら子牛の肉で巻いてポーピエットにする。
高温のオーブンで20~25分焼くか、肉が焼けるまで直火であぶる


■チキンの赤ワインソース煮
 鶏:1羽
 チキンストック:200ml
 赤ワイン:200ml
 赤ワインビネガー:大さじ1
 クローヴ:小さじ1/4
 ナツメグ:小さじ1/4
 黒コショウ:小さじ1/2
 シナモン:小さじ1
 食パン:適量(とろみをつけるために入れる)
 砂糖またはハチミツ

鶏をオーブンでしっかり火が通るまでローストし、一口大に切り分ける
チキンストック、赤ワイン、赤ワインビネガー、スパイス類を混ぜ、ソースパンで熱する。(煮立てない)
食パンを小さく切って上記のソースに加え、とろみをつけ、更に砂糖かハチミツを加える
上記で作ったソースに一口大に切り分けた鶏肉を加え、中火で10分ほど煮込む


■パリ風野ウサギの煮込み
 野ウサギ:1羽
 玉ねぎ:3個
 バター:大さじ1
 パン:2切れ
 ビーフストック:500ml
 赤ワイン:150ml
 赤ワインビネガー:150ml
 レモンの汁:1/2個
 水:小さじ2
 ショウガパウダー:小さじ1
 クローヴ:2個
 黒コショウ:小さじ1
 ナツメグ:小さじ1/2
 シナモン:小さじ1

ウサギの肉を一口サイズにカットし、オーブンの上段で焼き色がつくまで焼く
玉ねぎを刻み、バターを引いたフライパンで色がつくまで炒め、焼き終わったウサギの肉を加えて数分炒める

トーストしたパンのスライスをちぎってボウルに入れ、赤ワイン、赤ワインビネガー、ビーフストック(100ml)を加える。
ウサギの肉が焼き終わるまで休ませ、上記をフォークで潰し、ビーフストックの残り(400ml)加えて混ぜる
上記を裏ごし、またはミキサーで滑らかにする

調味料、レモン汁、水を混ぜ合わせる
上記にウサギの肉、滑らかにしたパン入りのソースを加えて蓋をし、中火で2時間ほど肉が柔らかくなるまで煮込む。
必要に応じて塩、調味料を加える。


■鹿肉のパイ
 パイ生地
  市販のパイ生地;600g程度

 フィーリング
  鹿肉;1kg
  卵黄;4故
  はちみつ:大さじ3
  ベーコン;2切れ
  塩;小さじ1
  黒コショウ:小さじ1/2
  ショウガパウダー;小さじ1/2

塩を加えたひたひたの湯で鹿肉を茹で、フードプロセッサーでミンチにする
ベーコンを焼いて細切りにしたらフィーリング用の材料を全て混ぜ合わせる

用意した半分のパイ生地を敷き、上記で作ったフィーリングを広げる。
残りのパイ生地を上かぶせにする。
200度のオーブン(下段)で約30分、焼き目がつくまで焼く。


■アーモンドミルク
 アーモンドパウダー:90g
 水;400ml
 砂糖:大さじ2~3
 塩:小さじ1/3

ソースパンで湯を沸かし、アーモンドパウダー、砂糖、塩を加える
ときどきかき混ぜながら、中火で15分煮たら濾す。


■イポクラス
 赤ワイン:1L
 砂糖:150g
 シナモン:小さじ2
 ショウガパウダー:小さじ2

少量の赤ワインをソースパンに入れ、砂糖を加えて溶けるまで熱する。
別のボウルで残りの材料を混ぜ合わせ、これに上記の砂糖入りワインをくわえて時々かき混ぜながら2時間ほど置く。

上記をクロスで透明になるまで数回漉す。
漉したものを瓶に詰めて1~2日休ませてから飲む
(ナツメグ、胡椒、クローヴを少し加えるのも良いとの事。)
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