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第40話 炎上
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「セーベル。ここは手をだすな。こやつは余が倒す」
「しかし、陛下……」
「命令だ。聞け」
アリュードはセーベルにそう命じると、冥王の核玉《コア》の力で鎧魔導士になったライシュに斬りかかる。だが、その大剣の攻撃をライシュは片手一本で軽々とガードする。
「ほう、凄まじき力よ」
「ふふ、凄いでしょ?」
アリュードは彼女の力に驚くが、まだ余裕を崩さない。次々に斬撃を繰り出す。しかし、そのすべての攻撃を軽く片手でいなす。
その足さばきは、まるで躍っているかのように軽やかであった。
「なるほど……これは本気で戦わねばやられるな」
アリュードの胸部が琥珀色に光り輝き、パワーとスピードが格段に上がる。威力の乗った大剣での攻撃はライシュもさすがに片手では捌ききれず、両手を使って受け流す。
「その剣の使い方……なるほど、そうであったな」
「……」
アリュードはさらに核玉《コア》の出力を上げ、強力な一撃を浴びせる。ライシュはガードしたものの、大きく後退させられる。
「凄いね。親衛隊より強いという話はほんとうだったんだ……」
「余は帝国最強の剣士ぞ。その称号さえあれば、他には何もいらない」
アリュードは相手の中心線を取りつつ、勢いの乗った突きを繰り出す。それをライシュは転移して躱す。そして、アリュードの後ろに現れて、斬撃を繰り出す。しかし、その動きを読んでいた彼は後ろに剣を回し、防御する。
「はは、ほんとに剣の天才ね、陛下は」
「おほめ頂き感謝する」
そう言って、再び強力な斬撃を連発する。ライシュは明らかに防戦一方だった。
その様子を見守っていたセーベルはアリュードの勝利を確信する。いざとなれば命令を無視して、自分も戦うつもりだったが、その心配はなさそうだ。
(ただ、追い詰められているはずのライシュがどこか余裕そうなのはなぜだ?)
そんな疑問も頭の中に浮かんだが、かき消す。アリュードが負けることなどありえない。
剣を振るいながら、アリュードは歓喜していた。これこそ彼が長い間求めていた、命をかけた殺し合いだったからだ。それも実力の近しい者同士の技の応酬。これを超える快楽は彼の中には存在しなかった。
だから、この戦いが終わるのがアリュードは惜しかった。しかし、核玉《コア》の出力を上げすぎている反動で、身体にも負荷がかかる。名残惜しいが、そろそろ決着
をつけなければならなかった。
「残念だが、これで終いにする」
アリュードの大剣の刀身が琥珀色の光をおびる。そのまま、剣を諸手でライシュの身体目がめて薙ぐ。それを受けた彼女の長剣は叩き折れる。
しかし、そこで彼女の姿が消える。
「また転移の魔術か。……なるほど、時間稼ぎでもするつもりか」
見れば、彼女は木の上に立っていた。
「ふふ、このままじゃ、やられちゃいそうだから、強化しようと思うの」
「強化だと……」
そう言うと、彼女の核玉《コア》が銀色の光をおび、身体の白い外殻は銀色に変貌する。髑髏の外殻や肩や胸などの外殻、黒い長剣の刃などが一斉に銀色になった。そして、体中に電流が流れ、稲妻のごとき文様が刻まれる。
「これが、私の覚醒形態」
「覚醒だと。上等よ。叩き潰してくれる」
そう言って、木の上の彼女に向かって波動斬撃を放つ。しかし、彼女はそれを避けようとさえしない。斬撃は大木を真っ二つに切断するが、彼女の鎧魔殻は無傷であった。そのまま、転移魔術も使わず、ゆっくりと木から降りる。
「たしかに……さらに禍々しき力が増したな……」
「一人じゃ私に勝てないよ……」
「さて、どうかな?」
アリュードは変貌したライシュの頭部目掛けて諸手突きを繰り出す。それをライシュは長剣の刃をぶつけることでガードする。しかし、その力は圧倒的にライシュが上だった。アリュードは剣を押し込まれて、体勢を崩す。
(なんという力か…… 核玉《コア》の力をここまで使いながら、余が力負けした)
それでも瞬時に体勢を立て直し、負けじと攻撃を繰り出す。ライシュはそれを刃で受けると同時にカウンターの突きをアリュードの頭部に食らわす。
「ぬぅ……」
突きの一撃はアリュードの頭部の鎧殻装を貫き、左目にまで達する。目に生じた激痛に、思わず後ずさる。
「止(とど)めだよ」
ライシュはアリュードに斬りかかるが、そこにセーベルがパルチザンを手に割って入る。
「ふーん、あなたも戦いたいんだ」
「……セーベル、下がれ」
「もはやそんなことを言っておられる状況ではありますまい。陛下を守護するのが親衛隊の役目」
そう言うと、パルチザンを突き出す。ライシュはそれを易々と躱す。
「是非もなしか……」
目の痛みを堪えつつ、アリュードもセーベルと共闘することにした。二人は長い間ともに訓練しており、武器は違えどその息はピッタリだった。的確にお互いの弱点をカバーし、それぞれが敵の弱点を分担して突いてくる。
それでも、ライシュは長剣で両者の攻撃を的確に捌く。
「いいねその調子だ」
「ぐっ!」
アリュードもセーベルも二人掛かりでありながら、ライシュのその力の前に徐々に押されていく。生物としての力が違いすぎるように感じる。
「おのれ!」
劣勢の中、アリュードは再び斬撃を繰り出す。しかし、ライシュは転移魔術でそれを楽々躱すと。セーベルの背中に斬撃を浴びせる。
「う……くぅ」
致命傷ではないが、セーベルはダメージを負う。
(こんなことが…… 誇りを捨て、二人掛りでも駄目なのか…… どうすれば良い)
アリュードは苦悶する。
「終わりだよ。あなたたちは……」
(終わり。終わりか。そう言えば、島に来る前はここで朽ちてもいいと思っていたな…… たしかにそうだ……なまじ生きる事を考えるから、このザマよ)
「ふふ、ふははははは」
「陛下?」
アリュードは笑う。その様子をセーベルとライシュは怪訝そうな様子で見つめる。
「セーベル。そなたは今すぐ逃げよ。余はもう一人で充分ゆえ」
「何をおっしゃいます。申し上げたように、陛下をお守りするのが親衛隊の使命です」
「余はもう生きて帰るつもりはない。生きようとすればこやつに勝てぬことを悟った」
アリュードは微笑む。
「ゆえに、今から死にに行く。これはもう決めたことだ…… そなたに出来ることはひとつだ。このまま逃げるか、余とともに戦って死ぬかだ」
「陛下……」
セーベルはアリュードがもう覚悟を決めたことを知る。こうなってはもう逃げて生きのびてくれと言っても聞かないだろう。
「仕方ありません……死への旅路、私もお供いたします」
「良いのだな。セーベル」
「はい。陛下のおそばにいてこその親衛隊ですので」
二人は武器を構える。そして、核玉《コア》のエネルギーを最大限武器と身体に流し込む。
「ふーん、捨て身の攻撃ね。それがどこまで届くかな?」
「やってみなければわかるまい」
そう言って、アリュードは相打ち覚悟の思い切った一撃を繰り出す。しかし、またしてもライシュは躱し、セーベルの後ろに移動する。
だが、さすがに今回はセーベルもその動きを読んでおり、武器を捨てて、斬撃を浴びながらもライシュに組み付く。
「うん? 何を……」
「……陛下、今です!」
「うむ!」
そう言うと、アリュードはセーベルの背中もろとも、ライシュに大剣を突き刺す。
「ぐっ! 何っ!?」
セーベルは胸を貫かれ、身体から盛大に血を噴き出す。ライシュの方も、さすがに予想していなかった一撃を受け、胸下の鎧殻装に深い傷が出来る。しかし、すぐに後方に下がり、剣を身体から抜く。
「まさか……こんなことを……」
捨て身の攻撃とは言ったが、ここまでするとはライシュの想像を超えていた。
(陛下、後はお願いいたします)
胸を貫かれたセーベルはアリュードの勝利を祈りながら息絶えた。信頼する彼女の死を受けて、アリュードの動きはさらに加速する。
出力を全開にした剣の斬撃がライシュに迫る。それを躱わしても、続く一撃が彼女を襲う。それも防いだが、先ほどとは比べ物にならない力を感じる。
(なにこの力?…… 捨て身の馬鹿力とでも?)
出力を最大以上に放出したアリュードの身体からは琥珀色の眩い炎が噴出する。それは自身の鎧殻装をも溶かし始める。しかし、アリュードはそんなことお構いなしに、そのままライシュを押し込みにかかる。
「くっ、調子にのらないでよね!」
その一撃をうまく剣で受け流すと、カウンターとばかりに袈裟斬りにする。
「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
アリュードの斬られた個所からも炎が噴き出す。それでも、アリュードは止まらない。
「この!」
身体を何度も斬りつけるが、それでもアリュードは歩みを止めず、斬りかかってきた。ライシュは転移魔術で躱そうと思ったが、胸の下に傷を受けたダメージか、転移魔術が一時的に使えないでいる。
(ああ……楽しい。これだ、これこそが余が真に求めていたものよ)
ライシュは意識が朦朧としながら、全身の力を込めて、ライシュを斬りつける。ライシュは躱そうとするが、躱しきれず、左肩に浅いとはいえ傷を負う。
「もういい加減とまりなよ!」
ライシュはアリュードの心臓を刺し貫く。
「ふははははははは!」
その時だった、笑うアリュードの身体から噴出した炎は鎧殻装を完全に溶かしきり、自身の身体を骨ごと焼き尽くす。こうして、彼の身体は核玉《コア》さえ残さず、完全に灰になった。
だが、死のそのときまで、アリュードは高らかに笑っていたのだった。
「しかし、陛下……」
「命令だ。聞け」
アリュードはセーベルにそう命じると、冥王の核玉《コア》の力で鎧魔導士になったライシュに斬りかかる。だが、その大剣の攻撃をライシュは片手一本で軽々とガードする。
「ほう、凄まじき力よ」
「ふふ、凄いでしょ?」
アリュードは彼女の力に驚くが、まだ余裕を崩さない。次々に斬撃を繰り出す。しかし、そのすべての攻撃を軽く片手でいなす。
その足さばきは、まるで躍っているかのように軽やかであった。
「なるほど……これは本気で戦わねばやられるな」
アリュードの胸部が琥珀色に光り輝き、パワーとスピードが格段に上がる。威力の乗った大剣での攻撃はライシュもさすがに片手では捌ききれず、両手を使って受け流す。
「その剣の使い方……なるほど、そうであったな」
「……」
アリュードはさらに核玉《コア》の出力を上げ、強力な一撃を浴びせる。ライシュはガードしたものの、大きく後退させられる。
「凄いね。親衛隊より強いという話はほんとうだったんだ……」
「余は帝国最強の剣士ぞ。その称号さえあれば、他には何もいらない」
アリュードは相手の中心線を取りつつ、勢いの乗った突きを繰り出す。それをライシュは転移して躱す。そして、アリュードの後ろに現れて、斬撃を繰り出す。しかし、その動きを読んでいた彼は後ろに剣を回し、防御する。
「はは、ほんとに剣の天才ね、陛下は」
「おほめ頂き感謝する」
そう言って、再び強力な斬撃を連発する。ライシュは明らかに防戦一方だった。
その様子を見守っていたセーベルはアリュードの勝利を確信する。いざとなれば命令を無視して、自分も戦うつもりだったが、その心配はなさそうだ。
(ただ、追い詰められているはずのライシュがどこか余裕そうなのはなぜだ?)
そんな疑問も頭の中に浮かんだが、かき消す。アリュードが負けることなどありえない。
剣を振るいながら、アリュードは歓喜していた。これこそ彼が長い間求めていた、命をかけた殺し合いだったからだ。それも実力の近しい者同士の技の応酬。これを超える快楽は彼の中には存在しなかった。
だから、この戦いが終わるのがアリュードは惜しかった。しかし、核玉《コア》の出力を上げすぎている反動で、身体にも負荷がかかる。名残惜しいが、そろそろ決着
をつけなければならなかった。
「残念だが、これで終いにする」
アリュードの大剣の刀身が琥珀色の光をおびる。そのまま、剣を諸手でライシュの身体目がめて薙ぐ。それを受けた彼女の長剣は叩き折れる。
しかし、そこで彼女の姿が消える。
「また転移の魔術か。……なるほど、時間稼ぎでもするつもりか」
見れば、彼女は木の上に立っていた。
「ふふ、このままじゃ、やられちゃいそうだから、強化しようと思うの」
「強化だと……」
そう言うと、彼女の核玉《コア》が銀色の光をおび、身体の白い外殻は銀色に変貌する。髑髏の外殻や肩や胸などの外殻、黒い長剣の刃などが一斉に銀色になった。そして、体中に電流が流れ、稲妻のごとき文様が刻まれる。
「これが、私の覚醒形態」
「覚醒だと。上等よ。叩き潰してくれる」
そう言って、木の上の彼女に向かって波動斬撃を放つ。しかし、彼女はそれを避けようとさえしない。斬撃は大木を真っ二つに切断するが、彼女の鎧魔殻は無傷であった。そのまま、転移魔術も使わず、ゆっくりと木から降りる。
「たしかに……さらに禍々しき力が増したな……」
「一人じゃ私に勝てないよ……」
「さて、どうかな?」
アリュードは変貌したライシュの頭部目掛けて諸手突きを繰り出す。それをライシュは長剣の刃をぶつけることでガードする。しかし、その力は圧倒的にライシュが上だった。アリュードは剣を押し込まれて、体勢を崩す。
(なんという力か…… 核玉《コア》の力をここまで使いながら、余が力負けした)
それでも瞬時に体勢を立て直し、負けじと攻撃を繰り出す。ライシュはそれを刃で受けると同時にカウンターの突きをアリュードの頭部に食らわす。
「ぬぅ……」
突きの一撃はアリュードの頭部の鎧殻装を貫き、左目にまで達する。目に生じた激痛に、思わず後ずさる。
「止(とど)めだよ」
ライシュはアリュードに斬りかかるが、そこにセーベルがパルチザンを手に割って入る。
「ふーん、あなたも戦いたいんだ」
「……セーベル、下がれ」
「もはやそんなことを言っておられる状況ではありますまい。陛下を守護するのが親衛隊の役目」
そう言うと、パルチザンを突き出す。ライシュはそれを易々と躱す。
「是非もなしか……」
目の痛みを堪えつつ、アリュードもセーベルと共闘することにした。二人は長い間ともに訓練しており、武器は違えどその息はピッタリだった。的確にお互いの弱点をカバーし、それぞれが敵の弱点を分担して突いてくる。
それでも、ライシュは長剣で両者の攻撃を的確に捌く。
「いいねその調子だ」
「ぐっ!」
アリュードもセーベルも二人掛かりでありながら、ライシュのその力の前に徐々に押されていく。生物としての力が違いすぎるように感じる。
「おのれ!」
劣勢の中、アリュードは再び斬撃を繰り出す。しかし、ライシュは転移魔術でそれを楽々躱すと。セーベルの背中に斬撃を浴びせる。
「う……くぅ」
致命傷ではないが、セーベルはダメージを負う。
(こんなことが…… 誇りを捨て、二人掛りでも駄目なのか…… どうすれば良い)
アリュードは苦悶する。
「終わりだよ。あなたたちは……」
(終わり。終わりか。そう言えば、島に来る前はここで朽ちてもいいと思っていたな…… たしかにそうだ……なまじ生きる事を考えるから、このザマよ)
「ふふ、ふははははは」
「陛下?」
アリュードは笑う。その様子をセーベルとライシュは怪訝そうな様子で見つめる。
「セーベル。そなたは今すぐ逃げよ。余はもう一人で充分ゆえ」
「何をおっしゃいます。申し上げたように、陛下をお守りするのが親衛隊の使命です」
「余はもう生きて帰るつもりはない。生きようとすればこやつに勝てぬことを悟った」
アリュードは微笑む。
「ゆえに、今から死にに行く。これはもう決めたことだ…… そなたに出来ることはひとつだ。このまま逃げるか、余とともに戦って死ぬかだ」
「陛下……」
セーベルはアリュードがもう覚悟を決めたことを知る。こうなってはもう逃げて生きのびてくれと言っても聞かないだろう。
「仕方ありません……死への旅路、私もお供いたします」
「良いのだな。セーベル」
「はい。陛下のおそばにいてこその親衛隊ですので」
二人は武器を構える。そして、核玉《コア》のエネルギーを最大限武器と身体に流し込む。
「ふーん、捨て身の攻撃ね。それがどこまで届くかな?」
「やってみなければわかるまい」
そう言って、アリュードは相打ち覚悟の思い切った一撃を繰り出す。しかし、またしてもライシュは躱し、セーベルの後ろに移動する。
だが、さすがに今回はセーベルもその動きを読んでおり、武器を捨てて、斬撃を浴びながらもライシュに組み付く。
「うん? 何を……」
「……陛下、今です!」
「うむ!」
そう言うと、アリュードはセーベルの背中もろとも、ライシュに大剣を突き刺す。
「ぐっ! 何っ!?」
セーベルは胸を貫かれ、身体から盛大に血を噴き出す。ライシュの方も、さすがに予想していなかった一撃を受け、胸下の鎧殻装に深い傷が出来る。しかし、すぐに後方に下がり、剣を身体から抜く。
「まさか……こんなことを……」
捨て身の攻撃とは言ったが、ここまでするとはライシュの想像を超えていた。
(陛下、後はお願いいたします)
胸を貫かれたセーベルはアリュードの勝利を祈りながら息絶えた。信頼する彼女の死を受けて、アリュードの動きはさらに加速する。
出力を全開にした剣の斬撃がライシュに迫る。それを躱わしても、続く一撃が彼女を襲う。それも防いだが、先ほどとは比べ物にならない力を感じる。
(なにこの力?…… 捨て身の馬鹿力とでも?)
出力を最大以上に放出したアリュードの身体からは琥珀色の眩い炎が噴出する。それは自身の鎧殻装をも溶かし始める。しかし、アリュードはそんなことお構いなしに、そのままライシュを押し込みにかかる。
「くっ、調子にのらないでよね!」
その一撃をうまく剣で受け流すと、カウンターとばかりに袈裟斬りにする。
「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
アリュードの斬られた個所からも炎が噴き出す。それでも、アリュードは止まらない。
「この!」
身体を何度も斬りつけるが、それでもアリュードは歩みを止めず、斬りかかってきた。ライシュは転移魔術で躱そうと思ったが、胸の下に傷を受けたダメージか、転移魔術が一時的に使えないでいる。
(ああ……楽しい。これだ、これこそが余が真に求めていたものよ)
ライシュは意識が朦朧としながら、全身の力を込めて、ライシュを斬りつける。ライシュは躱そうとするが、躱しきれず、左肩に浅いとはいえ傷を負う。
「もういい加減とまりなよ!」
ライシュはアリュードの心臓を刺し貫く。
「ふははははははは!」
その時だった、笑うアリュードの身体から噴出した炎は鎧殻装を完全に溶かしきり、自身の身体を骨ごと焼き尽くす。こうして、彼の身体は核玉《コア》さえ残さず、完全に灰になった。
だが、死のそのときまで、アリュードは高らかに笑っていたのだった。
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