1 / 1
今日も今日とて大好きです
しおりを挟む
「恋人になってくれないの?」
「やだよ、ダル絡みすんなって」
「本気なんだけどー?フラれたってことになるんですかー?」
「そーいうこと、てか俺彼女いるし」
「え?」
流石の俺もグサっときましたよ、それはないじゃないですか、紫苑さん。
「言ってなかったけ?先週から付き合ってる」
まじかよ、先週の俺の色仕掛けも反応しなかったのって、浮気みたいなもんだから?
めっちゃキスしちゃいましたやん、男同士だから良いってか。
紫苑の一言でぽきっと折れた。
もう押すのやめます
押しても押してもダメそうなので引くことにします
先週ーーーー
「いつになったら付き合ってくれんのー?」
「うるせーな、付き合わねぇって」
「そんなぁ」
紫苑と俺はマンションのお隣さん同士。年も比較的近くて、親同士が意気投合、強制的に遊ばされ、今では俺の愛しの人。イケメンで何でもできて、尊敬できる相手。正直高望みな相手なのだが、愛してしまっては仕方ない。
紫苑は2個上の先輩でもう大学生なのだが、無理やり家の近い大学選んでもらって(泣き落としした)、毎朝紫苑を叩き起こして一緒に登校。申し訳ない気持ちもあるが、帰りはバラバラで会えないことが多いから、俺の我儘だけれども、押させてもらう。
(朝からイケメンだな…)
「…はよ」
「おはよー!今日もイケメン!大好き!
付き合ってー!」
「いやー」
返事もそこそこに欠伸しながら返される。欠伸姿もイケメンだなんて、不公平だ。
基本的に紫苑は俺が嫌がることはしたことないし、怒ったこともない。のらりくらり何でもないようにこなすし、来るもの拒まず、去るもの追わずみたいな人。
だけど、付き合って欲しいには絶対に頷いてくれたことはない。
そしてこの告白も3年前くらいから定期的に繰り返してる。
そして先週の放課後ーーー
全然待ち合わせしていないが、放課後に紫苑不足で大学にストーカーしにきた。
男女問わず、数人が紫苑にまとわりつきながら移動しているのをみつけた。
ここは押さねば。
「紫苑ー!」
「だれー?この子、高校生じゃん、紫苑の知り合い?弟?」
「佐原凪と申します、どうぞお見知り置きを、紫苑とお出かけしたいので、すみませんが失礼します!」
紫苑はあまりベタベタされるのは好きじゃないはずだ、なんなら潔癖に近いだろう
紫苑に張り付く人たちを引き離し引っ張り出す。
「それではまた今度お願いします」
身を任せる紫苑を連れて小走りで校門を出る
「紫苑大丈夫?触られるの好きじゃないんだろ?何で言わないんだよ」
「うーん、何となく」
気のない返事が返ってくる。
「全くもう、しっかりしてよ!」
消毒スプレーをかける。
どちらが年上か分からない、潔癖だと知っているからこそ、距離を一定に保つ癖が抜けなくて、逆に身体的なアプローチが出来ていない面もある。
だけれど、今日はお風呂上がりにアプローチさせてもらう予定!
数週間前から考えていた作戦なので、昨日の夜からドキドキして全然寝れなかったのだ。
なぜなら今日は、紫苑の20歳の誕生日なのだからーー。
「紫苑ー!そういうことで、誕生日おめでとうー!!」
明日は土曜日。つまり2人とも休み。
ちゃっかり、紫苑の名義で予約した普通のホテルを予約している。
初酒を飲んだ後に、酔っ払った紫苑と良い感じに作戦である。なんとも卑怯な作戦であるが、こうでもしないと今更気まずい感じがした。
ケーキやご飯、プレゼント、3ヶ月ほどのバイト代でなんとか間に合った。
もう恋人じゃないか??
「では!呑んでみてー!」
「ありがとう」
少し酔ったような反応が見えたので、ドキドキであるが襲いたいと思います。
「ねぇねぇ、紫苑チューして良い?」
「えーだめー」
そんな、酔ってても拒否られるなんて、分かってたけどちょっとショック…
「お願いー泣いちゃうー」
「えー1回だけだよ」
お風呂も入りガウンを纏った妖艶な姿の紫苑の上に乗っかる。
「いい?」
「んー」
目をつむって待つ紫苑、やばい、付き合ったらこんな感じになれる…?付き合う前にキスはあり?罪悪感が芽生える前に言っちゃえ!
そっと重ねた唇、これで合ってるのよく分からなくてすぐに離れる。
ちなみに鏡見てないが顔はゆでだこである。
「ハァハァ、気持ちよかった?」
半泣きで返事を待つ。目が合わせられない。
「キス初めて?」
「え?」
後頭部を押さえ込まれ、再び唇が重なり合う。息ができず、口を開けるも舌がいきなり入ってくる。
「ンッ?!あっえ…」
グッと離れようとするもの頭と腰を封じ込まれては身動きがとれない。
「しっお…んン、いっか…い!とメェっ!!」
数分止めてくれない紫苑の身体を叩くが止めてくれる様子がない。酸欠で喘ぐ。
「ぷはっ!!!ハァ!ハァ!」
「かーわい」
フフっと愉快そうな声が聞こえる。何で余裕なんだ…。
最後までするかもと、下の準備も沢山していたのだが、酸欠と緊張で睡魔が襲う。
「寝ちゃ…らめらのに…」
おでこにキスを落とされる、優しく撫でられ安心してしまったのかそこから記憶はない。
ーーー
「おーい、もう朝だぞー…早く出かけるぞ」
「んー?」
紫苑は次の日もまたその次の日もあの日のことは無かったかのような反応を見せる。少しカマをかけるも、
「あの日全然記憶にねぇのな、酒飲んでそこから記憶にない」
と。
なんて事だ、1人で盛り上がって寝落ちして、挙句には忘れられてるなんて。
「そ、そうだよな。結構呑んでたし!あの日大変だったんだからな!!」
「悪りぃな」
少し泣いた。
現在ーーー
と言うことが、あったのだが、よくよく1人になって彼女が出来ていたことと重ね合わせると、俺はなんて最低な人間だ。
あっちからすると近所の弟のような存在から片想いされて、酒の勢いでキスするなんて。気持ち悪かったろう、何で自分勝手にしてしまったのだろうか…
「ごめん、もう付き合ってっていうの終わりにする」
「は?急にどした?」
「おれ!バカだけど!紫苑の役に立てる人間になる!今まで色んなことに付き合ってもらってたことの恩返しできるように頑張る!だから、幼馴染としてこれからもよろしくお願いします!」
「何だそりゃ、好きにしろよ」
無理やり笑顔を作り笑って誤魔化す。
紫苑がキスした記憶がなくて良かった。罪を償いながら俺は大好きな紫苑のために生きていくのも良いかもしれない。俺も紫苑が必要な時だけ何でも叶える何でも屋にでもなろう。
…あの時のキスを糧に。
3ヶ月後ーーー
そうは言っても、俺と紫苑が混じり合う機会なんてものは意図しない限り無理なことを知った。
朝一緒に行くのをやめたら、それっきり一度も紫苑と会わない。辛い、けど、俺からは我儘になるからダメだと、電話もできない。
「うわーん、辛いー」
「うるさい、うざい、だるい」
「えーん、ゆめちゃんがイジメルー」
「おいおい、追い打ちかけるなよ」
「あーん、優男すぎるー」
「あのね、たーちゃんが甘やかすからこんなダメ男になってんのよ」
「えーんえーん」
「うざっ!」
「まぁまぁ、失恋したばっかだから優しくしてあげようよ」
「私だって…報われない片想い中だし…」ボソッ
「え?」
「本当仕方ないやつ、たーちゃんじゃ今日コイツも連れて失恋慰め会しよ」
「仕方ないな」
「わー2人とも大好き、愛すべき親友たち!!」
「あーもう!暑苦しいっての!」
2人をまとめて抱きしめる。
ゆめちゃんとたーちゃんは俺の大親友であり良き相談相手。失恋した経緯を説明すると引いてた。
その日の放課後ーー
ファミレスで語り明かし、遅くなったのでゆめちゃんを送って帰る。
「あーあ、アンタじゃなくて、たーちゃんに送ってもらいたかったぁ」
「仕方ねーだろ、あいつバイトだったんだから、さっさと告ってフラれちゃえ!」
「そんなバカするわけないでしょ!たーちゃんには恋人いるし」
「うう、俺たちとっても切ないねー」
「浮気未遂と一緒にされたくありませーん」
「ひでぇ!!」
あーだこーだ喧嘩しながら帰路に着く。
じゃあなと言おうと立ち止まると、ゆめちゃんが何かに気づくように、振り返る。
「?、何かいる?」
「…!…ちょっと!アンタ我慢しなさい」
「え?なに…?」
顔と顔が重なりかける。驚くも恋愛感情ないことを知ってるので、言われた通りに身を委ねる。
少し経ってから、スッとゆめちゃんが身を引く。
「もう駅だから、じゃあね、うまいこと行くと良いね」
「???じゃあね?ありがとう?」
不思議に思うが見送り、さて帰ろうと振り向くと振り向いた先に紫苑が立っていた。
「あ、あれ?紫苑!!久しぶり…」
今のが見られたのかどうか分からないけれど、これはなんとも言えない状況でドギマギしてしまう。
「凪、もう別の恋人見つけたの?」
「え?…いや!いやいや!ち、違うから!誤解だよ」
ことの経緯を説明するが、なんとも情けない浮気者の言い訳みたいだ。
「し、紫苑こそなにしてなの?バイト終わり?」
「まぁな」
「そっか…、い、一緒に帰ろうよ」
「いや、おれ、今一人暮らしだから」
「えー!!!いつの間に!だから会わなかったのか」
「会いたかったの」
「お、おれは別に…あ、いや、幼馴染として!会いたいもんだろ!」
「ふーん、俺も別に、じゃ」
スッと別方向に去ろうとする紫苑に、咄嗟に服を掴んでしまった。
「あの、ごめんなさい…俺は…本当は会いたかった」
勝手に涙が溜まってしまう。
「ほっんとは、好きになってもらいたかったし、会えないと辛い、し、ずっと一緒に居たよう、しーちゃぁん」「ヒックヒック」
ずっと我慢してた、泣かないって、泣いたら全部許してくれるのが、しーちゃんだから。そして、しーちゃんと呼ばれると紫苑は弱いことも知っている。
「おい、まじか、泣くなよ、俺が弱いの知ってるだろそれ」
「う、うん、ヒック、ごめ、なさい…。もう少しッ、したら止まるから、バイバイ」
弱いとこつくのは卑怯だ、でも限界だった。久しぶりに会うと十数年の愛おしさが溢れ出してしまった。触れなければ、ここまでキツくなかったかもしれない。
「俺の部屋においで」
「め、めいわくっだから、、お家かえる、ヒック」
止まるのを知らない涙が溢れ出す。
来た道を戻ろうと振り返るも、
視界がぼやける、そしてなんか体浮いてるんだが。
「えっ!しーちゃん??!」
「もう観念した、認める、俺も好き」
「え?!ゆめ?!天国?俺死んじゃった…?」
「現実、そして今からお前は身も心も愛される」
「えっ!!!!!」
「親に連絡だけしとけ、今日泊まってくるて」
「あ、はい」
ぼんやりした頭で何が何だか分からなくなる。俺は抱っこされて、向かう先はしーちゃんの一人暮らしの家?
「で、でも俺今日準備してな、い」
「ふーん、抱かれたいんだ?」
「だっ、だってシチュエーションが、えっちいんだもん」
期待してるのバレて恥ずかしすぎる。
「今日は気持ちいいことだけな」
耳元でボソリと告げられる。
今日はその言葉だけで浮き足立つ。
「しーちゃん、ごめんなさい、俺いつも我儘ばかり、俺とえっちぃなこと嫌って言ってたのに…」
「お前の気の迷いかもしんねぇと思って、我慢してたの、せめて大学生になってからと思ってたんだけどなぁ、嫉妬しちまうなー」
「う、嘘だ!全然そんなそぶりなかった!」
「無にしてたからな、酔った時は流石にやばかったな、キスで踏みとどまって偉すぎた」
「記憶あるのかよ!!うわぁ恥ずかしすぎる!!」
顔を覆って、穴に埋まりたい気持ちを耐える。
「凪」
「へ?んんっ!!」
お姫様抱っこのまま顔を上げるとキスをされる。
「これから、もっと恥ずかしいことするから大丈夫」
なんて事言うんだー!顔は沸騰しております。
押しても押してもダメなので引いてみましたら、すぐに捕まえてくれました。
ーーー
彼女とか全然嘘です。
ちなみに、ゆめちゃん、たーちゃんは元々惚気話を聞かされており、紫苑の顔は嫌と言うほど見せつけられており、顔をしっかり覚えてます。そして、スマホ画面もバッチリ紫苑です。
end
「やだよ、ダル絡みすんなって」
「本気なんだけどー?フラれたってことになるんですかー?」
「そーいうこと、てか俺彼女いるし」
「え?」
流石の俺もグサっときましたよ、それはないじゃないですか、紫苑さん。
「言ってなかったけ?先週から付き合ってる」
まじかよ、先週の俺の色仕掛けも反応しなかったのって、浮気みたいなもんだから?
めっちゃキスしちゃいましたやん、男同士だから良いってか。
紫苑の一言でぽきっと折れた。
もう押すのやめます
押しても押してもダメそうなので引くことにします
先週ーーーー
「いつになったら付き合ってくれんのー?」
「うるせーな、付き合わねぇって」
「そんなぁ」
紫苑と俺はマンションのお隣さん同士。年も比較的近くて、親同士が意気投合、強制的に遊ばされ、今では俺の愛しの人。イケメンで何でもできて、尊敬できる相手。正直高望みな相手なのだが、愛してしまっては仕方ない。
紫苑は2個上の先輩でもう大学生なのだが、無理やり家の近い大学選んでもらって(泣き落としした)、毎朝紫苑を叩き起こして一緒に登校。申し訳ない気持ちもあるが、帰りはバラバラで会えないことが多いから、俺の我儘だけれども、押させてもらう。
(朝からイケメンだな…)
「…はよ」
「おはよー!今日もイケメン!大好き!
付き合ってー!」
「いやー」
返事もそこそこに欠伸しながら返される。欠伸姿もイケメンだなんて、不公平だ。
基本的に紫苑は俺が嫌がることはしたことないし、怒ったこともない。のらりくらり何でもないようにこなすし、来るもの拒まず、去るもの追わずみたいな人。
だけど、付き合って欲しいには絶対に頷いてくれたことはない。
そしてこの告白も3年前くらいから定期的に繰り返してる。
そして先週の放課後ーーー
全然待ち合わせしていないが、放課後に紫苑不足で大学にストーカーしにきた。
男女問わず、数人が紫苑にまとわりつきながら移動しているのをみつけた。
ここは押さねば。
「紫苑ー!」
「だれー?この子、高校生じゃん、紫苑の知り合い?弟?」
「佐原凪と申します、どうぞお見知り置きを、紫苑とお出かけしたいので、すみませんが失礼します!」
紫苑はあまりベタベタされるのは好きじゃないはずだ、なんなら潔癖に近いだろう
紫苑に張り付く人たちを引き離し引っ張り出す。
「それではまた今度お願いします」
身を任せる紫苑を連れて小走りで校門を出る
「紫苑大丈夫?触られるの好きじゃないんだろ?何で言わないんだよ」
「うーん、何となく」
気のない返事が返ってくる。
「全くもう、しっかりしてよ!」
消毒スプレーをかける。
どちらが年上か分からない、潔癖だと知っているからこそ、距離を一定に保つ癖が抜けなくて、逆に身体的なアプローチが出来ていない面もある。
だけれど、今日はお風呂上がりにアプローチさせてもらう予定!
数週間前から考えていた作戦なので、昨日の夜からドキドキして全然寝れなかったのだ。
なぜなら今日は、紫苑の20歳の誕生日なのだからーー。
「紫苑ー!そういうことで、誕生日おめでとうー!!」
明日は土曜日。つまり2人とも休み。
ちゃっかり、紫苑の名義で予約した普通のホテルを予約している。
初酒を飲んだ後に、酔っ払った紫苑と良い感じに作戦である。なんとも卑怯な作戦であるが、こうでもしないと今更気まずい感じがした。
ケーキやご飯、プレゼント、3ヶ月ほどのバイト代でなんとか間に合った。
もう恋人じゃないか??
「では!呑んでみてー!」
「ありがとう」
少し酔ったような反応が見えたので、ドキドキであるが襲いたいと思います。
「ねぇねぇ、紫苑チューして良い?」
「えーだめー」
そんな、酔ってても拒否られるなんて、分かってたけどちょっとショック…
「お願いー泣いちゃうー」
「えー1回だけだよ」
お風呂も入りガウンを纏った妖艶な姿の紫苑の上に乗っかる。
「いい?」
「んー」
目をつむって待つ紫苑、やばい、付き合ったらこんな感じになれる…?付き合う前にキスはあり?罪悪感が芽生える前に言っちゃえ!
そっと重ねた唇、これで合ってるのよく分からなくてすぐに離れる。
ちなみに鏡見てないが顔はゆでだこである。
「ハァハァ、気持ちよかった?」
半泣きで返事を待つ。目が合わせられない。
「キス初めて?」
「え?」
後頭部を押さえ込まれ、再び唇が重なり合う。息ができず、口を開けるも舌がいきなり入ってくる。
「ンッ?!あっえ…」
グッと離れようとするもの頭と腰を封じ込まれては身動きがとれない。
「しっお…んン、いっか…い!とメェっ!!」
数分止めてくれない紫苑の身体を叩くが止めてくれる様子がない。酸欠で喘ぐ。
「ぷはっ!!!ハァ!ハァ!」
「かーわい」
フフっと愉快そうな声が聞こえる。何で余裕なんだ…。
最後までするかもと、下の準備も沢山していたのだが、酸欠と緊張で睡魔が襲う。
「寝ちゃ…らめらのに…」
おでこにキスを落とされる、優しく撫でられ安心してしまったのかそこから記憶はない。
ーーー
「おーい、もう朝だぞー…早く出かけるぞ」
「んー?」
紫苑は次の日もまたその次の日もあの日のことは無かったかのような反応を見せる。少しカマをかけるも、
「あの日全然記憶にねぇのな、酒飲んでそこから記憶にない」
と。
なんて事だ、1人で盛り上がって寝落ちして、挙句には忘れられてるなんて。
「そ、そうだよな。結構呑んでたし!あの日大変だったんだからな!!」
「悪りぃな」
少し泣いた。
現在ーーー
と言うことが、あったのだが、よくよく1人になって彼女が出来ていたことと重ね合わせると、俺はなんて最低な人間だ。
あっちからすると近所の弟のような存在から片想いされて、酒の勢いでキスするなんて。気持ち悪かったろう、何で自分勝手にしてしまったのだろうか…
「ごめん、もう付き合ってっていうの終わりにする」
「は?急にどした?」
「おれ!バカだけど!紫苑の役に立てる人間になる!今まで色んなことに付き合ってもらってたことの恩返しできるように頑張る!だから、幼馴染としてこれからもよろしくお願いします!」
「何だそりゃ、好きにしろよ」
無理やり笑顔を作り笑って誤魔化す。
紫苑がキスした記憶がなくて良かった。罪を償いながら俺は大好きな紫苑のために生きていくのも良いかもしれない。俺も紫苑が必要な時だけ何でも叶える何でも屋にでもなろう。
…あの時のキスを糧に。
3ヶ月後ーーー
そうは言っても、俺と紫苑が混じり合う機会なんてものは意図しない限り無理なことを知った。
朝一緒に行くのをやめたら、それっきり一度も紫苑と会わない。辛い、けど、俺からは我儘になるからダメだと、電話もできない。
「うわーん、辛いー」
「うるさい、うざい、だるい」
「えーん、ゆめちゃんがイジメルー」
「おいおい、追い打ちかけるなよ」
「あーん、優男すぎるー」
「あのね、たーちゃんが甘やかすからこんなダメ男になってんのよ」
「えーんえーん」
「うざっ!」
「まぁまぁ、失恋したばっかだから優しくしてあげようよ」
「私だって…報われない片想い中だし…」ボソッ
「え?」
「本当仕方ないやつ、たーちゃんじゃ今日コイツも連れて失恋慰め会しよ」
「仕方ないな」
「わー2人とも大好き、愛すべき親友たち!!」
「あーもう!暑苦しいっての!」
2人をまとめて抱きしめる。
ゆめちゃんとたーちゃんは俺の大親友であり良き相談相手。失恋した経緯を説明すると引いてた。
その日の放課後ーー
ファミレスで語り明かし、遅くなったのでゆめちゃんを送って帰る。
「あーあ、アンタじゃなくて、たーちゃんに送ってもらいたかったぁ」
「仕方ねーだろ、あいつバイトだったんだから、さっさと告ってフラれちゃえ!」
「そんなバカするわけないでしょ!たーちゃんには恋人いるし」
「うう、俺たちとっても切ないねー」
「浮気未遂と一緒にされたくありませーん」
「ひでぇ!!」
あーだこーだ喧嘩しながら帰路に着く。
じゃあなと言おうと立ち止まると、ゆめちゃんが何かに気づくように、振り返る。
「?、何かいる?」
「…!…ちょっと!アンタ我慢しなさい」
「え?なに…?」
顔と顔が重なりかける。驚くも恋愛感情ないことを知ってるので、言われた通りに身を委ねる。
少し経ってから、スッとゆめちゃんが身を引く。
「もう駅だから、じゃあね、うまいこと行くと良いね」
「???じゃあね?ありがとう?」
不思議に思うが見送り、さて帰ろうと振り向くと振り向いた先に紫苑が立っていた。
「あ、あれ?紫苑!!久しぶり…」
今のが見られたのかどうか分からないけれど、これはなんとも言えない状況でドギマギしてしまう。
「凪、もう別の恋人見つけたの?」
「え?…いや!いやいや!ち、違うから!誤解だよ」
ことの経緯を説明するが、なんとも情けない浮気者の言い訳みたいだ。
「し、紫苑こそなにしてなの?バイト終わり?」
「まぁな」
「そっか…、い、一緒に帰ろうよ」
「いや、おれ、今一人暮らしだから」
「えー!!!いつの間に!だから会わなかったのか」
「会いたかったの」
「お、おれは別に…あ、いや、幼馴染として!会いたいもんだろ!」
「ふーん、俺も別に、じゃ」
スッと別方向に去ろうとする紫苑に、咄嗟に服を掴んでしまった。
「あの、ごめんなさい…俺は…本当は会いたかった」
勝手に涙が溜まってしまう。
「ほっんとは、好きになってもらいたかったし、会えないと辛い、し、ずっと一緒に居たよう、しーちゃぁん」「ヒックヒック」
ずっと我慢してた、泣かないって、泣いたら全部許してくれるのが、しーちゃんだから。そして、しーちゃんと呼ばれると紫苑は弱いことも知っている。
「おい、まじか、泣くなよ、俺が弱いの知ってるだろそれ」
「う、うん、ヒック、ごめ、なさい…。もう少しッ、したら止まるから、バイバイ」
弱いとこつくのは卑怯だ、でも限界だった。久しぶりに会うと十数年の愛おしさが溢れ出してしまった。触れなければ、ここまでキツくなかったかもしれない。
「俺の部屋においで」
「め、めいわくっだから、、お家かえる、ヒック」
止まるのを知らない涙が溢れ出す。
来た道を戻ろうと振り返るも、
視界がぼやける、そしてなんか体浮いてるんだが。
「えっ!しーちゃん??!」
「もう観念した、認める、俺も好き」
「え?!ゆめ?!天国?俺死んじゃった…?」
「現実、そして今からお前は身も心も愛される」
「えっ!!!!!」
「親に連絡だけしとけ、今日泊まってくるて」
「あ、はい」
ぼんやりした頭で何が何だか分からなくなる。俺は抱っこされて、向かう先はしーちゃんの一人暮らしの家?
「で、でも俺今日準備してな、い」
「ふーん、抱かれたいんだ?」
「だっ、だってシチュエーションが、えっちいんだもん」
期待してるのバレて恥ずかしすぎる。
「今日は気持ちいいことだけな」
耳元でボソリと告げられる。
今日はその言葉だけで浮き足立つ。
「しーちゃん、ごめんなさい、俺いつも我儘ばかり、俺とえっちぃなこと嫌って言ってたのに…」
「お前の気の迷いかもしんねぇと思って、我慢してたの、せめて大学生になってからと思ってたんだけどなぁ、嫉妬しちまうなー」
「う、嘘だ!全然そんなそぶりなかった!」
「無にしてたからな、酔った時は流石にやばかったな、キスで踏みとどまって偉すぎた」
「記憶あるのかよ!!うわぁ恥ずかしすぎる!!」
顔を覆って、穴に埋まりたい気持ちを耐える。
「凪」
「へ?んんっ!!」
お姫様抱っこのまま顔を上げるとキスをされる。
「これから、もっと恥ずかしいことするから大丈夫」
なんて事言うんだー!顔は沸騰しております。
押しても押してもダメなので引いてみましたら、すぐに捕まえてくれました。
ーーー
彼女とか全然嘘です。
ちなみに、ゆめちゃん、たーちゃんは元々惚気話を聞かされており、紫苑の顔は嫌と言うほど見せつけられており、顔をしっかり覚えてます。そして、スマホ画面もバッチリ紫苑です。
end
26
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
振られた腹いせに別の男と付き合ったらそいつに本気になってしまった話
雨宮里玖
BL
「好きな人が出来たから別れたい」と恋人の翔に突然言われてしまった諒平。
諒平は別れたくないと引き止めようとするが翔は諒平に最初で最後のキスをした後、去ってしまった。
実は翔には諒平に隠している事実があり——。
諒平(20)攻め。大学生。
翔(20) 受け。大学生。
慶介(21)翔と同じサークルの友人。
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる