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【子育て編1】
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手のひらサイズだった雛のスズは、少しずつ大きくなって今や人間の赤ん坊サイズになっている。
受付でヒナとスズが待ち受けているので、客は、
「とうとうコトリが雛産んだ!」
と勘違いすること多々。
「ちがいますよー。僕はコトリの弟のヒナです。こっちは僕の雛のスズ」
「あ、そうなんだ」
「きゃきゃ」
一見するとよく似たヒナとコトリだが、よく見るとヒナはコトリより大人しくおっとりしている。眉の位置を見ればヒナかコトリか分かる……などと社員に言われているほどだった。
しかし、あるときコトリが眉を下げていて、
「どうしたんじゃヒナ。悲しそうな顔して」
「コトリだ!」
「コトリだったか。どうしたぃ?」
「……ない」
「ん?」
「結婚して半年もするのに雛できない!」
ああ、とラズウェルは納得した。
「あれじゃろ。どうせジークエンドが怖気づいて手ぇ出してないんじゃろ」
「手?」
「ほれな」
「はー? あいつ、まだ手ぇ出してないのかよ!」
サツキまで憤慨しはじめた。どうやらコトリに雛が出来ないのはジークエンドのせいらしい。
ぷんすこしながら受付時間が終わってオフィスで仕事をしているヒナの元へ行く。
「雛が出来ないのはジークエンドが手出さないからだって」
「えっ……結婚したのに何もしてなかったの?」
「ぴぃあっ」
コトリとヒナを見比べるスズ。コトリとヒナが会うと毎回これをやる。ママが分裂した、とでも言いたげな顔だ。
「何をすれば雛できる?」
「発情期に好きな人とセックスするんだよ」
他の者が言いにくいことを言うヒナ。
また、同じバーレルセルなので生理現象を分かってやれるという強みもあった。
「せっくす?」
「排出口に男性器を挿れて精子を出してもらうの」
そこまで言うのかよ、と聞いている社員、ひやひやする。いくらなんでもオフィスではご遠慮願いたかった。
「排出口に……だんせーき」
ぽかんとするコトリ。想像がつかないらしい。
「まさかジークエンドさん、やり方が分からないってことはないだろうから。次の発情期になったら、雛を産みたいって夜に言ってみて」
「わかった!」
「ぴあ!」
コトリと一緒にスズも返事する。可愛い。
「ジークエンド! お前初夜まだって?」
オフィスに入るなりサツキに怒鳴られ、ジークエンドが目を見開いていた。他の社員からも「お前なにやってんだよ」「親父気分も大概にしろっつの」と非難轟々。
「いや……前の発情期の時、スズの世話だけで一杯一杯だったろう。あれで雛が増えたらどうなるんだと思ったんだ」
確かに、スズが大きくなるまでは大変だった。
スズは体温が下がりやすく、風邪をひきやすかった。よくお腹も壊したし、食べるのを嫌がったりもした。社長とヒナとコトリとジークエンドは交代でスズの面倒を24時間つきっきりで見たものだ。
雛を増やすどころか、セックスをする暇もなかったという事情もあった。
「………もしかしてあの人が会いに来なかったのって、来なかったというより来れなかったからなのかなって」
置いてきてしまったヒナの父親についてヒナが呟く。だとしたらちょっと可哀想なことをしてしまったような。
もっとも、あの男が研究の一環でヒナを犯したのは事実で、発情期を迎えるまでヒナを逃がそうともしなかったのも事実。同情の余地はあまりない。
「そういう訳なので、次の発情期には……」
とジークエンドは頬を染めた。
コトリもこれには舞い上がった。次の発情期には自分とジークエンドの雛ができる、と。
「ジーク、発情期きた!」
叫びながら廊下を走るもので、社員がぎょっとコトリを見る。ジークエンドは真っ赤になってコトリを抱きとめ、
「そういうことは大声で言わない」
コトリを叱った。
「で、どうすればいいか? せっくすとかいうのするんだろ」
「う……そうだ、な。そうだが、廊下でそういう話をするもんじゃない」
コトリの肩を抱いてそそくさと部屋に入った。背後から社員が口笛を吹く。
「コトリ、いいんだな」
両肩を掴んでジークエンドが言う。思いつめた表情だ。
「前のようには戻れなくなる」
「結婚までしたのに今更何を言ってるのか分からない」
「ぐっ、そ、そうだが!」
「排出口にだんせーきを挿れるってほんとか」
「そこまで知ってるんじゃないか!」
しかし、ここまでよく分かっていなかったコトリ。キスをされてようやく、
(えっちなことなんだ!)
と理解する。
「………」
キスをして、自棄になった顔のジークエンド。ぽかんとするコトリ。
「ほら、分かってるようで分かってない」
「そ、そうかも?」
「お前の言うところのえっちなことをするんだ」
「えっちなこと!」
ぽん、とコトリの頬も赤くそまる。
「………」
「……………」
二人して部屋の中でもじもじし始める。
「お……お前が分かっていないのに結婚しようと言ったのは、間違いだったかもしれない」
「そっそんなこと、ないっ」
「せめて分からせてから結婚すべきだったというか……」
「コトリ、ジークとえっちなこと、したいっ」
ぎゅうと抱きついて強請った。本当はずっとしたかったのだ。発情期になるたびに、いや、発情期でなくとも。だが、恥ずかしいことだと思っていたので言い出せなかった。ジークエンドのほうにえっちな気持ちがなかったら、とも。
「コトリと結婚したってことは、コトリとえっちなことしたいと思ったんだろ」
「う………」
「だったらして! それでジークの雛を産むんだ!」
「……わかった」
きゅっと覚悟を決めた顔で、ジークエンドはコトリの髪を撫でる。そうしてもう一度そっとキスをし、コトリの服に手をかけ……
「えっ、脱ぐ?」
「なんだと思ってるんだ! だから……っ、裸になって、排出口にだ、男性器を挿れるんだ」
「裸に! ジークもか!?」
「あ、ああ」
「ひゃー!」
恥ずかしくなって顔を覆う。そうしている間にジークエンドがコートと上着を脱ぎ、シャツ姿になった。
「ほらコトリも」
「ひゃー……」
もうシャツ姿だけでえっちに見える。コトリも服をもたもた脱ぎ、肌着一枚になる。
「下も!? 下も脱ぐのかっ」
「下も脱がないとできない……」
「ひゃー!」
「まったく」
そろそろジークエンドも苦笑して、コトリを広いベッドに押し倒した。えっちだ! 破廉恥だ! ひゃあー!
シャツ姿のジークエンドは、コトリの頬や額にキスをしながら、肌着の中に手を差し入れた。
「ひゃあくすぐったい」
身を丸めようにもジークエンドの体が乗っているので儘ならない。ジークエンドが撫でる間、ずっとくすぐったさを我慢しなければならなかった。
「ひゃっ」
乳首をきゅうと摘まれて身が跳ねる。これは前にもされた。ここはちりっとするのだ、ちりっと。
ジークエンドは肌着をたくしあげ、胸元にも唇を落とす。えっちすぎる。もう見ていられなくて目をぎゅっと閉じた。
「いっそ目を閉じたままのほうがいい。もっと恥ずかしくなるぞ」
「これ以上!?」
「………」
「あっ」
ジークエンドがずるっと下着ごと下履きを下ろす感覚がある。本格的に目を開けられなくなってきた。外気に触れて震えるコトリのせーきを、ぬるりとしたものが含む。
「えっ、なに」
思わず目を開けると、ジークエンドが、せーきを口にしていた。
「やっ、どうして……んぅっ」
せーきをちゅると吸われてコトリは唇を噛む。触られた時もびっくりしたものだが、そこを口に含むなど。こんなえっちなことがあっていいのか!?
恥ずかしさと同じくらいの量、気持ちが良かった。ジークエンドの口は熱くてぬめぬめしていて、舌が生き物のように性器に絡む。
「んっ、ふ……ふぁっ」
すぐにじわりと精液を漏らす感覚がして、達してしまった。
「はあ、うう」
「大丈夫か、コトリ。駄目になったりしてないか」
「ま、まだつづきある?」
「これからが本番で、もっと恥ずかしくなる」
ジークエンドも乙女のように頬を染め、一度ベッドから降りてからシャツと下をすべて脱いだ。ジークエンドの裸……! 鼻血が出そうだ。ぎゅっと引き締まった細い身で、そしてだんせーきが、大変なことになっている。おっきぃ。
「コトリ……本当にいいな」
「う、うん」
きゅっと眉に力を入れる。どんなに恥ずかしいことでも、大丈夫。ジークエンドの雛の産むために、がんばる!
ジークエンドは窓際に置いてあった謎のボトルを手にとった。おしゃれなラベルのボトルで、何のボトルだろうといつも不思議に思ってはいたのだが。
「潤滑剤だ。コトリの卵が詰まった時のためにも準備しておいた」
「潤滑剤……それ使ったことあるけど、始末がけっこう大変でいつもオイルにしてた」
「………せ、セックスするときは、こっちのほうがいいんだ」
相変わらず恥じらい方の可愛い男だ。きゅんきゅんする。
ジークエンドはボトルの中身を手に取り、両手であたため、その手をコトリの股座に当てた。
「ひゃあう!?」
「だ、大丈夫か」
「ちょ、ちょっと驚いただけ、へいき」
ジークエンドは暫く、股座や尻の割れ目をぬるぬるした手で撫で回していた。コトリが少しなれて力を抜くころ、指が、つぷりと排出口に入る。
「んっ」
「痛いか?」
「だ……だいじょぶ。そこにだんせーき、入るか?」
「入る……大丈夫だ。少し小さいゲルで慣らすかな」
「ひゃ」
ジークエンドの出したゲルがぬるんと排出口に入り、ぬめりを足していくように出入りする。ジークエンドもボトルの中身を足すようにコトリの股に垂らした。
ゲルが、ぬるぬる何度も入ってきて、それが、それが……
「あ、う……へんな、かんじぃ」
「少しずつゲルを大きくしている。もうだいぶ拡がってるぞ」
「そう、なのか」
自分では見えない位置なので不安になる。
「後ろからのほうが楽だと思うが……どうする?」
「ジークの顔見てたい」
「そうか……挿れるぞ?」
「う、うん。あっ」
ゲルがぬるんと這い出た。その瞬間にコトリを襲ったじわんとした感覚は、確かに快感で。
「あ……う、あうっ、あうん」
だんせーきを押し付けられ、ぬぐぬぐ入り込む感覚も、快感だった。
というか、この感覚。はじめてではない。
(あれ、あのとき入ってたの、だんせーきだったんだ!)
ジークエンドが夢見屋とかいう店に通っていたときの、おかしなジークエンドのしていたことは、セックスだったのだ。初めてではなかった。あのときは後ろからだったから、何をされているのか分からなかったが。
「ふ……あ、ぅ」
「つらいか?」
「平気、だ。きもちぃ」
「そうか」
ほっとしたようにジークエンドは微笑み、コトリにキスをする。その口、さっきコトリのせーきちゅうちゅうしてなかったっけ? と無粋なことを思いながら。
「ふっ、あ……ああ、ああっ!?」
ジークエンドが腰を動かしはじめ、コトリはびくびくと手足を縮こまらせる。
ゲルに解された排出口はさほど苦もなくジークエンドのだんせーきを飲み込み、ぬるぬるの潤滑剤が出し入れのたびにくちゃくちゃと音をさせた。
(えっちだ!!)
訳もわからずえっちだ、とコトリは思った。思ったが、次の瞬間にはもうそれどころではなくて。
「あっあ、あう、あうう」
だんせーきの頭が、卵巣のあたりを撫でるように動く。出入りしたり、揺らされたり、突かれたり。気持ちがよすぎて目がちかちかした。口からは涎が垂れるし、鼻水だって出たかもしれない。涙も出る。気持ちいい、以外のことを考えられない。
「ふっ、ぅ……」
ジークエンドの偶につく吐息も非常にえっちできゅんきゅんする。少し伏せた目。色っぽい顔。よく考えると、口に含まれただけでせーきがあれほど気持ちよくなるのだから、
「じーく、もきもち、い?」
尋ねると、ジークエンドは「ああ」と優しく微笑んだ。
「コトリの中はあたたかくて、気持ちいいぞ」
「そっか……あ、ん」
二回目の絶頂はゆるやかで、せーきから汁は漏れなかった。奥にじわと何かが広がる感覚。
「こ……これで。ふぅ。雛が生まれる、かも」
「ほんとか!」
「絶対ではないからな?」
「そうなのか……」
「出来るときと、出来ない時がある。発情期だから出来やすいとは思うんだが、バーレルセルの生態のことは俺にもわからない」
コトリ自身分かっていないのだから、ジークエンドにも分かるはずがない。
受付でヒナとスズが待ち受けているので、客は、
「とうとうコトリが雛産んだ!」
と勘違いすること多々。
「ちがいますよー。僕はコトリの弟のヒナです。こっちは僕の雛のスズ」
「あ、そうなんだ」
「きゃきゃ」
一見するとよく似たヒナとコトリだが、よく見るとヒナはコトリより大人しくおっとりしている。眉の位置を見ればヒナかコトリか分かる……などと社員に言われているほどだった。
しかし、あるときコトリが眉を下げていて、
「どうしたんじゃヒナ。悲しそうな顔して」
「コトリだ!」
「コトリだったか。どうしたぃ?」
「……ない」
「ん?」
「結婚して半年もするのに雛できない!」
ああ、とラズウェルは納得した。
「あれじゃろ。どうせジークエンドが怖気づいて手ぇ出してないんじゃろ」
「手?」
「ほれな」
「はー? あいつ、まだ手ぇ出してないのかよ!」
サツキまで憤慨しはじめた。どうやらコトリに雛が出来ないのはジークエンドのせいらしい。
ぷんすこしながら受付時間が終わってオフィスで仕事をしているヒナの元へ行く。
「雛が出来ないのはジークエンドが手出さないからだって」
「えっ……結婚したのに何もしてなかったの?」
「ぴぃあっ」
コトリとヒナを見比べるスズ。コトリとヒナが会うと毎回これをやる。ママが分裂した、とでも言いたげな顔だ。
「何をすれば雛できる?」
「発情期に好きな人とセックスするんだよ」
他の者が言いにくいことを言うヒナ。
また、同じバーレルセルなので生理現象を分かってやれるという強みもあった。
「せっくす?」
「排出口に男性器を挿れて精子を出してもらうの」
そこまで言うのかよ、と聞いている社員、ひやひやする。いくらなんでもオフィスではご遠慮願いたかった。
「排出口に……だんせーき」
ぽかんとするコトリ。想像がつかないらしい。
「まさかジークエンドさん、やり方が分からないってことはないだろうから。次の発情期になったら、雛を産みたいって夜に言ってみて」
「わかった!」
「ぴあ!」
コトリと一緒にスズも返事する。可愛い。
「ジークエンド! お前初夜まだって?」
オフィスに入るなりサツキに怒鳴られ、ジークエンドが目を見開いていた。他の社員からも「お前なにやってんだよ」「親父気分も大概にしろっつの」と非難轟々。
「いや……前の発情期の時、スズの世話だけで一杯一杯だったろう。あれで雛が増えたらどうなるんだと思ったんだ」
確かに、スズが大きくなるまでは大変だった。
スズは体温が下がりやすく、風邪をひきやすかった。よくお腹も壊したし、食べるのを嫌がったりもした。社長とヒナとコトリとジークエンドは交代でスズの面倒を24時間つきっきりで見たものだ。
雛を増やすどころか、セックスをする暇もなかったという事情もあった。
「………もしかしてあの人が会いに来なかったのって、来なかったというより来れなかったからなのかなって」
置いてきてしまったヒナの父親についてヒナが呟く。だとしたらちょっと可哀想なことをしてしまったような。
もっとも、あの男が研究の一環でヒナを犯したのは事実で、発情期を迎えるまでヒナを逃がそうともしなかったのも事実。同情の余地はあまりない。
「そういう訳なので、次の発情期には……」
とジークエンドは頬を染めた。
コトリもこれには舞い上がった。次の発情期には自分とジークエンドの雛ができる、と。
「ジーク、発情期きた!」
叫びながら廊下を走るもので、社員がぎょっとコトリを見る。ジークエンドは真っ赤になってコトリを抱きとめ、
「そういうことは大声で言わない」
コトリを叱った。
「で、どうすればいいか? せっくすとかいうのするんだろ」
「う……そうだ、な。そうだが、廊下でそういう話をするもんじゃない」
コトリの肩を抱いてそそくさと部屋に入った。背後から社員が口笛を吹く。
「コトリ、いいんだな」
両肩を掴んでジークエンドが言う。思いつめた表情だ。
「前のようには戻れなくなる」
「結婚までしたのに今更何を言ってるのか分からない」
「ぐっ、そ、そうだが!」
「排出口にだんせーきを挿れるってほんとか」
「そこまで知ってるんじゃないか!」
しかし、ここまでよく分かっていなかったコトリ。キスをされてようやく、
(えっちなことなんだ!)
と理解する。
「………」
キスをして、自棄になった顔のジークエンド。ぽかんとするコトリ。
「ほら、分かってるようで分かってない」
「そ、そうかも?」
「お前の言うところのえっちなことをするんだ」
「えっちなこと!」
ぽん、とコトリの頬も赤くそまる。
「………」
「……………」
二人して部屋の中でもじもじし始める。
「お……お前が分かっていないのに結婚しようと言ったのは、間違いだったかもしれない」
「そっそんなこと、ないっ」
「せめて分からせてから結婚すべきだったというか……」
「コトリ、ジークとえっちなこと、したいっ」
ぎゅうと抱きついて強請った。本当はずっとしたかったのだ。発情期になるたびに、いや、発情期でなくとも。だが、恥ずかしいことだと思っていたので言い出せなかった。ジークエンドのほうにえっちな気持ちがなかったら、とも。
「コトリと結婚したってことは、コトリとえっちなことしたいと思ったんだろ」
「う………」
「だったらして! それでジークの雛を産むんだ!」
「……わかった」
きゅっと覚悟を決めた顔で、ジークエンドはコトリの髪を撫でる。そうしてもう一度そっとキスをし、コトリの服に手をかけ……
「えっ、脱ぐ?」
「なんだと思ってるんだ! だから……っ、裸になって、排出口にだ、男性器を挿れるんだ」
「裸に! ジークもか!?」
「あ、ああ」
「ひゃー!」
恥ずかしくなって顔を覆う。そうしている間にジークエンドがコートと上着を脱ぎ、シャツ姿になった。
「ほらコトリも」
「ひゃー……」
もうシャツ姿だけでえっちに見える。コトリも服をもたもた脱ぎ、肌着一枚になる。
「下も!? 下も脱ぐのかっ」
「下も脱がないとできない……」
「ひゃー!」
「まったく」
そろそろジークエンドも苦笑して、コトリを広いベッドに押し倒した。えっちだ! 破廉恥だ! ひゃあー!
シャツ姿のジークエンドは、コトリの頬や額にキスをしながら、肌着の中に手を差し入れた。
「ひゃあくすぐったい」
身を丸めようにもジークエンドの体が乗っているので儘ならない。ジークエンドが撫でる間、ずっとくすぐったさを我慢しなければならなかった。
「ひゃっ」
乳首をきゅうと摘まれて身が跳ねる。これは前にもされた。ここはちりっとするのだ、ちりっと。
ジークエンドは肌着をたくしあげ、胸元にも唇を落とす。えっちすぎる。もう見ていられなくて目をぎゅっと閉じた。
「いっそ目を閉じたままのほうがいい。もっと恥ずかしくなるぞ」
「これ以上!?」
「………」
「あっ」
ジークエンドがずるっと下着ごと下履きを下ろす感覚がある。本格的に目を開けられなくなってきた。外気に触れて震えるコトリのせーきを、ぬるりとしたものが含む。
「えっ、なに」
思わず目を開けると、ジークエンドが、せーきを口にしていた。
「やっ、どうして……んぅっ」
せーきをちゅると吸われてコトリは唇を噛む。触られた時もびっくりしたものだが、そこを口に含むなど。こんなえっちなことがあっていいのか!?
恥ずかしさと同じくらいの量、気持ちが良かった。ジークエンドの口は熱くてぬめぬめしていて、舌が生き物のように性器に絡む。
「んっ、ふ……ふぁっ」
すぐにじわりと精液を漏らす感覚がして、達してしまった。
「はあ、うう」
「大丈夫か、コトリ。駄目になったりしてないか」
「ま、まだつづきある?」
「これからが本番で、もっと恥ずかしくなる」
ジークエンドも乙女のように頬を染め、一度ベッドから降りてからシャツと下をすべて脱いだ。ジークエンドの裸……! 鼻血が出そうだ。ぎゅっと引き締まった細い身で、そしてだんせーきが、大変なことになっている。おっきぃ。
「コトリ……本当にいいな」
「う、うん」
きゅっと眉に力を入れる。どんなに恥ずかしいことでも、大丈夫。ジークエンドの雛の産むために、がんばる!
ジークエンドは窓際に置いてあった謎のボトルを手にとった。おしゃれなラベルのボトルで、何のボトルだろうといつも不思議に思ってはいたのだが。
「潤滑剤だ。コトリの卵が詰まった時のためにも準備しておいた」
「潤滑剤……それ使ったことあるけど、始末がけっこう大変でいつもオイルにしてた」
「………せ、セックスするときは、こっちのほうがいいんだ」
相変わらず恥じらい方の可愛い男だ。きゅんきゅんする。
ジークエンドはボトルの中身を手に取り、両手であたため、その手をコトリの股座に当てた。
「ひゃあう!?」
「だ、大丈夫か」
「ちょ、ちょっと驚いただけ、へいき」
ジークエンドは暫く、股座や尻の割れ目をぬるぬるした手で撫で回していた。コトリが少しなれて力を抜くころ、指が、つぷりと排出口に入る。
「んっ」
「痛いか?」
「だ……だいじょぶ。そこにだんせーき、入るか?」
「入る……大丈夫だ。少し小さいゲルで慣らすかな」
「ひゃ」
ジークエンドの出したゲルがぬるんと排出口に入り、ぬめりを足していくように出入りする。ジークエンドもボトルの中身を足すようにコトリの股に垂らした。
ゲルが、ぬるぬる何度も入ってきて、それが、それが……
「あ、う……へんな、かんじぃ」
「少しずつゲルを大きくしている。もうだいぶ拡がってるぞ」
「そう、なのか」
自分では見えない位置なので不安になる。
「後ろからのほうが楽だと思うが……どうする?」
「ジークの顔見てたい」
「そうか……挿れるぞ?」
「う、うん。あっ」
ゲルがぬるんと這い出た。その瞬間にコトリを襲ったじわんとした感覚は、確かに快感で。
「あ……う、あうっ、あうん」
だんせーきを押し付けられ、ぬぐぬぐ入り込む感覚も、快感だった。
というか、この感覚。はじめてではない。
(あれ、あのとき入ってたの、だんせーきだったんだ!)
ジークエンドが夢見屋とかいう店に通っていたときの、おかしなジークエンドのしていたことは、セックスだったのだ。初めてではなかった。あのときは後ろからだったから、何をされているのか分からなかったが。
「ふ……あ、ぅ」
「つらいか?」
「平気、だ。きもちぃ」
「そうか」
ほっとしたようにジークエンドは微笑み、コトリにキスをする。その口、さっきコトリのせーきちゅうちゅうしてなかったっけ? と無粋なことを思いながら。
「ふっ、あ……ああ、ああっ!?」
ジークエンドが腰を動かしはじめ、コトリはびくびくと手足を縮こまらせる。
ゲルに解された排出口はさほど苦もなくジークエンドのだんせーきを飲み込み、ぬるぬるの潤滑剤が出し入れのたびにくちゃくちゃと音をさせた。
(えっちだ!!)
訳もわからずえっちだ、とコトリは思った。思ったが、次の瞬間にはもうそれどころではなくて。
「あっあ、あう、あうう」
だんせーきの頭が、卵巣のあたりを撫でるように動く。出入りしたり、揺らされたり、突かれたり。気持ちがよすぎて目がちかちかした。口からは涎が垂れるし、鼻水だって出たかもしれない。涙も出る。気持ちいい、以外のことを考えられない。
「ふっ、ぅ……」
ジークエンドの偶につく吐息も非常にえっちできゅんきゅんする。少し伏せた目。色っぽい顔。よく考えると、口に含まれただけでせーきがあれほど気持ちよくなるのだから、
「じーく、もきもち、い?」
尋ねると、ジークエンドは「ああ」と優しく微笑んだ。
「コトリの中はあたたかくて、気持ちいいぞ」
「そっか……あ、ん」
二回目の絶頂はゆるやかで、せーきから汁は漏れなかった。奥にじわと何かが広がる感覚。
「こ……これで。ふぅ。雛が生まれる、かも」
「ほんとか!」
「絶対ではないからな?」
「そうなのか……」
「出来るときと、出来ない時がある。発情期だから出来やすいとは思うんだが、バーレルセルの生態のことは俺にもわからない」
コトリ自身分かっていないのだから、ジークエンドにも分かるはずがない。
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