147 / 191
剣士の章
135.雌雄
しおりを挟む
何度も何度もクレイに剣戟を叩き込むアルト。正直剣技だけなら決してクレイに遅れなど取らない。
それなのにこんなにも一方的にダメージを受けるのは、クレイの纏う圧倒的な質量の闘気の為。一撃の威力も、防御力も、全てにおいてクレイがアルトを凌駕している。それでもアルトが死なずに戦い続けていられるのは、純粋な剣技と類稀な身体能力と判断力、そして愛剣『黒鳳凰』のお陰だった。
「さっきから気になってたんだけどよ、何でてめぇみてぇなガキが魔剣を持ってやがる?てめぇ一体何者だ?」
「はぁはぁ……お、俺はアルト、人族のアルトだって名乗っただろ……」
「ちっ!このクソガキが!」
クレイの鋭い剣戟がアルトを襲う。一瞬の判断で後方に跳躍して躱すアルトだが、そこでガクッと膝を付いた。避けた筈なのに、太ももを深く斬られている。
「アルトーーッ!!」
「はっ、終わりだなガキ。その傷じゃあもうーーーー」
その時、アルトの全身が光に包まれる。そして光がアルトの中に吸い込まれる様にして消えていき、その次の瞬間にはアルトの全身の傷が治っていた。
「んだぁ!?どういう事だ!?」
ふと見ると、エルマーが銀杖をアルトに向かって振りかざしている。その光景を目の当たりにし、バラクーダとリグリットが驚愕の表情を浮かべた。
「遠距離回復だと!?馬鹿な……そんな事が出来る訳………」
回復魔法とは他の魔法と異なり、必ず術者が相手の身体に手を触れなければならない。故に人族、魔族双方の歴史を紐解いてみても、遠距離で回復魔法を行使した者など皆無である。
「どうやらあの杖の力みたいね。あんな物……一体何処で手に入れたのかしら」
エルマーの遠距離回復が杖の力であると一瞬で見抜くリグリット。長年様々な魔法の研究をして来た彼女にとって、分析はお手の物だ。しかしそんなリグリットにとっても、エルマーの才能には恐ろしさを感じざるを得ない。
(いくら杖の力とは言え……離れた相手に的確に回復魔法を行使するなんて相当な難易度の筈よね………それにあの回復力も今まで見てきた回復魔法とは桁違いだわ)
そもそも魔族の中にあって、回復魔法を扱える者は極端に少ない。それは種族的な特徴で、高い魔力を持って生まれて来る魔族は、その才能のほとんどが攻撃、補助の魔法に集約される。しかし稀に攻撃魔法が使えない代わりに回復魔法を使える者が生まれて来る。エルマーがまさにそうだった。
更にエルマーの場合、通常よりも早い年齢でその魔法の才能を開花させた。そして『赤の核』の力をその身に宿した事で、人族最強の回復魔法の使い手である”聖女”と同等の力を手に入れた。今代の聖女フィリアと違うのは、フィリアは聖女の称号を授かってから回復魔法の修行を始めたが、エルマーは幼い頃より回復魔法の才能を開花させ、長い年月をかけて自身の回復魔法を昇華させて来た。そんな今のエルマー以上の回復術士など、この世界には存在しない。
(エルマーのお陰で信じられないほど身体が楽になった………これならまだまだ戦える!)
アルトが再び素早い動きでクレイに迫る。傷が治ったのでその動きには一切の淀みが無い。
「しぶといんだよクソガキがぁぁぁーーーッ!!」
対してクレイも迎え撃つ。アルトとクレイの激しい戦いが第二幕を上げた。
■■■
とりあえずアルトは回復した。このままつぶさに様子を見て回復をしていれば、すぐに戦線崩壊はしないだろうが、相手は魔王。どんな一撃必殺の攻撃を持っていないとも限らない。
だとすれば、これ以上ここで手を拱いている訳にはいかない。早くバラクーダ、リグリットの二人を撃破してアルトの救援に向かわなくては。しかしそんな簡単な相手ではない事もまた事実。
「えーいっ!うわっ!?」
先ほどからミミリが何とか接近戦に持ち込もうとしているが、その都度バラクーダの攻撃魔法やリグリットの阻害魔法に阻まれて近づけない。特にリグリットの魔法は文献でしか読んだ事の無い魔法や、中には聞いた事も無い魔法を使用してきてエルマーとミミリを翻弄する。これが”魔女”と呼ばれる所以かと、エルマーは心の中で嘆息した。
「ミミリ、先に魔女リグリットを狙ってください。あの手管の多さは脅威です」
先ずはリグリットを何とかしなくてはどうにもならない、エルマーはそう判断して狙いをリグリットに絞ったのだが、それに対してバラクーダは眉間に深いシワを寄せた。
「この俺は眼中に無いとでも言いたいのか?図に乗るなよ小娘がッ!!」
バラクーダの怒りが膨れ上がる。思えばここ数年、バラクーダにとっては思い通りにならない事ばかりだった。
魔王に選ばれたのは攻撃魔法を極めた自分ではなく、魔力が高いだけで何の攻撃力も無いレイゼル。そのレイゼルの元に集う魔族で最強の三人”三魔闘”の座ですら、レイゼルの息子のクレイに奪われた。
ならばとクレイを洗脳し自分の考えを植え付けたのはいいが、そのクレイは脳筋過ぎて全く役に立たなかった。だが何の運命の悪戯か、クレイが魔剣を手に入れ魔王レイゼルを亡き者にする事が出来た。
これは自分の野望を果たす最大の機会が到来したと思いきや、よりにも寄ってその脳筋が次の魔王へと君臨してしまった。
(それでも俺は諦めなかった)
ならば今まで通り洗脳を続け、”三魔闘”の筆頭として裏からクレイを操ってやろうと思った矢先に告げられたのは、筆頭はクレイの妹のリティアになったという事実。
そんな筈は無い、必ず化けの皮を剥いでやると息巻いていたのだが、実際に現れたリティアは自分よりも遥かに高い魔力を持っていた。それだけではない、リティアの従者であるエルマー、ミミリも以前とは比べものにならない程に力を付けていて、さらには見た事もない人族の男はあろう事か、魔王と対峙して未だに生きている。
全てが足元から崩れていく錯覚すら覚えるバラクーダ。長年夢見て来た人族領侵略がすぐ目の前まで来たというのに、そこに現れた脅威。一体何だと言うのか、何故そんな力を持っているのか。
攻撃魔法だけを何年、何十年と研究して来て魔族では並ぶ者など居ない攻撃魔法のエキスパートにまで上り詰めたのに、何故こんな小娘達が自分よりも強い力を有しているのか。
こんな馬鹿な話があるものか。頭の悪い魔王を操り、人族領に侵攻して今までの研究で培った大魔法を気兼ねなく放てる、そんな夢の様な瞬間がすぐ目の前に見えているのに、何故邪魔をするのか。
「俺の邪魔をする奴は全て消し去ってやるッ!!」
バラクーダが手のひらに膨大な魔力を込める。それをすぐ近くで感じたリグリットは目を見開いた。
「まさかこんな所で大魔法を使うつもり!?」
「ああ。俺の魔力を全て込めて、あの小娘共を消し去ってやる」
バラクーダ程の男が全力で魔法を行使すれば、この部屋も無事では済まない。そんな事はバラクーダにも分かっている筈なのに、魔力を手のひらに込めるのを一切やめようとはしなかった。
「玉座の間が崩壊するわよ!?」
「範囲指定するさ。まあ、前方の壁と扉は跡形も無く消し飛ぶだろうがな」
もはや何を言っても無駄だと悟るリグリット。こうなったバラクーダは誰の言う事も聞かない。成り行きを見守る以外になかった。
「うひゃえ!?すっごい魔力を感じるよ!」
ビリビリと肌に突き刺さる様に、バラクーダの魔力を感じるミミリ。そんなミミリの横に立つエルマーは、これからバラクーダが仕掛けて来るであろう魔法に、自分の防御壁が耐えられるかどうかを冷静に分析していた。そしてその結果ーーーーー
(物凄い魔力………きっとわたしの七色障壁でも防ぎきれない)
自称とは言え、伊達に大魔道士を名乗っている訳ではないし、伊達に三魔闘に選ばれた訳でもない。この魔力が物語る様に、裏打ちされた実力があっての三魔闘なのだ。決して軽んじて良い相手ではなかった。
一瞬、リティアの奥の手を此処で出そうかと思うエルマーだったが、何とか思い留まる。あの切り札は対クレイ用だ。此処で見せればクレイ相手には通じなくなる。そして、リティアの切り札無くしてアルトがクレイに勝つ事はおそらく出来ない。
ならば、この場は自分とミミリの二人で切り抜けなければならない。そうしないと、この先の未来は閉ざされてしまうのだ。
「エルマーちゃん………?」
ギュッとミミリの手を握りしめるエルマー。バラクーダにとってもエルマーにとっても、雌雄を決する戦いが始まろうとしていた。
※現在ラストの方を執筆しているのですが、書きたい事が多すぎて思っていたよりも話数が伸びそうです。ですので本日も二話目投稿します。土曜日の長い夜のお供に、少しでもお役に立てれば幸いです。
それなのにこんなにも一方的にダメージを受けるのは、クレイの纏う圧倒的な質量の闘気の為。一撃の威力も、防御力も、全てにおいてクレイがアルトを凌駕している。それでもアルトが死なずに戦い続けていられるのは、純粋な剣技と類稀な身体能力と判断力、そして愛剣『黒鳳凰』のお陰だった。
「さっきから気になってたんだけどよ、何でてめぇみてぇなガキが魔剣を持ってやがる?てめぇ一体何者だ?」
「はぁはぁ……お、俺はアルト、人族のアルトだって名乗っただろ……」
「ちっ!このクソガキが!」
クレイの鋭い剣戟がアルトを襲う。一瞬の判断で後方に跳躍して躱すアルトだが、そこでガクッと膝を付いた。避けた筈なのに、太ももを深く斬られている。
「アルトーーッ!!」
「はっ、終わりだなガキ。その傷じゃあもうーーーー」
その時、アルトの全身が光に包まれる。そして光がアルトの中に吸い込まれる様にして消えていき、その次の瞬間にはアルトの全身の傷が治っていた。
「んだぁ!?どういう事だ!?」
ふと見ると、エルマーが銀杖をアルトに向かって振りかざしている。その光景を目の当たりにし、バラクーダとリグリットが驚愕の表情を浮かべた。
「遠距離回復だと!?馬鹿な……そんな事が出来る訳………」
回復魔法とは他の魔法と異なり、必ず術者が相手の身体に手を触れなければならない。故に人族、魔族双方の歴史を紐解いてみても、遠距離で回復魔法を行使した者など皆無である。
「どうやらあの杖の力みたいね。あんな物……一体何処で手に入れたのかしら」
エルマーの遠距離回復が杖の力であると一瞬で見抜くリグリット。長年様々な魔法の研究をして来た彼女にとって、分析はお手の物だ。しかしそんなリグリットにとっても、エルマーの才能には恐ろしさを感じざるを得ない。
(いくら杖の力とは言え……離れた相手に的確に回復魔法を行使するなんて相当な難易度の筈よね………それにあの回復力も今まで見てきた回復魔法とは桁違いだわ)
そもそも魔族の中にあって、回復魔法を扱える者は極端に少ない。それは種族的な特徴で、高い魔力を持って生まれて来る魔族は、その才能のほとんどが攻撃、補助の魔法に集約される。しかし稀に攻撃魔法が使えない代わりに回復魔法を使える者が生まれて来る。エルマーがまさにそうだった。
更にエルマーの場合、通常よりも早い年齢でその魔法の才能を開花させた。そして『赤の核』の力をその身に宿した事で、人族最強の回復魔法の使い手である”聖女”と同等の力を手に入れた。今代の聖女フィリアと違うのは、フィリアは聖女の称号を授かってから回復魔法の修行を始めたが、エルマーは幼い頃より回復魔法の才能を開花させ、長い年月をかけて自身の回復魔法を昇華させて来た。そんな今のエルマー以上の回復術士など、この世界には存在しない。
(エルマーのお陰で信じられないほど身体が楽になった………これならまだまだ戦える!)
アルトが再び素早い動きでクレイに迫る。傷が治ったのでその動きには一切の淀みが無い。
「しぶといんだよクソガキがぁぁぁーーーッ!!」
対してクレイも迎え撃つ。アルトとクレイの激しい戦いが第二幕を上げた。
■■■
とりあえずアルトは回復した。このままつぶさに様子を見て回復をしていれば、すぐに戦線崩壊はしないだろうが、相手は魔王。どんな一撃必殺の攻撃を持っていないとも限らない。
だとすれば、これ以上ここで手を拱いている訳にはいかない。早くバラクーダ、リグリットの二人を撃破してアルトの救援に向かわなくては。しかしそんな簡単な相手ではない事もまた事実。
「えーいっ!うわっ!?」
先ほどからミミリが何とか接近戦に持ち込もうとしているが、その都度バラクーダの攻撃魔法やリグリットの阻害魔法に阻まれて近づけない。特にリグリットの魔法は文献でしか読んだ事の無い魔法や、中には聞いた事も無い魔法を使用してきてエルマーとミミリを翻弄する。これが”魔女”と呼ばれる所以かと、エルマーは心の中で嘆息した。
「ミミリ、先に魔女リグリットを狙ってください。あの手管の多さは脅威です」
先ずはリグリットを何とかしなくてはどうにもならない、エルマーはそう判断して狙いをリグリットに絞ったのだが、それに対してバラクーダは眉間に深いシワを寄せた。
「この俺は眼中に無いとでも言いたいのか?図に乗るなよ小娘がッ!!」
バラクーダの怒りが膨れ上がる。思えばここ数年、バラクーダにとっては思い通りにならない事ばかりだった。
魔王に選ばれたのは攻撃魔法を極めた自分ではなく、魔力が高いだけで何の攻撃力も無いレイゼル。そのレイゼルの元に集う魔族で最強の三人”三魔闘”の座ですら、レイゼルの息子のクレイに奪われた。
ならばとクレイを洗脳し自分の考えを植え付けたのはいいが、そのクレイは脳筋過ぎて全く役に立たなかった。だが何の運命の悪戯か、クレイが魔剣を手に入れ魔王レイゼルを亡き者にする事が出来た。
これは自分の野望を果たす最大の機会が到来したと思いきや、よりにも寄ってその脳筋が次の魔王へと君臨してしまった。
(それでも俺は諦めなかった)
ならば今まで通り洗脳を続け、”三魔闘”の筆頭として裏からクレイを操ってやろうと思った矢先に告げられたのは、筆頭はクレイの妹のリティアになったという事実。
そんな筈は無い、必ず化けの皮を剥いでやると息巻いていたのだが、実際に現れたリティアは自分よりも遥かに高い魔力を持っていた。それだけではない、リティアの従者であるエルマー、ミミリも以前とは比べものにならない程に力を付けていて、さらには見た事もない人族の男はあろう事か、魔王と対峙して未だに生きている。
全てが足元から崩れていく錯覚すら覚えるバラクーダ。長年夢見て来た人族領侵略がすぐ目の前まで来たというのに、そこに現れた脅威。一体何だと言うのか、何故そんな力を持っているのか。
攻撃魔法だけを何年、何十年と研究して来て魔族では並ぶ者など居ない攻撃魔法のエキスパートにまで上り詰めたのに、何故こんな小娘達が自分よりも強い力を有しているのか。
こんな馬鹿な話があるものか。頭の悪い魔王を操り、人族領に侵攻して今までの研究で培った大魔法を気兼ねなく放てる、そんな夢の様な瞬間がすぐ目の前に見えているのに、何故邪魔をするのか。
「俺の邪魔をする奴は全て消し去ってやるッ!!」
バラクーダが手のひらに膨大な魔力を込める。それをすぐ近くで感じたリグリットは目を見開いた。
「まさかこんな所で大魔法を使うつもり!?」
「ああ。俺の魔力を全て込めて、あの小娘共を消し去ってやる」
バラクーダ程の男が全力で魔法を行使すれば、この部屋も無事では済まない。そんな事はバラクーダにも分かっている筈なのに、魔力を手のひらに込めるのを一切やめようとはしなかった。
「玉座の間が崩壊するわよ!?」
「範囲指定するさ。まあ、前方の壁と扉は跡形も無く消し飛ぶだろうがな」
もはや何を言っても無駄だと悟るリグリット。こうなったバラクーダは誰の言う事も聞かない。成り行きを見守る以外になかった。
「うひゃえ!?すっごい魔力を感じるよ!」
ビリビリと肌に突き刺さる様に、バラクーダの魔力を感じるミミリ。そんなミミリの横に立つエルマーは、これからバラクーダが仕掛けて来るであろう魔法に、自分の防御壁が耐えられるかどうかを冷静に分析していた。そしてその結果ーーーーー
(物凄い魔力………きっとわたしの七色障壁でも防ぎきれない)
自称とは言え、伊達に大魔道士を名乗っている訳ではないし、伊達に三魔闘に選ばれた訳でもない。この魔力が物語る様に、裏打ちされた実力があっての三魔闘なのだ。決して軽んじて良い相手ではなかった。
一瞬、リティアの奥の手を此処で出そうかと思うエルマーだったが、何とか思い留まる。あの切り札は対クレイ用だ。此処で見せればクレイ相手には通じなくなる。そして、リティアの切り札無くしてアルトがクレイに勝つ事はおそらく出来ない。
ならば、この場は自分とミミリの二人で切り抜けなければならない。そうしないと、この先の未来は閉ざされてしまうのだ。
「エルマーちゃん………?」
ギュッとミミリの手を握りしめるエルマー。バラクーダにとってもエルマーにとっても、雌雄を決する戦いが始まろうとしていた。
※現在ラストの方を執筆しているのですが、書きたい事が多すぎて思っていたよりも話数が伸びそうです。ですので本日も二話目投稿します。土曜日の長い夜のお供に、少しでもお役に立てれば幸いです。
0
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?
久野真一
青春
2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。
同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。
社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、
実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。
それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。
「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。
僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。
亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。
あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。
そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。
そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。
夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。
とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。
これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。
そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる