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剣士の章
157.友人
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遂に対峙したアルトとアリオン。魔王と勇者。およそ百五十年に一度の聖戦が、今始まろうとしている。
「死ぬ準備は出来たかい?自称”魔王”のアルト君」
「俺はあんたを倒す。そして人族と魔族が共存する世界への道を照らす」
「まだそんな妄言を……救えないな君は」
アリオンが自身の剣を引き抜く。それは黄金に輝く剣。勇者だけが持つ事を許された、勇者のみが扱える剣『輝天空』。そして剣を抜いた瞬間、闘気を開放する。
「はああぁぁぁーーーッ!!」
それは天へと一直線に伸びる巨大な柱のような闘気。洗練され、絶大な力を感じさせる巨大な闘気。
「あのまま剣王に殺されていれば良かったものを。せめて苦しまないように殺してあげるよ」
「出来るものならやってみろ。勝つのは俺だ」
「そういう生意気な口が気に入らないんだよ!!」
一瞬でアルトとの距離を詰め、斬りかかるアリオン。その一撃は今まで受けたどんな攻撃よりも重く、アルトの剣にのし掛かる。
「はあぁぁ!」
応戦するアルト。レグレスの時同様、その剣戟は誰の目にも追えない。唯一追えているのは剣王レグレスただ一人。
「アルト……アリオン……」
勝てば生き残り、負けた方は死ぬ。この戦いの行く末に二人同時に生き残る未来は無い。必ずどちらかが死ぬのだ。そしてそれはーーーー
そこまで考えて、レグレスは思考を止める。もうレグレスにはどちらが勝つのか分かっている。アリオンに剣を教え、アルトと実際に戦ったレグレスには、どちらの方が強いのか分かっている。
だが戦いとは、終わるまで何が起こるか分からない。このまま予想通り決着が着くか、それとも別の不確定要素で結果が変わるか。
「はああぁぁぁ!!」
「うおおぉぉぉ!!」
互いの闘気がぶつかり合い、戦いが激化してゆく。アリオンの持つ聖剣『輝天空』はアルトの持つ魔剣『黒鳳凰』よりも切れ味、強度共に僅かに優れた剣。しかしアルトはその劣勢を自身の剣技で補っている。
勇者と魔王の戦いは、まさに伝説級の戦いだった。
そんな二人とは別の場所で、もう一方の剣での戦いを繰り広げているのは、剣聖サージャと剣士ミミリ。
「よっ!ほっ!とおっ!」
「変な掛け声ね貴女………」
目にも止まらない激しい剣戟を叩き込むミミリと、それを捌くサージャ。
「むっ!ふっ!しょっ!お姉さん強っ!」
「あら、それはこっちの台詞よ」
ミミリの剣技は決してアルトに引けを取らない。アルト自身、剣技は自分よりミミリの方が上と称している程にミミリの剣技は凄まじい。つまりそれに対応しているサージャもまた、途轍もない剣技の持ち主だという事だ。
商家の生まれであるサージャは『成人の儀』で剣聖の称号を授かるまで、真剣はおろか木剣すら触った事が無い。七歳で学園に入学して八年間剣を振って来たミミリに対して、現在十八歳の彼女が剣を振って来たのは僅か三年。
生まれつき身体能力が高く、性格も活発なサージャは身体を動かす事がとにかく大好きだ。そんな彼女が剣と出会い、剣を振る楽しさに目覚めたのは必然だったのかもしれない。
アルト、アリオン、ミミリ、そしてサージャ。この中で一番剣の才能に恵まれているのは、実はサージャだ。もしも彼女がもっと幼い頃に剣と出会い、剣を振って来たのなら、きっとミミリは既に負けていただろう。
「むむっ……お姉さん手強いから別の手だ」
バックステップでサージャから距離を取るミミリ。もしかしたら罠の可能性もあるので、サージャも深追いせずに様子を見る。
そんなサージャに対して繰り出すのは、ミミリが得意とするあの技。
「ミミリちゃん流剣技・閃空斬!」
ミミリの繰り出した飛ぶ斬撃【閃空斬】がサージャに襲い掛かる。しかしサージャは避ける素振りも見せずに、不敵に笑った。
「あら、貴女も使えるのね飛ぶ斬撃」
そうポツリと呟き、剣を振るう。
「剣技、烈襲斬!」
サージャが横薙ぎに剣を振るうと、ミミリ同様斬撃が前方へと飛び出す。
「いいっ!!?」
そして空中でぶつかり合い、互いの技の威力で相殺される。
「くうっ!ミミリちゃん流剣技・閃空斬四式!!」
途中で斬撃が別れ、四つの斬撃が再びサージャを襲う。しかしサージャは素早く剣を振るうと、同じように複数の斬撃を撃ち放った。
「剣技、烈襲連斬!」
途中で斬撃が別れるミミリの閃空斬四式と違い、連続して四撃の技を放つサージャ。一撃の威力はこちらの方が高く、ミミリの閃空斬四式を消滅させながら、更にミミリに迫る。
「ヤバっ!」
急いで再び四式を繰り出すミミリだが、既にサージャは追い打ちとなる一撃を放っていた。身体を一回転させ、剣に遠心力を乗せた、強力な一撃。
「奥義、烈襲斬・真!」
ミミリが先の烈襲連斬を相殺した時には、サージャの放った烈襲斬・真がミミリの近くまで迫っていた。
「うわわっ!!」
何とか技を繰り出そうとするが、とても間に合わない。せめてダメージを最小限に抑えようと剣を構え防御に徹したその時、ミミリの目の前に七色に輝く光の壁が現れた。
「七色障壁」
サージャの放った烈襲斬・真が、エルマーの作り出した七色障壁にぶつかり、そのまま消える。七色障壁も烈襲斬・真の威力で相殺され、音もなく消え去った。
「烈襲斬・真が相殺された!?」
「うっ……一撃で七色障壁を壊すなんて……」
お互い、自分の技と魔法が相殺された事が信じられないといった面持ちだ。
サージャは自分の技の攻撃力に自信を持っていたし、エルマーも多くの危機を救って来た七色障壁の防御力に自信を持っていた。
「サージャさん!」
サージャの元へと駆け寄るフィリア。急いで彼女に怪我が無いかを確かめる。
「ありがとうフィリア。怪我は無いわ」
「そうですか……良かった」
「でもあの娘、わたしよりも動きが早いみたい。補助魔法掛けてくれるかしら?」
「分かりましたわ」
フィリアがサージャの肩に手を置く。そして魔法を唱える。
「筋力高上昇」
サージャの全身の筋力を上昇させる。更にーーー
「光障壁」
サージャの身体が光に包まれる。身体に直接障壁を付与する障壁系の上級魔法だ。
「これで余程の攻撃以外は防いでくれますわ」
「ありがとうフィリア。これで安心して戦えるわ」
そんなサージャとフィリアの光景を見ていたミミリとエルマー。
「ふいーっ……エルマーちゃん、さっきは助かったよー!それにしても、あのお姉さん強いなぁ」
「ええ。それにあの聖女の扱う補助魔法もかなり上位の魔法です。あの剣聖、もっと手強くなりますよ」
「うへぇ……今でも強いのにもっと強くなるのかぁ………」
「わたしも補助魔法掛けてあげます。それにいざとなったら遠距離回復もありますし」
「あ、そっかー」
「あの聖女は凄腕みたいですけど、流石に遠距離回復は使えないでしょうし、こちらの方が有利です」
遠距離回復を可能としているのは色欲の神フォーゼリアから貰った銀杖のお陰だ。それなくして遠距離回復など使える者は歴史を紐解いてみても一人も居ない。
「うんうん!エルマーちゃんが居てくれればミミリは無敵だね!」
「ご、ごほん!だからって油断しないでください。流石に大ダメージを受けると回復が間に合いませんから」
「分かった!信頼してるからね!」
ミミリに両肩を優しく掴まれ、ニッコリと笑うミミリを見て頬を桜色に染めるエルマー。この笑顔を守りたい。いや、絶対に守ってみせるとエルマーは気合いを入れた。
「仲良さそうね、あちらの二人は」
「わたくし達も仲良しではありませんか」
フィリアの言葉に驚いたような表情を浮かべるサージャ。そんなサージャを見て、フィリアは首を傾げる。
「何ですの?」
「いえ……貴女とセリナが仲良しなのは知ってるけど、まさかわたしにまでそんな事を言ってくれるなんて思わなくて」
サージャの言葉を聞いて柔らかい微笑みを浮かべるフィリア。何だかんだと言っても、サージャとはもう二年の付き合いだ。サージャは取っ付きにくい所もあるが決して難しい人物ではないし、本当は照れ屋で友達を欲している事もフィリアは知っている。
「以前から言おうと思っていたのですが………」
「え?何?」
「サージャさんはもう少し、本来の自分を表に出した方が宜しいですわ。本当の貴女は人懐っこい方ですのに、色々と誤解されがちです」
カーッと顔を赤く染めるサージャ。まさかフィリアにそんな事を言われるのも、フィリアが的確に自分を分析しているとも思っていなかったサージャ。
「あ、貴女に言われたくないわよ!フィリアこそ、もっと正直に生きなさい!」
「わたくしが……正直に……?」
「そうよ。色々と我慢してるでしょ貴女。周りに気を使ってばかり。もっと自分が幸せになる道を進んで」
サージャの言葉が、やけに胸の奥に響いた。両親の事、家の事、使命の事など、確かにそればかり優先させて自分自身を置き去りにしていたかもしれない。それに……セリナの事にしても。
「そう……ですわね……」
「そうよ」
「こんなわたくしが………自分を優先しても宜しいのでしょうか……?」
「こんなって何よ。貴女はわたしの自慢の友人よ、そんな風に卑下しないで」
ポロリと涙が零れ落ちる。そしてその流した涙に乗って、今まで自分に抱いていた負の感情も流れてしまったかのようだった。
「サポートはお任せください。全力で戦ってくださいサージャさん」
「任せたわ」
そしてサージャは駆け出す。勝利の為に、その先にある喜びを友人と分かち合う為にーーーーー
「死ぬ準備は出来たかい?自称”魔王”のアルト君」
「俺はあんたを倒す。そして人族と魔族が共存する世界への道を照らす」
「まだそんな妄言を……救えないな君は」
アリオンが自身の剣を引き抜く。それは黄金に輝く剣。勇者だけが持つ事を許された、勇者のみが扱える剣『輝天空』。そして剣を抜いた瞬間、闘気を開放する。
「はああぁぁぁーーーッ!!」
それは天へと一直線に伸びる巨大な柱のような闘気。洗練され、絶大な力を感じさせる巨大な闘気。
「あのまま剣王に殺されていれば良かったものを。せめて苦しまないように殺してあげるよ」
「出来るものならやってみろ。勝つのは俺だ」
「そういう生意気な口が気に入らないんだよ!!」
一瞬でアルトとの距離を詰め、斬りかかるアリオン。その一撃は今まで受けたどんな攻撃よりも重く、アルトの剣にのし掛かる。
「はあぁぁ!」
応戦するアルト。レグレスの時同様、その剣戟は誰の目にも追えない。唯一追えているのは剣王レグレスただ一人。
「アルト……アリオン……」
勝てば生き残り、負けた方は死ぬ。この戦いの行く末に二人同時に生き残る未来は無い。必ずどちらかが死ぬのだ。そしてそれはーーーー
そこまで考えて、レグレスは思考を止める。もうレグレスにはどちらが勝つのか分かっている。アリオンに剣を教え、アルトと実際に戦ったレグレスには、どちらの方が強いのか分かっている。
だが戦いとは、終わるまで何が起こるか分からない。このまま予想通り決着が着くか、それとも別の不確定要素で結果が変わるか。
「はああぁぁぁ!!」
「うおおぉぉぉ!!」
互いの闘気がぶつかり合い、戦いが激化してゆく。アリオンの持つ聖剣『輝天空』はアルトの持つ魔剣『黒鳳凰』よりも切れ味、強度共に僅かに優れた剣。しかしアルトはその劣勢を自身の剣技で補っている。
勇者と魔王の戦いは、まさに伝説級の戦いだった。
そんな二人とは別の場所で、もう一方の剣での戦いを繰り広げているのは、剣聖サージャと剣士ミミリ。
「よっ!ほっ!とおっ!」
「変な掛け声ね貴女………」
目にも止まらない激しい剣戟を叩き込むミミリと、それを捌くサージャ。
「むっ!ふっ!しょっ!お姉さん強っ!」
「あら、それはこっちの台詞よ」
ミミリの剣技は決してアルトに引けを取らない。アルト自身、剣技は自分よりミミリの方が上と称している程にミミリの剣技は凄まじい。つまりそれに対応しているサージャもまた、途轍もない剣技の持ち主だという事だ。
商家の生まれであるサージャは『成人の儀』で剣聖の称号を授かるまで、真剣はおろか木剣すら触った事が無い。七歳で学園に入学して八年間剣を振って来たミミリに対して、現在十八歳の彼女が剣を振って来たのは僅か三年。
生まれつき身体能力が高く、性格も活発なサージャは身体を動かす事がとにかく大好きだ。そんな彼女が剣と出会い、剣を振る楽しさに目覚めたのは必然だったのかもしれない。
アルト、アリオン、ミミリ、そしてサージャ。この中で一番剣の才能に恵まれているのは、実はサージャだ。もしも彼女がもっと幼い頃に剣と出会い、剣を振って来たのなら、きっとミミリは既に負けていただろう。
「むむっ……お姉さん手強いから別の手だ」
バックステップでサージャから距離を取るミミリ。もしかしたら罠の可能性もあるので、サージャも深追いせずに様子を見る。
そんなサージャに対して繰り出すのは、ミミリが得意とするあの技。
「ミミリちゃん流剣技・閃空斬!」
ミミリの繰り出した飛ぶ斬撃【閃空斬】がサージャに襲い掛かる。しかしサージャは避ける素振りも見せずに、不敵に笑った。
「あら、貴女も使えるのね飛ぶ斬撃」
そうポツリと呟き、剣を振るう。
「剣技、烈襲斬!」
サージャが横薙ぎに剣を振るうと、ミミリ同様斬撃が前方へと飛び出す。
「いいっ!!?」
そして空中でぶつかり合い、互いの技の威力で相殺される。
「くうっ!ミミリちゃん流剣技・閃空斬四式!!」
途中で斬撃が別れ、四つの斬撃が再びサージャを襲う。しかしサージャは素早く剣を振るうと、同じように複数の斬撃を撃ち放った。
「剣技、烈襲連斬!」
途中で斬撃が別れるミミリの閃空斬四式と違い、連続して四撃の技を放つサージャ。一撃の威力はこちらの方が高く、ミミリの閃空斬四式を消滅させながら、更にミミリに迫る。
「ヤバっ!」
急いで再び四式を繰り出すミミリだが、既にサージャは追い打ちとなる一撃を放っていた。身体を一回転させ、剣に遠心力を乗せた、強力な一撃。
「奥義、烈襲斬・真!」
ミミリが先の烈襲連斬を相殺した時には、サージャの放った烈襲斬・真がミミリの近くまで迫っていた。
「うわわっ!!」
何とか技を繰り出そうとするが、とても間に合わない。せめてダメージを最小限に抑えようと剣を構え防御に徹したその時、ミミリの目の前に七色に輝く光の壁が現れた。
「七色障壁」
サージャの放った烈襲斬・真が、エルマーの作り出した七色障壁にぶつかり、そのまま消える。七色障壁も烈襲斬・真の威力で相殺され、音もなく消え去った。
「烈襲斬・真が相殺された!?」
「うっ……一撃で七色障壁を壊すなんて……」
お互い、自分の技と魔法が相殺された事が信じられないといった面持ちだ。
サージャは自分の技の攻撃力に自信を持っていたし、エルマーも多くの危機を救って来た七色障壁の防御力に自信を持っていた。
「サージャさん!」
サージャの元へと駆け寄るフィリア。急いで彼女に怪我が無いかを確かめる。
「ありがとうフィリア。怪我は無いわ」
「そうですか……良かった」
「でもあの娘、わたしよりも動きが早いみたい。補助魔法掛けてくれるかしら?」
「分かりましたわ」
フィリアがサージャの肩に手を置く。そして魔法を唱える。
「筋力高上昇」
サージャの全身の筋力を上昇させる。更にーーー
「光障壁」
サージャの身体が光に包まれる。身体に直接障壁を付与する障壁系の上級魔法だ。
「これで余程の攻撃以外は防いでくれますわ」
「ありがとうフィリア。これで安心して戦えるわ」
そんなサージャとフィリアの光景を見ていたミミリとエルマー。
「ふいーっ……エルマーちゃん、さっきは助かったよー!それにしても、あのお姉さん強いなぁ」
「ええ。それにあの聖女の扱う補助魔法もかなり上位の魔法です。あの剣聖、もっと手強くなりますよ」
「うへぇ……今でも強いのにもっと強くなるのかぁ………」
「わたしも補助魔法掛けてあげます。それにいざとなったら遠距離回復もありますし」
「あ、そっかー」
「あの聖女は凄腕みたいですけど、流石に遠距離回復は使えないでしょうし、こちらの方が有利です」
遠距離回復を可能としているのは色欲の神フォーゼリアから貰った銀杖のお陰だ。それなくして遠距離回復など使える者は歴史を紐解いてみても一人も居ない。
「うんうん!エルマーちゃんが居てくれればミミリは無敵だね!」
「ご、ごほん!だからって油断しないでください。流石に大ダメージを受けると回復が間に合いませんから」
「分かった!信頼してるからね!」
ミミリに両肩を優しく掴まれ、ニッコリと笑うミミリを見て頬を桜色に染めるエルマー。この笑顔を守りたい。いや、絶対に守ってみせるとエルマーは気合いを入れた。
「仲良さそうね、あちらの二人は」
「わたくし達も仲良しではありませんか」
フィリアの言葉に驚いたような表情を浮かべるサージャ。そんなサージャを見て、フィリアは首を傾げる。
「何ですの?」
「いえ……貴女とセリナが仲良しなのは知ってるけど、まさかわたしにまでそんな事を言ってくれるなんて思わなくて」
サージャの言葉を聞いて柔らかい微笑みを浮かべるフィリア。何だかんだと言っても、サージャとはもう二年の付き合いだ。サージャは取っ付きにくい所もあるが決して難しい人物ではないし、本当は照れ屋で友達を欲している事もフィリアは知っている。
「以前から言おうと思っていたのですが………」
「え?何?」
「サージャさんはもう少し、本来の自分を表に出した方が宜しいですわ。本当の貴女は人懐っこい方ですのに、色々と誤解されがちです」
カーッと顔を赤く染めるサージャ。まさかフィリアにそんな事を言われるのも、フィリアが的確に自分を分析しているとも思っていなかったサージャ。
「あ、貴女に言われたくないわよ!フィリアこそ、もっと正直に生きなさい!」
「わたくしが……正直に……?」
「そうよ。色々と我慢してるでしょ貴女。周りに気を使ってばかり。もっと自分が幸せになる道を進んで」
サージャの言葉が、やけに胸の奥に響いた。両親の事、家の事、使命の事など、確かにそればかり優先させて自分自身を置き去りにしていたかもしれない。それに……セリナの事にしても。
「そう……ですわね……」
「そうよ」
「こんなわたくしが………自分を優先しても宜しいのでしょうか……?」
「こんなって何よ。貴女はわたしの自慢の友人よ、そんな風に卑下しないで」
ポロリと涙が零れ落ちる。そしてその流した涙に乗って、今まで自分に抱いていた負の感情も流れてしまったかのようだった。
「サポートはお任せください。全力で戦ってくださいサージャさん」
「任せたわ」
そしてサージャは駆け出す。勝利の為に、その先にある喜びを友人と分かち合う為にーーーーー
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