百合JKの異世界転移〜女の子だけのパーティで最強目指します!〜

綾瀬 猫

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迷宮挑戦の章

100.強敵

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 数日ぶりのレベルアップだからといって、浮かれる者は誰一人としていない。

 ようやくナイトスケルトンの一体を倒しただけだ。まだもう一体のナイトスケルトンと、そのナイトスケルトンよりもレベルの高いワイトが二体も残っている。

 
「やあっ!」


 こちらに向かって来ていたナイトスケルトンの一体は、リーシャ、サフィー、エストの連携で何とか倒せた。
 事前にそのナイトスケルトンと戦闘を行った未来と、その未来が持つ『未来のつるぎ』の作者でもある愛莉には、同等の経験値が与えられた。その結果、全員がレベルアップしたのである。
 
 そして現在、もう一体のナイトスケルトンと刃を交えているのは未来である。剣速も剣技も未来が圧倒的に上だが、鎧を着ているので弱点の『核』にまで刃が届かない。どんなに傷を負わせても相手は痛覚など存在しないアンデットなので、未来に斬られながらも剣を振り上げてくる。


「もう!しつっこいなぁ!」


 未来が積極的に攻撃出来ないのは、剣の強度にある。
 元々は刃こぼれした中古の剣を愛莉の錬金術で新品に作り変えたのだが、その材料は一般的な鋼鉄に過ぎない。
 切れ味は抜群だが、強度的には店で売っている普通の鋼鉄製の剣と何ら変わりはない。ゆえに相手の鎧を何度も斬りつけると、当然刃こぼれもするし、最悪折れてしまう可能性もある。
 もちろん折れても愛莉の錬金術で元通りになるのだが、いくら何でも戦闘中に錬金術で剣を作り変えている暇も隙も無いので、極力剣に負担の掛からない戦い方になってしまう。

 そんな未来の戦いぶりを見ていた愛莉は、未来に向かって叫ぶ。


「一度戻って未来!リーシャ、未来が戻ったらナイトスケルトンに攻撃仕掛けて!」
「了解よアイリ!」
「サフィーとエストはさっきと同じようにーーーー」
「待って!魔法が来るわ!」


 二体のワイトのうち、一体が未来に向かって、そしてもう一体が愛莉達に向かって【邪悪な炎モーヴェ・フラン】を放つ。
 未来は【短距離転移ショートワープ】で魔法を躱し、愛莉達へ放たれた魔法はサフィーが【氷盾グラスブクリエ】で防ぐ。
 

「くっ……面倒くさいわねあいつら」
「リーシャ、風鼬キュウでナイトスケルトン狙って!サフィーとエストは追撃お願い!」
「はい!」


 ワイトの攻撃を防いだ所で、愛莉がすかさず皆に指示を出す。もちろん未来にもーーーー


「未来はワイトに攻撃して!レベルは高いけど鎧着てないから、ナイトスケルトンよりも倒しやすいと思うから!」
「分かった!」


 愛莉の指示を受けた未来が【短距離転移ショートワープ】でワイトの後方へと転移する。そのままスキル【瞬剣】で斬り付けると、やや抵抗はあったが胴体を真っ二つに斬り裂いた。弱点の『核』が床に転がるのを見て、直ぐに剣を振るおうとしたのだが、もう一体のワイトが未来に魔法で攻撃を仕掛けて来た。


「やっば!」


 魔法を短距離転移で躱す未来。その一部始終を見ていたエストが、狙いをナイトスケルトンからワイトの核へと即座に変更する。


魔光射サジタリウス!」


 エストの細い腕から放たれた一本の矢が、床に転がるワイトの核に命中する。その瞬間、ワイトの身体が灰となって崩れ落ちる。



ーー日下未来のレベルが上がりました。

ーー望月愛莉のレベルが上がりました。

ーーエストのレベルが上がりました。



 頭の中に響くレベルアップを告げる声を聞きながら、未来がもう一体のワイトに斬り付ける。


「てやあっ!!」


 首を一刀両断で斬り落とすと、ワイトの動きが明らかに鈍くなった。すでにナイトスケルトンを倒していたリーシャとサフィーが、追い打ちを掛ける。


「キュウちゃん!」
塵千風チリセンプウ


 風鼬の放った無数の風の刃がワイトに襲いかかる。それは骨の身体をズタズタに切り裂き、既にほとんど原型を留めていない。だが、惜しくも核は完全には破壊出来ていない。すぐさまサフィーが魔法で追撃し、床に転がった核を破壊する。



ーーリーシャのレベルが上がりました。

ーーサフィーのレベルが上がりました。



「やったわ……全部倒したわよ!」
「うん!やったねサフィーちゃん!」
「ミクとアイリもお疲れ様。アイリの的確な指示のお陰で助かったわ~」
「ほんとほんと!さっすが愛莉!」
「でも、今の戦闘で結構MPとかSP消費しちゃったよね」


 今まで比較的に楽にモンスターを倒しながら進んで来たクローバーの五人だが、この地下九層、地下宮殿に足を踏み入れた途端に強敵が現れた。

 愛莉はここで皆に、今日の探索はここまでにしようと提案。今日は朝から地下八層の探索から始まり、比較的早く下への階段を見つけたのでそのまま地下九層へと降りた。
 それから少し歩き、ナイトスケルトンとワイトへの戦闘へ。手こずった事もあり、皆の表情には疲れが見て取れる。時間的にも地上ではもう夕刻に差し掛かる午後四時を過ぎていて、少し早いが休むのには今が頃合いだと感じた。
 

「さんせーい!何かお腹空いたし!」
「わたしも良いと思うわ~。サフィーのMPも気になるし」
「サフィーちゃん、魔法使い続けだったもんね」
「まだまだ余裕だけどね。まあでも、少し疲れたからあたしも賛成よ」


 特に誰からの反対も無かったので、モンスターに気をつけながら皆は休めそうな場所を探した。
 

「あ、ここに部屋っぽいのあるよ!ここでいいんじゃない?ドア無いけどね!」


 中を見ると、学校の教室を一周りほど広くした空間で、五人で休むのに広さ的には問題は無い。
 未来の指摘するドアに関しては、愛莉の錬金術で入口を塞げばいいので問題は無い。


「うん、ここにしよっか」


 愛莉がそう言うと、皆はゾロゾロと部屋の中へと入る。全員が入ったのを確認して、愛莉が落ちている岩を使って(みんなで入口まで転がした)錬金術で入口を塞ぐ。その際に、酸欠にならないように上の方に隙間を作っているのを見て、皆は流石だなと感心した。


「結構広いじゃない!それに明るいし、割と快適よね!」
「そうね~。でもこんなに明るくて眠れるかしら~?」
「あはは………リーシャちゃんの心配ってそこなんだ」


 皆が和気あいあいとしている中、愛莉はそう言えばと思い至る。


(全員レベル上がったよね。ステータス見とかなきゃ)



 実はレベルアップの度に、暇を見て全員のステータスを確認している愛莉。それによって皆の状態を知ったり、たまに新しいスキルを得ていたりするので必要な事だった。



『日下未来(剣士:Lv31)
 SP:322/567 MP70/70
 ーー固有スキル:短距離転移ショートワープ 瞬剣(LV34) 投擲(Lv35) 言語認識 気配察知(Lv23)飛翔斬(Lv2)
 ーーパッシブスキル:腕力上昇(Lv5)脚力上昇(Lv5)回避(Lv7)剣舞(Lv4)』


『望月愛莉(錬金術士LV31)
 SP:368/452 MP302/302
 ーー固有スキル:錬金術(Lv38) 鑑定眼(Lv31) 言語認識 合成(Lv28)
 ーーパッシブスキル:頭脳上昇(Lv4)想像力上昇(Lv5)具現化上昇(Lv5)魔力操作(Lv10)』


『リーシャ(召喚士Lv31)
 SP:302/355 MP274/482
 ーー固有スキル:召喚獣契約(Lv35)、精霊契約
 ーーパッシブスキル:獣話、聖気、夜目(Lv5)』


『サフィー(魔道士Lv31)
 SP:135/135 MP725/1259
 ーー固有スキル:攻撃魔法契約 補助魔法契約
 ーーパッシブスキル:魔力上昇(Lv6)、魔力量上昇、夜目(Lv5)』


『エスト(回復術士Lv31)
 SP:178/298 MP448/656
 ーー固有スキル:回復魔法契約 補助魔法契約 身壊術(32)破弓(32)魔光射(31)
 ーーパッシブスキル:MP回復上昇(Lv2)命中率上昇(Lv7)早業』


 
(やっぱりみんなMPとSPの消費が激しい………って、あれ……?エストが【補助魔法契約】を会得してる。あと、未来が【飛翔斬】ってスキル?いかにも攻撃系って感じの名前だけど)


  早速、未来とエストの新しいスキルを見つける愛莉。特に未来の【飛翔斬】というスキルが気になり、愛莉は深く鑑定を始めた。




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