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第5章 女騎士とクーデター
5-4 拷問部屋のクーデター
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拷問部屋の混乱はマラダイからの指示では収集しなかった。第2クールのメンバーは、元より恐らくはジャッカルの命を受けている連中である。マラダイ王子からの命令だと言われて大人しく聞くつもりもないところに、目の前のご馳走をお預けにされるとあっては、むしろ抵抗しない理由の方がない。
「マラダイ王子からの中止命令だ。今すぐこの部屋から撤退しなさい」
「マラダイだろうが、マダイだろうが、今はダメだ。見りゃわかるだろう。お前らも楽しませてやるから大人しく見てろ」
二本の指先でナマのGスポットを撫ぜている男が、ドスの効いた低音を響かせる。
「警告する。直ちに退去しないならば、強制退去させる。これは最後通告だ」
「ああああああああああっ、あああん、あっ、うっ・・・」
間断なく響くナマの声が、部屋の緊張感を緩ませる。
「うるせえ。どこまでイケズな野郎どもだ。この声が聞こえないのか?こんなきれいなお嬢ちゃんを、こんな可哀想な状況で放置しろって言うのか。しっかり場をわきまんか!」
今度は二本の指先をナマのアナルにねじ込み、それをグリグリしている男が声高に喝を入れた。元来場を仕切っているはずのマラダイの部下たちの方が押され気味である。実のところ、マラダイの指示があるまで、この部下たちもナマの肢体に魅入られ、その喘ぎ声に股間にテントを張っていたのだ。どちらかと言えば続きが見たい。
「いつまで掛かっている。さっさと退去させろ」
指令室から催促の指示が入る。それでも拷問室内は動かない。
「やむを得ん、強制退去だ。掛かれ」
隊長の合図で室外にいた部下たちが拷問部屋になだれ込んだ。部屋の広さは10畳~12畳ほどでそれほど広くはない。ド真ん中にベッドがあり、その周りに裸の男10名と室内部隊数名がひしめき合っていたところに、更に10名ほどの武装チームが突入した。
明らかに定員オーバー。拷問部屋はいよいよごった返した。
正に丸腰(持っているのは電マとバイブくらい)の男たち相手ならば、武装チームが難なく制圧して当然なのだが、この定員オーバーの状況下において事態は違っていた。
武装チームは仲間を傷つけかねない為、銃も刃物も使えなかった。武器は無用の長物で、無駄に体を重くしているだけだ。一方の身軽な裸チームには肉弾戦に慣れたメンバーが揃っていた。混沌とした拷問部屋の戦況は、ナマのアナル担当の男の蹴りで武装チームが将棋倒しになったところから、一気に裸チームに傾いた。銃を奪い取った裸チームは、武装チームを部屋から蹴り出し「うおーーーっ」と勝鬨の声を上げた。
「この間抜けどもめが、相手に武器を与えてどうするのだ」
激怒するマラダイ。次の瞬間、ズーンという音と共に拷問部屋のモニターが暗転し、更に轟音が響く度にひとつふたつとモニター画像が消えた。裸チームは手に入れた銃で監視カメラを破壊したのだ。天井と壁の隠しカメラの二つだけがかろうじて生きている。
「おのれジャッカルめ。手前の失敗の上に、俺の邪魔までしようっていうのか。ジャッカルに連絡しろ。今すぐだ」
マラダイのイライラは頂点に達していた。
「いかがなされましたかな?マラダイ王子。何やら慌ただし気なご様子だが。まさかあれだけの啖呵をきっておきながら、ゆきの捜索の方が捗らないというわけはありますまいな」
現れたジャッカルの皮肉たっぷりな物言いに、マラダイはやはり奴らはジャッカルの差し金だと確信する。
「ジャッカル殿、貴殿が凌辱会に仕込んだ連中が、私の計画を邪魔しています。さっさと、今すぐに撤収を求めます」
「何のことやらサッパリわかりませんな。私が仕込んだ?一体何のことですか。そもそもそれは何か証拠があって仰しゃっているのでしょうか?」
状況証拠は揃っているものの、物証は何もない。ジャッカルはそれを察して話を続けた。
「少々、先走り過ぎたようですなマラダイ王子。確証もなく私に対してこのような無礼な言い掛かりをつけるとは」
「なるほどシラを切られるか。ではもしこの騒ぎが貴殿の差し金であった時には、ジャッカル殿、貴殿もただではすみませぬぞ」
あの裸チームがまとまとって第2クールに入ったのは間違いなく主催者の手引きによるものだ。ジャッカルがそれを知らないはずはない。だが、ジャッカルは強気にこう言い切った。
「そこまで仰るならば白黒をつけようではありませんか、マラダイ王子。もはや間違いでは済まされませぬ。貴殿ばかりではなく、貴国の王様にも相応の謝罪をしていただかねばなりません。そうですなあ。その時には、サニー姫を私の妃にいただくことにしましょう」
サニー姫は、人知を超えた奇跡の美女と噂されるマラダイの国の王女。マラダイの妹である。つまり、ゆきの姉にあたる。これはまだマラダイ他その関係者の数名だけにしか知られていない、当のサニーも無論ゆきも知らない秘密だった。
ジャッカルの強気に気圧されまいと、マラダイはこの申し出を受けてしまう。これこそがジャッカルの策略だった。
〈しめしめ。マラダイは甘い。やつらは確かに私の配下に違いないが、元々単なる傭兵に過ぎない。しかと陵辱会でアン王女にあられもない姿を見せてもらう為に呼んだ性技のスペシャリスト。消えてもらってなんの支障もない連中だ。やつらを私の手のもので仕留めれば、マラダイも言い逃れできまい〉
「よーし、皆のもの、拷問部屋を包囲せよ。アリンコ一匹逃すなよ」
今度はジャッカルの指示で拷問部屋が攻められることになった。武器を奪われて攻略が難解になったことをマラダイの失態として広く知らしめ、自らは内通している裸チームに連絡を取り、出来レースの攻撃を大掛かりに仕掛けるから、その隙に抜け出せと伝えた。
「出て来たところを、ズドンだ」
ジャッカルは右目を瞑って笑った。
(続く)
「マラダイ王子からの中止命令だ。今すぐこの部屋から撤退しなさい」
「マラダイだろうが、マダイだろうが、今はダメだ。見りゃわかるだろう。お前らも楽しませてやるから大人しく見てろ」
二本の指先でナマのGスポットを撫ぜている男が、ドスの効いた低音を響かせる。
「警告する。直ちに退去しないならば、強制退去させる。これは最後通告だ」
「ああああああああああっ、あああん、あっ、うっ・・・」
間断なく響くナマの声が、部屋の緊張感を緩ませる。
「うるせえ。どこまでイケズな野郎どもだ。この声が聞こえないのか?こんなきれいなお嬢ちゃんを、こんな可哀想な状況で放置しろって言うのか。しっかり場をわきまんか!」
今度は二本の指先をナマのアナルにねじ込み、それをグリグリしている男が声高に喝を入れた。元来場を仕切っているはずのマラダイの部下たちの方が押され気味である。実のところ、マラダイの指示があるまで、この部下たちもナマの肢体に魅入られ、その喘ぎ声に股間にテントを張っていたのだ。どちらかと言えば続きが見たい。
「いつまで掛かっている。さっさと退去させろ」
指令室から催促の指示が入る。それでも拷問室内は動かない。
「やむを得ん、強制退去だ。掛かれ」
隊長の合図で室外にいた部下たちが拷問部屋になだれ込んだ。部屋の広さは10畳~12畳ほどでそれほど広くはない。ド真ん中にベッドがあり、その周りに裸の男10名と室内部隊数名がひしめき合っていたところに、更に10名ほどの武装チームが突入した。
明らかに定員オーバー。拷問部屋はいよいよごった返した。
正に丸腰(持っているのは電マとバイブくらい)の男たち相手ならば、武装チームが難なく制圧して当然なのだが、この定員オーバーの状況下において事態は違っていた。
武装チームは仲間を傷つけかねない為、銃も刃物も使えなかった。武器は無用の長物で、無駄に体を重くしているだけだ。一方の身軽な裸チームには肉弾戦に慣れたメンバーが揃っていた。混沌とした拷問部屋の戦況は、ナマのアナル担当の男の蹴りで武装チームが将棋倒しになったところから、一気に裸チームに傾いた。銃を奪い取った裸チームは、武装チームを部屋から蹴り出し「うおーーーっ」と勝鬨の声を上げた。
「この間抜けどもめが、相手に武器を与えてどうするのだ」
激怒するマラダイ。次の瞬間、ズーンという音と共に拷問部屋のモニターが暗転し、更に轟音が響く度にひとつふたつとモニター画像が消えた。裸チームは手に入れた銃で監視カメラを破壊したのだ。天井と壁の隠しカメラの二つだけがかろうじて生きている。
「おのれジャッカルめ。手前の失敗の上に、俺の邪魔までしようっていうのか。ジャッカルに連絡しろ。今すぐだ」
マラダイのイライラは頂点に達していた。
「いかがなされましたかな?マラダイ王子。何やら慌ただし気なご様子だが。まさかあれだけの啖呵をきっておきながら、ゆきの捜索の方が捗らないというわけはありますまいな」
現れたジャッカルの皮肉たっぷりな物言いに、マラダイはやはり奴らはジャッカルの差し金だと確信する。
「ジャッカル殿、貴殿が凌辱会に仕込んだ連中が、私の計画を邪魔しています。さっさと、今すぐに撤収を求めます」
「何のことやらサッパリわかりませんな。私が仕込んだ?一体何のことですか。そもそもそれは何か証拠があって仰しゃっているのでしょうか?」
状況証拠は揃っているものの、物証は何もない。ジャッカルはそれを察して話を続けた。
「少々、先走り過ぎたようですなマラダイ王子。確証もなく私に対してこのような無礼な言い掛かりをつけるとは」
「なるほどシラを切られるか。ではもしこの騒ぎが貴殿の差し金であった時には、ジャッカル殿、貴殿もただではすみませぬぞ」
あの裸チームがまとまとって第2クールに入ったのは間違いなく主催者の手引きによるものだ。ジャッカルがそれを知らないはずはない。だが、ジャッカルは強気にこう言い切った。
「そこまで仰るならば白黒をつけようではありませんか、マラダイ王子。もはや間違いでは済まされませぬ。貴殿ばかりではなく、貴国の王様にも相応の謝罪をしていただかねばなりません。そうですなあ。その時には、サニー姫を私の妃にいただくことにしましょう」
サニー姫は、人知を超えた奇跡の美女と噂されるマラダイの国の王女。マラダイの妹である。つまり、ゆきの姉にあたる。これはまだマラダイ他その関係者の数名だけにしか知られていない、当のサニーも無論ゆきも知らない秘密だった。
ジャッカルの強気に気圧されまいと、マラダイはこの申し出を受けてしまう。これこそがジャッカルの策略だった。
〈しめしめ。マラダイは甘い。やつらは確かに私の配下に違いないが、元々単なる傭兵に過ぎない。しかと陵辱会でアン王女にあられもない姿を見せてもらう為に呼んだ性技のスペシャリスト。消えてもらってなんの支障もない連中だ。やつらを私の手のもので仕留めれば、マラダイも言い逃れできまい〉
「よーし、皆のもの、拷問部屋を包囲せよ。アリンコ一匹逃すなよ」
今度はジャッカルの指示で拷問部屋が攻められることになった。武器を奪われて攻略が難解になったことをマラダイの失態として広く知らしめ、自らは内通している裸チームに連絡を取り、出来レースの攻撃を大掛かりに仕掛けるから、その隙に抜け出せと伝えた。
「出て来たところを、ズドンだ」
ジャッカルは右目を瞑って笑った。
(続く)
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