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決戦
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広場で一番高い塔の上で、Sはスニーフの背中につかまって広場を見下ろしていた。導師が見えた。吹き飛ばされた巨大化ニロニロの下敷きになってもがいている。
「スニーフ、あいつ。あいつが導師」
「分かってるよ、お嬢ちゃん。Kがあいつに操られていたことも。そしてそのKがお嬢ちゃんの探してたお姉ちゃんだってこともな」
Sは頷いた。
「その上オイラの記憶を抜き取って、お嬢ちゃんをたぶらかそうなんて、まったくとんでもねえやつだ。森の長は、あいつがあいつにとって都合のいい森のルールを作る為の単なる手先だったのさ。あの後、悪夢城の跡を調べてMがみんな暴いてくれたよ。メチャメチャに壊れてしまったから、手間取っちまって遅くなったがね」
「大丈夫だよ。ぼくがスニーフを本気で呼んだのは、さっきだけだったしね」
そうかと頷いたスニーフは、改めて全裸のSの姿を見てドギマギする。Sの方はまるで気にしている様子はない。
「お嬢ちゃん。お嬢ちゃんはオイラとの約束は憶えているかい」
「勿論、憶えているさ」
スニーフは満足そうに頷いた。
「生きてて良かったぜ、お嬢ちゃん。よっしゃ、さっさと片付けちまおう」
「うん」
スニーフが力強くジャンプすると、周りの景色がもの凄いスピードで後ろに流れていった。その景色が風になってSの身体に直接ぶつかる。気持ちいい。Sは肌に当たる風の爽快感と同時に、身体の奥から湧き出してくる快感に戸惑い、頬を赤らめていた。こんな時に。スニーフに気づかれたらどうしよう、と思うと尚更、その快感は強くなる。まったくぼくという人は。これから導師と最終決戦をするというのに。しかしSは今、何も怖いものがなかった。全能感。よおし、全力でいこう。一撃できめてやる。
ようやくニロニロの巨体から逃れた導師が花舞台に登る。そこには既に合流したMとKが立ちはだかっていた。
「お前の企みのシナリオは全て明るみに出た。Sの願いに心打たれた森の民たちは、もう誰も長Kの処刑など望んでいない。罪を償うべきはお前だ、導師」
Mの言葉に導師は「黙れ」と一喝する。
「力あるものが世を牛耳るのは自然の摂理だ。そうしなければ世は収まらん。分かるだろうM。世の中という奴はどこでもそうやって成り立っているものだ」
「詭弁だな。お前はこの森の為の治世を考えたことがあるか。自分の欲望以外の理由で長Kを動かしたことがあるか。お前の統治で森の民を幸せにしたことはあるのか。世を統治する者にはそういう器がなければならない。それがない者はどんなに力があろうとも統治者には絶対になれない」
今度はMが導師を喝破した。
「ふん。くだらんな。私の望みを叶えることが、貴様たちが生きる僅かばかりの価値だ。それをせんというのなら、貴様らに生きている意味はない。この場で死んでもらおう」
そう言うと導師はKとMをいきなり宙空に2メートルほど浮かびあがらせると、そのまま舞台の床に叩きつけた。床に背中を打ち付けられてのたうち回る二人。
「今度はもっと高くいくぞ」
すぐさま今度は3メートルの高さまで持ち上げた。導師が二人を再び舞台に叩きつけようとした時、スニーフの背中からSが叫び声を導師にぶつけた。
カキーーンという金属音。術が中断されKとMは3メートルの高さから重力に引かれて舞台に落ちる。ギリギリのところでスニーフがクッションになった。
「いてててて。二人ともちょっとダイエットしろよな」
軽口を叩くスニーフに、二人は身体の痛みよりも、むしろ悲痛な心の痛みを癒された。
「また、面倒な奴らが舞戻って来たな。だが、もう容赦せんぞ」
導師は一気に4人に術を掛け、宙空に浮かべようとしたが、SとKが術で応戦する。そこにスニーフが導師に向かって尻尾を振り回す。間一髪で避けた導師は、術で作られた触手でMを捕らえた。首を絞めた状態で自分の足元に転がすと。左胸の上に足を乗せた。
「この靴底にはそれは鋭利なナイフが仕込んであってな。このままグイと踏みつければ心臓をグサリだ」
「M」
動揺するスニーフ。SとKも手が出せない。
「構うな。一気に勝負をつけろスニーフ」
Mが叫ぶ。「うるさい、お前は黙っていろ」導師は触手が締めているMの首の圧迫をきつくする「うぐぐぐっ」Mの抵抗が徐々に弱まっていく。
「ちくしょう、やめろ、やめてくれ」
「くくくくく、ざまあねえなスニーフ。そんなにこの女が好きか。よおし全員そこで土下座しろ。申し訳ありませんでした、二度と歯向かいませんと謝るのだ」
(続く)
「スニーフ、あいつ。あいつが導師」
「分かってるよ、お嬢ちゃん。Kがあいつに操られていたことも。そしてそのKがお嬢ちゃんの探してたお姉ちゃんだってこともな」
Sは頷いた。
「その上オイラの記憶を抜き取って、お嬢ちゃんをたぶらかそうなんて、まったくとんでもねえやつだ。森の長は、あいつがあいつにとって都合のいい森のルールを作る為の単なる手先だったのさ。あの後、悪夢城の跡を調べてMがみんな暴いてくれたよ。メチャメチャに壊れてしまったから、手間取っちまって遅くなったがね」
「大丈夫だよ。ぼくがスニーフを本気で呼んだのは、さっきだけだったしね」
そうかと頷いたスニーフは、改めて全裸のSの姿を見てドギマギする。Sの方はまるで気にしている様子はない。
「お嬢ちゃん。お嬢ちゃんはオイラとの約束は憶えているかい」
「勿論、憶えているさ」
スニーフは満足そうに頷いた。
「生きてて良かったぜ、お嬢ちゃん。よっしゃ、さっさと片付けちまおう」
「うん」
スニーフが力強くジャンプすると、周りの景色がもの凄いスピードで後ろに流れていった。その景色が風になってSの身体に直接ぶつかる。気持ちいい。Sは肌に当たる風の爽快感と同時に、身体の奥から湧き出してくる快感に戸惑い、頬を赤らめていた。こんな時に。スニーフに気づかれたらどうしよう、と思うと尚更、その快感は強くなる。まったくぼくという人は。これから導師と最終決戦をするというのに。しかしSは今、何も怖いものがなかった。全能感。よおし、全力でいこう。一撃できめてやる。
ようやくニロニロの巨体から逃れた導師が花舞台に登る。そこには既に合流したMとKが立ちはだかっていた。
「お前の企みのシナリオは全て明るみに出た。Sの願いに心打たれた森の民たちは、もう誰も長Kの処刑など望んでいない。罪を償うべきはお前だ、導師」
Mの言葉に導師は「黙れ」と一喝する。
「力あるものが世を牛耳るのは自然の摂理だ。そうしなければ世は収まらん。分かるだろうM。世の中という奴はどこでもそうやって成り立っているものだ」
「詭弁だな。お前はこの森の為の治世を考えたことがあるか。自分の欲望以外の理由で長Kを動かしたことがあるか。お前の統治で森の民を幸せにしたことはあるのか。世を統治する者にはそういう器がなければならない。それがない者はどんなに力があろうとも統治者には絶対になれない」
今度はMが導師を喝破した。
「ふん。くだらんな。私の望みを叶えることが、貴様たちが生きる僅かばかりの価値だ。それをせんというのなら、貴様らに生きている意味はない。この場で死んでもらおう」
そう言うと導師はKとMをいきなり宙空に2メートルほど浮かびあがらせると、そのまま舞台の床に叩きつけた。床に背中を打ち付けられてのたうち回る二人。
「今度はもっと高くいくぞ」
すぐさま今度は3メートルの高さまで持ち上げた。導師が二人を再び舞台に叩きつけようとした時、スニーフの背中からSが叫び声を導師にぶつけた。
カキーーンという金属音。術が中断されKとMは3メートルの高さから重力に引かれて舞台に落ちる。ギリギリのところでスニーフがクッションになった。
「いてててて。二人ともちょっとダイエットしろよな」
軽口を叩くスニーフに、二人は身体の痛みよりも、むしろ悲痛な心の痛みを癒された。
「また、面倒な奴らが舞戻って来たな。だが、もう容赦せんぞ」
導師は一気に4人に術を掛け、宙空に浮かべようとしたが、SとKが術で応戦する。そこにスニーフが導師に向かって尻尾を振り回す。間一髪で避けた導師は、術で作られた触手でMを捕らえた。首を絞めた状態で自分の足元に転がすと。左胸の上に足を乗せた。
「この靴底にはそれは鋭利なナイフが仕込んであってな。このままグイと踏みつければ心臓をグサリだ」
「M」
動揺するスニーフ。SとKも手が出せない。
「構うな。一気に勝負をつけろスニーフ」
Mが叫ぶ。「うるさい、お前は黙っていろ」導師は触手が締めているMの首の圧迫をきつくする「うぐぐぐっ」Mの抵抗が徐々に弱まっていく。
「ちくしょう、やめろ、やめてくれ」
「くくくくく、ざまあねえなスニーフ。そんなにこの女が好きか。よおし全員そこで土下座しろ。申し訳ありませんでした、二度と歯向かいませんと謝るのだ」
(続く)
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