7 / 86
7話 薬を作ります①
しおりを挟む
自分の部屋に戻った。
僕の部屋はとても簡素で、他の部屋同様に置かれたデスクと椅子のセット。
それからクローゼットが一つに、ベッド。後は姿見が置いてあるだけ。
だけど一つだけ異様なものがあった。
おっきな木箱が一つ。
僕は木箱に近づくと、ゆっくりと蓋を外した。
「えっと、確かあったはず……」
僕が木箱の中を覗くと、中身のものはちゃんと入っていた。
ルビーさんも勝手に覗いたりしないから、誰かが取ることもない。
別に取られても困らないが……
「確か素材箱はこっち。えっと、サラマンハーブにすやすや草。後は、黄金ニンジンがあれば、よかったあるよ」
僕の木箱は倉庫になっている。
使えそうな葉っぱとか瓶とか、前にリュウラン師匠に教えてもらった薬の材料がみっちり入っていた。
「ここに入ってる素材、僕のランクじゃ手に入らないものばかりなんだよね」
実は木箱の中に入っているもののほとんどは、リュウラン師匠たちが定期的に送ってくれるもので、僕が採ってきたものなんて、ほとんどない。
「師匠たち凄いな。こんな良いものばっかり。一体買ったらいくらになるんだろ」
僕もいつか師匠たちみたいになりたい。
具体的には決まってないけど、師匠たちみたいに困った人を助けれるようになりたい。
「そのためにも、早くSランクにならないと……じゃなかった。体も冷えてるだろうから、水も温めておかないと」
僕は湧き水の入った小瓶を取り出した。
先が細くなっていて、中の空気が逃げない。
そのおかげで、もう何週間も前に汲んできたはずだけど、中の水は綺麗で、透明度が高い。
「ルビーさんに頼んで、火と鍋を貸してもらおっと」
僕は厨房に降りると、ルビーさんがいたので声をかけた。
火と鍋を貸してもらえることになり、水の張った鍋の中に瓶を入れ、沸騰させることにした。
「天月君、このお水どうするの?」
「薬に使うんです。溶かしてお茶みたいに飲めるようにしようと思っていて」
レシピは完璧に頭の中に入っている。
リュウラン師匠に叩き込まれた知識だ。間違いない。
「天月君って、ほんとなんでもできるわね。たまに話してくれるけど、どんな師匠だったの?」
「厳しいけどとっても優しい人たちでした。人間以上に人間らしい」
鍋の水がぽこぽこ泡を立てて、沸騰し始めた。
適度な温度は、百八十から。
僕は瓶が割れるか割れないかのギリギリを見計らい、トングを使って瓶回収した。
「あっつ!」
「大丈夫!?」
指先が触れてしまった。
熱い。だけど、これぐらいの温度がちょうど良い。
「天月君火傷してない? それにその瓶、割れちゃいそうになってるけど」
「火傷はしてないですよ。瓶もこのくらい亀裂が入ってくれた方が、今から作る薬はいいんです。それじゃあルビーさん、僕薬作りますね」
今にも割れそうなほどヒビの入った瓶を、僕はトングで挟んだまま階段を上がり、部屋に戻った。
あらかじめ用意していた乳鉢の隣に、タオルで巻いて放置する。
「よし、ここからは時間との勝負。気合い入れるぞ!」
久々の本気モード。
僕は思いっきり頬をぶっ叩き気合いを入れ直すも、頬が赤く膨れ上がって、痛すぎた。
僕の部屋はとても簡素で、他の部屋同様に置かれたデスクと椅子のセット。
それからクローゼットが一つに、ベッド。後は姿見が置いてあるだけ。
だけど一つだけ異様なものがあった。
おっきな木箱が一つ。
僕は木箱に近づくと、ゆっくりと蓋を外した。
「えっと、確かあったはず……」
僕が木箱の中を覗くと、中身のものはちゃんと入っていた。
ルビーさんも勝手に覗いたりしないから、誰かが取ることもない。
別に取られても困らないが……
「確か素材箱はこっち。えっと、サラマンハーブにすやすや草。後は、黄金ニンジンがあれば、よかったあるよ」
僕の木箱は倉庫になっている。
使えそうな葉っぱとか瓶とか、前にリュウラン師匠に教えてもらった薬の材料がみっちり入っていた。
「ここに入ってる素材、僕のランクじゃ手に入らないものばかりなんだよね」
実は木箱の中に入っているもののほとんどは、リュウラン師匠たちが定期的に送ってくれるもので、僕が採ってきたものなんて、ほとんどない。
「師匠たち凄いな。こんな良いものばっかり。一体買ったらいくらになるんだろ」
僕もいつか師匠たちみたいになりたい。
具体的には決まってないけど、師匠たちみたいに困った人を助けれるようになりたい。
「そのためにも、早くSランクにならないと……じゃなかった。体も冷えてるだろうから、水も温めておかないと」
僕は湧き水の入った小瓶を取り出した。
先が細くなっていて、中の空気が逃げない。
そのおかげで、もう何週間も前に汲んできたはずだけど、中の水は綺麗で、透明度が高い。
「ルビーさんに頼んで、火と鍋を貸してもらおっと」
僕は厨房に降りると、ルビーさんがいたので声をかけた。
火と鍋を貸してもらえることになり、水の張った鍋の中に瓶を入れ、沸騰させることにした。
「天月君、このお水どうするの?」
「薬に使うんです。溶かしてお茶みたいに飲めるようにしようと思っていて」
レシピは完璧に頭の中に入っている。
リュウラン師匠に叩き込まれた知識だ。間違いない。
「天月君って、ほんとなんでもできるわね。たまに話してくれるけど、どんな師匠だったの?」
「厳しいけどとっても優しい人たちでした。人間以上に人間らしい」
鍋の水がぽこぽこ泡を立てて、沸騰し始めた。
適度な温度は、百八十から。
僕は瓶が割れるか割れないかのギリギリを見計らい、トングを使って瓶回収した。
「あっつ!」
「大丈夫!?」
指先が触れてしまった。
熱い。だけど、これぐらいの温度がちょうど良い。
「天月君火傷してない? それにその瓶、割れちゃいそうになってるけど」
「火傷はしてないですよ。瓶もこのくらい亀裂が入ってくれた方が、今から作る薬はいいんです。それじゃあルビーさん、僕薬作りますね」
今にも割れそうなほどヒビの入った瓶を、僕はトングで挟んだまま階段を上がり、部屋に戻った。
あらかじめ用意していた乳鉢の隣に、タオルで巻いて放置する。
「よし、ここからは時間との勝負。気合い入れるぞ!」
久々の本気モード。
僕は思いっきり頬をぶっ叩き気合いを入れ直すも、頬が赤く膨れ上がって、痛すぎた。
38
あなたにおすすめの小説
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる