生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう

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24話 古代種討伐後の反応

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 無事に背中のトゲトゲの平べったい、物体を剥がした。

 意外に硬いな。
 しっかり背中にくっついていて、何だか剥がすのが、かなり痛々しくて、罪悪感が込み上げる。

「なんだか、悪いことしてるみたいなんだけど」
「仕方ないですよ。これが私たちの仕事なんです」
「うっ。それはそうなんだけど」

 流石に僕も死体蹴りをする趣味はない。
 そもそも僕は、むやみやたらと殺したりするような、残虐かつ残忍な性格じゃない。何せ、僕の中に流れている血は、それに最も興奮する忌々しいものだからだ。

 本当、か。

「ふぅ」
「疲れてんですか?」
「ううん。そんなことないよ。さあ、早くやっちゃおう」

 僕はベルトからナイフを取り出し、魚を捌くような手際の良さを見せつける。
 リーファさんは、呆然として僕の指の滑らかな動きを見ていて、何だか恥ずかしかった。

「リーファさん?」
「あっ、いや、その……ナイフの扱い、上手いですね」
「そうかな? 師匠たちのご飯を作ってたら、自然と上手くなったけど」
「師匠?」
「うん。料理をしたら、いっつも失敗するから、僕が代わりにね」

 笑顔だった。
 久々にちゃんとした笑顔ができた。

 ここ最近は、殺伐とした魔物との死闘が多かった。
 とは言っても、力の半分もいや、三分の一も出してはいないけどね。

 だからと言って手加減はしてないし、これもそれもリーファさんが仲間になってくれたおかげで、僕の役目が少し軽減されたからだ。

 やっぱりパーティーはいい。
 仲間が増えると、できることが増える。

「よしっ、こんな感じでいいかな?」
「凄い、全部剥いじゃった」

 リーファさんは口元に手を当てる。
 僕は、無駄にしないために、取れるパーツは全部持って帰ることにした。

 今日の目は、赤くはない。

 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 冒険者ギルドに戻ってきた。

 するとエレナさんが僕たちの元に駆け寄る。
 今日は変に血まみれじゃないと思うけど。

「大丈夫でしたか、お二人とも!」
「はい。無事に撮れましたよ、エレナさん」
「なかなか面白い魔物でしたね」

 するとエレナさんは膝から崩れ落ちる。
 どうしてこうなるの? しかも、周りの冒険者たちの目も、呆れたような、興奮だった。

「な、何この視線の量?」
「天月、お前らすげえじゃんか!」
「うわぁ!?」

 後ろから大きな手が僕の頭を掴んだ。
 髪の毛をゴシゴシ撫でられる。

「この手、ゴレスさん!」
「おう、天月。お前すげえな」

 後ろから手を回したのでわかった。
 それにこの手のゴツゴツ感。皮膚が厚い。

 そこにいたのは角刈りのおっさんだった。
 背中にはおっきな斧。皺の多い顔だけど、それは歴戦の傷痕。
 僕よりもランクは上で、何とBランク。

「相変わらず俺のこと、さん付けなんだな」
「はい。歳上ですから」
「そんなのいいって言ってんだろ? それより、マジで倒したんだな」
「はい。おかげさまで、いい感じのトゲが取れましたよ」

 僕は麻袋を見せた。
 すると中で、コツコツ! と、重なり合う音が響く。

「ステゴラス、ほんとで倒したんだな」
「はい。リーファさんのおかげです」
「私はそんなにしてないから。これも天月の隠密のおかげ」

 互いに褒め合う。
 でもこれもそれも、リーファさんの風系の魔法のおかげだ。
 そのおかげで、僕は何も心配いらずに、戦えた。

「それじゃあエレナさん、これで完了ですよね」
「はぁー。全く、天月君は相変わらずよね」
「ん?」

 僕は首を傾げる。
 すると、ゴレスさんが大きな溜息を吐きながら、

「天月、お前相変わらずだな」
「だからなんですか!?」

 さっぱりだった。
 もしかして、僕ことやっぱり子供だと思ってる?
 身長がそんなに全てですか! 文句を言いそうになるも、僕は心をぎゅっと押し込む。でもさ、そんなに怒ってない、インスタントカースだったんだけど。
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