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1章
第11話 スライム×3
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俺とエクレアはパーティーを組むことになった。
とりあえず俺のランクは秘密にし、エクレアが引き受けていた依頼をこなすことになった。
今回はスライムを倒して素材のスライムジェルを手に入れるものだった。
「スライムジェルか。なかなかレアだな」
「でも数をこなせばきっと出るよ!」
「どれだけ時間を費やすつもりだ。まさか出るまでか?」
「うーん。やれるとこまで」
「俺はそんなに無尽蔵の体力は持っていない。とりあえず夕方までだ。それ以降は明日にするぞ」
俺の提案は真っ当だった。けれどエクレアはそれが意外だったのか、俺の顔をまじまじと見つめながら、瞬きを繰り返す。
どうやら相当らしい。かなり心外だ。
「何だ、そんなに意外か?」
「うん。とっても優しいんだね」
「何言っているんだ。俺は別に気遣ったわけじゃないぞ」
「そう、そこだよ。私のこと気遣ってくれるんだね。ありがとう」
「どういたしましてとだけは伝えておくぞ。それより、とっとと依頼を受理してもらってこい」
俺はエクレアを追い払った。
にこやかな笑みを浮かべて走り出す。背中を見ると、腰に携えた剣がまた良く映える。
装飾だけじゃない。まるで太陽のようなオレンジ色の柄をしており、ステンドグラスのように光を反射させている。
その輝きはステンドグラスのようだが、宝石のようにも見える。
「あの剣、きっと聖剣だな」
俺は一目で看破した。
すると剣が当ててくれて嬉しいのか、反応してくれたみたいに太陽の絵柄が光り出した。
ピカッと光って眩しいので、俺は一瞬目を閉じる。
*
俺とエクレアは草原にやって来た。
この草原はダンジョンだ。つまりモンスターが多い。冒険者にとっては絶好の狩場だ。
「うーん、気持ちいいね!」
「そうだな。風が心地よい」
吹き抜ける風が草原に映える若葉色の葉達をそよがせる。
全身に受けた風が涼しくて、ここがダンジョンであることを忘れさせる。
とは言えダンジョンによって危険度はあるので、このダンジョンは相当低いことを裏付ける絶好のポイントになる。
「それじゃあ早速狩りに行こう!」
「そうだな……と、言いたいところだが。いたぞ」
「えっ!?」
俺の指差した先を、エクレアは注意深く見た。すると確かにスライムが3匹もいる。
青いプルプルとした生物がピョコピョコ跳ねている。まるでその姿は生きた寒天。いや、葛餅。美味しそうだが、可愛かった。
「本当だ。ちょうど3匹いるよ」
「何がちょうどなのかはわからないが、確かに3匹いるな」
「よし、早速倒しちゃおう!」
エクレアは走りながら眩く剣を抜いた。
すると剣の剣身の部分が、眩く発光し始める。その姿はまるで太陽の暖かな日差しを受け、剣自身が使い手に応えようとしている。
俺にはそう見えていた。
それにしても……
「スライム相手に聖剣を使うなんて、何て奴だ」
俺はそこはかとなく溜息を吐いた。
その頃には一瞬にしてスライム×3をあっという間に蹴散らしてしまっていた。
しかし表情は芳しくなく、まだまだかかりそうだ。
「エクレア、その剣」
「あっ、この子のことやっぱり気になるよね」
「それは気になる。だが一つ忠告だ」
「忠告?」
「そうだ。その剣は聖剣なんだろう。魔剣よりも珍しい意思を持った剣。その剣はお前に応えようとしているが、少し出力を落とせ。その方が色々な意味で都合がいい。剣もそれがエクレアのためだ。少しぐらいは剣の腕を磨かせてやれ」
俺は1人と一振りにそう忠告した。
するとピクリとも動かないので心配したのだが、エクレアがプハッと吹き出した。
「あはは、やっぱり面白いよカイ君。付き合って貰って正解だったよ」
「俺は災難だがな」
「そんなこと言わないでよ。ほらほら、次行くよ!」
俺はエクレアに背中を押された。
何故か好感触だったので、俺は眉根を寄せてしまった。
とりあえず俺のランクは秘密にし、エクレアが引き受けていた依頼をこなすことになった。
今回はスライムを倒して素材のスライムジェルを手に入れるものだった。
「スライムジェルか。なかなかレアだな」
「でも数をこなせばきっと出るよ!」
「どれだけ時間を費やすつもりだ。まさか出るまでか?」
「うーん。やれるとこまで」
「俺はそんなに無尽蔵の体力は持っていない。とりあえず夕方までだ。それ以降は明日にするぞ」
俺の提案は真っ当だった。けれどエクレアはそれが意外だったのか、俺の顔をまじまじと見つめながら、瞬きを繰り返す。
どうやら相当らしい。かなり心外だ。
「何だ、そんなに意外か?」
「うん。とっても優しいんだね」
「何言っているんだ。俺は別に気遣ったわけじゃないぞ」
「そう、そこだよ。私のこと気遣ってくれるんだね。ありがとう」
「どういたしましてとだけは伝えておくぞ。それより、とっとと依頼を受理してもらってこい」
俺はエクレアを追い払った。
にこやかな笑みを浮かべて走り出す。背中を見ると、腰に携えた剣がまた良く映える。
装飾だけじゃない。まるで太陽のようなオレンジ色の柄をしており、ステンドグラスのように光を反射させている。
その輝きはステンドグラスのようだが、宝石のようにも見える。
「あの剣、きっと聖剣だな」
俺は一目で看破した。
すると剣が当ててくれて嬉しいのか、反応してくれたみたいに太陽の絵柄が光り出した。
ピカッと光って眩しいので、俺は一瞬目を閉じる。
*
俺とエクレアは草原にやって来た。
この草原はダンジョンだ。つまりモンスターが多い。冒険者にとっては絶好の狩場だ。
「うーん、気持ちいいね!」
「そうだな。風が心地よい」
吹き抜ける風が草原に映える若葉色の葉達をそよがせる。
全身に受けた風が涼しくて、ここがダンジョンであることを忘れさせる。
とは言えダンジョンによって危険度はあるので、このダンジョンは相当低いことを裏付ける絶好のポイントになる。
「それじゃあ早速狩りに行こう!」
「そうだな……と、言いたいところだが。いたぞ」
「えっ!?」
俺の指差した先を、エクレアは注意深く見た。すると確かにスライムが3匹もいる。
青いプルプルとした生物がピョコピョコ跳ねている。まるでその姿は生きた寒天。いや、葛餅。美味しそうだが、可愛かった。
「本当だ。ちょうど3匹いるよ」
「何がちょうどなのかはわからないが、確かに3匹いるな」
「よし、早速倒しちゃおう!」
エクレアは走りながら眩く剣を抜いた。
すると剣の剣身の部分が、眩く発光し始める。その姿はまるで太陽の暖かな日差しを受け、剣自身が使い手に応えようとしている。
俺にはそう見えていた。
それにしても……
「スライム相手に聖剣を使うなんて、何て奴だ」
俺はそこはかとなく溜息を吐いた。
その頃には一瞬にしてスライム×3をあっという間に蹴散らしてしまっていた。
しかし表情は芳しくなく、まだまだかかりそうだ。
「エクレア、その剣」
「あっ、この子のことやっぱり気になるよね」
「それは気になる。だが一つ忠告だ」
「忠告?」
「そうだ。その剣は聖剣なんだろう。魔剣よりも珍しい意思を持った剣。その剣はお前に応えようとしているが、少し出力を落とせ。その方が色々な意味で都合がいい。剣もそれがエクレアのためだ。少しぐらいは剣の腕を磨かせてやれ」
俺は1人と一振りにそう忠告した。
するとピクリとも動かないので心配したのだが、エクレアがプハッと吹き出した。
「あはは、やっぱり面白いよカイ君。付き合って貰って正解だったよ」
「俺は災難だがな」
「そんなこと言わないでよ。ほらほら、次行くよ!」
俺はエクレアに背中を押された。
何故か好感触だったので、俺は眉根を寄せてしまった。
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