VRMMOのキメラさん〜雑魚種族を選んだ私だけど、固有スキルが「倒したモンスターの能力を奪う」だったのでいつの間にか最強に!?

水定ゆう

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◇69 キングヤドカリに出会ってしまった2

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 岩が動いた。
 それはまるでカニ。いやヤドカリのような体躯が見え隠れする。
 何だか目の部分が黄色に光っていて怖かった。

「な、なにこれ。ヤドカリのモンスター?」
「キングヤドカリー。しかもレベルも高いな」

 見たところ、レベルは20。
 アキラのレベルが、現在17。一番高い、Nightでさえ、21なのでかなりの強敵だった。
 ちなみに、オロチコンダはレベル15だ。レベルが全てではないのは、やっぱり本物らしい。

「まさか、ここまで来てヤドカリなんて。って、あれ見てよー!」
「「ん?」」
「ほら、上の方。殻の上の方がね、ちょっと光ったでしょ?」

 フェルノの言う通りだった。
 確かに金色の何かが光る。
 するとそれはメダルのようで、しかも何枚かくっ付いているようだた。

「あれってメダルだよね?」
「一枚はそうだな。だが残りは確認できない」
「ってことは倒して手に入れるしかないってことだよね。でも、どのみち的な?」
「ああ。もはや奴のテリトリーだ」

 周囲が水で溢れる。
 海水なのか。それとも、違うのかはわからないけど、逃げ道がなくなってしまった。
 アキラたち三人は、それぞれが武器を構える。特にフェルノは、水を蒸発させる勢いだった。

「よーし! 全力全開で、ぶっ飛ばすよぉ!」
「そうだね、フェルノ。じゃあ行くよ」
「オッケー。そんどりゃぁ!」
「ま、待て。くそっ、少しは人の話を聞いてから動け!」

 Nightが止めようとしたが、エンジンのかかったフェルノたちと止めるには至らなかった。
 やはり自分にはセーブさせることは苦手だと、頭を抱える。
 けれどこうなった以上は、道連れ。Nightはそう覚悟して、ナイフを取り出したが、ヤドカリの殻には当然効かなかった。

「くっ!」

 Nightは苦い顔をした。
 ナイフが全く通らずに、銀色に鈍く眩く。
 しかしそれだけで、特に何も起こらずに、水の中に落ちてしまい、Nightは仕方なく、十字架の剣を抜いた。

「だったらこれでどうだぁ!」
「【キメラハント】!」

 フェルノはそれを見ると、拳を叩き込んだ。
 関節部分で叩き込み、炎を打ち込む。
 そこに飛び込んだ、アキラは【キメラハント】で武装して、緑の籠手で叩き込む。

「もう。硬すぎでしょ」
「そいつは大岩を溶解液を含んだ酸性の酸を口から吐き出して、固めて溶かす。そのハサミは、くりぬくために特化したものだ」
「くりぬく?」
「気を付けろ。敵はハサミと酸を武器に使うからな。うわぁ!」

 Nightが叫んだ。
 見れば、右手の中から抱えていたナイフが落ちた。
 何故なら右腕が白い粘液に固められ、壁に固定されていたからだ。

「くっ!」
「Night!」

 アキラは助けようとした。
 しかしNightは叫ぶ。

「来るな、アキラ。こいつは私の毒ナイフを警戒しているんだ」
「えっ!?」
「モンスターが?」
「そうだ。モンスターでも、毒は気が付く。よっぽど強力な毒は、逆に飲まれるんだ」
「「む、難しい」」

 二人は無言になった。
 キングヤドカリーは、そんな黙り込んだフェルノにハサミをぶつける。
 単純な動きが鈍足で、軽々避けられた。

「もう、動きは遅いのにー!」
「防御が硬すぎるよ」
「だったら防御を無視すればいい」
「そんなことできないよ!」
「そうだよ、こっちの攻撃力よりも……」
「だから防御なんて関係ない。地に足がついているなら、敵は地盤から崩せばいい」
「地盤から崩す……あっ!」

 何かを悟った。
 アキラの回転の速さを武器にして、思いついたのはフェルノのおかげだ。
 炎は轟々と燃えている。

「なにかわかったの?」
「うん。フェルノ、力貸してくれる?」
「オッケー。全力で、叩き潰すよー」

 二人は相槌を打ちあった。
 そんな二人をただ見ているだけしかできないNightだったが、アキラの思考の先を読む。
 そこで先にHPを消費した。
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