VRMMOのキメラさん〜雑魚種族を選んだ私だけど、固有スキルが「倒したモンスターの能力を奪う」だったのでいつの間にか最強に!?

水定ゆう

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◇155 星空が教えてくれたこと

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 全然回復していなかった。
 どうやら2人ともこの世界とのリンクのようなものが強いようで、回復が追い付いていない稀有きうな状況に巻き込まれていた。

「Night、さっき飲んだポーションいつもよりも苦かったね」
「そうだな。ブラックパンサーとの戦闘でボルテージが上がり過ぎたか」
「ボルテージが上がるとどうなるの?」
「感覚がより研ぎ澄まされ洗練される。=反応も向上し代わりに五感も強化される」
「良いことづくめだよ!」
「そうとも限らないぞ。現に疲労が溜まっているだろ」
「う、うん……」

 アキラは黙っていたが、いつも以上に疲労が蓄積されていた。
 ブラックパンサーを倒すほんの前から肉体的な観点から見れば、かなり反射的に動けていた。
 けれどNight曰く、それが弱点らしい。

「本当に稀な事例だ。現実世界の自分や精神には何ら異常は出ないらしいが、終わった後の疲労感が尋常じゃない。特にアキラ、お前の場合は如実にょじつに表れるらしいな」
「そ、そうかな?」

 アキラは首を捻った。だけど節々が痛かった。いわゆる筋肉痛だ。

「安心しろ。少し休めば治る」
「本当! よかったー。このままずっとは流石に嫌だったよー」
「溜息を吐くな溜息。そんなことより見えて来たぞ」

 アキラの視線の先、先頭のNightは指を差した。
 木々がなく開けているらしい。どうやら山頂だ。

「やった! ねえ早く行こうよ」
「おい、お前疲労は。筋肉痛はどうした!」
「そんなのもう治っちゃった。今のでぜーんぶ、吹き飛んじゃったよ!」
「現金な奴だな」

 Nightのツッコみの切れが増していた。
 よりスパッと的確になっていたが、言葉が難しくなっていたのでアキラには通用しなかった。
 それもそのはず意識の切り替えで無理やり疲労を跳ね除けた。
 こんな芸当アキラにしかできない離れ業だ。

「うわぁ! すっごい綺麗な星空だね」
「そうだな」

 Nightはあっさりしていた。緩急かんきゅうもなく感動も薄い。
 対するアキラは頭上を彩る満点の星々の数々に圧巻し、目を奪われていた。
 
 夜の静寂に包まれ、黒一色に染まっている空模様。雲一つない夜空だ。
 そこに映し出される光の粒たちは神々しく輝いている。星たちだ。
 白だけじゃない。赤や青とまるで金平糖のように見えるのは、風情がないかもしれない。
 だけど綺麗で美味しそうだ。キメラだけに——

「見たところ目ぼしいものはないようだな」
「えっ!? こんなに綺麗に光ってるんだよ!」
「それがどうした? こんな光景都会にいなければ見られるだろ」
「もっと風景を楽しもうよー」

 アキラはがっかりした。だけどNightは必死に目を凝らしている。
 何かお目当ての星でもあるのかな。
 アキラは結局楽しんでいるNightに微笑みをかける。けれど血眼なのが気に食わない。

「ねえNight。何を探しているの?」
「言っただろ。シミに合う形の星座だ。四角と三角のものを見つけようとしているんだ」
「へぇー星座? そう言えばそのために来たんだよね」
「まさか忘れていたのか?」
「うん。ブラックパンサーと戦ってたらついつい」

 全く隠す気がなかった上にはぐらかしもしない。
 正直に答えたアキラに絶句するでもなく軽く流してしまったNightは空気でも感じているようだ。

「それで三角と四角の星座って何?」
「さあな」
「さあなって、調べてないの!」
「もちろん調べた。この世界の星座は現実のものよりも格段に多い。累計200種類以上は平気であるからな。その中でも秋ごろに見られる星座には現実にあるぺガスス座をモデルにしたペガサス座がある。これが四角なのは確定何だが……」
「何だがって、三角は無いの?」
「それが見つからないから苦労しているんだ。北極星だけはちゃんとあるのにな」

 聞いたことがある。確かずっと北にあるっている一際明るい星だ。

「三角の星座はこの世界には三角がというのがあったはずだ。とは言えこの季節じゃない。あのシミは何だったんだ?」
「もしかしたらただの偽装だったとか?」
「可能性は十分考えられる。あれだけ安くて小細工なしみたいな仕掛けばかりだ。もしかしたら運営側の思う壺だったのかもな」

 Nightらしくもなく覇気がない。アキラは元気を出してもらおうと、背中をポンと叩いた。
 一瞬飛び跳ね怒るでもなく疲れた目でアキラを見てくる。

「なんだ?」
「ねえNight。一回この星空を堪能しようよ。一回リフレッシュした方が、良いものも思いつくんじゃない?」
「そんな……そうだな。少しクールダウンでもするか」

 Nightは体をふにゃらけて、草むらの上に腰を下ろす。
 隣なアキラも座り、膝を抱える。
 空には満点の星たちがアキラ達を歓迎しているようで、とても綺麗だった。
 心が洗われるとともに、アキラにはふと疑問が抱いた。

「そう言えばこっちの星って現実とは末で関係がないの?」
「そんなことはない。この世界には現実と音字で北極星がある。北を差しているのは同じだ。他にもアルゴ座のようなものもある。十二正座もな」
「そうなんだー。じゃあさ、単純な三角形の星座って夏の大三角みたいにあるの?」
「冬も忘れるな。メジャーじゃないがな」
「冬もあるよね。オリオン座とかのでしょ?」
「そうだ。それもこれもとある星だけを繋いだものだが……星を繋ぐ? 星座として見ない?」

 Nightにスイッチが入った。急なエンジンの始動に驚くと、Nightは指で枠を作っている。
 何か考えがあるのか。急に立ち上がり叫んだ。

「そういうことか!」
「どういうこと!」

 アキラはビックリしてしまい立ち上がっていた。何故だろう、Nightの顔色が不服に見えている。
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