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◇236 プラモデルみたいな盾
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ギルドホームには全員集まっていた。
そこにログインしてきたのはアキラで、来て早々高らかに告げる。
「みんな、けみーさんたちから貰って来たよ!」
つい昨日の出来事なのだが、アキラはまだ笑みを浮かべている。
けみーから伝えられた条件を全て飲んだからこそ手に入ったのだが、Night達はそのことを知らない。
それでもアキラのことだから、また何か面倒な約束をしてきたのだろうと、Nightは睨んでいた。
「本当に手に入ったの、アキラ!」
「うん。コレ見て、よいしょっと」
インベントリの中から取り出したのは盾の基盤に当たる部分だった。
裏にはたくさんの肉抜き穴。
さらには様々なパーツをはめ込むためのジョイントまで付いている。
しかも思った以上に軽く、アキラは風船でも持っているみたいに感じた。
「何だろ、このプラモデルのパーツを大きくしたみたいな……」
「いや、如何見てもロボットの盾パーツだろ。しかも何か特徴のある盾だな」
「凄いよね。コレ、完成したら如何なるのかな?」
「如何もならない。週刊号みたいに言うな」
Nightの独特なツッコミが冴える。
けれど誰も返すことはしないので、完全にツッコミ損に終わった。
ただしNightはこの程度で挫けたりしない。
「ふぅ」と一呼吸入れ、「さて……」と話し出した。
「これでパーツは全て揃ったな」
「揃ったって、まだ2つしかないよ?」
「残りのパーツは買ってきた。ほとんどのプレイヤーにとって、この盾のパーツは不要だからな」
インベントリに中からNightがアイテムを取り出す。
机の上にごちゃごちゃと置かれていたのは、今回のペアズ・ペアで上位入賞を果たしたペアに贈られる盾のパーツたちだった。
如何やら全部揃っているようで、羽根のようなパーツが3枚、上から被せるパーツが1枚。
それから赤い宝玉が1つと、完全にプラモデルのキットのように見える。
「凄いね、良く手に入ったよ」
「この間私が遅れた原因はコレだ。たまたま市場に行ったらコイツらが安く売られていた。その時気が付いたんだ。コイツらは何かに使える。そう思って、急いで残りのパーツを集めてきた」
用意周到と言うのか、それとも単に行動が先行しただけなのか。
どちらにせよNightは狙っていた通りに進んだようで満足している。
アキラたちは早速机の上に置かれたパーツたちを盾に付けようと提案した。
「ねえNight。このパーツって、付けて行ってもいいのかな?」
「問題ないはずだ。とりあえずまずはこの3枚の羽根だな。この凹凸のはめ込み部分が怪しいな」
「全部同じ形みたいだね。もしかして盾を使うと開くのかな?」
「普通に考えればそうだ」
とりあえず付けてみることにした。
カチッカチッと良い音がして、しっかりと凹凸にはまっている。
「何だろ……本当にプラモ作っているみたい」
「いいや、プラモじゃないな。特撮モノのロボットの凹凸ジョイントをはめ込む時に近い」
特撮モノのロボットを狩っていることにアキラはツッコミを入れようとしたが、押し黙っておく。
別に否定することでもない上に、確かにカチッカチッとはまるのは気持ちが良かった。
「後は宝玉をはめ込むんだな。真ん中にご丁寧に空いているな」
「うわぁ、コレって閉じた時にピッタリくるんじゃない?」
「それしかないだろ。うっ、気持ち悪いな……」
Nightが宝玉を埋め込むと、ニュルッとした感触が伝わってきた。
例えるなら水に浸けたら膨らむ恐竜のおもちゃを水に浸し過ぎてぶよぶよになった時のような、あの感触に似ている。
Nightの表情が明らかに歪み、早くカバーを付けたがる。
「よし、もうカバーを付けるぞ」
「Nightが機嫌悪くなってる」
「残りは持ち手だが……コレは誰が使う?」
Nightはひっくり返して持ち手を付けた。
かぎ状になっているので片手でがっちり握ることができ、さらには腕に取り付けることもできるようになっていた。
「私はいいよ。【キメラハント】に相性悪いもん」
「竜化したら使えないしねー」
「刀とは両手で本来使うものです」
「弓も薙刀も両手を使うのよね」
アキラたち4人は誰も使う気がなかった。
むしろ使える人が1人もおらず、結果的にNightが使うことになった。
「結局私が使うことになるのか」
「でもNightには丁度いいんじゃないかな?」
「確かに私は中距離からの援護が主力だが……この盾の性能的に難しいぞ」
「盾の性能って?」
Nightは渋い顔をしていた。
アキラは盾を渡されて性能を調べてみる。すると驚愕の一文が書かれていた。
「えーっと、光線を吸収しエネルギーを生み出す。その後反射させることで、敵を償却することができる特徴を持つ……はい?」
「つまり光線系の敵が出てこないと真価を発揮しない」
「でもそんな敵……」
「今はいないな。まあ、コレがあるならそのうち出るだろ」
Nightは無駄にならないように使い道を考えていた。
しかし今のところ真っ当な使い道はないので、その耐久性に期待して使う以外に選択肢がない。
全員微妙な顔をするとともに、薄ら笑いをしているのがやっとだった。
そこにログインしてきたのはアキラで、来て早々高らかに告げる。
「みんな、けみーさんたちから貰って来たよ!」
つい昨日の出来事なのだが、アキラはまだ笑みを浮かべている。
けみーから伝えられた条件を全て飲んだからこそ手に入ったのだが、Night達はそのことを知らない。
それでもアキラのことだから、また何か面倒な約束をしてきたのだろうと、Nightは睨んでいた。
「本当に手に入ったの、アキラ!」
「うん。コレ見て、よいしょっと」
インベントリの中から取り出したのは盾の基盤に当たる部分だった。
裏にはたくさんの肉抜き穴。
さらには様々なパーツをはめ込むためのジョイントまで付いている。
しかも思った以上に軽く、アキラは風船でも持っているみたいに感じた。
「何だろ、このプラモデルのパーツを大きくしたみたいな……」
「いや、如何見てもロボットの盾パーツだろ。しかも何か特徴のある盾だな」
「凄いよね。コレ、完成したら如何なるのかな?」
「如何もならない。週刊号みたいに言うな」
Nightの独特なツッコミが冴える。
けれど誰も返すことはしないので、完全にツッコミ損に終わった。
ただしNightはこの程度で挫けたりしない。
「ふぅ」と一呼吸入れ、「さて……」と話し出した。
「これでパーツは全て揃ったな」
「揃ったって、まだ2つしかないよ?」
「残りのパーツは買ってきた。ほとんどのプレイヤーにとって、この盾のパーツは不要だからな」
インベントリに中からNightがアイテムを取り出す。
机の上にごちゃごちゃと置かれていたのは、今回のペアズ・ペアで上位入賞を果たしたペアに贈られる盾のパーツたちだった。
如何やら全部揃っているようで、羽根のようなパーツが3枚、上から被せるパーツが1枚。
それから赤い宝玉が1つと、完全にプラモデルのキットのように見える。
「凄いね、良く手に入ったよ」
「この間私が遅れた原因はコレだ。たまたま市場に行ったらコイツらが安く売られていた。その時気が付いたんだ。コイツらは何かに使える。そう思って、急いで残りのパーツを集めてきた」
用意周到と言うのか、それとも単に行動が先行しただけなのか。
どちらにせよNightは狙っていた通りに進んだようで満足している。
アキラたちは早速机の上に置かれたパーツたちを盾に付けようと提案した。
「ねえNight。このパーツって、付けて行ってもいいのかな?」
「問題ないはずだ。とりあえずまずはこの3枚の羽根だな。この凹凸のはめ込み部分が怪しいな」
「全部同じ形みたいだね。もしかして盾を使うと開くのかな?」
「普通に考えればそうだ」
とりあえず付けてみることにした。
カチッカチッと良い音がして、しっかりと凹凸にはまっている。
「何だろ……本当にプラモ作っているみたい」
「いいや、プラモじゃないな。特撮モノのロボットの凹凸ジョイントをはめ込む時に近い」
特撮モノのロボットを狩っていることにアキラはツッコミを入れようとしたが、押し黙っておく。
別に否定することでもない上に、確かにカチッカチッとはまるのは気持ちが良かった。
「後は宝玉をはめ込むんだな。真ん中にご丁寧に空いているな」
「うわぁ、コレって閉じた時にピッタリくるんじゃない?」
「それしかないだろ。うっ、気持ち悪いな……」
Nightが宝玉を埋め込むと、ニュルッとした感触が伝わってきた。
例えるなら水に浸けたら膨らむ恐竜のおもちゃを水に浸し過ぎてぶよぶよになった時のような、あの感触に似ている。
Nightの表情が明らかに歪み、早くカバーを付けたがる。
「よし、もうカバーを付けるぞ」
「Nightが機嫌悪くなってる」
「残りは持ち手だが……コレは誰が使う?」
Nightはひっくり返して持ち手を付けた。
かぎ状になっているので片手でがっちり握ることができ、さらには腕に取り付けることもできるようになっていた。
「私はいいよ。【キメラハント】に相性悪いもん」
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「弓も薙刀も両手を使うのよね」
アキラたち4人は誰も使う気がなかった。
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「結局私が使うことになるのか」
「でもNightには丁度いいんじゃないかな?」
「確かに私は中距離からの援護が主力だが……この盾の性能的に難しいぞ」
「盾の性能って?」
Nightは渋い顔をしていた。
アキラは盾を渡されて性能を調べてみる。すると驚愕の一文が書かれていた。
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「つまり光線系の敵が出てこないと真価を発揮しない」
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