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◇340 追い込み漁をやってみた
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「居たね」
「そうだな。とりあえず警戒されていることは確かだ」
アキラたちはアルミラージを見つけた。
耳をピクピクさせて警戒している。これじゃあ中々近づけない。
アキラたちは歯痒い思いをしたが、このまま見つめているだけじゃダメだ。
そう思ってか、フェルノと雷斬が「この距離なら」とそれぞれスキルを使う用意をしつつ、敵意を剥き出しにした。すると——
ダッ!
「あっ、逃げた!」
アルミラージは颯爽と逃げ出した。
一直線で飛び跳ねながら地面を蹴る。その脚で向かうのは鬱蒼とした森の中だった。
「逃がしません」
「そうだよー。逃げられる前に捕まえよー!」
雷斬は【雷鳴】を呼び、フェルノも【吸炎竜化】を発動する。
眩い光が閃光を生み、強烈な熱が包み込んだ。
二人の速さは異常だ。けれど先に読んでいたアルミラージは二人の攻撃が触れる前に森の中に消えてしまう。
「しまった!」
「逃げられたな。これは骨が折れるぞ」
アルミラージは森の中に姿を隠した。
小柄な体系を活かして巧みにアキラたちを躱してしまう。
何となくそこまでは読むことができたので、ただ闇雲に捜すのは止めた方が良さそうだった。
「如何しよう。せっかく見つけたのに……」
「諦めるのはまだ早いぞ。とにかく足跡を辿って追いかける方法がある」
幸いにも足跡は残っていた。
これを追いかければアルミラージに追いつくことはできるかもだけど、流石にここまで鬱蒼としている森の中だとフェルノの炎特化スキルは使えないし、雷斬のスピードも生かせない。
ベルも風を読んだ所で意味が無いので、使えそうなのはアキラとNightのスキルだった。
「私が【月跳】で見つけるしかないかな?」
「お前、三角跳びが得意なのか? それともパルクールでもできるのか?」
「えっと……ごめんなさい」
「だろうな」
Nightに先に一蹴されてしまった。
アキラは小さくなってしまうものの、Nightも作って有効打になりそうなものがワイヤーくらいしかなかった。
「とりあえず今作れるのはこのくらいだな」
Nightの手にはワイヤーが握られている。
金属製のようで、足を引っ掻けたら確実に転ぶ。
それを見たアキラはNightが何を言いたいのか何となく掴んだ。
「もしかしてそれを使ってアルミラージを捕まえるってこと?」
「それが手っ取り早いだろ。わざわざ私たちが捕まえる必要は無い」
「そ、そうかもだけど……如何やって?」
「アルミラージを誘導できれば早いんだがな」
Nightは眉根を寄せた。流石にそれが出来たら苦労しない。
だけどアルミラージには完全に警戒されてしまっていた。
そう上手くいくとは思えないものの、アキラはやってみたいことを思い付く。
「ねえみんな、アルミラージを追い込んでみようよ!」
「追い込むってー?」
「追い込み猟か。なるほどな……とは言え如何やって追い込むんだ? 肝心の二人分、スキルが使えないんだぞ?」
「それは問題無いでしょ?」
Nightは判り切っていることを口にして試してきた。
アキラはにこやかにNightに返すと「まあな」と返される。
別にスキルを使う必要なんて何処にもない。アキラはそれが言いたくて、アルミラージを捜して森の中に入る。全員に作戦は何となく伝えているが、後は各々の頑張りだった。
「えーっと、足跡はこの辺で……あっ、居た!」
アキラは早速アルミラージを見つけた。
警戒したままで見つけて声を出すとすぐに逃げてしまうので、急いで追いかける。
だけどアルミラージは小さい上にすばしっこいので、人間が通れない所をスルリと通り抜けるのだった。
「ちょっと待ってよ! フェルノ、そっち行ったよ」
「オッケー」
アキラは無駄に追うのを止めた。
代わりにフェルノにスイッチして、今度は三角跳びを併用してフェルノが追いかける。
するとアルミラージはまたしても方向を変えて、フェルノから掻い潜る。
「うわぁ、そっち行くんだ。それじゃあベル、頼んだよー」
「任せて」
今度はベルが役目を果たす。
【風読み】で風を呼び寄せると、アルミラージはそれを嫌う。耳がピクピクし始めると、方向転換して、その最中にはベルが弓矢を射ていた。
逃げようとする方向を先に計算していたので、アルミラージもひやひやだ。
「ちょこまかと的が絞り難いわね。それっ!」
ベルが矢を射るも、アルミラージはピョンピョン跳ね回って躱してしまう。
が、ここまでは予定調和。アルミラージはベルの射る矢を躱したように思いこんでいるだけで、本当は自分が誘導されていた。
「みんなで囲うよ!」
逃げ道を完全に塞ぐ。全員でアルミラージを追い詰めて、一方向だけ逃げ道を用意する。
何かの兵法で有った気もするが、アルミラージは残された逃げ道を活用して逃げていくが、不意に脚が取られた。
木の幹にくくり付けられた細いワイヤーに足を引っ掻けてしまい転ぶ。
動きが鈍った瞬間、Nightが網を投げてアルミラージを生け捕りにした。
「ふぅ。上手く行ったな」
「追い込み猟、成功だね!」
作戦が見事に通用した。ここまで綺麗に決まるととっても嬉しい。
アキラはギュッと拳を握って成功の味を噛み締めると、ふと考えてしまった。
(もしかして、これなら行けるかも?)
この作戦を転用できればあの赤いナマズも捕まえられる。
アキラはそんな気がして、みんなにも相談してみることにした。
「そうだな。とりあえず警戒されていることは確かだ」
アキラたちはアルミラージを見つけた。
耳をピクピクさせて警戒している。これじゃあ中々近づけない。
アキラたちは歯痒い思いをしたが、このまま見つめているだけじゃダメだ。
そう思ってか、フェルノと雷斬が「この距離なら」とそれぞれスキルを使う用意をしつつ、敵意を剥き出しにした。すると——
ダッ!
「あっ、逃げた!」
アルミラージは颯爽と逃げ出した。
一直線で飛び跳ねながら地面を蹴る。その脚で向かうのは鬱蒼とした森の中だった。
「逃がしません」
「そうだよー。逃げられる前に捕まえよー!」
雷斬は【雷鳴】を呼び、フェルノも【吸炎竜化】を発動する。
眩い光が閃光を生み、強烈な熱が包み込んだ。
二人の速さは異常だ。けれど先に読んでいたアルミラージは二人の攻撃が触れる前に森の中に消えてしまう。
「しまった!」
「逃げられたな。これは骨が折れるぞ」
アルミラージは森の中に姿を隠した。
小柄な体系を活かして巧みにアキラたちを躱してしまう。
何となくそこまでは読むことができたので、ただ闇雲に捜すのは止めた方が良さそうだった。
「如何しよう。せっかく見つけたのに……」
「諦めるのはまだ早いぞ。とにかく足跡を辿って追いかける方法がある」
幸いにも足跡は残っていた。
これを追いかければアルミラージに追いつくことはできるかもだけど、流石にここまで鬱蒼としている森の中だとフェルノの炎特化スキルは使えないし、雷斬のスピードも生かせない。
ベルも風を読んだ所で意味が無いので、使えそうなのはアキラとNightのスキルだった。
「私が【月跳】で見つけるしかないかな?」
「お前、三角跳びが得意なのか? それともパルクールでもできるのか?」
「えっと……ごめんなさい」
「だろうな」
Nightに先に一蹴されてしまった。
アキラは小さくなってしまうものの、Nightも作って有効打になりそうなものがワイヤーくらいしかなかった。
「とりあえず今作れるのはこのくらいだな」
Nightの手にはワイヤーが握られている。
金属製のようで、足を引っ掻けたら確実に転ぶ。
それを見たアキラはNightが何を言いたいのか何となく掴んだ。
「もしかしてそれを使ってアルミラージを捕まえるってこと?」
「それが手っ取り早いだろ。わざわざ私たちが捕まえる必要は無い」
「そ、そうかもだけど……如何やって?」
「アルミラージを誘導できれば早いんだがな」
Nightは眉根を寄せた。流石にそれが出来たら苦労しない。
だけどアルミラージには完全に警戒されてしまっていた。
そう上手くいくとは思えないものの、アキラはやってみたいことを思い付く。
「ねえみんな、アルミラージを追い込んでみようよ!」
「追い込むってー?」
「追い込み猟か。なるほどな……とは言え如何やって追い込むんだ? 肝心の二人分、スキルが使えないんだぞ?」
「それは問題無いでしょ?」
Nightは判り切っていることを口にして試してきた。
アキラはにこやかにNightに返すと「まあな」と返される。
別にスキルを使う必要なんて何処にもない。アキラはそれが言いたくて、アルミラージを捜して森の中に入る。全員に作戦は何となく伝えているが、後は各々の頑張りだった。
「えーっと、足跡はこの辺で……あっ、居た!」
アキラは早速アルミラージを見つけた。
警戒したままで見つけて声を出すとすぐに逃げてしまうので、急いで追いかける。
だけどアルミラージは小さい上にすばしっこいので、人間が通れない所をスルリと通り抜けるのだった。
「ちょっと待ってよ! フェルノ、そっち行ったよ」
「オッケー」
アキラは無駄に追うのを止めた。
代わりにフェルノにスイッチして、今度は三角跳びを併用してフェルノが追いかける。
するとアルミラージはまたしても方向を変えて、フェルノから掻い潜る。
「うわぁ、そっち行くんだ。それじゃあベル、頼んだよー」
「任せて」
今度はベルが役目を果たす。
【風読み】で風を呼び寄せると、アルミラージはそれを嫌う。耳がピクピクし始めると、方向転換して、その最中にはベルが弓矢を射ていた。
逃げようとする方向を先に計算していたので、アルミラージもひやひやだ。
「ちょこまかと的が絞り難いわね。それっ!」
ベルが矢を射るも、アルミラージはピョンピョン跳ね回って躱してしまう。
が、ここまでは予定調和。アルミラージはベルの射る矢を躱したように思いこんでいるだけで、本当は自分が誘導されていた。
「みんなで囲うよ!」
逃げ道を完全に塞ぐ。全員でアルミラージを追い詰めて、一方向だけ逃げ道を用意する。
何かの兵法で有った気もするが、アルミラージは残された逃げ道を活用して逃げていくが、不意に脚が取られた。
木の幹にくくり付けられた細いワイヤーに足を引っ掻けてしまい転ぶ。
動きが鈍った瞬間、Nightが網を投げてアルミラージを生け捕りにした。
「ふぅ。上手く行ったな」
「追い込み猟、成功だね!」
作戦が見事に通用した。ここまで綺麗に決まるととっても嬉しい。
アキラはギュッと拳を握って成功の味を噛み締めると、ふと考えてしまった。
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アキラはそんな気がして、みんなにも相談してみることにした。
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