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◇341 レッド・キャットフィッシュを捕まえよ!
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アキラたちは揃って水神池へと向かった。
今日はもう六日。時間がない。
明日が最終日なので、できれば今日の内には何か成果を上げたかったが、残念なことに赤いナマズこと、レッド・キャットフィッシュを釣り上げて以降何も釣れていない。
これが何を意味しているのか。そう、ボウズと言うやつだ。
「レッド・キャットフィッシュがあの池に居る以上、他にモンスターはおろか魚すら釣れない」
「あんなに大きなモンスターが居たら、他のモンスターも食べられちゃうもんね。あの時鯉が釣れたのが奇跡だよ」
「もっと言えばクロユリたちが釣り上げたことの方が奇跡だろ。あのモンスターのせいで、今じゃ誰もこのイベントに参加していないからな」
「あ、あはは……頑張らないとね」
実際、ネットの掲示板では噂になっていた。
このイベントに参加してもあのナマズのせいで阻まれてしまう。
そのせいもあり、このイベントは不評とはいかないまでも、相変わらず難しかった。だけどその方が面白いと、運営側は常に強気。
実際、毎度のことだけど困難を与えることで何かを企んでいるのが公式だった。
「今回は一体何を測っているんだ」
「如何したの、Night?」
Nightがぶつぶつと唱えながら考え事をしていたので、アキラは気になる。
しかし当の本人は「何でもない」と一蹴してしまった。
「見えて来たよ。今日こそは釣り上げるぞぉ!」
水神池に到着すると、フェルノは早速釣りリベンジを始めようとする。
しかしアキラはそれを制し。今回は釣じゃないことを改めて確認した。
「フェルノ、今日はそれじゃないよ」
「あっ、そうだった。ごめんごめん。連チャンで来ちゃったからすっかり気分切り換えてたよー」
気分転換が成功したのは良いことだった。
だけど今回は対アルミラージ戦の転用で、Nightが【ライフ・オブ・メイク】でおなじみのアレを作った。
「これくらいで良いな」
「おっきいね。しかも下に重りが付いてるよ?」
Nightが作ったものは巨大な網だった。
中心にはワイヤーが入っていて、網の下には大きめの重りが幾つも付いていた。
一体何に使うのか。もちろん池の中に落として、網を使って捕まえるシンプルなやり方だった。
「良いんでしょうか? 今回のイベントでは釣竿を使って釣らなければいけないはずですが……」
「大丈夫だと思うよ」
アキラは根拠はなかった。とりあえず勘で答えたが、何故か確信がある。
けれどNightはアキラに足りない部分を補填してくれた。
「アキラの言う通りだ。あくまでも龍の髭の入手に限って言えば釣竿を使うことが必須。だが、レッド・キャットフィッシュに関してはそれとは無関係。それに小魚に関しては網自体が細目に放っていないからな。抜け出てくれるだろう」
確かに網自体はかなり丈夫で緩かった。
そのおかげも相まって小さい小魚たちは逃げられるように設計され、もっと言えばレッド・キャットフィッシュさえ捕まえられれば他の魚たちは逃がす予定だ。
レッド・キャットフィッシュはこの池の生態系を崩している。だからギルド会館でも問題視されていて、この機に一気に解決してしまおうと考えていた。
「まさかあの赤いナマズが討伐対象にされている何てね」
「倒したら結構もらえるよね?」
「そうだな。おまけにカタログも付いてくる」
「やはりそっちがメインですか」
これは頑張らないといけないなと思った。
用意ができたところで雷斬とアキラはお互いに網の端を持つ。
残念ながらNightでは力不足なので、ベルと一緒に居て貰った。
「ベル、Nightさんをちゃんと守ってあげてくださいね」
「分かっているわよ。Nightは防御もペラペラだものね」
「うるさい」
レッド・キャットフィッシュの力を判った上での一番の布陣。
ゆっくり池の端からレッド・キャットフィッシュを追い詰めるべく、息を合わせて網を動かした。
「やってみよ雷斬」
「はい、アキラさん」
「「せーのっ、一、二、一、二、一、二……お、重い?」」
急に腕の重さが伝わる。
肩が外れそうになり、脚に力を入れた。
ズルズルと池の中に引きずり込まれる感覚が襲い掛かり、二人は冷や汗を掻く。
「二人とも大丈夫ー?」
フェルノが声を掛けた。一応大丈夫だということを二人は伝える。
しかし気を抜けばすぐに持って行かれると、より一層気を引き締めて足を動かした。
すると木の上に登っていたベルとNightが池の中に目を落とした。
「な、何よアレ?」
「アキラ、雷斬、気を付けろ!」
Nightの叫び声が聞こえた。
一体何がと思った矢先、同じ目線でも池の中に黒いものが泳いでいるのが目についた。
もちろん影になっているから黒く見えるだけ。だけどあまりに大きくて、確実にレッド・キャットフィッシュだ。
「まさかじゃないけど、跳ばないよね?」
「それは無いと思いますが……アキラさん」
「そ、そうだね。止まっちゃダメだよね」
二人は恐怖を拭い去って網を動かす。
すると黒い影が深く池の底へと潜っていき、直後全身に強烈な振動が襲い掛かって来た。
今日はもう六日。時間がない。
明日が最終日なので、できれば今日の内には何か成果を上げたかったが、残念なことに赤いナマズこと、レッド・キャットフィッシュを釣り上げて以降何も釣れていない。
これが何を意味しているのか。そう、ボウズと言うやつだ。
「レッド・キャットフィッシュがあの池に居る以上、他にモンスターはおろか魚すら釣れない」
「あんなに大きなモンスターが居たら、他のモンスターも食べられちゃうもんね。あの時鯉が釣れたのが奇跡だよ」
「もっと言えばクロユリたちが釣り上げたことの方が奇跡だろ。あのモンスターのせいで、今じゃ誰もこのイベントに参加していないからな」
「あ、あはは……頑張らないとね」
実際、ネットの掲示板では噂になっていた。
このイベントに参加してもあのナマズのせいで阻まれてしまう。
そのせいもあり、このイベントは不評とはいかないまでも、相変わらず難しかった。だけどその方が面白いと、運営側は常に強気。
実際、毎度のことだけど困難を与えることで何かを企んでいるのが公式だった。
「今回は一体何を測っているんだ」
「如何したの、Night?」
Nightがぶつぶつと唱えながら考え事をしていたので、アキラは気になる。
しかし当の本人は「何でもない」と一蹴してしまった。
「見えて来たよ。今日こそは釣り上げるぞぉ!」
水神池に到着すると、フェルノは早速釣りリベンジを始めようとする。
しかしアキラはそれを制し。今回は釣じゃないことを改めて確認した。
「フェルノ、今日はそれじゃないよ」
「あっ、そうだった。ごめんごめん。連チャンで来ちゃったからすっかり気分切り換えてたよー」
気分転換が成功したのは良いことだった。
だけど今回は対アルミラージ戦の転用で、Nightが【ライフ・オブ・メイク】でおなじみのアレを作った。
「これくらいで良いな」
「おっきいね。しかも下に重りが付いてるよ?」
Nightが作ったものは巨大な網だった。
中心にはワイヤーが入っていて、網の下には大きめの重りが幾つも付いていた。
一体何に使うのか。もちろん池の中に落として、網を使って捕まえるシンプルなやり方だった。
「良いんでしょうか? 今回のイベントでは釣竿を使って釣らなければいけないはずですが……」
「大丈夫だと思うよ」
アキラは根拠はなかった。とりあえず勘で答えたが、何故か確信がある。
けれどNightはアキラに足りない部分を補填してくれた。
「アキラの言う通りだ。あくまでも龍の髭の入手に限って言えば釣竿を使うことが必須。だが、レッド・キャットフィッシュに関してはそれとは無関係。それに小魚に関しては網自体が細目に放っていないからな。抜け出てくれるだろう」
確かに網自体はかなり丈夫で緩かった。
そのおかげも相まって小さい小魚たちは逃げられるように設計され、もっと言えばレッド・キャットフィッシュさえ捕まえられれば他の魚たちは逃がす予定だ。
レッド・キャットフィッシュはこの池の生態系を崩している。だからギルド会館でも問題視されていて、この機に一気に解決してしまおうと考えていた。
「まさかあの赤いナマズが討伐対象にされている何てね」
「倒したら結構もらえるよね?」
「そうだな。おまけにカタログも付いてくる」
「やはりそっちがメインですか」
これは頑張らないといけないなと思った。
用意ができたところで雷斬とアキラはお互いに網の端を持つ。
残念ながらNightでは力不足なので、ベルと一緒に居て貰った。
「ベル、Nightさんをちゃんと守ってあげてくださいね」
「分かっているわよ。Nightは防御もペラペラだものね」
「うるさい」
レッド・キャットフィッシュの力を判った上での一番の布陣。
ゆっくり池の端からレッド・キャットフィッシュを追い詰めるべく、息を合わせて網を動かした。
「やってみよ雷斬」
「はい、アキラさん」
「「せーのっ、一、二、一、二、一、二……お、重い?」」
急に腕の重さが伝わる。
肩が外れそうになり、脚に力を入れた。
ズルズルと池の中に引きずり込まれる感覚が襲い掛かり、二人は冷や汗を掻く。
「二人とも大丈夫ー?」
フェルノが声を掛けた。一応大丈夫だということを二人は伝える。
しかし気を抜けばすぐに持って行かれると、より一層気を引き締めて足を動かした。
すると木の上に登っていたベルとNightが池の中に目を落とした。
「な、何よアレ?」
「アキラ、雷斬、気を付けろ!」
Nightの叫び声が聞こえた。
一体何がと思った矢先、同じ目線でも池の中に黒いものが泳いでいるのが目についた。
もちろん影になっているから黒く見えるだけ。だけどあまりに大きくて、確実にレッド・キャットフィッシュだ。
「まさかじゃないけど、跳ばないよね?」
「それは無いと思いますが……アキラさん」
「そ、そうだね。止まっちゃダメだよね」
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