366 / 617
◇364 何故に授業で雪合戦?
しおりを挟む
「如何してこうなったのかな?」
明輝は呆然としていた。
冬の寒空の中、クラスメイト達はジャージを着ている。
しかし場所も場所だった。ここは体育館じゃない。もちろん武道場でもない。
完全に外、ここは校庭で、何故か寒い中を過ごしていた。
「明輝、危ない!」
白い小さな塊が飛んでくる。
雪玉が明輝へと当たりそうになる中、明輝はスルリと躱してしまうと、自分も雪玉を作り、こうなって経緯を回想する。
「えーと、斎藤先生と船橋先生からお知らせがあります。今日の体育の授業は男子と女子はそれぞれ外で雪合戦をするそうです」
「「「何でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」
始まりは担任の先生の一言だった。
クラスメイトの男子女子問わず、全員驚いてしまった。
まさか冬休み開け一発目の授業が体育だった弊害がここに来て出てしまい、過酷な環境を強いられる。
しかもまさかの雪合戦。明輝たちは驚愕し、むしろドン引きした。
「先生、なんで雪合戦なんですか!?」
白玄が手を挙げて質問した。
すると担任先生は「うーん、何でかな?」と曖昧な答えを出す。
しかし「多分……」と火鳴り出して考えた答えはあまりにも歪だった。
「多分、せっかく雪が降っているから使わない手はない的なノリじゃないかな?」
「「「そんな適当なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」」
完全に適当だった。
流石に今日は気のよりも寒いので心身共に響く。
だけど今更授業欠席はできないので、明輝たちは仕方なくその幼稚園児的な授業を強いられた。
「ううっ、寒い」
「本当だね。でも何でこんな時に校庭で雪合戦なんだろう」
「分からない。でも、寒い。死にそう。コートが欲しい」
「確かに厚着したいよね。みんな震えているよ」
校庭に集められた明輝たちはそれぞれ男子女子に分かれて先生の周りに集まる。
男子の方を見てみると、運動部の人達は「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」と寒さを吹き飛ばそうと、熱血漢の体育教師と叫んでいたが、それ以外の生徒たちは死んだような顔をしていた。
対して女子たちもおんなじ感じだ。
体を震え上がらせて唇が変色しそうになっていた。
しかし烈火はとても楽しそう。ジャージの袖を捲るという所業を行い、男子でもやっていない行為に圧巻とさせられた。
本気で暑さも寒さも関係ない。烈火の著しく高い体力のポテンシャルにドン引きしそうになった。
「えーっと、皆さん集まってください」
「「「はーい!」」」
そんな中、誰よりも寒さに耐えきれない人が居た。
か細い声でみんなを呼び寄せたのは、体育教師の船橋先生。
しかしその格好はあまりにも適していない。コートを着込み、分厚いブーツを履き、手袋にマフラーと完全防備だった。
嫉妬しそうになるが、それでも船橋先生は倒れそう。
頬が白くなり、目がウロウロしていた。
「先生大丈夫ですか!」
「今にも寒さで倒れそうになってますよ!」
クラスメイトたちが心配する。
それはもちろん明輝や烈火も同じで、船橋先生も「うん」とナヨナヨして答える。
それくらい寒さがピークに達していて、誰よりもフラフラだった。
「先生は元々血圧低いし、今日みたいな日は危ないですよ!」
「で、でもね。みんな雪合戦したいでしょ?」
「そ、そんなことは……」
「したくないの?」
船橋先生は悲しそうな目をしていた。
こんな目をされたら「したくないです」とは流石に堂々とは言えない。
もちろん堂々とじゃなくても厳しい空気が流れる。
「「「や、やりたいです!」」」
クラスメイトたちの一致団結が見えた。
ここは船橋先生を立てるためにも積極的に取り組むのは吉。
そう思った矢先、船橋先生は薄っすらと涙を流す。感動の涙だった。
「みんな、ありがとう」
「「「先生、泣かないでください!」」」
船橋先生は突然泣き出してしまった。
おまけに限界値を迎えそうになっている。
それでもここに立とうとする姿を見てクラスは勇気を貰う。
「えっと、それじゃあチーム分けしましょう」
クラスメイトの一人、三条がそう唱えた。
パンパンと手を叩き、全員をまとめ上げる。
一年生にして、風紀委員会に所属しているだけのことはあった。
「先生、ルールって決まっているんですか?」
クラスメイトの秋風祭は尋ねる。
すると船橋先生はフラフラとよろめきながらだったが、一瞬だけピシッとして、思い出したみたいに話し出す。
「えっとね、確か協議したんだけど、授業だから簡単なルールになったはずで……あっ!」
船橋先生は自分の後ろに置いてあった箱の中から旗を取り出した。
この場合はフラッグと呼ぶべきだろうか?
全部で二本、赤と青のフラッグがあり、かなり短い。
後はダンボール箱が六つ。それぞれ三つずつ用意してある。
「先生、凄い道具の数ですね」
「うん」
「いつの間に用意したんですか?」
「今朝、美術の名雪先生が頑張って作ってくれたんですよ。しかも防水加工が施されていて、かなり丈夫みたいです」
明輝たちはそれを聞いて全員思った。
あまりにクオリティが高くて、時間と労力が掛かっている。
それをこの短時間で作ってしまうなんて、どれだけ暇なのか、それとも腕が良いのか、明輝たちはありがたさの中に、御鷹高校の先生たちの変わり者感を感じ取った。
明輝は呆然としていた。
冬の寒空の中、クラスメイト達はジャージを着ている。
しかし場所も場所だった。ここは体育館じゃない。もちろん武道場でもない。
完全に外、ここは校庭で、何故か寒い中を過ごしていた。
「明輝、危ない!」
白い小さな塊が飛んでくる。
雪玉が明輝へと当たりそうになる中、明輝はスルリと躱してしまうと、自分も雪玉を作り、こうなって経緯を回想する。
「えーと、斎藤先生と船橋先生からお知らせがあります。今日の体育の授業は男子と女子はそれぞれ外で雪合戦をするそうです」
「「「何でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」
始まりは担任の先生の一言だった。
クラスメイトの男子女子問わず、全員驚いてしまった。
まさか冬休み開け一発目の授業が体育だった弊害がここに来て出てしまい、過酷な環境を強いられる。
しかもまさかの雪合戦。明輝たちは驚愕し、むしろドン引きした。
「先生、なんで雪合戦なんですか!?」
白玄が手を挙げて質問した。
すると担任先生は「うーん、何でかな?」と曖昧な答えを出す。
しかし「多分……」と火鳴り出して考えた答えはあまりにも歪だった。
「多分、せっかく雪が降っているから使わない手はない的なノリじゃないかな?」
「「「そんな適当なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」」
完全に適当だった。
流石に今日は気のよりも寒いので心身共に響く。
だけど今更授業欠席はできないので、明輝たちは仕方なくその幼稚園児的な授業を強いられた。
「ううっ、寒い」
「本当だね。でも何でこんな時に校庭で雪合戦なんだろう」
「分からない。でも、寒い。死にそう。コートが欲しい」
「確かに厚着したいよね。みんな震えているよ」
校庭に集められた明輝たちはそれぞれ男子女子に分かれて先生の周りに集まる。
男子の方を見てみると、運動部の人達は「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」と寒さを吹き飛ばそうと、熱血漢の体育教師と叫んでいたが、それ以外の生徒たちは死んだような顔をしていた。
対して女子たちもおんなじ感じだ。
体を震え上がらせて唇が変色しそうになっていた。
しかし烈火はとても楽しそう。ジャージの袖を捲るという所業を行い、男子でもやっていない行為に圧巻とさせられた。
本気で暑さも寒さも関係ない。烈火の著しく高い体力のポテンシャルにドン引きしそうになった。
「えーっと、皆さん集まってください」
「「「はーい!」」」
そんな中、誰よりも寒さに耐えきれない人が居た。
か細い声でみんなを呼び寄せたのは、体育教師の船橋先生。
しかしその格好はあまりにも適していない。コートを着込み、分厚いブーツを履き、手袋にマフラーと完全防備だった。
嫉妬しそうになるが、それでも船橋先生は倒れそう。
頬が白くなり、目がウロウロしていた。
「先生大丈夫ですか!」
「今にも寒さで倒れそうになってますよ!」
クラスメイトたちが心配する。
それはもちろん明輝や烈火も同じで、船橋先生も「うん」とナヨナヨして答える。
それくらい寒さがピークに達していて、誰よりもフラフラだった。
「先生は元々血圧低いし、今日みたいな日は危ないですよ!」
「で、でもね。みんな雪合戦したいでしょ?」
「そ、そんなことは……」
「したくないの?」
船橋先生は悲しそうな目をしていた。
こんな目をされたら「したくないです」とは流石に堂々とは言えない。
もちろん堂々とじゃなくても厳しい空気が流れる。
「「「や、やりたいです!」」」
クラスメイトたちの一致団結が見えた。
ここは船橋先生を立てるためにも積極的に取り組むのは吉。
そう思った矢先、船橋先生は薄っすらと涙を流す。感動の涙だった。
「みんな、ありがとう」
「「「先生、泣かないでください!」」」
船橋先生は突然泣き出してしまった。
おまけに限界値を迎えそうになっている。
それでもここに立とうとする姿を見てクラスは勇気を貰う。
「えっと、それじゃあチーム分けしましょう」
クラスメイトの一人、三条がそう唱えた。
パンパンと手を叩き、全員をまとめ上げる。
一年生にして、風紀委員会に所属しているだけのことはあった。
「先生、ルールって決まっているんですか?」
クラスメイトの秋風祭は尋ねる。
すると船橋先生はフラフラとよろめきながらだったが、一瞬だけピシッとして、思い出したみたいに話し出す。
「えっとね、確か協議したんだけど、授業だから簡単なルールになったはずで……あっ!」
船橋先生は自分の後ろに置いてあった箱の中から旗を取り出した。
この場合はフラッグと呼ぶべきだろうか?
全部で二本、赤と青のフラッグがあり、かなり短い。
後はダンボール箱が六つ。それぞれ三つずつ用意してある。
「先生、凄い道具の数ですね」
「うん」
「いつの間に用意したんですか?」
「今朝、美術の名雪先生が頑張って作ってくれたんですよ。しかも防水加工が施されていて、かなり丈夫みたいです」
明輝たちはそれを聞いて全員思った。
あまりにクオリティが高くて、時間と労力が掛かっている。
それをこの短時間で作ってしまうなんて、どれだけ暇なのか、それとも腕が良いのか、明輝たちはありがたさの中に、御鷹高校の先生たちの変わり者感を感じ取った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収
ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。
彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。
だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。
自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。
「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」
契約解除。返還されたレベルは9999。
一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。
対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。
静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。
「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」
これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。
(本作品はAIを活用して構成・執筆しています)
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
【完結】VRMMOでスライム100万匹倒して最強になった僕は経験値で殴るゲームやってます
鳥山正人
ファンタジー
検証が大好きな主人公、三上ハヤト。
このゲームではブロンズ称号、シルバー称号、ゴールド称号が確認されている。
それ以上の称号があるかもしれないと思い、スライムを100万匹倒したらプラチナ称号を手に入れた主人公。
その称号効果はスライム種族特効効果。
そこからは定番の経験値スライムを倒して最強への道かと思ったら・・・
このゲームは経験値を分け与える事が出来て、売買出来るゲーム。
主人公は経験値でモンスターを殴ります。
──────
自筆です。
癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。
branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位>
<カクヨム週間総合ランキング最高3位>
<小説家になろうVRゲーム日間・週間1位>
現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。
目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。
モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。
ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。
テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。
そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が――
「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!?
癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中!
本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ!
▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。
▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕!
カクヨムで先行配信してます!
リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~
RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。
試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。
「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」
枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!
底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる