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◇399 如何やら凄い子らしい?
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アキラはギルドホームに居た。
今日はフェルノとNightも揃っている。
この間のボードゲームの続きをしながら時間を潰す。いつも通りの日々を過ごしていた。
「えっと、一だね」
「珍しいな。お前が小さいで目の数字なんて」
「あはは。確かにそうかも。えーっと、一つ進んで……おっ、アイテムマス。次に相手がサイコロを振って出た目を二~四の中から選べるだって」
「嘘だろ!? くっ、私のプランが……」
「ごめん」
アキラは平謝りした。しかしNightは特に気負いしていない。
どのみち次に一~六までのマスの中で目に見えて悪いマスは一つもないのだ。
ここは意味の無いアイテムを取ってしまった。
アキラはムッとした表情を浮かべる。
「それじゃあ私の番だな」
「うん。はい、サイコロ……あっ!」
「如何した? 何かあったのか?」
アキラは突然声を出した。ふと思い出したことが脳を巡り、意識を支配する。
それと同時に気になることができた。丁度良いのでNightに訊いてみることにする。
「ねえNight、訊きたいことがあるんだけど良いかな?」
「訊きたいこと? いつも通り好きにしろ」
「分かった。じゃあさ、白雪響姫って子、訊いたことある?」
「はっ? 誰だって」
突然のことで、Nightは首を捻った。
脳内の記憶を探り、アキラが訊きたいであろうことを予測する。
けれどGAMEに関連することじゃないはずだ。もしかすると現実で出会ったのでは? と思い、二つ質問する。
「二つ訊くが、ソイツは学生か」
「うん。うちの高校の一年生だよ」
あの後少し話をして、同じ学年だと判った。
部活には特に入っていないようで、音楽が何よりも好きで得意らしい。
「なるほど。それじゃあソイツは音楽に精通しているのか?」
「うん。ピアノがとっても上手だったよ。こう、雪景色を思わせるようなしっとりとしているんだけど繊細で吹雪みたいな力強さもあって……Nightとは少し違う音色をしてたよ」
「そうだろうな」
「だよね。人によって違うから個性が有って良いんだもんね……ん?」
「その言い方だと、Night知ってるみたいだねー」
フェルノが間に入って茶々を入れた。
ニヤニヤした笑みを浮かべるフェルノの笑みをガンと喰らい、ムッとした表情を浮かべた。
「もしかして知っている人?」
すかさずアキラも訊き返した。
一瞬の間を置いた後、Nightはアキラとフェルノの視線を浴びて鼻を鳴らした。
「ああ」
Nightも隠す必要もないので軽く頷いた。
腕を組んでいたが頬杖に返ると、ポツポツと記憶の中にある白雪響姫に付いて話してくれた。もしかすると違う人かもしれないが、Nightはスラスラと語るので間違いはないらしい。
「白雪響姫は音楽の天才だ。もちろん分野にも異なるが、特にピアノは私以上だ」
「そうなの?」
「へぇー、自分から負けを認めるんだ。Nightらしく無いねー」
「何処を如何判断した。
「別にー」
フェルノはNightを煽った。
けれどそれでは話が進まない気がした上に、Night自身も軽くあしらって一蹴する。
「まあいい続けるぞ。私は直接顔を合わせたことはないが、何度か大会で当たったことがある。大抵は私が一位、もしくは白雪が一位を総なめにする。私が興味を失せてからは如何か知らないが、きっと今でもその指捌きは健在だろうな」
「指捌き?」
「訊くところによると、白雪は田舎育ちで中学の時にこっちに出て来たらしい。それからは音楽の道に携わるべく、日夜研磨しその腕に磨きをかけて居たそうだ」
「努力家なんだね」
「おまけに天性の才能も持っている。特に優れているのは先程も言ったように指だ」
「「指?」」
アキラとフェルノは自分の指を見た。
アバターは現実の自分と相違ない。なので指の指紋も同じになるのだが、問題は硬さだった。
「何故かは知らないが、白雪は自分の指の硬さを意図的に変えられる」
「「はっ!?」」
「それによる鍵盤に触れた際に発する音の柔和な表現を駆使することで、他にないイメージを湧かす創作力と精神と脳に刺激するリラックス効果を兼ねることができるんだ。特に情景として浮かぶのは名前にもある通り雪。だからこそ、白雪は雪を響かせる姫、一部ではピアノ界の白雪姫なんて呼ばれているそうだぞ。まあ、実際の所は知らないが、少なくともリラックス効果としては科学的根拠を持っている。だから、白雪の普段の演奏が聴けたら雪の中に居る様に錯覚するそうだ」
話し終えるとマグカップを取り、紅茶を少し啜った。
アキラとフェルノはそれすら忘れポカンとしてしまう。
まさかそんな子がうちの高校に居たとは知らなかった。
きっとその事実を知っている人は多くないだろうが、凄いことには変わりない。
「それにしても、如何してそんな話を急にしたんだ?」
「そうだよー。なんで白雪の名前が出て来るのさー」
「あっ、それはね……」
二人の最もな疑問に答えるべく、昨日あったことを簡潔にまとめて話した。
御鷹高校の七不思議。その一つの正体が白雪響姫だったこと。
夜遅くまでピアノを弾き続けていること。そのせいで集中してしまい、次巻を忘れてしまうこと。
全部話し終えるのに五分は掛かったが、話しを聞き終えた二人は「へぇー」と感心する。
「そんなことがあったのか」
「うん」
「偶然と言うやつだな。まあ御鷹の校風なら分からないでもないが……それよりも」
「七不思議の正体がは白雪だったんだね」
フェルノが食い付いた。確かにそれを言ってしまえば七不思議も呆気ない。
Nightも同じことを思ったようである。
「残念だな。七不思議も暴かれればただの答えになり下がるのか」
興味を失わせることを話してしまったらしい。
アキラは少しだけ曇った表情を浮かべ頬を掻いた。
今日はフェルノとNightも揃っている。
この間のボードゲームの続きをしながら時間を潰す。いつも通りの日々を過ごしていた。
「えっと、一だね」
「珍しいな。お前が小さいで目の数字なんて」
「あはは。確かにそうかも。えーっと、一つ進んで……おっ、アイテムマス。次に相手がサイコロを振って出た目を二~四の中から選べるだって」
「嘘だろ!? くっ、私のプランが……」
「ごめん」
アキラは平謝りした。しかしNightは特に気負いしていない。
どのみち次に一~六までのマスの中で目に見えて悪いマスは一つもないのだ。
ここは意味の無いアイテムを取ってしまった。
アキラはムッとした表情を浮かべる。
「それじゃあ私の番だな」
「うん。はい、サイコロ……あっ!」
「如何した? 何かあったのか?」
アキラは突然声を出した。ふと思い出したことが脳を巡り、意識を支配する。
それと同時に気になることができた。丁度良いのでNightに訊いてみることにする。
「ねえNight、訊きたいことがあるんだけど良いかな?」
「訊きたいこと? いつも通り好きにしろ」
「分かった。じゃあさ、白雪響姫って子、訊いたことある?」
「はっ? 誰だって」
突然のことで、Nightは首を捻った。
脳内の記憶を探り、アキラが訊きたいであろうことを予測する。
けれどGAMEに関連することじゃないはずだ。もしかすると現実で出会ったのでは? と思い、二つ質問する。
「二つ訊くが、ソイツは学生か」
「うん。うちの高校の一年生だよ」
あの後少し話をして、同じ学年だと判った。
部活には特に入っていないようで、音楽が何よりも好きで得意らしい。
「なるほど。それじゃあソイツは音楽に精通しているのか?」
「うん。ピアノがとっても上手だったよ。こう、雪景色を思わせるようなしっとりとしているんだけど繊細で吹雪みたいな力強さもあって……Nightとは少し違う音色をしてたよ」
「そうだろうな」
「だよね。人によって違うから個性が有って良いんだもんね……ん?」
「その言い方だと、Night知ってるみたいだねー」
フェルノが間に入って茶々を入れた。
ニヤニヤした笑みを浮かべるフェルノの笑みをガンと喰らい、ムッとした表情を浮かべた。
「もしかして知っている人?」
すかさずアキラも訊き返した。
一瞬の間を置いた後、Nightはアキラとフェルノの視線を浴びて鼻を鳴らした。
「ああ」
Nightも隠す必要もないので軽く頷いた。
腕を組んでいたが頬杖に返ると、ポツポツと記憶の中にある白雪響姫に付いて話してくれた。もしかすると違う人かもしれないが、Nightはスラスラと語るので間違いはないらしい。
「白雪響姫は音楽の天才だ。もちろん分野にも異なるが、特にピアノは私以上だ」
「そうなの?」
「へぇー、自分から負けを認めるんだ。Nightらしく無いねー」
「何処を如何判断した。
「別にー」
フェルノはNightを煽った。
けれどそれでは話が進まない気がした上に、Night自身も軽くあしらって一蹴する。
「まあいい続けるぞ。私は直接顔を合わせたことはないが、何度か大会で当たったことがある。大抵は私が一位、もしくは白雪が一位を総なめにする。私が興味を失せてからは如何か知らないが、きっと今でもその指捌きは健在だろうな」
「指捌き?」
「訊くところによると、白雪は田舎育ちで中学の時にこっちに出て来たらしい。それからは音楽の道に携わるべく、日夜研磨しその腕に磨きをかけて居たそうだ」
「努力家なんだね」
「おまけに天性の才能も持っている。特に優れているのは先程も言ったように指だ」
「「指?」」
アキラとフェルノは自分の指を見た。
アバターは現実の自分と相違ない。なので指の指紋も同じになるのだが、問題は硬さだった。
「何故かは知らないが、白雪は自分の指の硬さを意図的に変えられる」
「「はっ!?」」
「それによる鍵盤に触れた際に発する音の柔和な表現を駆使することで、他にないイメージを湧かす創作力と精神と脳に刺激するリラックス効果を兼ねることができるんだ。特に情景として浮かぶのは名前にもある通り雪。だからこそ、白雪は雪を響かせる姫、一部ではピアノ界の白雪姫なんて呼ばれているそうだぞ。まあ、実際の所は知らないが、少なくともリラックス効果としては科学的根拠を持っている。だから、白雪の普段の演奏が聴けたら雪の中に居る様に錯覚するそうだ」
話し終えるとマグカップを取り、紅茶を少し啜った。
アキラとフェルノはそれすら忘れポカンとしてしまう。
まさかそんな子がうちの高校に居たとは知らなかった。
きっとその事実を知っている人は多くないだろうが、凄いことには変わりない。
「それにしても、如何してそんな話を急にしたんだ?」
「そうだよー。なんで白雪の名前が出て来るのさー」
「あっ、それはね……」
二人の最もな疑問に答えるべく、昨日あったことを簡潔にまとめて話した。
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「そんなことがあったのか」
「うん」
「偶然と言うやつだな。まあ御鷹の校風なら分からないでもないが……それよりも」
「七不思議の正体がは白雪だったんだね」
フェルノが食い付いた。確かにそれを言ってしまえば七不思議も呆気ない。
Nightも同じことを思ったようである。
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