1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について

水定ゆう

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鉱石編

115.用意がいいので先にやります

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 目の前には大きな川が広がっている。
 綺麗な川だ。澄んでいて、先に飲んだダリア曰く煮沸すれば飲めるらしいので、持ってきていた鍋の中に支給された鍋を使って煮沸することにした。飲み水の確保は最優先になる。

「それじゃあダリア。火の方は見ておいてくれる?」
「わかりました。任せておいてください」

 ここは適材適所。火に関することなら火系統の魔術を得意なダリアに任せるのが一番だ。
 そこで次は食料なのでが……

「シルヴィはライが採ってきた得体の知れない果実のチェックをお願い」
「それはいいけど、如何して私なの?」
「シルヴィアは知識が豊富で一目でわかるでしょ。例えばこれは?」

 見せたのは黄色くて一見するとカカオ豆のような形をしている果実だ。
 硬い殻の中は柔らかくて、触ればぶにょぶにょする。気持ちが悪い。

「それはパウダーナッツね。中身が液状だから一見すると食べられないように見えるけど、水に浸せば固まって栄養も高いから、こういった状況だとかなり重宝するわ」
「正解。じゃあこっちは?」
「それはミュミュルね。グミみたいな形をしていて美味しそうだけど、寄生虫がいるかもしれないから食べちゃ駄目なのよ」
「正解だよ。と言うわけでシルヴィが適任なの。だからライには別の仕事をして欲しいんだ」
「なーにー?」

 適材適所。その言葉はピタッとはまる。
 ここはライラックにしかできない役目を渡す。
 それは周囲の木々の伐採だ。

「面倒な役回りだけどごめん。この中で一番パワーがあって、糸を使えるライにしか頼めないんだ」
「それはいいけどさー。面倒だよね?」
「うん。でもできれば長さも揃えて、糸で補強してほしいんだ。この形に」

 そう言って差し出したのは設計図だった。
 ごたごたと色々描いてはあるが、要は寝床用の設計図。屋根なども付けてあるタイプが理想形だ。

「無理ならいいんだけど」
「うーん。ちょーっとやる気でてきたなー」
「それはよかったよ。この辺りの木は自由に伐採していいらしいから、十分に使って」
「わかったぁー。久々に、本気になってもいいかもねー」

 指先から糸を垂らした。
 ライラックは糸を機に巻き付けると早速伐採を始める。工具要らずで助かるが、ルカもやることがあった。

「じゃあ私は山に行って食料を集めてくるよ」
「えっ? 果実がこんなにありますよ」
「果物ばかりじゃ栄養に欠けるでしょ。まあ待っててよ」

 ダリアにそう言い残すと、ルカは山の中に消えた。
 しかしルカが向かった先は、少しだけ違った。先に向かうのは川辺の方だ。

「とりあえず上流かな」

 ルカは木々の合間を起用に抜ける。
 途中イノシシを見つけたので脳天を貫いて倒した。ブドウのようにフルーティーなお肉が特徴な、グレープボアだ。今日の夕飯は、鍋になりそうなので、せっかくだ。ついでに魚も取ってこようと思ったのは言うまでもない。

「さてと、まだ人はいないね。手早く済ませようか」

 ルカは上流にやって来た。
 近くには滝がある。そこから何億の水を注いでいるのか、想像するだけで水の凄さが伝わった。
 それから周囲には石ころがゴロゴロしている。まだ水に流されて研磨されていないものがほとんどで、その中から目的のものを探すのはかなり苦労しそうだった。しかし、ルカは最強だ。経験からすぐに見つけた。

「おっ、見つけた」

 ルカは水の中から石ころを一つ取り上げる。何の変哲もない四角いだけの石ころだ。
 しかしルカは石ころの魔力を流すと、奥に若干の水の魔力を感じる。これが目的のものだ。早速取り出してみよう。

「太陽にかざしてみると透けて見えるから。後はこの周りを軽く叩いて、壊す!」

 ルカは石ころを壊した。すると中から出てきたのは、綺麗な青い石。
 太陽にかざすと透けて見えるほど透明度が高く、魔力の伝導率も高い。これが目的のアイテム。今回のクリア条件の一つであり、最も難易度の高いアイテムを早速見つけたのだった。
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