115 / 733
鉱石編
115.用意がいいので先にやります
しおりを挟む
目の前には大きな川が広がっている。
綺麗な川だ。澄んでいて、先に飲んだダリア曰く煮沸すれば飲めるらしいので、持ってきていた鍋の中に支給された鍋を使って煮沸することにした。飲み水の確保は最優先になる。
「それじゃあダリア。火の方は見ておいてくれる?」
「わかりました。任せておいてください」
ここは適材適所。火に関することなら火系統の魔術を得意なダリアに任せるのが一番だ。
そこで次は食料なのでが……
「シルヴィはライが採ってきた得体の知れない果実のチェックをお願い」
「それはいいけど、如何して私なの?」
「シルヴィアは知識が豊富で一目でわかるでしょ。例えばこれは?」
見せたのは黄色くて一見するとカカオ豆のような形をしている果実だ。
硬い殻の中は柔らかくて、触ればぶにょぶにょする。気持ちが悪い。
「それはパウダーナッツね。中身が液状だから一見すると食べられないように見えるけど、水に浸せば固まって栄養も高いから、こういった状況だとかなり重宝するわ」
「正解。じゃあこっちは?」
「それはミュミュルね。グミみたいな形をしていて美味しそうだけど、寄生虫がいるかもしれないから食べちゃ駄目なのよ」
「正解だよ。と言うわけでシルヴィが適任なの。だからライには別の仕事をして欲しいんだ」
「なーにー?」
適材適所。その言葉はピタッとはまる。
ここはライラックにしかできない役目を渡す。
それは周囲の木々の伐採だ。
「面倒な役回りだけどごめん。この中で一番パワーがあって、糸を使えるライにしか頼めないんだ」
「それはいいけどさー。面倒だよね?」
「うん。でもできれば長さも揃えて、糸で補強してほしいんだ。この形に」
そう言って差し出したのは設計図だった。
ごたごたと色々描いてはあるが、要は寝床用の設計図。屋根なども付けてあるタイプが理想形だ。
「無理ならいいんだけど」
「うーん。ちょーっとやる気でてきたなー」
「それはよかったよ。この辺りの木は自由に伐採していいらしいから、十分に使って」
「わかったぁー。久々に、本気になってもいいかもねー」
指先から糸を垂らした。
ライラックは糸を機に巻き付けると早速伐採を始める。工具要らずで助かるが、ルカもやることがあった。
「じゃあ私は山に行って食料を集めてくるよ」
「えっ? 果実がこんなにありますよ」
「果物ばかりじゃ栄養に欠けるでしょ。まあ待っててよ」
ダリアにそう言い残すと、ルカは山の中に消えた。
しかしルカが向かった先は、少しだけ違った。先に向かうのは川辺の方だ。
「とりあえず上流かな」
ルカは木々の合間を起用に抜ける。
途中イノシシを見つけたので脳天を貫いて倒した。ブドウのようにフルーティーなお肉が特徴な、グレープボアだ。今日の夕飯は、鍋になりそうなので、せっかくだ。ついでに魚も取ってこようと思ったのは言うまでもない。
「さてと、まだ人はいないね。手早く済ませようか」
ルカは上流にやって来た。
近くには滝がある。そこから何億の水を注いでいるのか、想像するだけで水の凄さが伝わった。
それから周囲には石ころがゴロゴロしている。まだ水に流されて研磨されていないものがほとんどで、その中から目的のものを探すのはかなり苦労しそうだった。しかし、ルカは最強だ。経験からすぐに見つけた。
「おっ、見つけた」
ルカは水の中から石ころを一つ取り上げる。何の変哲もない四角いだけの石ころだ。
しかしルカは石ころの魔力を流すと、奥に若干の水の魔力を感じる。これが目的のものだ。早速取り出してみよう。
「太陽にかざしてみると透けて見えるから。後はこの周りを軽く叩いて、壊す!」
ルカは石ころを壊した。すると中から出てきたのは、綺麗な青い石。
太陽にかざすと透けて見えるほど透明度が高く、魔力の伝導率も高い。これが目的のアイテム。今回のクリア条件の一つであり、最も難易度の高いアイテムを早速見つけたのだった。
綺麗な川だ。澄んでいて、先に飲んだダリア曰く煮沸すれば飲めるらしいので、持ってきていた鍋の中に支給された鍋を使って煮沸することにした。飲み水の確保は最優先になる。
「それじゃあダリア。火の方は見ておいてくれる?」
「わかりました。任せておいてください」
ここは適材適所。火に関することなら火系統の魔術を得意なダリアに任せるのが一番だ。
そこで次は食料なのでが……
「シルヴィはライが採ってきた得体の知れない果実のチェックをお願い」
「それはいいけど、如何して私なの?」
「シルヴィアは知識が豊富で一目でわかるでしょ。例えばこれは?」
見せたのは黄色くて一見するとカカオ豆のような形をしている果実だ。
硬い殻の中は柔らかくて、触ればぶにょぶにょする。気持ちが悪い。
「それはパウダーナッツね。中身が液状だから一見すると食べられないように見えるけど、水に浸せば固まって栄養も高いから、こういった状況だとかなり重宝するわ」
「正解。じゃあこっちは?」
「それはミュミュルね。グミみたいな形をしていて美味しそうだけど、寄生虫がいるかもしれないから食べちゃ駄目なのよ」
「正解だよ。と言うわけでシルヴィが適任なの。だからライには別の仕事をして欲しいんだ」
「なーにー?」
適材適所。その言葉はピタッとはまる。
ここはライラックにしかできない役目を渡す。
それは周囲の木々の伐採だ。
「面倒な役回りだけどごめん。この中で一番パワーがあって、糸を使えるライにしか頼めないんだ」
「それはいいけどさー。面倒だよね?」
「うん。でもできれば長さも揃えて、糸で補強してほしいんだ。この形に」
そう言って差し出したのは設計図だった。
ごたごたと色々描いてはあるが、要は寝床用の設計図。屋根なども付けてあるタイプが理想形だ。
「無理ならいいんだけど」
「うーん。ちょーっとやる気でてきたなー」
「それはよかったよ。この辺りの木は自由に伐採していいらしいから、十分に使って」
「わかったぁー。久々に、本気になってもいいかもねー」
指先から糸を垂らした。
ライラックは糸を機に巻き付けると早速伐採を始める。工具要らずで助かるが、ルカもやることがあった。
「じゃあ私は山に行って食料を集めてくるよ」
「えっ? 果実がこんなにありますよ」
「果物ばかりじゃ栄養に欠けるでしょ。まあ待っててよ」
ダリアにそう言い残すと、ルカは山の中に消えた。
しかしルカが向かった先は、少しだけ違った。先に向かうのは川辺の方だ。
「とりあえず上流かな」
ルカは木々の合間を起用に抜ける。
途中イノシシを見つけたので脳天を貫いて倒した。ブドウのようにフルーティーなお肉が特徴な、グレープボアだ。今日の夕飯は、鍋になりそうなので、せっかくだ。ついでに魚も取ってこようと思ったのは言うまでもない。
「さてと、まだ人はいないね。手早く済ませようか」
ルカは上流にやって来た。
近くには滝がある。そこから何億の水を注いでいるのか、想像するだけで水の凄さが伝わった。
それから周囲には石ころがゴロゴロしている。まだ水に流されて研磨されていないものがほとんどで、その中から目的のものを探すのはかなり苦労しそうだった。しかし、ルカは最強だ。経験からすぐに見つけた。
「おっ、見つけた」
ルカは水の中から石ころを一つ取り上げる。何の変哲もない四角いだけの石ころだ。
しかしルカは石ころの魔力を流すと、奥に若干の水の魔力を感じる。これが目的のものだ。早速取り出してみよう。
「太陽にかざしてみると透けて見えるから。後はこの周りを軽く叩いて、壊す!」
ルカは石ころを壊した。すると中から出てきたのは、綺麗な青い石。
太陽にかざすと透けて見えるほど透明度が高く、魔力の伝導率も高い。これが目的のアイテム。今回のクリア条件の一つであり、最も難易度の高いアイテムを早速見つけたのだった。
10
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい
空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。
孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。
竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。
火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜?
いやいや、ないでしょ……。
【お知らせ】2018/2/27 完結しました。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
昭和生まれお局様は、異世界転生いたしましたとさ
蒼あかり
ファンタジー
局田舞子(つぼたまいこ)43歳、独身。
とある事故をきっかけに、彼女は異世界へと転生することになった。
どうしてこんなことになったのか、訳もわからぬままに彼女は異世界に一人放り込まれ、辛い日々を過ごしながら苦悩する毎日......。
など送ることもなく、なんとなく順応しながら、それなりの日々を送って行くのでありました。
そんな彼女の異世界生活と、ほんの少しのラブロマンスっぽい何かを織り交ぜながらすすむ、そんな彼女の生活を覗いてみませんか?
毎日投稿はできないと思います。気長に更新をお待ちください。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる