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11.そうだね〜
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大量のビニールテープのせいで動けないこの状況。さらにいえば、たとえ動けたとしてもビニールテープやら紙吹雪やらの後片付けで確実にかなりの時間を使うであろうこの状況。
ため息しか出ない状況の中でもなんとか動かせる指先に力を込めると、
「ぎにゃー!」
ビニールテープのせいで顔は見えないがチョウちゃんの悲鳴は聞こえてきたので少しストレスが発散された。
「こんな状況でもアイアンクローしてくるなんて、コウくんのドS!」
ドSならドSらしくしてあげよう。
ということでさらに少し力を込める。
「あぎゃー!ごめんごめん!コウくんはドSじゃないから!ドMだから!」
「ノーマルだからね!勝手に他人の性癖を変な方向へとねつ造するな!」
「いたたたたたたた!ヤバい!ホントにヤバいから!」
チョウちゃんはそう言うが、あいにくとまだ半分の力も入れていないのでまだまだ大丈夫だ。
しかし、動けない今の状況はチョウちゃんからの抵抗や反撃がこないという意味ではいいのだが、アイアンクロー以外のお仕置きが出来なかったりチョウちゃんの表情が見れなかったりする点はなんとも言えなかったりもする。
「今助けますから!」
ヒサコさんがそう言ってくれているが、これだけ大量の絡まりあったビニールテープをどうにかすると刃物が必要になるだろう。そして、中に埋もれている僕達を傷つけないように助け出そうとするとかなりの時間がかかりそうなので、ここは1つ母さんに教えてもらった神頼みでもするか。
神様。このままでは話が進まなくなるのでなんとかしてください。
すると、ビニールテープと紙吹雪が綺麗サッパリと消えてなくなった。
「え?えっ?」
「そうきたか」
初めてこの神頼みをした時の僕みたいに戸惑っているヒサコさんとは違い、チョウちゃんは全く驚いた様子はなかった。
まぁ、母さんから聞いた神頼みの方法なので、チョウちゃんが知っていてもなんら不思議ではない、か。
「あれ?さっきまであった紙吹雪やビニールテープは?あれ?あれ?」
混乱しているヒサコさんは何度も周りを見回しては首を傾げていた。
その姿は微笑ましく、チョウちゃんのイタズラでイライラしていた僕の心が癒やされた。
「片付ける手間がなくなったのでいいじゃないですか」
どうやってあんなに大量にあった紙吹雪やビニールテープを片付けたのか説明してと言われても出来るわけもないのでそう言って乗りきることにした。
「そうそう。片付ける手間がなくなったからいいんだよ」
「えぇ、まぁそうなんですが………」
一応納得しつつも、やっぱりどこか混乱から抜け出せないヒサコさんは首を傾げていた。
しかし、あんなに大量の紙吹雪とビニールテープを散らかす原因となったチョウちゃんにあっけらかんと言われるとムカつく。なので、油断しているチョウちゃんへアイアンクローを再開する。それも、今度はそれなりの力で。
「イタタタタ!イタい!イタいから!」
本気で痛いのだろう。チョウちゃんは僕の手をタップしてきた。
「イタくしてるからイタいのは当たり前でしょ」
「ギブギブ!このままじゃ話し合いすら出来ないよね!」
確かにこのままでは話し合いは出来ないね。でも、それは話し合いをする気があればの話である。
「ギルティ」
問答無用で言ってあげる。
「話し合いすらしてないのに!?」
チョウちゃんはかなり驚いている。
今日のことや高校のことなど、色々とやらかしてくれているのにそんな驚くことはないだろう。というか、ギルティ以外の判決があると思っていたのか?
それは流石にないと言いたいね。
「せめて!せめて理由とかくらい聞いてくれてもいいんじゃない!」
その言葉に少し考える。
確かに判決はギルティで確定だとしても、どれくらいのお仕置きにするかは理由を聞かないと判断出来ないので、とりあえず頭を掴む手は離してあげた。
「じゃあ、話し合いをするために座りましょうか」
僕はソファに座ると、その前の床を指さした。
「コウくん。その指は何かな?」
なにもわからないフリをしながら可愛らしく首を傾げてくるチョウちゃん。なので、しっかりと言いきってあげよう。
「当然、チョウちゃんの座る場所だよ。もちろん正座で」
「いや~。コウくんがイジメてくる~」
ぶりっ子のようにいやいやしているチョウちゃんをカワイイと思うわけもなく、イラつきしか感じない。
というか、よくこの場面でもそうやって遊べるな、と少し感心してしまう。
しかし、いくら感心しようがイライラはする。だけど、そのイラつきを解消するための道具も目の前にあるのでちょうどいいのか。
「せっかく話し合いに応じて場を設けようとしたのに、それが辞世の句でいいんだね?」
イラつきの奥底からムリヤリ引っ張り出した笑顔で問いかけると、チョウちゃんはすぐに僕の前に正座で着席した。
「やだな~。ちょっとした冗談じゃん。ちゃんと話し合おうね~」
引き攣った笑顔のチョウちゃんに僕もしっかりと笑顔で対応する。
「そうだね~。話し合いになればいいけどね~」
あまり期待しないで僕はそう答えた。
ため息しか出ない状況の中でもなんとか動かせる指先に力を込めると、
「ぎにゃー!」
ビニールテープのせいで顔は見えないがチョウちゃんの悲鳴は聞こえてきたので少しストレスが発散された。
「こんな状況でもアイアンクローしてくるなんて、コウくんのドS!」
ドSならドSらしくしてあげよう。
ということでさらに少し力を込める。
「あぎゃー!ごめんごめん!コウくんはドSじゃないから!ドMだから!」
「ノーマルだからね!勝手に他人の性癖を変な方向へとねつ造するな!」
「いたたたたたたた!ヤバい!ホントにヤバいから!」
チョウちゃんはそう言うが、あいにくとまだ半分の力も入れていないのでまだまだ大丈夫だ。
しかし、動けない今の状況はチョウちゃんからの抵抗や反撃がこないという意味ではいいのだが、アイアンクロー以外のお仕置きが出来なかったりチョウちゃんの表情が見れなかったりする点はなんとも言えなかったりもする。
「今助けますから!」
ヒサコさんがそう言ってくれているが、これだけ大量の絡まりあったビニールテープをどうにかすると刃物が必要になるだろう。そして、中に埋もれている僕達を傷つけないように助け出そうとするとかなりの時間がかかりそうなので、ここは1つ母さんに教えてもらった神頼みでもするか。
神様。このままでは話が進まなくなるのでなんとかしてください。
すると、ビニールテープと紙吹雪が綺麗サッパリと消えてなくなった。
「え?えっ?」
「そうきたか」
初めてこの神頼みをした時の僕みたいに戸惑っているヒサコさんとは違い、チョウちゃんは全く驚いた様子はなかった。
まぁ、母さんから聞いた神頼みの方法なので、チョウちゃんが知っていてもなんら不思議ではない、か。
「あれ?さっきまであった紙吹雪やビニールテープは?あれ?あれ?」
混乱しているヒサコさんは何度も周りを見回しては首を傾げていた。
その姿は微笑ましく、チョウちゃんのイタズラでイライラしていた僕の心が癒やされた。
「片付ける手間がなくなったのでいいじゃないですか」
どうやってあんなに大量にあった紙吹雪やビニールテープを片付けたのか説明してと言われても出来るわけもないのでそう言って乗りきることにした。
「そうそう。片付ける手間がなくなったからいいんだよ」
「えぇ、まぁそうなんですが………」
一応納得しつつも、やっぱりどこか混乱から抜け出せないヒサコさんは首を傾げていた。
しかし、あんなに大量の紙吹雪とビニールテープを散らかす原因となったチョウちゃんにあっけらかんと言われるとムカつく。なので、油断しているチョウちゃんへアイアンクローを再開する。それも、今度はそれなりの力で。
「イタタタタ!イタい!イタいから!」
本気で痛いのだろう。チョウちゃんは僕の手をタップしてきた。
「イタくしてるからイタいのは当たり前でしょ」
「ギブギブ!このままじゃ話し合いすら出来ないよね!」
確かにこのままでは話し合いは出来ないね。でも、それは話し合いをする気があればの話である。
「ギルティ」
問答無用で言ってあげる。
「話し合いすらしてないのに!?」
チョウちゃんはかなり驚いている。
今日のことや高校のことなど、色々とやらかしてくれているのにそんな驚くことはないだろう。というか、ギルティ以外の判決があると思っていたのか?
それは流石にないと言いたいね。
「せめて!せめて理由とかくらい聞いてくれてもいいんじゃない!」
その言葉に少し考える。
確かに判決はギルティで確定だとしても、どれくらいのお仕置きにするかは理由を聞かないと判断出来ないので、とりあえず頭を掴む手は離してあげた。
「じゃあ、話し合いをするために座りましょうか」
僕はソファに座ると、その前の床を指さした。
「コウくん。その指は何かな?」
なにもわからないフリをしながら可愛らしく首を傾げてくるチョウちゃん。なので、しっかりと言いきってあげよう。
「当然、チョウちゃんの座る場所だよ。もちろん正座で」
「いや~。コウくんがイジメてくる~」
ぶりっ子のようにいやいやしているチョウちゃんをカワイイと思うわけもなく、イラつきしか感じない。
というか、よくこの場面でもそうやって遊べるな、と少し感心してしまう。
しかし、いくら感心しようがイライラはする。だけど、そのイラつきを解消するための道具も目の前にあるのでちょうどいいのか。
「せっかく話し合いに応じて場を設けようとしたのに、それが辞世の句でいいんだね?」
イラつきの奥底からムリヤリ引っ張り出した笑顔で問いかけると、チョウちゃんはすぐに僕の前に正座で着席した。
「やだな~。ちょっとした冗談じゃん。ちゃんと話し合おうね~」
引き攣った笑顔のチョウちゃんに僕もしっかりと笑顔で対応する。
「そうだね~。話し合いになればいいけどね~」
あまり期待しないで僕はそう答えた。
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