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18.結構です
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「っと、すいません」
スマホが鳴ったのでヒサコさんは立ち上がると扉のほうへ行き、電話に出た。
「はい。わかりました。すぐに取りにいきます」
取りにいく、ということは頼んでいたうなぎが届いたのだろう。
しかし、そのことを知らないチョウちゃんは不思議そうにヒサコさんを見ていた。
「何取りに行くの?」
「お昼ご飯が届いたので取ってきます」
そう笑顔で答えたヒサコさんは、チョウちゃんからお昼ご飯は何なのか聞かれる前に理事長室からそそくさと出ていった。
その様子に首を傾げたチョウちゃんだが、すぐに興味を失ったみたいで僕のほうを見てきた。
「ヒサコがお昼ご飯を取りに行っている間に説明の続きをしようか」
「あぁ、結構です」
「結構です!?」
チョウちゃんはかなり驚いているが、普通はそう言うだろう。
「なんでよ!」
机に手を叩きつけながら立ち上がったチョウちゃんは僕に迫ってきた。
「だってチョウちゃん1人の説明だと信用がないからね」
ヒサコさんというお目付け役が居なくなったことをいいことに、あることないこと説明してくるのがチョウちゃんである。
「いや!流石に今はちゃんとした説明をしないといけない状況だってことは理解してるからね!だから聞いてよ!」
まぁ、チョウちゃんはマジメな時はちゃんとマジメだってことも理解しているけど、ね~。
「今日だけでどれだけイタズラをしてきていると思っているのかな?」
そう問いかけると静かに座り直したチョウちゃんは視線を反らした。
「わかってくれたようで嬉しいよ」
そう言うと、ちょっとした抵抗なのか、チョウちゃんは僕を睨んできた。しかし、全然恐くもない睨みつけなので微笑ましくて笑ってしまう。
すると、チョウちゃんは頬を膨らませながら睨みつけてきた。
それでも全く恐くないどころか、余計にかわいくなって逆効果でしかない。
「そういえば、チョウちゃんっていつからここの理事長なんてしてるの?小学生の時に仕事何してるのか聞いた時は会社で事務系の仕事してるっていってたよね?」
昨日は父さんのサプライズ海外転勤報告からの問い詰めることに気をとられてスルーしてしまったが、今にして思えばチョウちゃんが理事長という事実はかなり驚くことだ。
しかし、スネているチョウちゃんからすぐに返事は貰えないだろうからどうやって機嫌をなおしてもらおうか考えていると、
「確かに昔は普通の会社で事務系の仕事してたけど、2年前ぐらいに急にあれよあれよと理事長兼校長にならされたのよ」
案外すんなりと答えてくれた。
「それじゃあ、ヒサコさんともその時からの付き合いなの?」
「ヒサコとは高校の同級生だったのよ」
なるほど。だからこれだけ打ち解けあっているのか。
まぁ、チョウちゃんなら2年もあれば同級生とか関係なしに打ち解けあいそうだけど。
「なら、ヒサコさんも母さんのことは知ってるの?」
「先輩のことは知らないよ。先輩とは5つ離れているから高校入る時にはもう卒業してしまってるからね」
それもそうか。チョウちゃんと母さんは同じ高校出身なので知っているかと思ったのだけど、そういえば5歳も年齢が離れていたら、知ってるはずもないよね。
「だから、ヒサコが居たってことはよかったことなんだけど、いきなり理事長兼校長になったからかなり混乱したよ」
「そのわりには楽しそうに仕事しているみたいだけど?」
ストレスとか抱えていたら、今日の数々のイタズラなんてしている余裕はないだろう。
「まぁ、私がやらないといけない事なんてそうそうないし、ハンコ押すのが1番の仕事って感じだからね」
「そのために私が色々裏で頑張ってるのですからね」
そう言いながらお重を持ったヒサコさんが帰ってきた。
「そうなの?」
そのことを知らなかったチョウちゃんが驚いていた。
「そうですよ。
学校の経営とか何も知らないチョウが困らないようにハンコが必要な書類は事前に私がチェックしていますし、先生達から出た意見や要望、学校の保全に関わる対応なども全て私がしてるのですからね」
ヒサコさんの言葉を聞いて、なんでチョウちゃんが理事長兼校長でもこの学校がちゃんと運営できているのかがわかった。
この学校の真の理事長兼校長はヒサコさんだったわけだ。
「ほぇ~」
なんてチョウちゃんはのんきな声をあげているが、ホントにヒサコさんに感謝したほうがいいよ。
ヒサコさんが居なくなったら絶対にこの学校は経営破綻するかチョウちゃんが理事長兼校長からおろされるだろう。
「ってか、そのお重にこの匂い。まさかお昼ご飯にうなぎ頼んだの!?」
ようやくそこに気づいたチョウちゃんは驚いていた。
「えぇ。チョウがお昼は豪華にいこうと言っていたので」
笑顔のヒサコさんはお重をみんなの前に置くとお茶を入れはじめた。
「私はお寿司って言ったはずだけど!?」
「うなぎも見方を変えればお寿司の1つですよね?」
確かにうなぎもお寿司のネタの1つではあるが、かなり強引なこじつけに僕は苦笑してしまった。
「そうかもしれないけど!お重に入った時点でお寿司関係なくなってるでしょ!」
その通りなのだけど、今の僕はヒサコさん側の人間なのでチョウちゃんをなだめる。
「まぁまぁ。届いたモノは仕方ないのだし、お腹もすいたから食べよ」
「う~。それもそうね」
どこか納得のいかない表情だったチョウちゃんも、最終的には納得するしかないと諦めたようだ。
スマホが鳴ったのでヒサコさんは立ち上がると扉のほうへ行き、電話に出た。
「はい。わかりました。すぐに取りにいきます」
取りにいく、ということは頼んでいたうなぎが届いたのだろう。
しかし、そのことを知らないチョウちゃんは不思議そうにヒサコさんを見ていた。
「何取りに行くの?」
「お昼ご飯が届いたので取ってきます」
そう笑顔で答えたヒサコさんは、チョウちゃんからお昼ご飯は何なのか聞かれる前に理事長室からそそくさと出ていった。
その様子に首を傾げたチョウちゃんだが、すぐに興味を失ったみたいで僕のほうを見てきた。
「ヒサコがお昼ご飯を取りに行っている間に説明の続きをしようか」
「あぁ、結構です」
「結構です!?」
チョウちゃんはかなり驚いているが、普通はそう言うだろう。
「なんでよ!」
机に手を叩きつけながら立ち上がったチョウちゃんは僕に迫ってきた。
「だってチョウちゃん1人の説明だと信用がないからね」
ヒサコさんというお目付け役が居なくなったことをいいことに、あることないこと説明してくるのがチョウちゃんである。
「いや!流石に今はちゃんとした説明をしないといけない状況だってことは理解してるからね!だから聞いてよ!」
まぁ、チョウちゃんはマジメな時はちゃんとマジメだってことも理解しているけど、ね~。
「今日だけでどれだけイタズラをしてきていると思っているのかな?」
そう問いかけると静かに座り直したチョウちゃんは視線を反らした。
「わかってくれたようで嬉しいよ」
そう言うと、ちょっとした抵抗なのか、チョウちゃんは僕を睨んできた。しかし、全然恐くもない睨みつけなので微笑ましくて笑ってしまう。
すると、チョウちゃんは頬を膨らませながら睨みつけてきた。
それでも全く恐くないどころか、余計にかわいくなって逆効果でしかない。
「そういえば、チョウちゃんっていつからここの理事長なんてしてるの?小学生の時に仕事何してるのか聞いた時は会社で事務系の仕事してるっていってたよね?」
昨日は父さんのサプライズ海外転勤報告からの問い詰めることに気をとられてスルーしてしまったが、今にして思えばチョウちゃんが理事長という事実はかなり驚くことだ。
しかし、スネているチョウちゃんからすぐに返事は貰えないだろうからどうやって機嫌をなおしてもらおうか考えていると、
「確かに昔は普通の会社で事務系の仕事してたけど、2年前ぐらいに急にあれよあれよと理事長兼校長にならされたのよ」
案外すんなりと答えてくれた。
「それじゃあ、ヒサコさんともその時からの付き合いなの?」
「ヒサコとは高校の同級生だったのよ」
なるほど。だからこれだけ打ち解けあっているのか。
まぁ、チョウちゃんなら2年もあれば同級生とか関係なしに打ち解けあいそうだけど。
「なら、ヒサコさんも母さんのことは知ってるの?」
「先輩のことは知らないよ。先輩とは5つ離れているから高校入る時にはもう卒業してしまってるからね」
それもそうか。チョウちゃんと母さんは同じ高校出身なので知っているかと思ったのだけど、そういえば5歳も年齢が離れていたら、知ってるはずもないよね。
「だから、ヒサコが居たってことはよかったことなんだけど、いきなり理事長兼校長になったからかなり混乱したよ」
「そのわりには楽しそうに仕事しているみたいだけど?」
ストレスとか抱えていたら、今日の数々のイタズラなんてしている余裕はないだろう。
「まぁ、私がやらないといけない事なんてそうそうないし、ハンコ押すのが1番の仕事って感じだからね」
「そのために私が色々裏で頑張ってるのですからね」
そう言いながらお重を持ったヒサコさんが帰ってきた。
「そうなの?」
そのことを知らなかったチョウちゃんが驚いていた。
「そうですよ。
学校の経営とか何も知らないチョウが困らないようにハンコが必要な書類は事前に私がチェックしていますし、先生達から出た意見や要望、学校の保全に関わる対応なども全て私がしてるのですからね」
ヒサコさんの言葉を聞いて、なんでチョウちゃんが理事長兼校長でもこの学校がちゃんと運営できているのかがわかった。
この学校の真の理事長兼校長はヒサコさんだったわけだ。
「ほぇ~」
なんてチョウちゃんはのんきな声をあげているが、ホントにヒサコさんに感謝したほうがいいよ。
ヒサコさんが居なくなったら絶対にこの学校は経営破綻するかチョウちゃんが理事長兼校長からおろされるだろう。
「ってか、そのお重にこの匂い。まさかお昼ご飯にうなぎ頼んだの!?」
ようやくそこに気づいたチョウちゃんは驚いていた。
「えぇ。チョウがお昼は豪華にいこうと言っていたので」
笑顔のヒサコさんはお重をみんなの前に置くとお茶を入れはじめた。
「私はお寿司って言ったはずだけど!?」
「うなぎも見方を変えればお寿司の1つですよね?」
確かにうなぎもお寿司のネタの1つではあるが、かなり強引なこじつけに僕は苦笑してしまった。
「そうかもしれないけど!お重に入った時点でお寿司関係なくなってるでしょ!」
その通りなのだけど、今の僕はヒサコさん側の人間なのでチョウちゃんをなだめる。
「まぁまぁ。届いたモノは仕方ないのだし、お腹もすいたから食べよ」
「う~。それもそうね」
どこか納得のいかない表情だったチョウちゃんも、最終的には納得するしかないと諦めたようだ。
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