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19.思考は
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ヒサコさんがみんなの前にお茶を置いてくれたので、お重の蓋をあけるとうなぎのいい匂いが部屋中に充満して自然と顔がニヤけた。
久しぶりのうなぎを堪能しようかな。
「ちょっとヒサコ」
同じくお重の蓋をあけたチョウちゃんがなぜかヒサコさんを睨みつけていた。
「なんですか?」
ヒサコさんはお重の蓋を開ける手を止めながらチョウちゃんを見返した。
「なんですか?じゃなくて、よく見たらこのお重の高さ、もしかして如月頼んだ?」
そういえば、注文の時にヒサコさんは特上の如月とか言っていたね。
「えぇ、それも特上です」
自慢するかのように言うヒサコさん。
「特上!?」
一瞬驚いて固まったチョウちゃんだったが、すぐに気を持ち直してヒサコさんの肩を引っ張って後ろを向かせると、自分を後ろに向いてソファ裏まで身を乗り出すと、何かを話し始めた。
特上やら如月やらで驚いていたし、僕に聞かせないようにしているところをみると、多分値段の話をしているのだと思う。
テレビで見たいいところのうな重の特上だと8000円とかしていたりしたので、それの如月?とやらは、さらにいい値段なのかもしれない。
2人の話し合いが終わるのを待とうかとも考えたけど、お腹がすいたので先に食べさせてもらおう。
そう考えてうな重に箸を入れて持ち上げると、如月の意味が理解出来た。
このうな重は、うなぎ・ご飯・うなぎ・ご飯の2段構造になっていたのだ。
その2段構造を見てピンときた。
なるほど。如月は昔の2月。そして2月と2段を結びつけて、2段構造のうな重を如月という呼び方にしたわけね。お寿司屋さんで酢飯をシャリと呼ぶ隠語のようなものってわけだ。
そして、特上うな重の2段構造だと万とか軽く越えてきそうなので、チョウちゃんが驚くのも当然だよね。
そんな特上2段のうな重を一口。
「美味しい」
僕の言葉に話し合いをしていた2人がこちらを向いた。
「このうな重美味しいね」
僕が笑顔でそう言うと、チョウちゃんは大きくため息を吐いた。
「そうでしょね。なんたってここら辺じゃ1番老舗のうなぎ屋さんの特上2段のうな重なんだから美味しくないわけがないよ」
そう聞くと、余計に美味しく感じるのだから、人間とは現金な生き物なのだろう。
チョウちゃんもうな重を一口食べて笑顔になった。
「とりあえず、こっちから言うべき説明はこれぐらいだと思っているけど、何か聞きたいことはある?」
まさかの問いかけに、うなぎを食べる手は止まらないけど思考は止まりそうになった。
「ある?じゃなくて説明不十分すぎ」
僕の言葉に同意してくれているヒサコさんは、うな重を頬張りながらも頷いてくれた。
「まだ何かあったっけ?」
お昼ご飯を食べ始めたことで気が抜けたのか、チョウちゃんがダメダメになっている。
まぁ、これだけ美味しいうな重を食べていたらダメダメになるのもわからなくもないけど、まだまだ聞きたいことがたくさんある。
「まず、僕が女子だと知っている先生ってどれくらいいるの?」
僕のことを女子だと知っている先生がいるのかどうか。そして、いるのなら誰なのか聞いておかないと、いざという時に誰を頼ればいいのかわからなくなる。
「この学校にいる教師のうち20人が女性なんだけど、その女性の教師は全員コウくんが女の子だと知ってるから、もしもの時は頼ってね」
女性の先生が20人もいて、僕が女子だと知っているのなら頼りやすくていい。というか、頼れる女性の先生がそれぐらいいないと、男子校でバレずに過ごすことなんて出来ないだろう。
しかし、それでも男性の先生は僕が女子だと知らないので油断しないようにしないとね。
「担任は?」
「担任は………」
答えに詰まったチョウちゃんはヒサコさんのほうを見た。
「担任は女性の先生になるように学年主任の先生に言ってます。あっ、学年主任の先生も女性ですので」
「だって」
お気楽に言ってくるチョウちゃんに少しイラッとする。
「だって、じゃなくて、そこはチョウちゃんが根回しするべきことなのじゃないのかな」
チョウちゃんのうなぎを狙って箸を伸ばすが、間一髪のところで避けられてしまった。
「ちょっと!何するのさ!」
文句を言ってくるチョウちゃんを無視してヒサコさんに問いかける。
「保健室の先生は女性ですよね?」
「えぇ。女性ですね」
これで男性だと言われた場合には、僕がケガした場合は保健室ではなくここに突撃してくることになっただろう。
「ちょっと!なんで私に聞かないのよ!」
「だって知らないのでしょ?」
「保健室の先生が女性だってことくらいは知ってるわよ!」
「でも、僕の担任が女性だとは知らなかったと」
そう言えばチョウちゃんは黙り込むと思っていたのだけど、今回は違った。
「理事長だからといってなんでもかんでも根回し出来るわけじゃないんだからね!特に教師の配置とか理事長が出しゃばると越権行為になっちゃうんだからね!」
その言い分は納得出来る。
「確かにそうだね。ごめんね」
僕が謝ると笑顔になったチョウちゃんは美味しそうにうな重を頬張った。
久しぶりのうなぎを堪能しようかな。
「ちょっとヒサコ」
同じくお重の蓋をあけたチョウちゃんがなぜかヒサコさんを睨みつけていた。
「なんですか?」
ヒサコさんはお重の蓋を開ける手を止めながらチョウちゃんを見返した。
「なんですか?じゃなくて、よく見たらこのお重の高さ、もしかして如月頼んだ?」
そういえば、注文の時にヒサコさんは特上の如月とか言っていたね。
「えぇ、それも特上です」
自慢するかのように言うヒサコさん。
「特上!?」
一瞬驚いて固まったチョウちゃんだったが、すぐに気を持ち直してヒサコさんの肩を引っ張って後ろを向かせると、自分を後ろに向いてソファ裏まで身を乗り出すと、何かを話し始めた。
特上やら如月やらで驚いていたし、僕に聞かせないようにしているところをみると、多分値段の話をしているのだと思う。
テレビで見たいいところのうな重の特上だと8000円とかしていたりしたので、それの如月?とやらは、さらにいい値段なのかもしれない。
2人の話し合いが終わるのを待とうかとも考えたけど、お腹がすいたので先に食べさせてもらおう。
そう考えてうな重に箸を入れて持ち上げると、如月の意味が理解出来た。
このうな重は、うなぎ・ご飯・うなぎ・ご飯の2段構造になっていたのだ。
その2段構造を見てピンときた。
なるほど。如月は昔の2月。そして2月と2段を結びつけて、2段構造のうな重を如月という呼び方にしたわけね。お寿司屋さんで酢飯をシャリと呼ぶ隠語のようなものってわけだ。
そして、特上うな重の2段構造だと万とか軽く越えてきそうなので、チョウちゃんが驚くのも当然だよね。
そんな特上2段のうな重を一口。
「美味しい」
僕の言葉に話し合いをしていた2人がこちらを向いた。
「このうな重美味しいね」
僕が笑顔でそう言うと、チョウちゃんは大きくため息を吐いた。
「そうでしょね。なんたってここら辺じゃ1番老舗のうなぎ屋さんの特上2段のうな重なんだから美味しくないわけがないよ」
そう聞くと、余計に美味しく感じるのだから、人間とは現金な生き物なのだろう。
チョウちゃんもうな重を一口食べて笑顔になった。
「とりあえず、こっちから言うべき説明はこれぐらいだと思っているけど、何か聞きたいことはある?」
まさかの問いかけに、うなぎを食べる手は止まらないけど思考は止まりそうになった。
「ある?じゃなくて説明不十分すぎ」
僕の言葉に同意してくれているヒサコさんは、うな重を頬張りながらも頷いてくれた。
「まだ何かあったっけ?」
お昼ご飯を食べ始めたことで気が抜けたのか、チョウちゃんがダメダメになっている。
まぁ、これだけ美味しいうな重を食べていたらダメダメになるのもわからなくもないけど、まだまだ聞きたいことがたくさんある。
「まず、僕が女子だと知っている先生ってどれくらいいるの?」
僕のことを女子だと知っている先生がいるのかどうか。そして、いるのなら誰なのか聞いておかないと、いざという時に誰を頼ればいいのかわからなくなる。
「この学校にいる教師のうち20人が女性なんだけど、その女性の教師は全員コウくんが女の子だと知ってるから、もしもの時は頼ってね」
女性の先生が20人もいて、僕が女子だと知っているのなら頼りやすくていい。というか、頼れる女性の先生がそれぐらいいないと、男子校でバレずに過ごすことなんて出来ないだろう。
しかし、それでも男性の先生は僕が女子だと知らないので油断しないようにしないとね。
「担任は?」
「担任は………」
答えに詰まったチョウちゃんはヒサコさんのほうを見た。
「担任は女性の先生になるように学年主任の先生に言ってます。あっ、学年主任の先生も女性ですので」
「だって」
お気楽に言ってくるチョウちゃんに少しイラッとする。
「だって、じゃなくて、そこはチョウちゃんが根回しするべきことなのじゃないのかな」
チョウちゃんのうなぎを狙って箸を伸ばすが、間一髪のところで避けられてしまった。
「ちょっと!何するのさ!」
文句を言ってくるチョウちゃんを無視してヒサコさんに問いかける。
「保健室の先生は女性ですよね?」
「えぇ。女性ですね」
これで男性だと言われた場合には、僕がケガした場合は保健室ではなくここに突撃してくることになっただろう。
「ちょっと!なんで私に聞かないのよ!」
「だって知らないのでしょ?」
「保健室の先生が女性だってことくらいは知ってるわよ!」
「でも、僕の担任が女性だとは知らなかったと」
そう言えばチョウちゃんは黙り込むと思っていたのだけど、今回は違った。
「理事長だからといってなんでもかんでも根回し出来るわけじゃないんだからね!特に教師の配置とか理事長が出しゃばると越権行為になっちゃうんだからね!」
その言い分は納得出来る。
「確かにそうだね。ごめんね」
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