僕は☓っぽいけど○だから☓子校に行くなんて間違ってる!

だらけたい

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31.兄貴!

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「どこの高校に通うの?」

 花お姉ちゃんのその質問をされた瞬間、違和感を感じた。

 別に質問自体はおかしな質問というわけではない。こっちの高校に通うと僕の方から言ったのでいずれはされると思っていた質問だ。

 答えたくはない質問だけど。

 なら何に違和感を感じたのか、って?

 この質問が最後にきたことに違和感を感じのだ。

 だって、最初の質問で僕はこっちの高校に通うと言ったのだから、2番目、もしくはもっと早くにこの質問がくるべきであり、ここの商店街の人達なら確実にしてきたであろう質問なのだ。

 それなのに、まるで最後の質問はこれを聞くように初めから決められたかのように誰もこの質問をしてこなかった。

 そう。まるで誰かが段取りをしてそう仕向けたかのように。

 そうなってくると怪しいのは僕の左隣に座っている2人。

 まず第1容疑者のチョウちゃん。

 は、まだ気絶中なので、もしチョウちゃんが仕向けたのであればその光景を見れていないので、軽くお仕置きしながら「残念だったね」とあとで笑ってあげよう。

 でも、チョウちゃんの可能性は低いだろう。

 なぜなら、ホントに商店街の人達の驚く反応を楽しみにしていたし、裏でこんな段取りを行うなんて器用なことは出来ないからだ。

 次に第2容疑者のというかほぼ黒幕確定のリン。

 とはいえ、まだ裏が取れたわけじゃないので一応容疑者扱いだ。

 そんなリンはといえば、ずっと微笑みながらこの質問大会を見ているだけで、僕の様子だけを注視するような素振りはない。

 しかし、キリンの視野は360度に近く、正面を向いた状態でも後ろの方まで見えていたりするので、僕の方を注視してなくても見続けることは出来るだろう。

 って!そのキリンは動物園とかにいるキリンだからリンとは全く関係ないでしょ!それに、神獣のリンなら視野とか関係なく見ることは可能だろうし!

 おっといけない。1度落ち着こう。

 リンが僕がどこの高校に通うか知ったのはつい数十分前だけど、それでも段取りを付けてこの質問大会を始めることは十分に出来る。

 なんせリンは神獣なのだから。

 さらに言えば、リンなら町内テレビとか訳の分からないテレビを作り上げることも出来るだろうし、どこかの神って案外リンのことだったりして。

 “神”獣というくらいだし。

 とはいえ、それもこれもリンがやったという確証があるわけではないので、文句も言えないしお仕置きするわけにもいけないんだけど。

 色々考えすぎてしまったが、質問に答えないとね。答えたくはないけど。

「コウが通う高校を発表します」

 僕が質問に答えないでいると、リンがそんなことを言い出した。

「え?」

 驚きと戸惑いがある中リンの方を見ると、リンの手元には新年号の令和が発表された時に見たことのある額が伏せられていた。

 さっきまでそんなものなかったのにどこから取り出した!?ってか、それに書かれているのってまさか高校名!?

 そう思っていると、リンが額をみんなに見せるために持ち上げようとしたので、慌てて額を上から押さえつける。

「ちょっと。なんで押さえるのさ」

 文句を言ってきたが、その文句を受け付けるつもりはない。

「自分で言うから」

 こんな形で発表されるくらいなら自分で言ったほうがマシだ。

「言いづらそうに黙っていたし、私が発表してあげるよ」

 確かに言いたくないと思っているけど、黙っていたのはリンが黒幕じゃないのかと考えていたからだ。

「自分で発表するから額から手を離そうか」
「私が発表してあげるって」
「自分で発表するから」
「私が発表してあげるよ」
「自分でする」
「私がしてあげる」

 リンと見つめあいながら額を取り合っていたが、リンがあっさりと額を手離した。

 そんなことありえないと思いながら額を見ると、額には白紙の紙が入っているだけで何も書いてなかった。

 えっ?

 訳がわからずに固まっていると、

「さぁ!発表するよ!」

 そう言いながらリンは上を指さした。

 えっ!?

 と、さらに訳がわからない状況ながらも、顔は自然と上を見上げていた。

 そこにあったのはいつの間に用意されていたのか、くす玉があった。

 まさか!

「くす玉オープン!」

 リンの言葉で割れたくす玉から出てきたのは、女子高校入学おめでとう!と書かれたたれ幕。

 あ~もう!

 僕は頭を抱えた。

 まさか額をオトリにくす玉なんて………。それに、これは止められないよ………。

 僕が諦めていると、みんなは『おぉっー!』と歓声をあげていた。そこに戸惑いはなく、本気で歓喜していた。

「いや!おかしいでしょ!」
「いきなり叫んでどないしたんや、姐さん」

 ジンは驚いているが、この状況で叫ばないなんてありえないだろう。

「なんでみんな歓喜してるの!?女子の僕が男子校である女子高校に通うことになるのだよ!?おかしいでしょ!」

 机に手を叩きつけながら立ち上がるも、みんなはポカンとした表情で僕を見てきていた。

「なんでそんな表情になるの!?おかしいと思わないの!?」
「いや~。ついに姐さんに対する世間の認識が追いついたな、と思ったぐらいやな」
「世間の認識が追いついた、だって?」
「そや。これで性別詐欺とか言われずに済むやろ、姐さん。いや兄貴と呼んだほうがええか」
『女子高校入学おめでとうございます!兄貴!』

 笑顔でそんなことを言うジンに続き、モブ達が声を揃えて頭をさげ、他のみんなは拍手をしてきた。

「兄貴って呼ぶな!僕は女だ!」

 僕は笑っているジンに殴りかかった。

「ぐふっ!」
「兄貴が暴れ出したぞ!」
「逃げろ!逃げろー!」
『わー!』
「兄貴って呼ぶなー!!!」

 みんな散り散りに逃げていくのを見ながらジンを再度殴りつけながら僕は叫んだ。
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