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51.テレビ越しで
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「おはよう」
外で待っていたのは少年の姿をして、女子高校の制服を着たリンだった。
元々神獣のリンは普段は少女の姿でいることが多いが、元々性別という概念はないので、少女にも少年にもなれるわけだから驚きはしない。
そして、リンは本当に神獣の力を無駄遣いして女子高校に通えるようにしたので、今日からまた同級生として同じ学校に通うことになったのだ。
「で、そっちにいるのはユウかな」
「よう」
リンの隣で僕達と同じく女子高校の制服を着た少年が手をあげてきた。
少年の名前は親乃ユウ。保育園の時からの幼なじみだ。
そして、ユウが女子高校の制服を着ていることで1つの疑問が解消された。
それは3日前の泊まり込み行事の説明の時の疑問だ。
あの時、ヒサコさんは、
「同部屋になる男子の選定はすでに済ませています。と、言いますか、今年入学してくる生徒名簿を見た瞬間にチョウが、こいつに決めた、と即決していました」
と言っていたけど、生徒名簿の中にユウの名前があったら、チョウちゃんはこいつに決めたと即決するだろう。
というか、もしユウがいるのに他の生徒に決めていたら、ケンカどころの騒ぎではすまされないだろうね。
「しかし、相変わらずの男らしさだな~。
でも、3日前の町内テレビを見た時はホントにコウなのか?と疑ったけど、この姿を見たら紛れもなくコウだと言えるな」
うんうんと感慨深げに頷いているユウ。
まぁ、3年ぶりの、それも中学生という1番の成長期の間に1度も会うこともなかった状況からの、それもテレビ越しでの再会だから疑ってしまうのはわからなくもないよ。
でも、この姿、女子高校の制服を着て男装している姿を見てようやく納得したと言われるのは納得出来ないし、久しぶりに再会した幼なじみの女子にかける言葉では絶対ないだろう。
「はぁ」
ため息を吐きながらユウの脇腹を軽く殴りつける。
「ぐふっ」
苦痛の声をあげながら片膝をついたユウは、脇腹をおさえながら僕を見上げてきた。
「なにしやがる」
「いや、久しぶりに会った幼なじみの女の子に言うようなセリフじゃなかったから、1発おしおきしとこうと思っただけだよ」
ニコッと微笑みかけてあげると、ユウはポカンとした表情で僕を見返してきたかと思うと、首を傾げてポツリと呟いた。
「女の子?」
その言葉にリンは「あ~あ」と哀れみの表情をユウに向けた。
そう。その一言は、女の子であることを疑う一言だけは僕に向けては絶対言ってはいけないタブーの言葉だ。
なぜなら、僕が女の子であるのは疑いようのない事実だからだ。
見た目が男らしいので、初対面の人に女の子かどうか疑われるのは仕方ないよ。
でも、女の子だとわかった上で女の子であることを疑うのは僕の存在を否定する一言でしかない。
だからこそ、チョウちゃんですら男らしいとかイジってきたりするけど、女の子であることを疑う言葉を言ってくることはない。
なのにユウは言ってきた。
それこそ、本当に心の底から僕が女の子であることに疑問を持っているからこそ出てくる言い方で、だ。
「ハハ」
これは流石に僕もキレますよ。
「あっ」
ようやくユウは自分の失言に気づいたみたいだけど、当然ながら1度発した言葉はもう取り返しがつかないし、なかったことには出来ないのでしっかりとおしおきを受けてもらわないとね。
「え~っと………」
僕を見上げていたユウがぎこちなく微笑んできたので微笑み返してあげると、ユウのぎこちない笑顔がホッとした笑顔に変わったのでそのタイミングで変則的デコピンの強烈な一撃をおみまいする。
「ぐおっ!」
バチン!といういい音とともに苦痛の声をあげたユウだが、今回はアイアンクローをしながらなのでのけ反ることのないユウの額にさらにもう1発おみまいする。
「がっ!」
そこからさらに8連発の合計10発打ち込んだタイミングでアイアンクローを止めると、のけ反ったユウはそのまま後ろへ倒れ込み、ノックダウンした。
「まぁ、これは自業自得だから仕方ないよね」
苦笑したリンはユウを助けようともせずに放置することにしたようだ。
僕としてもこのまま放置して行きたいのだけれど、今日は入学式だし、あとから出てくるチョウちゃん達の邪魔にもなるからね。
「はぁ」
大きくため息を吐きながらユウのお腹を踏みつける。
「ぐふっ」
「ほら、さっさと行くよ」
ここまでしてあげただけでも感謝してほしいので、僕はリンとともに駅へ向かって歩き出した。
「おいっ。待ってくれよ」
外で待っていたのは少年の姿をして、女子高校の制服を着たリンだった。
元々神獣のリンは普段は少女の姿でいることが多いが、元々性別という概念はないので、少女にも少年にもなれるわけだから驚きはしない。
そして、リンは本当に神獣の力を無駄遣いして女子高校に通えるようにしたので、今日からまた同級生として同じ学校に通うことになったのだ。
「で、そっちにいるのはユウかな」
「よう」
リンの隣で僕達と同じく女子高校の制服を着た少年が手をあげてきた。
少年の名前は親乃ユウ。保育園の時からの幼なじみだ。
そして、ユウが女子高校の制服を着ていることで1つの疑問が解消された。
それは3日前の泊まり込み行事の説明の時の疑問だ。
あの時、ヒサコさんは、
「同部屋になる男子の選定はすでに済ませています。と、言いますか、今年入学してくる生徒名簿を見た瞬間にチョウが、こいつに決めた、と即決していました」
と言っていたけど、生徒名簿の中にユウの名前があったら、チョウちゃんはこいつに決めたと即決するだろう。
というか、もしユウがいるのに他の生徒に決めていたら、ケンカどころの騒ぎではすまされないだろうね。
「しかし、相変わらずの男らしさだな~。
でも、3日前の町内テレビを見た時はホントにコウなのか?と疑ったけど、この姿を見たら紛れもなくコウだと言えるな」
うんうんと感慨深げに頷いているユウ。
まぁ、3年ぶりの、それも中学生という1番の成長期の間に1度も会うこともなかった状況からの、それもテレビ越しでの再会だから疑ってしまうのはわからなくもないよ。
でも、この姿、女子高校の制服を着て男装している姿を見てようやく納得したと言われるのは納得出来ないし、久しぶりに再会した幼なじみの女子にかける言葉では絶対ないだろう。
「はぁ」
ため息を吐きながらユウの脇腹を軽く殴りつける。
「ぐふっ」
苦痛の声をあげながら片膝をついたユウは、脇腹をおさえながら僕を見上げてきた。
「なにしやがる」
「いや、久しぶりに会った幼なじみの女の子に言うようなセリフじゃなかったから、1発おしおきしとこうと思っただけだよ」
ニコッと微笑みかけてあげると、ユウはポカンとした表情で僕を見返してきたかと思うと、首を傾げてポツリと呟いた。
「女の子?」
その言葉にリンは「あ~あ」と哀れみの表情をユウに向けた。
そう。その一言は、女の子であることを疑う一言だけは僕に向けては絶対言ってはいけないタブーの言葉だ。
なぜなら、僕が女の子であるのは疑いようのない事実だからだ。
見た目が男らしいので、初対面の人に女の子かどうか疑われるのは仕方ないよ。
でも、女の子だとわかった上で女の子であることを疑うのは僕の存在を否定する一言でしかない。
だからこそ、チョウちゃんですら男らしいとかイジってきたりするけど、女の子であることを疑う言葉を言ってくることはない。
なのにユウは言ってきた。
それこそ、本当に心の底から僕が女の子であることに疑問を持っているからこそ出てくる言い方で、だ。
「ハハ」
これは流石に僕もキレますよ。
「あっ」
ようやくユウは自分の失言に気づいたみたいだけど、当然ながら1度発した言葉はもう取り返しがつかないし、なかったことには出来ないのでしっかりとおしおきを受けてもらわないとね。
「え~っと………」
僕を見上げていたユウがぎこちなく微笑んできたので微笑み返してあげると、ユウのぎこちない笑顔がホッとした笑顔に変わったのでそのタイミングで変則的デコピンの強烈な一撃をおみまいする。
「ぐおっ!」
バチン!といういい音とともに苦痛の声をあげたユウだが、今回はアイアンクローをしながらなのでのけ反ることのないユウの額にさらにもう1発おみまいする。
「がっ!」
そこからさらに8連発の合計10発打ち込んだタイミングでアイアンクローを止めると、のけ反ったユウはそのまま後ろへ倒れ込み、ノックダウンした。
「まぁ、これは自業自得だから仕方ないよね」
苦笑したリンはユウを助けようともせずに放置することにしたようだ。
僕としてもこのまま放置して行きたいのだけれど、今日は入学式だし、あとから出てくるチョウちゃん達の邪魔にもなるからね。
「はぁ」
大きくため息を吐きながらユウのお腹を踏みつける。
「ぐふっ」
「ほら、さっさと行くよ」
ここまでしてあげただけでも感謝してほしいので、僕はリンとともに駅へ向かって歩き出した。
「おいっ。待ってくれよ」
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