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22.年上のお姉さん
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なんて決め事とかの話をしたんだよ。
「なるほど。しかし、それなら先頭に立つのは最年長のションゴンかカレンのほうがよかったんじゃないのか?」って。
そこは最年少だからこその出たがりで前に出てるってことで納得してもらおう。
オリフィスとリコフィスに励まされた僕はまた先輩さんと向かいあった。
「改めて、結婚を前提にお付き合いしてください!」
今度は頭を下げながら手を差し出す。
すると、頭を撫でられたので顔を上げると優しく微笑む先輩さん。
「やっぱりごめんなさいね」
「うわ~ん」
「ちょっ!先輩!」
2連続で断られたことにショックを受けたフリをして泣き真似をしていると、フィーナさんが慌てふためいていたのでとうとう抑えきれずに笑ってしまった。
僕が笑いだしたのにつられて先輩さんも笑い出すと、フィーナさんはわけがわからずにきょとんとしてしまった。
「君、ノリがいいね」
また先輩さんに頭を撫でられる。
「えへへ」
子供らしく笑っていると、後ろから誰かに抱きつかれて引き寄せられたので上を見ると、少しスネたキョウの顔があった。
「ふふっ。別に取ったりはしないよ。さっきも言ったけど、その子は私にとっては若すぎるからね」
先輩さんは微笑ましそうにキョウを見ていた。
これぞ大人の余裕。と言うべきかな。
「えっ?もしかして、先輩も君も私をからかってたの?」
きょとんとしていたフィーナさんがようやくその結論にいたったのを見て、僕と先輩さんは頷いた。
「やっぱりフィーナはいい反応してくれるからからかいがいがあるね」
「その反応が楽しくてついからかっちゃいました。ごめんなさい」
先輩さんはあっけらかんと言い放ち、僕は少し申し訳ない気持ちはありつつも、やっぱりからかっていて楽しかったのでハニカミながら小さく頭を下げた。
「はぁ~。君。初対面の年上のお姉さんをいくら知り合いのいじわるなお姉さんがからかっていたからといって一緒になってからかっちゃダメだよ」
「はい。ごめんなさい」
もう1度謝ると、フィーナさんは頭を撫でてくれた。それから先輩の方をキツい目で見たフィーナさん。
「先輩はあとでしっかりとお説教ですからね」
「私とその子で対応が違いすぎないかな?」
「子供と大人で対応が違うのは普通です。あっ、あと、君が知りたがっていた先輩の名前はイサナミだからね」
「ちょっと、人の名前を勝手に教えないでよね」
「なにか問題でも?」
フィーナさんから怖い笑顔を向けられたイサナミさんはそっぽを向いた。その様子を見ていた他の受付嬢達が苦笑しているところを見ると、この光景が日常的に行われていることだということがわかった。
「ねぇ君。冗談のわからないお姉さんってどう思う?」
イサナミさんは話を反らすどころか火に油を注ぐ、というより地雷的な質問を僕に投げかけてきた。
「クハハ。答えを間違えたら1発で吹き飛ぶんじゃねーの?」って。
笑えないね。
でも、答えを間違えなければいいだけなので、僕はイサナミさんに笑顔を向ける。
「いじわるなお姉さんより仕事熱心なお姉さんのほうがいいですよね」
僕の答えにイサナミさんとフィーナは驚き、周りの受付嬢達は笑いだした。
その笑い声でハッとしたイサナミさんは僕を睨みつけ、笑顔になったフィーナさんはどうだとばかりにイサナミさんを見た。
「ねぇ、フィーナ。この子達面白そうだから私が担当するからそこ交代して」
僕を獲物を狙うような目で見つめながらそんなことを言い出すイサナミさん。
「嫌です」
しかし、フィーナさんは退く気はなく、僕達の前に紙を置いた。
「これに名前と年齢とクラスを書いてね」
「ちょっと、フィーナ」
まだ諦めてないイサナミさんがフィーナさんに絡んでいる間に僕達は紙を書いていく。
「書き終わりました」
紙をフィーナさんの前に置くと、フィーナさんはくっついてくるイサナミさんの顔を押しのけて紙を確認した。
「最初は出来る女に見えたイサナミが今ではただの駄々っ子だな」か。
確かに。イサナミさんの印象が最初の時から180度変わってしまったね。
「はい。確かに確認したので少し待っててください。そして先輩は仕事に戻ってください」
フィーナさんがイサナミさんをさらに強く押し退けると、イサナミさんはチラッと紙を確認してから僕のほうを見てきた。
「ルイね。これから長い付き合いになりそうだし、よろしくね」
「はい。よろしくお願いします」
やっぱりまだ獲物を狙うような目つきではあるが、長い付き合いになりそうなのは確かなので軽く頭を下げておく。
「って、先輩まだ居たんですか?早く仕事に戻ってください。邪魔です」
「ルイくん。やっぱりヒドくない?」
「正論だと思うけど?」
可愛く首を傾げながら事実を突きつけてみる。
「うわ~ん」
イサナミさんは泣き真似をしながら奥へと走り去っていった。そんな背中を見送ったフィーナさんは大きくため息を吐いた。しかし、すぐに気持ちを切り替えたのか僕達の方を見た。
「そういえば、みんなでパーティーを組むのかな?」
「はい。そのつもりです」
「なら、パーティー登録もついでにしちゃおうか」
「はい」
僕が頷くとフィーナさんはパーティー登録用の紙を取り出した。
「これにパーティー名とリーダーを書いてくれるかな?」
「そういえば、パーティー名は何にするんだ?」か。
それならもう決めてあるよ。
僕達が組むパーティーの名前は、
「なるほど。しかし、それなら先頭に立つのは最年長のションゴンかカレンのほうがよかったんじゃないのか?」って。
そこは最年少だからこその出たがりで前に出てるってことで納得してもらおう。
オリフィスとリコフィスに励まされた僕はまた先輩さんと向かいあった。
「改めて、結婚を前提にお付き合いしてください!」
今度は頭を下げながら手を差し出す。
すると、頭を撫でられたので顔を上げると優しく微笑む先輩さん。
「やっぱりごめんなさいね」
「うわ~ん」
「ちょっ!先輩!」
2連続で断られたことにショックを受けたフリをして泣き真似をしていると、フィーナさんが慌てふためいていたのでとうとう抑えきれずに笑ってしまった。
僕が笑いだしたのにつられて先輩さんも笑い出すと、フィーナさんはわけがわからずにきょとんとしてしまった。
「君、ノリがいいね」
また先輩さんに頭を撫でられる。
「えへへ」
子供らしく笑っていると、後ろから誰かに抱きつかれて引き寄せられたので上を見ると、少しスネたキョウの顔があった。
「ふふっ。別に取ったりはしないよ。さっきも言ったけど、その子は私にとっては若すぎるからね」
先輩さんは微笑ましそうにキョウを見ていた。
これぞ大人の余裕。と言うべきかな。
「えっ?もしかして、先輩も君も私をからかってたの?」
きょとんとしていたフィーナさんがようやくその結論にいたったのを見て、僕と先輩さんは頷いた。
「やっぱりフィーナはいい反応してくれるからからかいがいがあるね」
「その反応が楽しくてついからかっちゃいました。ごめんなさい」
先輩さんはあっけらかんと言い放ち、僕は少し申し訳ない気持ちはありつつも、やっぱりからかっていて楽しかったのでハニカミながら小さく頭を下げた。
「はぁ~。君。初対面の年上のお姉さんをいくら知り合いのいじわるなお姉さんがからかっていたからといって一緒になってからかっちゃダメだよ」
「はい。ごめんなさい」
もう1度謝ると、フィーナさんは頭を撫でてくれた。それから先輩の方をキツい目で見たフィーナさん。
「先輩はあとでしっかりとお説教ですからね」
「私とその子で対応が違いすぎないかな?」
「子供と大人で対応が違うのは普通です。あっ、あと、君が知りたがっていた先輩の名前はイサナミだからね」
「ちょっと、人の名前を勝手に教えないでよね」
「なにか問題でも?」
フィーナさんから怖い笑顔を向けられたイサナミさんはそっぽを向いた。その様子を見ていた他の受付嬢達が苦笑しているところを見ると、この光景が日常的に行われていることだということがわかった。
「ねぇ君。冗談のわからないお姉さんってどう思う?」
イサナミさんは話を反らすどころか火に油を注ぐ、というより地雷的な質問を僕に投げかけてきた。
「クハハ。答えを間違えたら1発で吹き飛ぶんじゃねーの?」って。
笑えないね。
でも、答えを間違えなければいいだけなので、僕はイサナミさんに笑顔を向ける。
「いじわるなお姉さんより仕事熱心なお姉さんのほうがいいですよね」
僕の答えにイサナミさんとフィーナは驚き、周りの受付嬢達は笑いだした。
その笑い声でハッとしたイサナミさんは僕を睨みつけ、笑顔になったフィーナさんはどうだとばかりにイサナミさんを見た。
「ねぇ、フィーナ。この子達面白そうだから私が担当するからそこ交代して」
僕を獲物を狙うような目で見つめながらそんなことを言い出すイサナミさん。
「嫌です」
しかし、フィーナさんは退く気はなく、僕達の前に紙を置いた。
「これに名前と年齢とクラスを書いてね」
「ちょっと、フィーナ」
まだ諦めてないイサナミさんがフィーナさんに絡んでいる間に僕達は紙を書いていく。
「書き終わりました」
紙をフィーナさんの前に置くと、フィーナさんはくっついてくるイサナミさんの顔を押しのけて紙を確認した。
「最初は出来る女に見えたイサナミが今ではただの駄々っ子だな」か。
確かに。イサナミさんの印象が最初の時から180度変わってしまったね。
「はい。確かに確認したので少し待っててください。そして先輩は仕事に戻ってください」
フィーナさんがイサナミさんをさらに強く押し退けると、イサナミさんはチラッと紙を確認してから僕のほうを見てきた。
「ルイね。これから長い付き合いになりそうだし、よろしくね」
「はい。よろしくお願いします」
やっぱりまだ獲物を狙うような目つきではあるが、長い付き合いになりそうなのは確かなので軽く頭を下げておく。
「って、先輩まだ居たんですか?早く仕事に戻ってください。邪魔です」
「ルイくん。やっぱりヒドくない?」
「正論だと思うけど?」
可愛く首を傾げながら事実を突きつけてみる。
「うわ~ん」
イサナミさんは泣き真似をしながら奥へと走り去っていった。そんな背中を見送ったフィーナさんは大きくため息を吐いた。しかし、すぐに気持ちを切り替えたのか僕達の方を見た。
「そういえば、みんなでパーティーを組むのかな?」
「はい。そのつもりです」
「なら、パーティー登録もついでにしちゃおうか」
「はい」
僕が頷くとフィーナさんはパーティー登録用の紙を取り出した。
「これにパーティー名とリーダーを書いてくれるかな?」
「そういえば、パーティー名は何にするんだ?」か。
それならもう決めてあるよ。
僕達が組むパーティーの名前は、
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