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47.すぐに気づく

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 自己紹介を終えたので、僕達は中央に僕で右にイヴィリアで左にオルスニード、さらにその両サイドにオリフィスとリコフィスが座るという形で座った。

「なんでその形なんだ?」って。

 それは僕に聞かれてもわからないね。

 自然とこうなってしまったのだからね。

 とはいえ、普通はこういう時は僕じゃなくて1番小さいオルスニードを真ん中にして座るものだと思うのだけど、なんで僕が真ん中になったのかな?

 と考えたところでふと気になったことがあった。

「2人は何歳なの?」

 見た目の年齢では僕よりも年下に見えるけど、実際は僕より年上ということもあるから聞いておきたかった。

「僕は5歳です」
「私は6歳」

 2人の見た目からして僕より若いとは思っていたけど、やっぱり年下だった。

「もし年上だったらどうするつもりだったんだ?」か。

 それはもちろん敬語で話すよ。

「お兄ちゃん達は?」

 自分の年齢を聞かれると、当然相手の年齢が気になるのか、オルスニードは僕達を見てきた。

「僕は7歳だね」
『私達は9歳』

 僕達の答えにイヴィリアもオルスニードも驚いた表情を浮かべた。

「私と1歳しか年齢が離れていないのに冒険者になれるものなの?」

「まぁ驚くよな」か。

 そうだね。

 フィーナさんも言ってたけど、僕達の年齢で冒険者になる人なんていないだろうからね。

「なれるよ。冒険者ギルドの人達を納得させるだけの実力があればね」
「冒険者ギルドの人達を納得させるだけの実力………」

 イヴィリアは僕の答えを聞くと考え込み始めた。

「つまり、お兄ちゃん達にはそれだけの実力があるってことなんだね」

 オルスニードが目を輝かせながら僕達を見てきたが、少し訂正しておこう。

「そうだね。オリフィスとリコフィスはそれだけの実力があるけど、僕はヒーラーだから2人ほどの実力はないね」
「それでも冒険者なのよね?」

 考え込んでいたイヴィリアが僕を見てきた。

「そうだね。ヒーラーとしての腕は認めてもらってるみたいだから、オリフィスやリコフィス、それに他の仲間達と一緒にパーティーを組むことで冒険者として認められてる感じかな」

 自虐気味に少し笑いながら答える僕を見つめ続けるイヴィリア。

 何か気になることでもあったのかな?

「他にも仲間がいるの?」

 あぁそこが気になったのか。

 納得しつつ頷く。

「うん。あと4人ね」

 今頃カレンにションゴンにジュラナイの3人がこの場所を探し出してくれているところだろう。

「他の4人は?」

 イヴィリアは牢屋の外を見て他の4人を探すが、あいにくと牢屋はここだけなので他の4人がいるわけもない。

「どうだろうね。別れた後で捕まったからね」

 僕の捕まったという言葉で自分の捕まった時のことを思い出したのか、オルスニードが震えだしたので僕とリコフィスで抱きしめる。

 2人があまりに落ち着いているから大丈夫なのかと思っていたけど、やっぱりそうじゃなかったか。

 しかし、それでも叫んだり取り乱したりしないのは、前にいた冒険者の人達に取り乱さないように言われたからか、それとも誘拐犯達に何かされたからなのか。

「なぁ、ルーキーイーター殲滅作戦中だってことを教えてやらないのか?」だって。

 殲滅じゃなくて捕縛作戦だからね。

「どっちでもいいだろ」って。

 よくないからね。

 それに、教えて喜んだりされたら作戦が失敗する可能性とか出てくるからね。可哀想だけど、作戦が終わるまでは秘密だね。

「ねぇ。お兄さん達の仲間はお兄さん達が居なくなったことに気づいてくれるのかな?」

 僕の服を掴みながら心配そうに聞いてくるイヴィリア。

「もちろん気づいてくれるよ。
 だけど、さっきも言ったけど、別れた後で捕まったからすぐに気づく、ということはないだろうね」

 気づいてくれるよ、という言葉で笑顔になったイヴィリアだが、そのあとの言葉にまた表情を曇らせた。

 そんなイヴィリアをオリフィスが抱きしめた。

 多分、今この状況で「大丈夫」という言葉をかけたところで気休めにすらならないだろうけど、それでも大丈夫だと僕は感じていた。

「それは作戦中だってことを知ってるからだろ」って。

 それもある。

 あるけど、それ抜きにしてももう大丈夫と思ってるのだよ。

「なんでだ?」か。

 僕はションゴン達ほどの探索能力があるわけじゃないけど、それでもここまで近くにいたら気づくのだよね。

「なにに?」って。

 それはもちろんションゴン達の気配にね。だから、

 僕が上を見上げた直後、上から爆発音が響いた。
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