不器用な双子の恋

アオト★★

文字の大きさ
上 下
14 / 27

第十四話 「祭の想い」

しおりを挟む
第十四話 「祭の想い」
あの恋叶海岸に透と行ったあとすぐにお姉ちゃんが紅林君と付き合うことに
したと祭に言ってきた。
「え~!!紅林君ってやっぱりそういう人だったんだね~
あまりいい噂聞かないからさ、お姉ちゃんもう紅林君には関わらないほうがいいよ」って
忠告してあげたのに・・・。
実際、祭の友達から聞いた情報だと紅林君はイケメンだから女子からすごい人気が
あるけど、実際は浮気性、あと競馬好きで金遣いがあらいらしい。
あといつもはニコニコ優しいのに裏の顔はDV男だということも聞いた。
だから祭はお姉ちゃん(夏海)のことがすごく心配。
ヒロの時は偶然、祭がお姉ちゃんの通う塾の見学に行ってその日お姉ちゃんは
風邪で塾を休んでいたからそこで偶然にもヒロがヒロの友達に彼女がいるけど
他にも数人いること、女なんてみんな弱いからすぐに落とせるみたいなことを
言ってるのを聞いた。ヒロのことはお姉ちゃんから少し聞いていたからね
ヒロもイケメンなほうでカッコイイけど性格が最悪だと祭は思ったよ・・・。
祭は見学には行ったけど結局祭はその塾には行かなかった。
別の学習塾に行ったからヒロともそのときは顔を合わせてない。
でも、その言葉を聞いて祭の怒りが爆発したんだ。
後日透を連れて、お姉ちゃんがいないときにお姉ちゃんに祭が変装して
ヒロを近くの公園に呼び出した。ヒロは祭がお姉ちゃんになってることなんて
夢にも思わずベラベラ喋っていた。隣にいるのは誰かと聞かれたから
幼馴染だよって言った。そのあと散々お姉ちゃんのことを弱いとかいろいろ言われたけど
「お前みたいな女、俺が相手をしないと誰からも相手にされない。お前は俺の言う事を
素直に聞いてりゃいいんだ」と言われてそこで祭の怒りが爆発して
「私は弱くないし、あんたこそ誰からも相手になんかされないよ!!女をなめんな!!」
バシッって思い切りヒロの頬を平手打ちした。
「もう私と別れて!!!さよなら」そう言った。
そのあとヒロがどうなったのかは知らない。知らないけどお姉ちゃんにもヒロに
もう近づかないように釘を打った。だから祭がヒロを寝取ったことにした。
もう祭とヒロは運命だから絶対ヒロには近づかないでってお姉ちゃんには嘘をついた。
お姉ちゃんに恨まれてもいい。とにかくその時はヒロからお姉ちゃんを遠ざけないと
いけないからそのことしか頭になかった。
小さい頃から双子だからいろいろ比べられてきたけど両親が多忙でいなくても
祭はお姉ちゃんがいればそれで幸せだった。
お姉ちゃんは祭の面倒をよくみてくれた。両親が仕事で
いなくてもお姉ちゃんがいればさみしくなかった。
お姉ちゃんのことがすごく大好きでいつもお姉ちゃんに幼かった祭は
ついてあるいていた。だからお姉ちゃんを傷つける人は祭が許さない!
祭はお姉ちゃんの為なら何でも出来るよ。たった二人の双子の姉妹だもん。
お揃いのものを買うのもお姉ちゃんとお揃いのものが欲しかったから
お姉ちゃんに憧れているから・・ちょっとシスコンかも。
でもこれだけは絶対。お姉ちゃんは祭が守る!!
幼いときにたくさんお姉ちゃんには迷惑かけたから。祭はお姉ちゃんと双子で
嬉しかったよ。お姉ちゃんは迷惑だったかもしれないけど・・。
でも祭はお姉ちゃんが一番大切だから。いつも家に居ない両親よりも・・・・・。
全然寂しくないわけじゃない。ご飯だってお姉ちゃんと二人で食べるよりもお父さんと
お母さんも一緒に四人で食べたい。いつもそう思ってるけど祭のそのささやかな夢は
多分叶わない。両親を恨んだこともあった・・・。そんなに子供よりも仕事が大切なの?って・・・
姉妹二人だけでは耐えられないこともあるし、夜中に寂しくてお姉ちゃんと一緒に
泣いたこともあったし、両親はほとんど家に居ない。それは昼間も夜中も関係なくて・・・
でも、そんなときに相談に乗ったり助けてくれたのは幼馴染の透だった。
透には祭もお姉ちゃんもとても感謝してる。本当に・・・・祭はそう思うよ・・

つづく
しおりを挟む

処理中です...