不器用な双子の恋

アオト★★

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第二十五話「過去の記憶」

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第二十五話「過去の記憶」
祭たちはメリーランドから祭の自宅に透と二人で帰ってきた。
玄関の鍵を開けた祭は薄暗い玄関に電気をつけた。
「あれ?まだお姉ちゃんがいないみたい・・・あがって」そう祭が透に言った。
「おう、お邪魔します」透はそう言い玄関で靴を脱いだ。
「今、お茶入れるね!」そう祭は言い、台所に立ち紅茶のポットを用意して
ヤカンに水を入れて火にかけた。
そして祭もリビングにある椅子に座った
「いつ来ても、祭の家って綺麗だよな~、祭が掃除してるのか?」
「うん、お姉ちゃんは滅多に掃除しないからね、祭がしないといけないの。
でも、さっきの地震怖かった。未だにあの時の事を地震がくるたびに思い出すの」
祭の身体が震えていたのに気がついた透がそっと祭を抱き寄せた。
「大丈夫だよ!もう地震なんてこないさ。」透が祭を抱きしめた。
「・・・うん。」祭も透の背中に両手を回して透と抱き合った・・。
「不思議。透に抱きしめられると不安がなくなるの。安心するの・・・
あの時はまだ小学生だったから幼かったからすごく地震がきた時のことはよく覚えてる。
お姉ちゃんも誰もいなくて一人で留守番してたら、初めて地震がきて、心細くて
怖かった事を今でも覚えてるの。あの時はお姉ちゃんが帰ってきたとき凄く泣いた・・・。
お姉ちゃんに抱きついて大泣きしたの。あれから祭は地震が一番嫌いなの・・・。」
祭は透に抱きつきながらそう言った。
「ああ、そうだな・・でもあの時は一人で本当に初めての地震で怖かったと思うけど
今は、これからは俺が祭を守るから!!」そう透は祭の目を見て言った。
「うん・・・ありがとう。透!!」祭は透とお互いの目を見つめ合った
そしてお互いの口を重ねるようにキスをした。

ピイ~というヤカンのお湯が湧く音がして、祭が台所で紅茶用のポットに紅茶の葉とお湯を入れてカップを二つ用意して紅茶を注いだ。
「祭は本当に紅茶が好きだよな!!」透はそう言い笑った。祭も笑った。
こうして、二人の穏やかな時間が過ぎていった

つづく

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