不器用な双子の恋

アオト★★

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第二十四話 「お互いの気持ち」

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第二十四話 「お互いの気持ち」
観覧車から降りた二人はお互い無言のままだった・・・。
「・・・・・・」祭は透の後ろを歩いていた。だけど
透から目を逸らしてうつむいて歩いていた。
「・・・・・。さっきはごめんな。俺、お前の事がやっぱり好きで
感情を抑えられなかったんだ・・・」透が祭を見て話しかけた・・。

「・・・・・・・・・。」祭はうつむいたままだ。
透も祭から目を逸らして歩いた・・・。暫くお互いうつむいたまま園内をぐるぐる回った。
気が付いたら正午をとっくに過ぎていた・・・・・。
「・・・・帰るか・・・・」透が言った・・・。
「・・・・・うん・・・」祭が頷いた。せっかくのデートだったのに・・・
二人きりで過ごせるのは今日でもしかしたら最後になるかもしれないのに・・・
「祭っ!!今日はごめんな。悪いけど出口で今日は別れよう」
そう透が祭を見て言った・・・・・。
「・・・・・うん。祭こそなんかごめんね・・・」
「あのさ、祭・・・俺の事嫌いか?・・・・。あ~いや、なんかごめん・・。
気をつけて帰れよ」
透と祭はメリーランドの出口を出た・・・・。
「それじゃあな」そう言って透は片手で祭の頭をポンと叩いた。
「・・・・・・・・・・」祭は黙ってうつむいている。
透は祭に背中を向けて歩き出した。
その時また地面が大きく左右に揺れた・・・。「きゃっ!!」祭がバランスを崩して倒れた。
「祭!!!」すぐに透が祭を守るように覆いかぶさった・・。
今度の地震は長くて数十秒横揺れに揺れてそして地震は止まった
「もう地震嫌だ~!!ひっく・・・ひっく」祭の泣き声が透の耳に聞こえた・・・。
「祭、大丈夫か?」今度はすぐに祭から透は離れた・・・。それでも祭が心配な透は
祭をじっと見つめていた。手もずっと祭の手を握ったままだ・・・。
「ご、ごめん」手を握っていた透がそれに気がついて祭の手を離した。
「・・・・・嫌いじゃないもん・・・ひっく」祭が涙目で透を見た。
「え・・・・・?」透が驚いて祭を見たら今度は祭から透に抱きついた・・・。
「透の事嫌いじゃないもん・・・・嫌いじゃないから・・・・」
そう言って祭は透の頬にキスをした。

つづく
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