4 / 6
第四話「思い出の場所」
しおりを挟む
「写真コンテスト」
自作小説コラボ企画第二弾です
今回は「学園パラダイス」木下大地×「虹色の夏」羽田優里の出会いの話です
第四話「思い出の場所」
お昼を食べ終えた俺達は再び写真を撮ることにした。
俺が次は何を撮ろうかと思っていたら子供の声がした
「お母さん、痛いよ~」見ると子供が転んでいる。
「あなた大丈夫?」優里がすぐに泣いてる男の子の傍に駆け寄った。
「ひっくひっく」泣いてる男の子に「すみませ~ん」男の子の母親らしい女性の声がした。
「直哉大丈夫?ほら、もうカメラなんて持って走るから」そう言って男の子を抱き起した。
「ほら、怪我してるじゃない。絆創膏・・あっ!」女性が何かに気がついた
「・・・・カメラが・・・」そう女性は言った・・・。
「あの、大丈夫ですか?」優里が女性に声をかける・・
「あっ、ごめんなさい。この子の母親です。すみません・気が付かなくて」
「はい・・あの・・そのカメラ・・・」優里が壊れたカメラを見ている・・。
「壊れちゃったのね・・・仕方ないわ・・・。」女性が悲しそうな顔をしてカメラを
見つめている。「これじゃ、もう写真は撮れないわ・・・。」女性が涙ぐんだ・・・
「ここのイベントのルールだと、持参したカメラじゃないと写真コンテストには
出られませんからね」俺が言った。「うん・・」優里さんが頷いた。
「そうなんですよね・・・すみません。私達は大丈夫だから気にしないで。
本当にごめんなさい」女性が男の子の手をひいて立ち去ろうとしたのを優里さんが止めた。
「あの、よかったらこれ、使って下さい!!」そう優里さんが言って女性に自分の持っていたデジカメを渡した・・。
「えっ・・・でも」女性が戸惑っている。「いいんです。私は彼のカメラを共同で
使うんで。どうぞ使って下さい・・。そう優里さんが俺を指さして言った。
その言葉に女性はついに泣き出した・・・
「ごめんなさい。有難う!!本当に有難う。」女性が優里さんに頭をさげた。
「これで・・・これで家族三人の思い出の場所で成長したこの子の写真が撮れます!
本当にありがとう」女性が泣いている。優里さんがそっと女性の背中をさすった。
「何かありましたか?良ければあたしたちに話してくれませんか?」
「はい・・。夫が最近交通事故で亡くなりました。その夫はカメラで写真を撮るのが
大好きでした。夫は数年前にもこの写真コンテストに参加しているんです
私と、まだ赤ん坊だったこの子と家族三人で参加しました。
当時は誰でも自由に参加出来たんです。それで産まれたばかりのこの子と妻の私を連れて
夫はこのコンテストに参加しました。
この公園にある
大きな森の片隅にあるブランコを探しているんですけど数年前のことなので
どこにあるのかわからなくて・・
そのブランコに乗って赤ん坊だったこの子を私が抱いた写真を初めてカメラで夫が撮りました。
それがコンテストで優勝したんです。それがこの子が産まれてから初めて家族三人で
過ごした楽しい思い出になりました。
もう一度このイベントに参加して
五歳に成長した我が子と妻の私の写真を撮りたいと夫が亡くなる前に言ってました。
だから妻の私が夫の代わりにせめて、この写真コンテストにもう一度参加して
この公園にあるブランコに乗るこの子を撮りたかったんです。
この話を俺と優里さんは黙って聞いていたけど優里さんが言った。
「そういう事なら、あたしたち、協力しますよ。
奥さんと男の子の写真をあたしが撮ってもいいですか?是非撮らせてください!!」
その優里さんの提案に俺も賛成した。
「はい、俺達で良ければ是非お願いします」
俺がそう言うと女性はその場で泣き崩れた・・。
「有難う!!!本当に有難う」と女性は泣きながら言った。
つづく
自作小説コラボ企画第二弾です
今回は「学園パラダイス」木下大地×「虹色の夏」羽田優里の出会いの話です
第四話「思い出の場所」
お昼を食べ終えた俺達は再び写真を撮ることにした。
俺が次は何を撮ろうかと思っていたら子供の声がした
「お母さん、痛いよ~」見ると子供が転んでいる。
「あなた大丈夫?」優里がすぐに泣いてる男の子の傍に駆け寄った。
「ひっくひっく」泣いてる男の子に「すみませ~ん」男の子の母親らしい女性の声がした。
「直哉大丈夫?ほら、もうカメラなんて持って走るから」そう言って男の子を抱き起した。
「ほら、怪我してるじゃない。絆創膏・・あっ!」女性が何かに気がついた
「・・・・カメラが・・・」そう女性は言った・・・。
「あの、大丈夫ですか?」優里が女性に声をかける・・
「あっ、ごめんなさい。この子の母親です。すみません・気が付かなくて」
「はい・・あの・・そのカメラ・・・」優里が壊れたカメラを見ている・・。
「壊れちゃったのね・・・仕方ないわ・・・。」女性が悲しそうな顔をしてカメラを
見つめている。「これじゃ、もう写真は撮れないわ・・・。」女性が涙ぐんだ・・・
「ここのイベントのルールだと、持参したカメラじゃないと写真コンテストには
出られませんからね」俺が言った。「うん・・」優里さんが頷いた。
「そうなんですよね・・・すみません。私達は大丈夫だから気にしないで。
本当にごめんなさい」女性が男の子の手をひいて立ち去ろうとしたのを優里さんが止めた。
「あの、よかったらこれ、使って下さい!!」そう優里さんが言って女性に自分の持っていたデジカメを渡した・・。
「えっ・・・でも」女性が戸惑っている。「いいんです。私は彼のカメラを共同で
使うんで。どうぞ使って下さい・・。そう優里さんが俺を指さして言った。
その言葉に女性はついに泣き出した・・・
「ごめんなさい。有難う!!本当に有難う。」女性が優里さんに頭をさげた。
「これで・・・これで家族三人の思い出の場所で成長したこの子の写真が撮れます!
本当にありがとう」女性が泣いている。優里さんがそっと女性の背中をさすった。
「何かありましたか?良ければあたしたちに話してくれませんか?」
「はい・・。夫が最近交通事故で亡くなりました。その夫はカメラで写真を撮るのが
大好きでした。夫は数年前にもこの写真コンテストに参加しているんです
私と、まだ赤ん坊だったこの子と家族三人で参加しました。
当時は誰でも自由に参加出来たんです。それで産まれたばかりのこの子と妻の私を連れて
夫はこのコンテストに参加しました。
この公園にある
大きな森の片隅にあるブランコを探しているんですけど数年前のことなので
どこにあるのかわからなくて・・
そのブランコに乗って赤ん坊だったこの子を私が抱いた写真を初めてカメラで夫が撮りました。
それがコンテストで優勝したんです。それがこの子が産まれてから初めて家族三人で
過ごした楽しい思い出になりました。
もう一度このイベントに参加して
五歳に成長した我が子と妻の私の写真を撮りたいと夫が亡くなる前に言ってました。
だから妻の私が夫の代わりにせめて、この写真コンテストにもう一度参加して
この公園にあるブランコに乗るこの子を撮りたかったんです。
この話を俺と優里さんは黙って聞いていたけど優里さんが言った。
「そういう事なら、あたしたち、協力しますよ。
奥さんと男の子の写真をあたしが撮ってもいいですか?是非撮らせてください!!」
その優里さんの提案に俺も賛成した。
「はい、俺達で良ければ是非お願いします」
俺がそう言うと女性はその場で泣き崩れた・・。
「有難う!!!本当に有難う」と女性は泣きながら言った。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
彼女が望むなら
mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。
リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。
すべてはあなたの為だった~狂愛~
矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。
愛しているのは君だけ…。
大切なのも君だけ…。
『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』
※設定はゆるいです。
※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる