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魔法対抗試合編
第二十二話 : 二人の狙い
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◆◆◆◆◆
時は異界内部へ遡る―――――
「おい、ステン!マティニアに戦いは一度中止だと言ってないのか!!?」
茂みの中から顔を出したステンに僕は声を張り上げる。
するとステンの前で両手を前に広げ魔法を放ったマティニアがかすれた涙声で。
「ごめんなさい、クレシスさんっ⋯!でも私達、もうこうするしかなくて!!」
は?こうするしかないだって?今咄嗟にこいつが受け身を取ってなかったら、ただでは済まなかったんだぞ。なんだ、何が起こってる⋯?
「――包み込め、陸地可変」
「なっ!?」
ステンが片手を掲げると、僕達二人を中心に地面がドーム状になった。カインを守るよう手前に出ていたせいで後ろから覆いかぶさってくる地形に気づくのが遅れた結果、僕達は真っ暗闇に二人閉じ込められることとなった。指先に小さく火を灯し、ライト代わりにした僕は起き上がるカインを横目に剣を取り出し、囲いを破壊しようとするも、破損した部分はすぐに再生してしまった。
「おいステン!お前まで一体どうしたんだ!!」
剣で切り込み、生じた少しの隙間からステンが真っ青な顔でこちらを向いてるのを見た。しかしその隙間もまた、すぐに塞がってしまった。
「すまん、ロイ。でもしょうがないんだ、俺達の家を守るにはこうする以外、方法がなかったんだ」
なんだ、家を守るだって?家と僕を閉じ込めることがどう関係してるっていうんだ。仲間のはずだろ、魔法石だって僕が持ってる。それじゃあ、邪魔になったということなのか?⋯いや、分からない。分からないことが多すぎる⋯⋯!!
「おい、ステン、マティニア!お前達の目的は一体なんなんだ!!」
お前らは勝ちが欲しいんじゃないのか!勝って家族に褒められたいんじゃないのか!!名誉が欲しいんじゃないのか!!!
お前らは、何のためにここにいるんだ!!!
「ステン!マティニア!!」
そう何度も何度も二人の名前を呼び続けるも、一向に言葉は返ってこなかった。そんな中、ステンが少し囲いに穴を開けたかと思えば、感情が欠如した声で妙なことを言いだした。
「大人しくしておけ。どっちにしろロイ、お前の未来は決まっている。死ぬか、生きるか、あいつの指示次第でどっちにも転ぶんだ」
“死ぬ”だって⋯?こいつらは僕を殺す気なのか?
「おい、それはどういうことだ!?」
「死にたくなかったら、大好きな兄さんを手放すことだな」
―――兄さん⋯⋯!!?
「おい、兄さんを手放すってどういうことだ!ステン、お前らの目的と兄さんは何か関係があるのか!!」
ステンのものと思しき足音が段々と遠ざかる。音が聞こえる小さな穴から外を覗き見ると一緒に、なんとか全体を壊そうと翻弄するも全て失敗に終わった。
そしてステンは、マティニアに何かを告げた直後、森の中へ姿を消す前に立ち止まり、
「でも良かったよ、お前がリーダーになってくれて。お前の注意を魔法石に逸らせれたからな」
振り向いてこちらを嘲笑うステンに喉が痛みを覚えるも気にせず、声を荒げた。
「待てステン!兄さんに何かしてみろ!!
俺は、お前を一生許さない⋯⋯!!!」
「あぁいいぜ、どうせ俺は手を出せない。お前の兄さんを攫うのはとんでもねぇ怪物だからな」
ステンがこちらに振り向き、目を据わらせながら話す。その横で、先程まで会話をただ聞いていたマティニアが突然血相を変え、ステンに迫った。
「ちょっとステン喋りすぎ!!あの人が怒ったらどうするの!!!」
「マティニア、お前は少しあいつを怖がりすぎる節がある。俺は知ってる。あいつは失敗さえしなかったら俺等にわざわざ手を出さないってな」
マティニアがステンの耳元で怒鳴っている様子を、小さくて聞き取れないその会話を、息を殺して覗くも、ステンが森へ入る頃にはこの穴は閉じられていた。
時は異界内部へ遡る―――――
「おい、ステン!マティニアに戦いは一度中止だと言ってないのか!!?」
茂みの中から顔を出したステンに僕は声を張り上げる。
するとステンの前で両手を前に広げ魔法を放ったマティニアがかすれた涙声で。
「ごめんなさい、クレシスさんっ⋯!でも私達、もうこうするしかなくて!!」
は?こうするしかないだって?今咄嗟にこいつが受け身を取ってなかったら、ただでは済まなかったんだぞ。なんだ、何が起こってる⋯?
「――包み込め、陸地可変」
「なっ!?」
ステンが片手を掲げると、僕達二人を中心に地面がドーム状になった。カインを守るよう手前に出ていたせいで後ろから覆いかぶさってくる地形に気づくのが遅れた結果、僕達は真っ暗闇に二人閉じ込められることとなった。指先に小さく火を灯し、ライト代わりにした僕は起き上がるカインを横目に剣を取り出し、囲いを破壊しようとするも、破損した部分はすぐに再生してしまった。
「おいステン!お前まで一体どうしたんだ!!」
剣で切り込み、生じた少しの隙間からステンが真っ青な顔でこちらを向いてるのを見た。しかしその隙間もまた、すぐに塞がってしまった。
「すまん、ロイ。でもしょうがないんだ、俺達の家を守るにはこうする以外、方法がなかったんだ」
なんだ、家を守るだって?家と僕を閉じ込めることがどう関係してるっていうんだ。仲間のはずだろ、魔法石だって僕が持ってる。それじゃあ、邪魔になったということなのか?⋯いや、分からない。分からないことが多すぎる⋯⋯!!
「おい、ステン、マティニア!お前達の目的は一体なんなんだ!!」
お前らは勝ちが欲しいんじゃないのか!勝って家族に褒められたいんじゃないのか!!名誉が欲しいんじゃないのか!!!
お前らは、何のためにここにいるんだ!!!
「ステン!マティニア!!」
そう何度も何度も二人の名前を呼び続けるも、一向に言葉は返ってこなかった。そんな中、ステンが少し囲いに穴を開けたかと思えば、感情が欠如した声で妙なことを言いだした。
「大人しくしておけ。どっちにしろロイ、お前の未来は決まっている。死ぬか、生きるか、あいつの指示次第でどっちにも転ぶんだ」
“死ぬ”だって⋯?こいつらは僕を殺す気なのか?
「おい、それはどういうことだ!?」
「死にたくなかったら、大好きな兄さんを手放すことだな」
―――兄さん⋯⋯!!?
「おい、兄さんを手放すってどういうことだ!ステン、お前らの目的と兄さんは何か関係があるのか!!」
ステンのものと思しき足音が段々と遠ざかる。音が聞こえる小さな穴から外を覗き見ると一緒に、なんとか全体を壊そうと翻弄するも全て失敗に終わった。
そしてステンは、マティニアに何かを告げた直後、森の中へ姿を消す前に立ち止まり、
「でも良かったよ、お前がリーダーになってくれて。お前の注意を魔法石に逸らせれたからな」
振り向いてこちらを嘲笑うステンに喉が痛みを覚えるも気にせず、声を荒げた。
「待てステン!兄さんに何かしてみろ!!
俺は、お前を一生許さない⋯⋯!!!」
「あぁいいぜ、どうせ俺は手を出せない。お前の兄さんを攫うのはとんでもねぇ怪物だからな」
ステンがこちらに振り向き、目を据わらせながら話す。その横で、先程まで会話をただ聞いていたマティニアが突然血相を変え、ステンに迫った。
「ちょっとステン喋りすぎ!!あの人が怒ったらどうするの!!!」
「マティニア、お前は少しあいつを怖がりすぎる節がある。俺は知ってる。あいつは失敗さえしなかったら俺等にわざわざ手を出さないってな」
マティニアがステンの耳元で怒鳴っている様子を、小さくて聞き取れないその会話を、息を殺して覗くも、ステンが森へ入る頃にはこの穴は閉じられていた。
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