俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬

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魔法対抗試合編

第二十七話 : トリック

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⋯⋯いやいやいや、時間停止って出来ないことはないだろ、そもそも師匠から教わったものだし。
でもそれじゃないとすると、どういう原理だ?俺の目では世界が二人しか居ないように感じた。実際、人々はうずくまったまま静止していたし、液体だって動くこともなかった。が、層の外は違った。アレクが割ったことで、見える景色がガラリと変わった。人々が肩を組み、慰め合うように酌み交わしていたり、教師陣が試合場で話し込んでいたりと、層の中と外で見えるものが変わった。
――なるほど、そういうことか。

「なぁアレク、一つ聞きたいんだけど」

「なんですか」

「アレクは俺達のこと、どう見えてたんだ?」

「私は、あなたと教師が何やら話し込んでる風に見えました、何度声を掛けても反応しないので近づいた所、異様な魔力を感じたので試しに剣を振るってみただけです」

やっぱり⋯⋯⋯っていうかあいつ、どんだけ最初から層張ってたんだよ⋯!!?維持できるの普通に人間辞めてんだろ。

―――層を張った時の景色を、内と外、それぞれに投影する。俺が見たのが、人々がうずくまるところ、アレクが見たのが俺と先生が話し込んでる姿なのなら、俺が偽先生を拘束する前にはすでに張られていたことになるな。全然気づかなかった。警戒してて視野が狭くなってたんだろうな。⋯叫んでも無反応だったのもきっと、この層のせいなんだろうな。完全な密閉空間だったわけだし。

「⋯あ、ていうかアレク、“003”って一体何のことなんだ?」

「あぁ、それは―――」

空を見上げながら眉をしかめていたアレクは、視線を俺に移し、頬に当たる自慢の銀髪を耳にかけながら話し始めた。が、その瞬間、試合場の方から俺を呼ぶ大きな声が聞こえてきた。

「兄さん!!!」

友人と肩を組み、互いを支えながらこちらへやって来る人物に、俺は目に少しばかりの涙を浮かべ、駆け寄った。

「ロイ!!!」

大きく腕を広げ抱きしめると同時に、カインに預けていた腕を俺の背中にまわしたロイは、目を赤く腫らしながらこれでもかというほど俺を強く抱きしめた。それに負けじと、俺も腕を強く引き寄せる。
互いに安堵の声を漏らし、身を預け、ちゃんと無事だと確認する。

あぁ、良かった。ロイ、ロイが生きてる。また会えた、良かった。本当に、良かったーー―

「――って、オリアス先生!!?」

ふと前に目線をやると、土で汚れ、枝葉が所々付いた黒いローブを身に着ける、先生がそこにはいた。
珍しく疲れてるようで、髪を結うことすら面倒なようだ。

先生の元へ行こうにもロイと離れたくない俺は、ロイに背後から抱きつかれる形へ体勢を変えた。途端、顔を俺の頬に擦り寄せてくる。かわいすぎるだろ。

ロイの頭に手を俺は、高速撫でを発動しつつ、先生に声をかけた。

「先生、どうしてそんな⋯⋯」

全身を見るやいなや、言いづらそうにする教え子に、何かを察知した先生は怒り混じりに事を説明してくれた。

「あの変な奴のせいで、とんだひどい目にあったものだ。なんなんだ、あいつは。上級魔法を相殺しやがったぞ」

「それって、白髪だったりしません⋯?」

「あぁ、そうだ。いきなり話しかけて来たかと思えば急に攻撃を仕掛けてきたんだ。何発も、上級魔法を撃ちやがって。気がついたら見知らぬ森の中にいた俺の気持ちも考えてみろ」

い、今にも爆発しそうな勢いだな⋯⋯ん?ていうか今、森の中って⋯

「えっ、先生異界の中にいたんですか!?」

すぐ側で俺達二人を見守っていたカインが言うには、ステンを倒した後、イチと話す方法を二人で探っていたところ、突然うめき声が聞こえ、その声のした場所に先生がいたという。
同じ人物が二人いるという状況は避けたいはず。なら、一度先生と会ってから人目のつかない場所に隔離した。そう思っていたけど、まさかその隔離場所が異界の中だとは。

⋯⋯いや、おかしい。それはおかしいだろ。

だって、異界を作ったのは教師の人達だ。異界の出入りには教師の介入が不可欠。なのになぜ、なぜ先生を異界の中に入れることができたんだ⋯?
イチの能力か、その他の人物の能力。もしくは⋯⋯教師の中に裏切り者がいるか。
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