きっとあの世界には興味がないっ!

yumecycle

文字の大きさ
5 / 30
1章

4話 きっとプレイ時間によりダメージを受ける

しおりを挟む

※※※

 俺が中学校に通い始めた頃、両親が離婚した。
 原因は父親のギャンブル好きによる生活破綻だった。父は元々、大手会社の課長を勤めていたがある日、会社が倒産。それからだ。父がギャンブルに目覚め始めたのは。

 最初はどこにでもいる普通の父親だったが、倒産してからは俺と母親のことは放って置き、会社に勤めていた時の給料をある日はパチンコ、またある日は競馬などに全てを費やした。結果、当たる日もあったがハズレの日の方が圧倒的に多く-
 遂には借金にも手を伸ばしていた。これを知った時、流石に母も怒ったが、これがよくなかった。
 日頃の鬱憤が溜まっていたのだろう、父は暴力を振るうようになった。何度も何度も殴られる母の姿を目の当たりにし、俺はなにも出来ず、酷く怯えたことを今でも覚えている。

 しかし、鬱憤が溜まるのは当然、母も例外ではなく。
 俺はいつも通り学校から帰って来ると、包丁を片手にした母がじっと俺を見据えていた。今気付けば、これがもう限界だったのかも知れない。
 母はブツブツとなにかを呟いた後、言った。

 -ごめんね-

 何を謝っているのか全く分からなかった。ただその後、俺はかなりの大怪我を負って病院のベッドで寝ていた。
 その時の記憶はないが、これが俺が始めて死を覚悟した瞬間だったのは、間違いない-

※※※

「あーもー!一体なんなのよー!」

「んあぁ…?」

 どこか遠くから聞こえる女の子の声に俺は目を覚ます。
 遥か上空には、渡り鳥らしき鳥が群れを成して空を舞っている。どうやら俺は仰向けで寝そべっているらしい。

「っ!」

 そこまでぼんやりと考えてから、さっきまでの出来事を思い出す。
 俺は確か、崖から落下した筈―
 なのに身体は痛みどころか、傷の一つもついちゃいない。しかもここはどこだ?見渡す限りの広大な自然が広がっていて、崖の底とはとてもじゃないが考えられない。

「どうなってるんだ…?」

「あ!やっと目覚ました!」

 このよく分からない状況に唸っていると、先程からいたと思われる女の子が、こちらにズンズンと大股で近づいて来る。
 その女の子は白髪のロングヘアーで後ろはお団子結び。全身は髪の色と同じ、白いワンピースで身を包んでいる。
 見た目からしてみれば、俺と同い年くらいのかなりの美少女である。
 と、接近するや否や、俺の両耳まで手を伸ばし―

「このやろーっ!」

「いてててててて!」

「あんたのせいで戻れなくなっちゃったでしょ!どうしてくれんのよ!」

「いてててててて!」

「いてて~じゃないのよ!なんとか言いなさいよ!」

「な、なら、放してくださ…!」

「うるせーっ!」

「ぐああああああ!ちぎれるから!」

 俺の言うことなどお構い無しに、いきなり人の耳をつねりまくってくる謎の美少女。
 これは一体全体なんのプレイなんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

拾われ子のスイ

蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】 記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。 幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。 老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。 ――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。 スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。 出会いと別れを繰り返し、生命を懸けて鬩ぎ合い、幾度も涙を流す旅路の中で自分の在り方を探す。 清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。 これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。 ※基本週2回(木・日)更新。 ※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。 ※カクヨム様にて先行公開中(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載) ※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

処理中です...