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2章
4話 きっと縁起は演技のままで明後日へ
しおりを挟む『ステータス』。
それは、異世界での強さを表す戦力の値。
ギルドでは特殊な魔法装置を使用し、それを数値化したものを紙に記して見せてくれる。
ではここで、みんなのステータスを見ていこう!
ユリヤ・ソノヤマ
職業 旅人
レベル 1
チカラ 4
ボウギョ 4
マリョク 4
マボウ 4
ウン 4
武器・なんでもいい。
特殊能力・スキル枠が多い。その代わりスキルを使用する際、能力半減、効果時間一秒、連続使用不可。
「あはは!旅人とかいつ見てもウケる!」
「ぷっ…旅人ですって…!」
「た、旅人……」
「うふふ~旅人ね~」
「旅人って、そんな笑うとこ…?」
カトレアに引き続いて、コエル、ミーナ、シュバリエさんが一斉に声を上げる。初めて知ったコエル達が笑うのは、まあ、まだ分かる。だが、既に知ってるカトレアがまた笑ってるのは無性に腹が立つ。
「しかもなによ?この四のオンパレード!ウケる!」
「ウケねえよ!」
日本で四は「し」とも読むから死を連想させるため、縁起の悪い数字だということは知っている。
Fランクの旅人にそこまでのステータスは期待していなかったが、まさかこんなに四が並ぶとは。幸先が悪い。
カトレアは「はっ」と何かに気付く素振りを見せると、俺を指差し、震えた声で言った。
「タケダ、あんた…死ぬの?いや、死ぬ?もう…死んでいる…?」
「きゃー!成仏してくださ~い!」
「いや、違っ!ミーナ、痛い!止めて…!ていうか、俺の居場所分かってんじゃねえか!」
さっきまで話し掛けても明後日の方向向いてたのに!
そのミーナの提案で全会一致した俺達は今、サマラクトのギルドに来ている。
無論、この街に一つしかないギルドが昨日一昨日で直る筈もないので、学校とかの運動会とかでよく見るテントを張った、即席のギルドでステータスを見せて貰っていた。
「次はカトレアさんです」
「待ってました!」
ここの受付を担当する女性が紙を差し出す。
結果は―
カトレア
職業 召喚士
レベル 1
チカラ 0
ボウギョ 0
マリョク 1000000
マボウ 0
ウン 0
武器・杖。実はこれが無くとも召喚魔法とか、もろもろ使える。ただの飾り。
特殊能力・召喚する際、ほとんどの確率でポコタンが出現。たまに強いやつ。その場合、言うことを聞かない。
「魔力だけ高っ!レベル1のステータスじゃねーだろこれ!」
「ふふん。どうよ、お嬢ちゃん。降板するなら今よ?」
腕を組み、自信満々な様子のカトレア。それに対し、コエルも黙ってはいない。
「誰が降りるもんですか!リーダーの座は絶対渡しませんわ!」
カトレアは魔力の高さが異常値だが、戦力的には基本ポコタン。コエルにも勝算は無くはない。
受付嬢が三枚目の紙を渡す。
「サクザクティさんのです」
気になる結果は―
コエル・サクザクティ
職業 黒魔導士
レベル 1
チカラ 0
ボウギョ 0
マリョク 1000000
マボウ 0
ウン 0
武器・騎銃。自信の魔力を弾丸に変換して射ち出す。
特殊能力・魔法の射程距離、約1ミリ。
「魔力高っ!そして射程距離短っ!」
またもやカトレアと同じレベル1のステータスであるにも関わらず、魔力が異常値でその他ゼロの数値。
そして、注目すべきは特殊能力欄。
-魔法射程距離、約1ミリ。
黒魔導士で、武器が騎銃というのはさておき。あんなに高い魔力を遠距離から射ち出せる武器なのに、射程が一ミリとか、ほぼほぼ近接武器化してる。
「見なさいなカトレアさん!私のステータスを!武器もポコタンさんより使えるものですし、これは私がリーダーに決まりですわね!」
「うっさい!その前にステータスが一緒とか、キャラクター的に被ってるのよ!というわけで最初からいた私がリーダーね!」
「そんなの意味がわかりませんわ!」
ステータスと特殊能力で言わせればどっちもどっち。これはまだまだ続きそうだな、なんて遠目で思っていると、
「ミーナさんのです」
「あ、ありがとうございます」
ミーナの結果が渡されたようなので、俺も一緒になって見てみる。
結果は―
ミーナ
職業 神官
レベル 2
チカラ 0
ボウギョ 0
マリョク 0
マボウ 0
ウン 7777777
武器・素手。
特殊能力・魔法使用不可。
「運高っ!神官の意味なっ!」
今度は運の高さがおかしい上、俺への当て付けか、ラッキーセブンが連なっている。でも、やっぱり注目すべきは特殊能力欄。
―魔法使用不可。
ゲームとかで変わるが大体の神官って確か、回復魔法とかの支援魔法を主体にした上級の職種の筈。それが魔法使えないって、ホグワーツの校長が魔法使わずにパンチとかしてるようなものだぞ。
「…あ、あれ?ユリヤさん…生きてる?」
「生きてるわ!」
「エンガースさんのです」
「はい~」
ミーナに俺の存在を確かめて貰っていると、最後の一枚となったシュバリエさんのステータスが渡されたところだった。
俺はミーナと一緒にステータスを覗き込む。ここまで来たら嫌な予感がするが―
結果は―
シュバリエ・エンガース
職業 装甲
レベル 50
チカラ 9999999
ボウギョ 0
マリョク 100000
マボウ 100000
ウン 100000
武器・剣と斧の二刀流。
特殊能力・防御力が上がらない。
「強っ!」
強過ぎる。
レベル50のステータスを実際に見たことなくても分かる。めちゃストロング。
特殊能力で防御力が上がらないというデメリットがあっても、それを余裕で超越する他のステータス。
俺は驚愕しながらシュバリエさんに問うた。
「あ、あの…シュバリエさん?どうやったらこんなに強く?」
「ん~、なんだろう~?わたしも初めて見たから、なんとも~」
「…え」
「決めたわ!こうも決着が着かないなら!」
「討伐クエストでケリを着けるまでですわ!」
「それなんだが、二人とも」
新たな提案を降して来たカトレアとコエルに、シュバリエさんのステータスを見せながら静かに俺は宣言する。
「リーダーの誕生です」
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