きっとあの世界には興味がないっ!

yumecycle

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エピローグ2

きっと与えられた居場所は思った以上に遠すぎる

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「…ただいま」

 無人の部屋の中、わたしの呼び掛けに応えるものは当然いない。
 両親がいなくなってから数十年の間、わたしはここでずっと一人で暮らしてた。友達とも遊ばなければ学校にも行かず、ただただ、父から教えて貰った素振りを繰り返す。周りの人からは大層気味悪がられたことだろう。
 でも、そんな悲しい生活はもうすぐでおしまい。やっと居場所を、わたしだけの居場所を見つけられたのだから。
 わたしは引き摺っていた鎧を部屋の隅に追いやると、机の上に置いてある端末を立ち上げる。
 これを最初に見た時は心底驚きを隠せなかったが、馴れて来た今となっては「ああ、便利だな」と特に感想も無ければ何の感動も無い。
 ざっと目を通していると丁度、一件の電話が掛かった。

『こんにちはー。シュバリエちゃん!…いや、シュバリエさん!の方が良いかな?』

「はぁ…からかいにだけ来たのなら、もう切るわよ、リコ」

『冗談冗談、そんなに怒らないで?』

 声だけだが、向こうでニヤニヤしてるのが目に浮かぶ。

『…で?現在までの首尾はどうなってるの?』

「まだまだ現状維持、と言ったところかしら。皆、本当の実力というものが分からないもの。特にあのカトレアっていう娘、あなたの言ってた通り、ふざけてるように見えて全くって言っていい程隙がない」

 わたしと敢えて面接しなかったのも、わたしをわざとモンスターの目前に移動させてたことも、こうやって解散させたのも彼女の計算の内。つまり、わたしの正体はバレてるということだ。

『ふぅん。後は?何か無いの?』

「後?別に、何も……」

『まだまだだなぁ、シュバリエちゃんも』

「どういう意味?」

『裕璃谷くんだよ、裕璃谷くん』

「ああ…彼?あなたの幼なじみっていう」

『そうそう、何か感じるものはない?』

「……?」

 あっちの世界からこっちに来た『選ばれし者』であるらしいが、それだけ。わたしの正体が気になってた感じでも、脅威の対象にはならない。

『ま、いいか。それじゃ私はそろそろ戻るから、じゃね!』

 一方的に言って一方的に去って行く彼女に、わたしは溜め息を吐いた。
 この先が思いやられる限りだが、ここはわたしに与えられた、唯一無二のわたしの居場所。
 だから、

「誰にも、邪魔はさせない……」

 そう強く、わたしは決心した。





                     了
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