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第2章 X
15-2 処理
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俺はスマホを手に取り、報告した。
「大樹くんを見付けました。今回の誘拐犯は――死亡、撃つしかありませんでした」
相手は本部長。「ふう……、ご苦労様です、右柳くん、檀野くんにもお伝えください」
「はい」
俺がそう返事をする中、檀野の奴は、華賀峰貫次の遺体を外の車に運び出していく。もちろん誰にも見られないように。嫌な役目だ。
こんな処理をされるのは、マギウトに関連する事件としてはいつものこと。これは隈射目と警察によって闇に葬られる事件となる――。
見ていて、いい気持ちにはならない。なるわけがない。
そんな折、本部長から言われる。
「家族へのフォローに誰かを行かせるところでした」
「間に合いましたかね」
と俺が問うと――
「ぎりぎりでしょうねえ」
と、本部長は慮った。きっとそうだ、先に続く言葉で、大樹くんを想ったに違いない。その様が浮かぶよ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ところで大樹くん」
と、ウリュウさんに言われた。彼が続ける。
「俺とも電話番号を交換しておこう。俺達はマギウト関連以外でも裏で色々と動いていて、事件解決なんかをしなきゃいけない、一人二人に連絡しても隈射目の誰とも繋がらないなんてことになったら、君も困るだろ」
「え、ええ、そうですね」
この番号交換で、僕は初めて右柳さんの苗字の書き方を知った。いい名前だ。なんだか綺麗――こんなロゴを作りたいと思うくらいに美しく見えた。……これっぽっちで涙が出た。……あんなものを見たからかなあ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
これで、大樹くんの中で、俺の存在感はだいぶ増しただろう。右柳大という一人の大人の男として、頼られる存在になれたかな……。
緊急事態で混乱した時に、敵と勘違いされたらまずい、マギウトは恐ろしい力だし……。追跡時も思ったが、ようやく自分を紹介できた。
最初から番号の交換をしておけばよかった。俺はなんで最初にそう思わなかったんだ?
最初に会った時、彼がこれほど特別な存在になるとは思わなかった。多分そのせいだ。大樹くんは、もしや居那正さんとも違う? もっと特別なサクラを持っている? だから反応機で確認できなくなった?
もしそうだとしたら。
……これまで以上に注意しないと。
本当に自己紹介できてよかった。今後はもっと、積極的に関わっていくことになるだろうな。
「大樹くんを見付けました。今回の誘拐犯は――死亡、撃つしかありませんでした」
相手は本部長。「ふう……、ご苦労様です、右柳くん、檀野くんにもお伝えください」
「はい」
俺がそう返事をする中、檀野の奴は、華賀峰貫次の遺体を外の車に運び出していく。もちろん誰にも見られないように。嫌な役目だ。
こんな処理をされるのは、マギウトに関連する事件としてはいつものこと。これは隈射目と警察によって闇に葬られる事件となる――。
見ていて、いい気持ちにはならない。なるわけがない。
そんな折、本部長から言われる。
「家族へのフォローに誰かを行かせるところでした」
「間に合いましたかね」
と俺が問うと――
「ぎりぎりでしょうねえ」
と、本部長は慮った。きっとそうだ、先に続く言葉で、大樹くんを想ったに違いない。その様が浮かぶよ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ところで大樹くん」
と、ウリュウさんに言われた。彼が続ける。
「俺とも電話番号を交換しておこう。俺達はマギウト関連以外でも裏で色々と動いていて、事件解決なんかをしなきゃいけない、一人二人に連絡しても隈射目の誰とも繋がらないなんてことになったら、君も困るだろ」
「え、ええ、そうですね」
この番号交換で、僕は初めて右柳さんの苗字の書き方を知った。いい名前だ。なんだか綺麗――こんなロゴを作りたいと思うくらいに美しく見えた。……これっぽっちで涙が出た。……あんなものを見たからかなあ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
これで、大樹くんの中で、俺の存在感はだいぶ増しただろう。右柳大という一人の大人の男として、頼られる存在になれたかな……。
緊急事態で混乱した時に、敵と勘違いされたらまずい、マギウトは恐ろしい力だし……。追跡時も思ったが、ようやく自分を紹介できた。
最初から番号の交換をしておけばよかった。俺はなんで最初にそう思わなかったんだ?
最初に会った時、彼がこれほど特別な存在になるとは思わなかった。多分そのせいだ。大樹くんは、もしや居那正さんとも違う? もっと特別なサクラを持っている? だから反応機で確認できなくなった?
もしそうだとしたら。
……これまで以上に注意しないと。
本当に自己紹介できてよかった。今後はもっと、積極的に関わっていくことになるだろうな。
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