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五章 来る者、去る者 前編
3.陽子の過去
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春風は一度事務所に戻った。
陽子と話をしてくると、事務所にいた榊とみさえに告げておく。なにかあったら連絡をくださいと、スマホを手にして、陽子の部屋に向かう。
陽子と美遥は荷造りをせずに、春風を待っていてくれた。
「お待たせしました」
「いいえ。ぜんぜん。お忙しいのに、お手をわずらわせてすみません」
「正直なところ、陽子さんにまでいなくなられたら、立ちいかなくなります」
「それに関しては、心苦しく思っています。けれど、ご迷惑をおかけしたくないんです」
「元ご主人は、どんな迷惑行為をしたのか、聞いても構いませんか。差し支えるなら、話さなくてもいいです」
春風はちらりと美遥を見る。子供の前では言いにくいこともあるかもしれない。美遥にとっては父親なのだから。
「大丈夫です。美遥には、すべて話していますので」
そう言って、陽子は元ご主人の話をしてくれた。
元亭主、横澤均とは、共通の友人の紹介で知り合った。
当時陽子は23歳で、短大の観光科を卒業して、ホテルで勤務していた。
4歳年上の均は、ビジネスホテルで働いていた。
お互いに平日が休みだったため、数人で遊びに行くうちに、二人で会うようになり、付き合うことになった。
均は、仕事の時は標準語で話しているが、普段は関西弁だった。
陽子は均の関西弁が、好きだった。
控え目な陽子は、損をすることが多かった。並んでいる順番を横入りされても、文句の一つも言わず譲ってしまう。
でも均がいると、注意をしてくれる。相手が気の強い男性で一触即発の事態になっても、均は譲らなかった。
均の関西弁は頼もしさの象徴だった。
「今思うと、恋は盲目って言葉がぴったりでした」
過去を振り返った陽子は、恥ずかしそうにした。
4年後、妊娠をした。均は戸惑っていたが、結婚を受け入れた。
陽子の両親は、授かり婚に反対したが、二人は籍を入れた。
妊娠九ヶ月の時、均が勤めていたビジネスホテルが閉店した。陽子はすでに産休に入っていて、家に一人でいるのは不安だったこともあり、しばらくは貯金で生活をすることにした。
出産しても均は再就職をせず、家事も育児もしない、家でダラダラと過ごす毎日。均が働いていないせいで、保育園を申し込んでも入れなかった。
美遥が夜泣きをする頃になると、眠れないからと寝室を別にされた。
陽子は数時間置きに泣く美遥をあやすために起き、家事もし、へとへとに疲れる毎日だった。
育休の延長期限を迎え、陽子は仕事復帰を決める。
均は相変わらず仕事を探す気もない。が、美遥の面倒を見る気もない。
仕方がなく、認可外保育所に美遥を託した。
ある日、美遥が体調を崩して熱を出したと連絡があった。しかし陽子は仕事中。均に連絡をして、迎えに行ってもらった。
病院で診てもらって、問題がなければ寝かせていていい。とお願いしたのに、保険証がわからない、寝ていても泣く。「どないせえっちゅうねん」とホテルに連れてきてしまった。
上司に頼み込み、早退させてもらったが、そういうことが何度も続き、いたたまれなくなった陽子は退職した。
融通が利き、託児所が併設されている病院に転職した。
「ホテルで働くのは憧れだったんです。キラキラした非日常の空間で、お客様をお出迎えして、笑顔でお帰りいただく。ステキな結婚式は見ているだけで温かい気持ちになれます。大変なことも多かったけど、楽しかったです。転職先は、美容クリニックの受付でした。ホテルで培った接客技術を認めてくださったんです。お給料も良くて。院長先生を始め、皆さん親切で。急な病欠でも快くお休みをさせていただいて‥‥‥」
家事と育児に奔走しながら、がんばって働いたお給料は、旦那の遊びに消えていくようになった。
「賭け事や飲みに使っていたんです。保険証の場所はわからないくせに、美遥の積み立てをしている通帳の場所は知っていて。下ろそうとして、定期だから下ろせなくて。腹を立てて、手を出されました。それが暴力の始まりでした」
一度手を上げたことでタガが外れたのか、頻繁に暴力を受けるようなった。
「金出せえ。口ごたえすんな」
あんなに頼もしかった関西弁は、こちらに向けられると恐怖に変わった。
「あの頃は、それがDVだとわかっていなかったんです。親の反対を押し切って結婚したんだからっていう、意地もあったと思います。美遥の父親ですし。自分が耐えればいい。彼の地雷を踏まなければ大丈夫。そう思っていました」
美遥が5歳になるまで均との生活を続けていたが、徐々に美遥の挙動がおかしくなっていった。
育児をまったくしない均にはもともと懐いていなかったが、外でも男性を怖がるようになった。
道で男性とすれ違うだけでギャン泣きし、保育所に迎えに来た男性の姿を見ただけで、部屋の隅に逃げる。
ようやく今の生活が美遥にとって悪影響だと気がついた。
離婚を切りだしたが、均は応じなかった。
やむなく陽子は家出を決意し、身の回りの物を少しずつカバンに詰めて持ち出し、クリニックのロッカーに入れておいた。
三か月後にチャンスが訪れ、美遥を連れて出て行った。
頼った実家では、それみたことか親の言うことは正しかった、とドヤ顔。味方になってもくれなかった。耐え切れず陽子は一人で生きる決心をする。
クリニックは均も知っているので泣く泣く退職し、人の少ない田舎の旅館で住み込みの仕事を見つけた。
均はどうやって探したのか、職場にやってきて、泣き叫ぶ美遥を連れて行こうとした。
通りがかった警官のお陰で取り戻せたものの、夫婦ケンカは子供の前でしてはいけないと諭されただけだった。
田舎がダメならもっと人の多いところへ、と都内に来たが、なぜかすぐに居場所がバレた。
どれだけ居場所を変えても均は突き止めやってくる。
二年に及ぶ逃亡生活に疲れ果て、駅でぼんやりしていたところ、春風の母房実とたまたま出会った。
「母が?」
「はい。話を聞いてくれた先代女将のお陰で、行政を頼って、シェルターに避難することができたんです」
スマホのGPS機能のせいで居場所がバレていたことがわかり、スマホを解約した。
シェルターでやっと落ち着いた日々を取り戻したものの、離婚が成立していない問題だけは残っていた。
房実は知り合いの弁護士に相談し、格安で依頼を請けてもらえた。
何度か裁判所に出かける必要はあったものの、人前では均はおとなしかった。
無事に離婚が成立し、美遥の親権は陽子のものになった。ストーカー行為に対して、接近禁止命令が下された。
そして房実に誘われ、青陽荘で職を得ることになった。
「母と、そんなことがあったんですね」
「女将さんに助けられた私たちは、青陽荘にとても感謝しているんです。だから、ここに迷惑をかけることはしたくないんです」
「だから辞めると」
「はい」
頷く陽子の瞳に、決意のようなものはない。あるのは、諦め、だろうか。
「辞めないでください。あたしは琴葉さんとの関係性を築くことに失敗しました。美愛さんも辞めるかもしれない現状で、陽子さんを失いたくありません」
「美愛さんも辞めるんですか?」
「郁さんに話しているのが聞こえてしまって。まだ退職の意志は告げられていませんが」
「ん-、それはたぶん、周囲に流されているだけだと思いますよ」
「流される? 退職を、ですか?」
「美愛さんは、自分の意見をあまり持っていないところがあります。その時の状況に流されて不安になったり、やる気を出したり。少し不安定なところがあります。辞める可能性なら、郁さんの方が高いと思います」
「え?! 郁さんもですか!」
「郁さんに、本業があるのをご存知でしょうか?」
「はい。翻訳のお仕事をしていると」
「少しずつお仕事が増えてきているそうです。今は児童文学の翻訳しているらしくて、お休みの日はもちろん、仲居のお仕事が終わってから、遅くまでやっているようです」
「ハードな仕事のあとで‥‥‥疲れている素振りも見せないで、仲居の仕事もミスなくこなして。凄いですね」
「ええ。楽しくて、時間を忘れると言っていました。定期的にあるわけじゃないから、仲居の仕事は続けると言っていましたけど、翻訳のお仕事が軌道に乗ったら、わからないですよね」
「あたしは、皆さんの事情も知らずに、自分のやりたいことだけを押し付けていたんですね。陽子さんのお陰で未熟なところがわかりました。やっぱり陽子さんにはいて欲しいです」
「ありがとうございます。先代女将は『あなたの輝く場所はここよ』と青陽荘に誘ってくれたんです。二人の女将に必要と言われるなんて、とても嬉しいです」
「ママ、あたしも出て行きたくない。青陽荘が家だもん」
「美遥‥‥‥」
陽子は美遥を優しい眼差しで見つめ、手を握った。
陽子と話をしてくると、事務所にいた榊とみさえに告げておく。なにかあったら連絡をくださいと、スマホを手にして、陽子の部屋に向かう。
陽子と美遥は荷造りをせずに、春風を待っていてくれた。
「お待たせしました」
「いいえ。ぜんぜん。お忙しいのに、お手をわずらわせてすみません」
「正直なところ、陽子さんにまでいなくなられたら、立ちいかなくなります」
「それに関しては、心苦しく思っています。けれど、ご迷惑をおかけしたくないんです」
「元ご主人は、どんな迷惑行為をしたのか、聞いても構いませんか。差し支えるなら、話さなくてもいいです」
春風はちらりと美遥を見る。子供の前では言いにくいこともあるかもしれない。美遥にとっては父親なのだから。
「大丈夫です。美遥には、すべて話していますので」
そう言って、陽子は元ご主人の話をしてくれた。
元亭主、横澤均とは、共通の友人の紹介で知り合った。
当時陽子は23歳で、短大の観光科を卒業して、ホテルで勤務していた。
4歳年上の均は、ビジネスホテルで働いていた。
お互いに平日が休みだったため、数人で遊びに行くうちに、二人で会うようになり、付き合うことになった。
均は、仕事の時は標準語で話しているが、普段は関西弁だった。
陽子は均の関西弁が、好きだった。
控え目な陽子は、損をすることが多かった。並んでいる順番を横入りされても、文句の一つも言わず譲ってしまう。
でも均がいると、注意をしてくれる。相手が気の強い男性で一触即発の事態になっても、均は譲らなかった。
均の関西弁は頼もしさの象徴だった。
「今思うと、恋は盲目って言葉がぴったりでした」
過去を振り返った陽子は、恥ずかしそうにした。
4年後、妊娠をした。均は戸惑っていたが、結婚を受け入れた。
陽子の両親は、授かり婚に反対したが、二人は籍を入れた。
妊娠九ヶ月の時、均が勤めていたビジネスホテルが閉店した。陽子はすでに産休に入っていて、家に一人でいるのは不安だったこともあり、しばらくは貯金で生活をすることにした。
出産しても均は再就職をせず、家事も育児もしない、家でダラダラと過ごす毎日。均が働いていないせいで、保育園を申し込んでも入れなかった。
美遥が夜泣きをする頃になると、眠れないからと寝室を別にされた。
陽子は数時間置きに泣く美遥をあやすために起き、家事もし、へとへとに疲れる毎日だった。
育休の延長期限を迎え、陽子は仕事復帰を決める。
均は相変わらず仕事を探す気もない。が、美遥の面倒を見る気もない。
仕方がなく、認可外保育所に美遥を託した。
ある日、美遥が体調を崩して熱を出したと連絡があった。しかし陽子は仕事中。均に連絡をして、迎えに行ってもらった。
病院で診てもらって、問題がなければ寝かせていていい。とお願いしたのに、保険証がわからない、寝ていても泣く。「どないせえっちゅうねん」とホテルに連れてきてしまった。
上司に頼み込み、早退させてもらったが、そういうことが何度も続き、いたたまれなくなった陽子は退職した。
融通が利き、託児所が併設されている病院に転職した。
「ホテルで働くのは憧れだったんです。キラキラした非日常の空間で、お客様をお出迎えして、笑顔でお帰りいただく。ステキな結婚式は見ているだけで温かい気持ちになれます。大変なことも多かったけど、楽しかったです。転職先は、美容クリニックの受付でした。ホテルで培った接客技術を認めてくださったんです。お給料も良くて。院長先生を始め、皆さん親切で。急な病欠でも快くお休みをさせていただいて‥‥‥」
家事と育児に奔走しながら、がんばって働いたお給料は、旦那の遊びに消えていくようになった。
「賭け事や飲みに使っていたんです。保険証の場所はわからないくせに、美遥の積み立てをしている通帳の場所は知っていて。下ろそうとして、定期だから下ろせなくて。腹を立てて、手を出されました。それが暴力の始まりでした」
一度手を上げたことでタガが外れたのか、頻繁に暴力を受けるようなった。
「金出せえ。口ごたえすんな」
あんなに頼もしかった関西弁は、こちらに向けられると恐怖に変わった。
「あの頃は、それがDVだとわかっていなかったんです。親の反対を押し切って結婚したんだからっていう、意地もあったと思います。美遥の父親ですし。自分が耐えればいい。彼の地雷を踏まなければ大丈夫。そう思っていました」
美遥が5歳になるまで均との生活を続けていたが、徐々に美遥の挙動がおかしくなっていった。
育児をまったくしない均にはもともと懐いていなかったが、外でも男性を怖がるようになった。
道で男性とすれ違うだけでギャン泣きし、保育所に迎えに来た男性の姿を見ただけで、部屋の隅に逃げる。
ようやく今の生活が美遥にとって悪影響だと気がついた。
離婚を切りだしたが、均は応じなかった。
やむなく陽子は家出を決意し、身の回りの物を少しずつカバンに詰めて持ち出し、クリニックのロッカーに入れておいた。
三か月後にチャンスが訪れ、美遥を連れて出て行った。
頼った実家では、それみたことか親の言うことは正しかった、とドヤ顔。味方になってもくれなかった。耐え切れず陽子は一人で生きる決心をする。
クリニックは均も知っているので泣く泣く退職し、人の少ない田舎の旅館で住み込みの仕事を見つけた。
均はどうやって探したのか、職場にやってきて、泣き叫ぶ美遥を連れて行こうとした。
通りがかった警官のお陰で取り戻せたものの、夫婦ケンカは子供の前でしてはいけないと諭されただけだった。
田舎がダメならもっと人の多いところへ、と都内に来たが、なぜかすぐに居場所がバレた。
どれだけ居場所を変えても均は突き止めやってくる。
二年に及ぶ逃亡生活に疲れ果て、駅でぼんやりしていたところ、春風の母房実とたまたま出会った。
「母が?」
「はい。話を聞いてくれた先代女将のお陰で、行政を頼って、シェルターに避難することができたんです」
スマホのGPS機能のせいで居場所がバレていたことがわかり、スマホを解約した。
シェルターでやっと落ち着いた日々を取り戻したものの、離婚が成立していない問題だけは残っていた。
房実は知り合いの弁護士に相談し、格安で依頼を請けてもらえた。
何度か裁判所に出かける必要はあったものの、人前では均はおとなしかった。
無事に離婚が成立し、美遥の親権は陽子のものになった。ストーカー行為に対して、接近禁止命令が下された。
そして房実に誘われ、青陽荘で職を得ることになった。
「母と、そんなことがあったんですね」
「女将さんに助けられた私たちは、青陽荘にとても感謝しているんです。だから、ここに迷惑をかけることはしたくないんです」
「だから辞めると」
「はい」
頷く陽子の瞳に、決意のようなものはない。あるのは、諦め、だろうか。
「辞めないでください。あたしは琴葉さんとの関係性を築くことに失敗しました。美愛さんも辞めるかもしれない現状で、陽子さんを失いたくありません」
「美愛さんも辞めるんですか?」
「郁さんに話しているのが聞こえてしまって。まだ退職の意志は告げられていませんが」
「ん-、それはたぶん、周囲に流されているだけだと思いますよ」
「流される? 退職を、ですか?」
「美愛さんは、自分の意見をあまり持っていないところがあります。その時の状況に流されて不安になったり、やる気を出したり。少し不安定なところがあります。辞める可能性なら、郁さんの方が高いと思います」
「え?! 郁さんもですか!」
「郁さんに、本業があるのをご存知でしょうか?」
「はい。翻訳のお仕事をしていると」
「少しずつお仕事が増えてきているそうです。今は児童文学の翻訳しているらしくて、お休みの日はもちろん、仲居のお仕事が終わってから、遅くまでやっているようです」
「ハードな仕事のあとで‥‥‥疲れている素振りも見せないで、仲居の仕事もミスなくこなして。凄いですね」
「ええ。楽しくて、時間を忘れると言っていました。定期的にあるわけじゃないから、仲居の仕事は続けると言っていましたけど、翻訳のお仕事が軌道に乗ったら、わからないですよね」
「あたしは、皆さんの事情も知らずに、自分のやりたいことだけを押し付けていたんですね。陽子さんのお陰で未熟なところがわかりました。やっぱり陽子さんにはいて欲しいです」
「ありがとうございます。先代女将は『あなたの輝く場所はここよ』と青陽荘に誘ってくれたんです。二人の女将に必要と言われるなんて、とても嬉しいです」
「ママ、あたしも出て行きたくない。青陽荘が家だもん」
「美遥‥‥‥」
陽子は美遥を優しい眼差しで見つめ、手を握った。
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