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3章 絵ハガキの交流
6.お正月の遊び
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「今日は、日本で昔から遊ばれてきた遊びをみんなでしようと思います」
「は-い」
年が明け、新学期が始まった。
本格的な冬が到来し、毎日のように木枯らしが吹いている。
子供たちは寒くても平気なようで、毎日元気な顔を見せてくれる。
「福笑いとコマ回しで遊びます。やったことある人いるかな?」
私が取り出したのは、お手製の福笑いとコマ回し。
福笑いは五人のグループで楽しめるように、少し大きめの用紙に輪郭を描き、パーツを画用紙で作った。
コマ回しは牛乳パックを使って作った。
「それじゃあ、最初に福笑いからやろうか」
お家で遊んだことがある子はおらず、みんな首を傾けていた。
教室を使って遊ぶため、最初から机やイスは片付けていた。
私と麻香先生は画用紙を運んできて、定番のおかめとひょっとこの福笑いを準備していく。
五セットを教室に広げて、
「五人のお友達と、一緒に遊びましょう」
と分かれてもらった。
「正解はこの顔」
おかめとひょっとこの、ちゃんとした顔をのイラストを見せる。
「遊ぶ人は目隠しをして。お友達の声を聞きながら、お顔を作っていきましょう。目隠し以外の人たちは、静かにしていようね。まずは先生がやってみるね」
近くのおかめの前に座った私が目隠しをし、パーツを手に取る。
最初に触ったのは、たぶん目? 全体を触って、指で形を確認。
この辺りに顔を描いたはず、と思いながらパーツを置く。
目を二つ、鼻、眉毛二つ、口。
置いていく過程で、子供たちが吹き出す声が聞こえていた。
「完成した?」
「したよ」
と口々に言ってくれる声を聞き、目隠しを取る。
すると――
こらえていたのか、園児たちが大きく笑った。
片方の眉毛は目の下にあるし、鼻は斜めになっているし、口はずれている上にひっくり返っていた。
「すごい顔になったねー」
一緒になって笑う。
「こんな感じで遊んでみましょう」
目隠しをした子が置いていくパーツを、園児たちが見守っている。
おかしな場所に置いてしまってもヒントはなし。言ってしまわないようにか、口元を隠している子もいる。
目隠しをしている子は、さっさと配置する子、迷ってなかなか置けない子などさまざま。
あちこちから完成した絵を見て笑い声が上がっていく。
園児たちが楽しんでくれているようで、提案した私としてもとても嬉しい。
みんなが遊び終わったので、コマ回しに移る。
昔ながらのコマだと難しくて回せない可能性があるため、幼児でも簡単に回せるコマを手作りした。
500mlの紙パックとペットボトルのキャップを二個使った。
麻香先生と半分ずつ作り、全員の手に行き渡る。
マーカーを使って好きな色を塗ったり、絵を描いたりしてもらい、できた子どもから遊び方を教えていった。
「キャップをくるんと回してみて」
と伝えると、くるくると回りだす紙パックのコマにはしゃいだ声を上げる。
色を塗ってあるから、回るととてもきれい。
どの子も夢中になって、遊んでくれた。
最後に紐をまく、昔ながらのコマを見せた。
お正月に、竹下くんと初詣に行き、工芸屋さんで見つけたコマだった。
私はうまく回せなかったから、竹下くんに教えてもらって、今日のために練習してきた。
「下に紐を巻いて、投げてヒモを引くと、くるくる回るからね」
園児たちに当たらないように配慮した位置で構え、垂直に投げた。
床に着地したコマが、紙パックコマよりも激しく回転する。
「わー!」
「すごーい!」
と拍手と歓声が上がった。
一回でうまく回り、人知れず安堵の息が漏れた。
「先生、それやりたい!」
興味を持ってくれた子の手が何人か上がった。
人にぶつけないように、と約束して、私が見守りながら一緒に遊んだ。
次回⇒二月 節分
「は-い」
年が明け、新学期が始まった。
本格的な冬が到来し、毎日のように木枯らしが吹いている。
子供たちは寒くても平気なようで、毎日元気な顔を見せてくれる。
「福笑いとコマ回しで遊びます。やったことある人いるかな?」
私が取り出したのは、お手製の福笑いとコマ回し。
福笑いは五人のグループで楽しめるように、少し大きめの用紙に輪郭を描き、パーツを画用紙で作った。
コマ回しは牛乳パックを使って作った。
「それじゃあ、最初に福笑いからやろうか」
お家で遊んだことがある子はおらず、みんな首を傾けていた。
教室を使って遊ぶため、最初から机やイスは片付けていた。
私と麻香先生は画用紙を運んできて、定番のおかめとひょっとこの福笑いを準備していく。
五セットを教室に広げて、
「五人のお友達と、一緒に遊びましょう」
と分かれてもらった。
「正解はこの顔」
おかめとひょっとこの、ちゃんとした顔をのイラストを見せる。
「遊ぶ人は目隠しをして。お友達の声を聞きながら、お顔を作っていきましょう。目隠し以外の人たちは、静かにしていようね。まずは先生がやってみるね」
近くのおかめの前に座った私が目隠しをし、パーツを手に取る。
最初に触ったのは、たぶん目? 全体を触って、指で形を確認。
この辺りに顔を描いたはず、と思いながらパーツを置く。
目を二つ、鼻、眉毛二つ、口。
置いていく過程で、子供たちが吹き出す声が聞こえていた。
「完成した?」
「したよ」
と口々に言ってくれる声を聞き、目隠しを取る。
すると――
こらえていたのか、園児たちが大きく笑った。
片方の眉毛は目の下にあるし、鼻は斜めになっているし、口はずれている上にひっくり返っていた。
「すごい顔になったねー」
一緒になって笑う。
「こんな感じで遊んでみましょう」
目隠しをした子が置いていくパーツを、園児たちが見守っている。
おかしな場所に置いてしまってもヒントはなし。言ってしまわないようにか、口元を隠している子もいる。
目隠しをしている子は、さっさと配置する子、迷ってなかなか置けない子などさまざま。
あちこちから完成した絵を見て笑い声が上がっていく。
園児たちが楽しんでくれているようで、提案した私としてもとても嬉しい。
みんなが遊び終わったので、コマ回しに移る。
昔ながらのコマだと難しくて回せない可能性があるため、幼児でも簡単に回せるコマを手作りした。
500mlの紙パックとペットボトルのキャップを二個使った。
麻香先生と半分ずつ作り、全員の手に行き渡る。
マーカーを使って好きな色を塗ったり、絵を描いたりしてもらい、できた子どもから遊び方を教えていった。
「キャップをくるんと回してみて」
と伝えると、くるくると回りだす紙パックのコマにはしゃいだ声を上げる。
色を塗ってあるから、回るととてもきれい。
どの子も夢中になって、遊んでくれた。
最後に紐をまく、昔ながらのコマを見せた。
お正月に、竹下くんと初詣に行き、工芸屋さんで見つけたコマだった。
私はうまく回せなかったから、竹下くんに教えてもらって、今日のために練習してきた。
「下に紐を巻いて、投げてヒモを引くと、くるくる回るからね」
園児たちに当たらないように配慮した位置で構え、垂直に投げた。
床に着地したコマが、紙パックコマよりも激しく回転する。
「わー!」
「すごーい!」
と拍手と歓声が上がった。
一回でうまく回り、人知れず安堵の息が漏れた。
「先生、それやりたい!」
興味を持ってくれた子の手が何人か上がった。
人にぶつけないように、と約束して、私が見守りながら一緒に遊んだ。
次回⇒二月 節分
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本当ですか?! ありがとうございます(^▽^)
宝月さんの癒しになっていると嬉しいです!
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感想、ありがとうございました。