ペイン・リリーフ

こすもす

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【4】エキサイトメント・シーカー

67 我慢ならない*

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 それだけでも驚いたが、今度は息を整えるように深呼吸をし始めたので、僕は目を丸くすることになる。

 まさか、と嫌な予感がしたが当たっていた。やはり文哉さんはスマホの画面をタップして、本体を耳に当てたのだ。

「はい。お疲れ様です」

 僕は両手で唇を塞ぐ。
 し、信じられない! こんなことをしてるのに、平然と電話に出るだなんて!

「はい………あぁ、はい、今日はそうですね、1日、出かけていました」

 真面目な口調だから、仕事の電話なのだろう。
 けどそれにしたって、普通は出ないだろ……

 心の中で文句を言っている時、僕の中に入ったままだった文哉さんの指が入口付近まで抜けて、また中の粘膜をすり上げながら奥へいって止まった。

「────……っ!」

 急な愉悦に、僕はつま先までびくびくと体を震わせる。
 目をぎゅっと瞑って、悲鳴に近い声を上げそうになるのをなんとか耐えた。

 呼吸音にも気を使う。
 はぁはぁと荒くなった息が聞こえてしまわないように、最大限の注意を払って震えながら小さく息を吐き出した。

 涙目で睨みつけるが、文哉さんは何食わぬ顔をして、中に入れた指をくっと折り曲げてくる。

 粘膜をこすられて、1番感じるところをトントンと刺激されて、抜き差しされるたびに水っぽい音が鳴ってしまう。
 声はなんとか我慢できるけど、下の方は無理だ。
 勝手に漏れ出てくる蜜や音は、自分じゃ止めることができない。

「ん、ふ……ンン……っ」
「ええ。もう眠っているみたいです…………はい、それは、琴の方から」

 くぐもった声を漏らしていると、僕の名前が急に出てきたので動揺する。
 電話の相手は、僕の知り合いなんじゃないか?
 どうしよう、相手に変な音が聞こえていたりしたら。

 目に涙をいっぱい溜めていると、中の指をもう1本ふやされた。
 もうトロトロになっているから痛みはなく、あるのは快感だけだ。

「ん……っ、ん、んんぅ……っ」

 バレてはいけないという背徳感。
 終わらない愛撫に、終わらない快楽。
 達したくて、僕は濡れそぼった屹立に手を伸ばす。

「そうですか。それは知りませんでした」

 指を巻き付けようとした寸前で、文哉さんの視線に気付いてハッとした。
 あぁそう、自分でそこを触るのか。そんな興味津々の目で見てこられたので、僕は手を引っ込めた。

 文哉さんは口だけで笑ってから、僕の中で蠢いていた指をピタリと止めてしまった。
 快楽を強制的に止められて、両唇を噛み締めて見悶える。

 辞めて欲しいと願っていたのに、いざそうなると逆のことを思った。はやく動かして、中をこすってほしい。
 前立腺をコリコリして、もっとそこを刺激してほしいのに。
 目の前の人は不敵に笑っている。
 わざとだ。いじわる。

 もどかしい状態のまま、電話はまだ続いている。
 我慢できなくてどうしようもなくなった僕は、自ら怪しく腰を揺らしていた。

「ぁ……ッ、ん、ん………」

 文哉さんの指を締め付けながら、中の襞をすり上げる。
 1度動いてしまったら、もう止まらない。
 熱にうかされたまま1人でビクビクと体を震わせているうちに、ようやく電話が終わりを迎えた。
 
「……ええ、いいですよ。では分かり次第、連絡しますね。はい、では────」
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