目線の先には。僕の好きな人は誰を見ている?【高瀬陸×一ノ瀬湊 編】

綾波絢斗

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10 告白

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陸に僕の気持ちが、バレたかもしれない。
あの日のプラネタリウムの帰りから、どこか空気が変わった気がしていた。
陸が「今日、湊んち行く」と言った時も、胸の奥がざわついた。
何を言われるのか、何を問われるのか。
不安で、落ち着かなくて、時計の針ばかり見ていた。

ピンポーン。
インターホンの音が、心臓を叩いた。

玄関を開けると、陸は黙ったまま部屋に上がり、ゆっくりと僕の前に立った。
その表情からは、何も読み取れない。

「……陸?」
沈黙が怖くて、名前を呼んだ瞬間――

陸は僕を抱きしめ、唇を重ねた。

「っ……! ちょ、陸……まって……」
驚いて後ずさろうとしたけれど、陸の手が背中を押して、壁に追い詰められる。
息をするたびに、彼の体温が近づく。
何度も、何度も、唇を奪われた。

「ん……っ、陸……どうしたの……?」
問いかけても、陸は答えず、ただ僕を見つめたまま、熱をぶつけてくる。

どれくらい、そうしていたのだろう。
唇が離れた時、僕の心臓は、もう自分のものじゃなかった。

陸が静かに言った。
「ねぇ、湊はさ。俺が誰かと仲良くしてるの、嫌だったの?」

「……え?」

「ちゃんと答えて。」
真剣な目に、息をのむ。

「……うん。嫌だった。」

「どうして?」

陸の声はいつものように優しいのに、逃げ道を塞ぐような強さを帯びていた。
僕は、絞り出すように言った。

「だって……陸が、誰かのものになるかもしれないって思ったから。」

「それって……どういう意味で?」

言葉が詰まる。
目を逸らした僕の頬に、陸の手がそっと触れる。

「ねぇ、言って。湊の口から。」

その声に、胸の奥が熱くなる。

「……陸が……す、好きだから。」

言った瞬間、陸は再び僕を抱きしめ、今度はゆっくりと唇を重ねた。
さっきまでの激しさとは違う、優しいキス。

「本当に? 湊は俺のことが好き?」

「うん。好きだよ。ずっと。」

「ずっと……?」

「うん。」

陸はふっと息を抜き、肩を落とした。
「……なんだ。そうだったんだ。」

拍子抜けしたように微笑むその顔に、僕は呆気に取られた。

「陸……大丈夫?」

しばらく沈黙のあと、陸は急に顔を上げて、
「なあ湊、お腹すいた。なんか作って。」

と、いつもの調子に戻っていた。
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