【完結 R18版】ルガルの星―冷徹な社長は、僕の運命を知っていた―

綾波絢斗

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第9話 答え合わせは、できないまま

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あれから、アキトさんが僕の仕事を説明してくれた。

基本的には社長のスケジュール管理と、アキトさんが最終管理をするプログラムデータの確認。アタッカーのレベルに合わせたテストと、穴があったときの報告とバグ修正。

国内すべてのデータが管理されていると噂されているだけのことはある。かなりのセキュリティレベルだ。この仕組みを作ったのはアキトさんだろうか。前にここに入ったときとは段違いにレベルアップしている。

さすがだな。アキトさんの能力を改めて感じる。でも、アタッカーとしてプログラムの穴を見つけていくのはゲームと似た感覚があって、正直楽しい。

驚いたのは、社長室から前室がしっかりと見える構造になっていたことだ。アキトさんの姿はこちら側からしっかり見える。

前室から社長室は一切見えないのに。

*---------------

次の日、朝一番に社長室へ入ると、すでに社長は自分のデスクでPCに目を落としていた。

「おはようございます」

小さな声で挨拶すると、社長はチラリと顔を上げて、静かに言った。

「おはよう」

それだけだった。

昨日のキスはどういう意味だったのか。聞いてみたいけれど、どう質問していいかもわからない。

スーツに着替えようとドアに手をかざした時、

「今日、午後から契約先との打ち合わせ。同行して」と静かに言われた。

「えっ、僕もですか?」「うん」「わっ……わかりました。着替えてきます」

そう言ってウォークインクローゼットに向かった。

昨日のスーツでいいのかな……と思ったら、スーツ・ネクタイ・靴下・靴がズラリと並んでいた。

「えっ……なに、これ」

量の多さに驚きながら、どのスーツを選んでいいかもわからない。色々見て悩んでいると

「昨日のでもいいけど、今日はこっちにしよう。ネクタイは……そうだな、色を変えたほうがいい」

後ろから声がして驚いて振り返った瞬間、社長の手が僕を越えてスーツに伸びていたので、僕は社長の胸に思いきりぶつかってしまう。

「わっ。すみません」「ん。はい」

ぶつかったことなんて全く気にせず、スーツを僕に渡して、社長は部屋を出て行った。

急にあんな距離で、言葉も出なかった。自分の心臓の音が響いている。

(い……急いで着替えないと)

選んでもらったスーツに着替えて社長室に戻った。

チラリと社長が僕を見て、僕の方に向かって歩いてきた。そして、ネクタイに手が伸びた。

結び目をほどかれ、社長の指が首元に触れる。近い。顔が近い。

「落ち着いて。昨日と同じだよ?」

そう言ってまた僕の唇をふさいだ。

「っ……! まっ……」

最初は軽く、僕の反応を試すかのようなスタンプキス。
頭では受け入れてはダメだと思うのに、昨日のキスを思い出して、もっとして欲しくて僕は答えるようにキスを返した。

社長は僕の要望に応えるように今度は激しく求めてきた。
口腔内で動く社長の舌が僕を刺激する。その気持ちよさに酔いしれてしまいそうになる。

もっと。もっとしてほしい。

「気持ちよかった?」

物欲しそうな僕の顔を見て、社長が満足そうに言った。

「ち、違っ……」恥ずかしさに咄嗟に否定してしまった。

「キョウカがアオくんは顔に出るタイプって言ってたけど。本当だね」

キョウカさんの名前を聞いた瞬間、キョウカさんと社長のキスシーンを想像して、胸がズキンと痛んだ。

*---------------

「どうだった。」
アキトが何かを確認するように言う。

「うん。間違いない。」
「能力は?」
「まだ見えてない部分があるけどかなり高い。俺の力も強くなってる。」

「そっか、じゃ、このままレイの傍にいてもらう感じでいいかな?キョウカにも伝えるよ。アオ君に選んでもらえそう?」

「俺が選ばれないとでも?」

「まあ、頑張りなよ。弟の応援はちゃんとするから。でも会社ではそれなりに自重しろよ。」

「わかってる。」

神川アオ。誰にも渡さない。
俺だけの愛しい存在。
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