【完結 R18版】ルガルの星―冷徹な社長は、僕の運命を知っていた―

綾波絢斗

文字の大きさ
51 / 86

第51話 嫉妬

しおりを挟む
研究棟から戻ると、みんなが夕飯の準備をしていた。シャワーを浴びたのか、髪先から滴る雫がカナメの魅力をさらに引き立てている。

「カナ……」名前を呼ぼうとした、その時。

「ダイチ、これも焼くけどいい?」

「はい。お願いします。あっ、持ちますよ~」

「ん、悪い。ありがと」

「一緒に行きましょ~」

……カ、カナメが。あのカナメが、俺以外の人に笑いかけている。しかもあんな優しく。どういうことだ? この短時間でカナメとダイチの間に何があった?

ムカついてカナメの方へ近づく。

「あっ、リョク!」

ダイチの声で、リョクに気づいたカナメが笑顔を向けてくれた。

「リョク~、これ! カナメさんが『リョク、お腹すかせてるだろうから』って焼いてくれてたんだよ。早く来て食べなよ~」ダイチの言葉に、拍子抜けする。

「ん? 俺のため?」

「おつかれさま」

カナメが優しい笑顔で皿を差し出す。

「ありがとぉ~」……それだけで機嫌が直る俺は、チョロいと自分でも思う。

席につくと、カナメが「まだ足りなかったら持ってくる」と言いながら隣に座る。

「カナメさんの隣、俺も座ろ~」ダイチが屈託のない笑顔で近づく。

「いや、お前、カナメの隣に座るなよ」

「なんでだよ、いいだろ? ね、カナメさん」

「ん、いいよ」

「ほら、カナメさんもいいって言ってるじゃん。シエルもおいで」

シエルはカナメとダイチの間に座り、カナメの膝に顔を乗せる。「シエルは本当にカナメさんが好きだね~」そう言いながら、ダイチはシエルの背を撫でていた。

*---------------

ヴィラに戻り、部屋に入るやいなや、リョクは嫉妬心をあらわにした。

「んっ……どうした」荒々しいキスに、カナメは戸惑う。

「ねぇ、シャワールーム使ったよね? みんなに見られたよね?」
「なにを?」
「カラダ!どうして見せたの? 俺のだよね?」
「いや……シャワールームだからだろ?」
「ねぇ、それどういうことかわかってる?」

その言葉に、カナメはこれからの展開を想像し、明日、農園に行けるだろうかと不安になった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)

子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ 喰われるなんて聞いてないんだが(?) 俺はただ、 いちご狩りに誘われただけだが。 なのに── 誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に なぜか俺が捕まって食われる展開に? ちょっと待てい。 意味がわからないんだが! いちご狩りから始まる ケンカップルいちゃらぶBL ※大人描写のある話はタイトルに『※』あり

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

処理中です...