51 / 86
第51話 嫉妬
しおりを挟む
研究棟から戻ると、みんなが夕飯の準備をしていた。シャワーを浴びたのか、髪先から滴る雫がカナメの魅力をさらに引き立てている。
「カナ……」名前を呼ぼうとした、その時。
「ダイチ、これも焼くけどいい?」
「はい。お願いします。あっ、持ちますよ~」
「ん、悪い。ありがと」
「一緒に行きましょ~」
……カ、カナメが。あのカナメが、俺以外の人に笑いかけている。しかもあんな優しく。どういうことだ? この短時間でカナメとダイチの間に何があった?
ムカついてカナメの方へ近づく。
「あっ、リョク!」
ダイチの声で、リョクに気づいたカナメが笑顔を向けてくれた。
「リョク~、これ! カナメさんが『リョク、お腹すかせてるだろうから』って焼いてくれてたんだよ。早く来て食べなよ~」ダイチの言葉に、拍子抜けする。
「ん? 俺のため?」
「おつかれさま」
カナメが優しい笑顔で皿を差し出す。
「ありがとぉ~」……それだけで機嫌が直る俺は、チョロいと自分でも思う。
席につくと、カナメが「まだ足りなかったら持ってくる」と言いながら隣に座る。
「カナメさんの隣、俺も座ろ~」ダイチが屈託のない笑顔で近づく。
「いや、お前、カナメの隣に座るなよ」
「なんでだよ、いいだろ? ね、カナメさん」
「ん、いいよ」
「ほら、カナメさんもいいって言ってるじゃん。シエルもおいで」
シエルはカナメとダイチの間に座り、カナメの膝に顔を乗せる。「シエルは本当にカナメさんが好きだね~」そう言いながら、ダイチはシエルの背を撫でていた。
*---------------
ヴィラに戻り、部屋に入るやいなや、リョクは嫉妬心をあらわにした。
「んっ……どうした」荒々しいキスに、カナメは戸惑う。
「ねぇ、シャワールーム使ったよね? みんなに見られたよね?」
「なにを?」
「カラダ!どうして見せたの? 俺のだよね?」
「いや……シャワールームだからだろ?」
「ねぇ、それどういうことかわかってる?」
その言葉に、カナメはこれからの展開を想像し、明日、農園に行けるだろうかと不安になった。
「カナ……」名前を呼ぼうとした、その時。
「ダイチ、これも焼くけどいい?」
「はい。お願いします。あっ、持ちますよ~」
「ん、悪い。ありがと」
「一緒に行きましょ~」
……カ、カナメが。あのカナメが、俺以外の人に笑いかけている。しかもあんな優しく。どういうことだ? この短時間でカナメとダイチの間に何があった?
ムカついてカナメの方へ近づく。
「あっ、リョク!」
ダイチの声で、リョクに気づいたカナメが笑顔を向けてくれた。
「リョク~、これ! カナメさんが『リョク、お腹すかせてるだろうから』って焼いてくれてたんだよ。早く来て食べなよ~」ダイチの言葉に、拍子抜けする。
「ん? 俺のため?」
「おつかれさま」
カナメが優しい笑顔で皿を差し出す。
「ありがとぉ~」……それだけで機嫌が直る俺は、チョロいと自分でも思う。
席につくと、カナメが「まだ足りなかったら持ってくる」と言いながら隣に座る。
「カナメさんの隣、俺も座ろ~」ダイチが屈託のない笑顔で近づく。
「いや、お前、カナメの隣に座るなよ」
「なんでだよ、いいだろ? ね、カナメさん」
「ん、いいよ」
「ほら、カナメさんもいいって言ってるじゃん。シエルもおいで」
シエルはカナメとダイチの間に座り、カナメの膝に顔を乗せる。「シエルは本当にカナメさんが好きだね~」そう言いながら、ダイチはシエルの背を撫でていた。
*---------------
ヴィラに戻り、部屋に入るやいなや、リョクは嫉妬心をあらわにした。
「んっ……どうした」荒々しいキスに、カナメは戸惑う。
「ねぇ、シャワールーム使ったよね? みんなに見られたよね?」
「なにを?」
「カラダ!どうして見せたの? 俺のだよね?」
「いや……シャワールームだからだろ?」
「ねぇ、それどういうことかわかってる?」
その言葉に、カナメはこれからの展開を想像し、明日、農園に行けるだろうかと不安になった。
22
あなたにおすすめの小説
大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)
子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ
喰われるなんて聞いてないんだが(?)
俺はただ、
いちご狩りに誘われただけだが。
なのに──
誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に
なぜか俺が捕まって食われる展開に?
ちょっと待てい。
意味がわからないんだが!
いちご狩りから始まる
ケンカップルいちゃらぶBL
※大人描写のある話はタイトルに『※』あり
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる