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第一章 ヒューマニア王国
第4話 魔土<ソイラ>で実験だ
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「ノア~、ティア~! 始めるぞ!」
「「は~い!!」」
5歳の頃、魔土や魔土術に関する知識をもっと増やしたいというノアの希望からロイが先生となって魔土学全般を、リリカが魔土術学全般を教えることになって、5年の月日が流れていた。今ではティアもその特別授業に参加していて、家族の日課の一つとなっている。
「よし、今日はソイラに関して復習だ。そうだな……ノア、ソイラって何か言えるかい?」
ロイ先生の質問に嬉しそうな表情を見せるノア。
「うん! ソイラは魔素でできた土で、小さな正六面体の塊が基本体となって形成されている。モグラーが探掘刀で掘った時に採取できるソイラの形も正六面体が基本単位になってる!
そしてソイラは魔素による多孔質構造となっていて、その隙間の無数の孔のことを【マナポーラス】と呼んでいる。マナポーラスには水、火、風、光とかいろんな属性の魔素を蓄積することができる! それから……」
「ちょっ、ちょっと待て! ノアはソイラのことになると本当にすごいな……ていうか正六面体とか多孔質構造とかどこで覚えたんだ? 10歳とは思えんな」
「えへへ。 市場で買ってもらった本とか! 城下町にいる物知りボブ爺さんにも教えてもらってるんだ!」
「お兄ちゃんばっかりずるい! ティアも知りたい!」
笑いながらロイがティアの頭を撫でる。
「そうか。ティアも知りたいか。 じゃぁ、試してみよう」
そういって、3人は第1ブロッカ地域の適当な広場でソイラを掘ることにした。
「よし、ティア。この探掘刀でガイアを掘ってソイラを取り出してごらん」
「うん! わかった!」
「ティア、気をつけてね。探掘刀は危ないから」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん心配しすぎ!」
ティアがサクッと掘り返すと六面体のローソイラが取り出せた。
「やった! お父さん! ソイラが出てきたよ!」
「うまいぞティア! そうだ。これがソイラの一種で【ローソイラ】というんだよ」
「ローソイラ? えっと、魔土の中で一番ショボい土のこと?」
「う、うん。ショボいってどこで覚えたの、ティア? まぁそれはいいとして、低級魔土だね。低級といってもこの中にはお水や火の魔素が少しだけど含まれているんだよ」
「ふぅ~ん。じゃあ、このローソイラからお水出してもいい?」
「いいよ。やってごらん」
ティアがローソイラに手をかざして水を出す。ちょぼちょぼとローソイラから水が出てきた。
「お水が出た!」
「ティア、もっとマナをローソイラに込めて水をいっぱい出してみよう」
「うん!」
そしてティアがマナを込めた途端に2メートルほど水が水平に吹き出す。
「うわっ! 結構入ってたね。これは水属性系のローソイラかな?」
ノアの質問に笑顔で答えるロイ。
「その通りだノア。つまりこのローソイラには元々たくさんの水属性の魔素がマナポーラスに含まれていたということだね。 じゃあ、ティア。試しにそのままマナを注いで火を出してみて。あっちの方にね。気をつけて」
「わかった! やってみる」
すると、ポワッと小さな火がついてすぐに消えた。それ以上火は出てこない。
「火が消えちゃった」
そしてティアの持っていたローソイラは茶色からみるみる内に白く変化していった。
「ノア、この白くなっているのはどういうことかわかるかい?」
「うん! ローソイラの中に含まれていた属性魔素が全て使われて空になったから。つまり今、このソイラのマナポーラスには何にも魔素が入っていないってこと!」
「ほとんど正解だ!」
「え? ほとんどって少し間違いなの?」
ニヤッと笑うティア。悔しそうなノアに、ロイが説明する。
「実はこのローソイラには、まだほんの少し別の属性の魔素が含まれているんだ。例えば風とかな」
ロイがティアの手の上の白いローソイラを借りて、風属性のマナを注いでみる。すると、すごく微弱なそよ風がフワッとノアの前髪をなびかせる。
「ほんとだ!」
「と、まぁこんな感じで、きっと闇とか光とか色々な属性の魔素がまだこのローソイラの中にはほんの少し含まれているわけだ」
「じゃあ、なんでそのローソイラは色が白く変化していったの?」
「うん、いい質問だな。それはこのローソイラが主属性魔素を失ったというサインなんだ。白とは言っても少しクリーム色だろ?」
「なるほど! そういうこと!」
ノアはわかったようだが、ティアは憮然としている。わからないようだ。
「ティア、よくわかんない」
「あはは。いいかいティア。水の魔素を全部使い切って、その次に火も使いきってしまった時に、もうこのローソイラは何も仕事ができなくなったんだよ。それでもほんの少しだけ魔素が残っていてね。
例えば……ティアもお腹が減って動けない時あるだろ? でもティアはちゃんと生きている。今このローソイラはお腹が減った状態と同じなんだ」
「あぁ! そうなんだ! お腹が減って少し白くなったんだね」
機嫌を直すティア。そしてロイがノアに問題を出す。
「じゃあ、ノア。そのローソイラが完全な白になった状態をなんというか知っているかい?」
「えっと、確か……エンプティラ」
「おぉ! 正解だ! ちょっと知識ありすぎて逆にどうしようかな……」
「ねぇ父さん。質問!」
ノアからの質問に嬉しがるロイ。
「マナと魔素の違いって何? 僕は同じ意味と思っているんだけどいいのかな?」
(質問の内容が10歳じゃねぇなぁ……)
「う、うん。そうだな。ノアの言うように同じ意味に使われることもあるね。エターナル・マナレインは永遠の魔素雨って意味だしなぁ。でも一般的にマナって言うのは生命の体内に含まれているエネルギーのことをいうみたいだ。そして魔素は環境から生まれるエネルギーのこと 」
ロイがガイアに触れながら話す。
「ソイラに含まれる属性魔素、これは環境からのエネルギー、そしてさっきティアがエネルギーを注いでローソイラから水や火を出した。あれはマナを注いでいるって感じかな」
「……なるほど……マナを注いで魔素を外部に放出しているってことか……」
ブツブツと理解しようと考え込むノア。
「お、おいノア。なんかおっさんみたいだから、もうちょっとティアみたいに元気に子供らしく楽しくはしゃいでもいいんだぞ。ちょっと使っている言葉や知識が軽くそこら辺の成人を超えてるような……」
「え? あ、いや。僕はこれが楽しいんだ! 父さんありがとう! 大分わかった気がした!」
「そ、そうか。マナや魔素に関してわからないことはお母さんに聞いたらもっと教えてくれると思うぞ! リリカは魔土術の天才だったからな」
「うん! 実は毎日お母さんにこの話を聞いていてね……この前うんざりされちゃってさ」
「あ……、そうなんだ……」
「「は~い!!」」
5歳の頃、魔土や魔土術に関する知識をもっと増やしたいというノアの希望からロイが先生となって魔土学全般を、リリカが魔土術学全般を教えることになって、5年の月日が流れていた。今ではティアもその特別授業に参加していて、家族の日課の一つとなっている。
「よし、今日はソイラに関して復習だ。そうだな……ノア、ソイラって何か言えるかい?」
ロイ先生の質問に嬉しそうな表情を見せるノア。
「うん! ソイラは魔素でできた土で、小さな正六面体の塊が基本体となって形成されている。モグラーが探掘刀で掘った時に採取できるソイラの形も正六面体が基本単位になってる!
そしてソイラは魔素による多孔質構造となっていて、その隙間の無数の孔のことを【マナポーラス】と呼んでいる。マナポーラスには水、火、風、光とかいろんな属性の魔素を蓄積することができる! それから……」
「ちょっ、ちょっと待て! ノアはソイラのことになると本当にすごいな……ていうか正六面体とか多孔質構造とかどこで覚えたんだ? 10歳とは思えんな」
「えへへ。 市場で買ってもらった本とか! 城下町にいる物知りボブ爺さんにも教えてもらってるんだ!」
「お兄ちゃんばっかりずるい! ティアも知りたい!」
笑いながらロイがティアの頭を撫でる。
「そうか。ティアも知りたいか。 じゃぁ、試してみよう」
そういって、3人は第1ブロッカ地域の適当な広場でソイラを掘ることにした。
「よし、ティア。この探掘刀でガイアを掘ってソイラを取り出してごらん」
「うん! わかった!」
「ティア、気をつけてね。探掘刀は危ないから」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん心配しすぎ!」
ティアがサクッと掘り返すと六面体のローソイラが取り出せた。
「やった! お父さん! ソイラが出てきたよ!」
「うまいぞティア! そうだ。これがソイラの一種で【ローソイラ】というんだよ」
「ローソイラ? えっと、魔土の中で一番ショボい土のこと?」
「う、うん。ショボいってどこで覚えたの、ティア? まぁそれはいいとして、低級魔土だね。低級といってもこの中にはお水や火の魔素が少しだけど含まれているんだよ」
「ふぅ~ん。じゃあ、このローソイラからお水出してもいい?」
「いいよ。やってごらん」
ティアがローソイラに手をかざして水を出す。ちょぼちょぼとローソイラから水が出てきた。
「お水が出た!」
「ティア、もっとマナをローソイラに込めて水をいっぱい出してみよう」
「うん!」
そしてティアがマナを込めた途端に2メートルほど水が水平に吹き出す。
「うわっ! 結構入ってたね。これは水属性系のローソイラかな?」
ノアの質問に笑顔で答えるロイ。
「その通りだノア。つまりこのローソイラには元々たくさんの水属性の魔素がマナポーラスに含まれていたということだね。 じゃあ、ティア。試しにそのままマナを注いで火を出してみて。あっちの方にね。気をつけて」
「わかった! やってみる」
すると、ポワッと小さな火がついてすぐに消えた。それ以上火は出てこない。
「火が消えちゃった」
そしてティアの持っていたローソイラは茶色からみるみる内に白く変化していった。
「ノア、この白くなっているのはどういうことかわかるかい?」
「うん! ローソイラの中に含まれていた属性魔素が全て使われて空になったから。つまり今、このソイラのマナポーラスには何にも魔素が入っていないってこと!」
「ほとんど正解だ!」
「え? ほとんどって少し間違いなの?」
ニヤッと笑うティア。悔しそうなノアに、ロイが説明する。
「実はこのローソイラには、まだほんの少し別の属性の魔素が含まれているんだ。例えば風とかな」
ロイがティアの手の上の白いローソイラを借りて、風属性のマナを注いでみる。すると、すごく微弱なそよ風がフワッとノアの前髪をなびかせる。
「ほんとだ!」
「と、まぁこんな感じで、きっと闇とか光とか色々な属性の魔素がまだこのローソイラの中にはほんの少し含まれているわけだ」
「じゃあ、なんでそのローソイラは色が白く変化していったの?」
「うん、いい質問だな。それはこのローソイラが主属性魔素を失ったというサインなんだ。白とは言っても少しクリーム色だろ?」
「なるほど! そういうこと!」
ノアはわかったようだが、ティアは憮然としている。わからないようだ。
「ティア、よくわかんない」
「あはは。いいかいティア。水の魔素を全部使い切って、その次に火も使いきってしまった時に、もうこのローソイラは何も仕事ができなくなったんだよ。それでもほんの少しだけ魔素が残っていてね。
例えば……ティアもお腹が減って動けない時あるだろ? でもティアはちゃんと生きている。今このローソイラはお腹が減った状態と同じなんだ」
「あぁ! そうなんだ! お腹が減って少し白くなったんだね」
機嫌を直すティア。そしてロイがノアに問題を出す。
「じゃあ、ノア。そのローソイラが完全な白になった状態をなんというか知っているかい?」
「えっと、確か……エンプティラ」
「おぉ! 正解だ! ちょっと知識ありすぎて逆にどうしようかな……」
「ねぇ父さん。質問!」
ノアからの質問に嬉しがるロイ。
「マナと魔素の違いって何? 僕は同じ意味と思っているんだけどいいのかな?」
(質問の内容が10歳じゃねぇなぁ……)
「う、うん。そうだな。ノアの言うように同じ意味に使われることもあるね。エターナル・マナレインは永遠の魔素雨って意味だしなぁ。でも一般的にマナって言うのは生命の体内に含まれているエネルギーのことをいうみたいだ。そして魔素は環境から生まれるエネルギーのこと 」
ロイがガイアに触れながら話す。
「ソイラに含まれる属性魔素、これは環境からのエネルギー、そしてさっきティアがエネルギーを注いでローソイラから水や火を出した。あれはマナを注いでいるって感じかな」
「……なるほど……マナを注いで魔素を外部に放出しているってことか……」
ブツブツと理解しようと考え込むノア。
「お、おいノア。なんかおっさんみたいだから、もうちょっとティアみたいに元気に子供らしく楽しくはしゃいでもいいんだぞ。ちょっと使っている言葉や知識が軽くそこら辺の成人を超えてるような……」
「え? あ、いや。僕はこれが楽しいんだ! 父さんありがとう! 大分わかった気がした!」
「そ、そうか。マナや魔素に関してわからないことはお母さんに聞いたらもっと教えてくれると思うぞ! リリカは魔土術の天才だったからな」
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