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第一章 ヒューマニア王国
第11話 いざ!未開ダンジョン調査へ
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成長ダンジョンの入口付近には大勢の人が集まっていた。普段はそこまで人は集まらない未開ダンジョン調査だが、今回はメンバーが特別だ。
噂は王都まで広がり、多くのS級冒険者やモグラー、更には一部の貴族たちまで調査団の勇姿を一目見ようと駆けつけたのだ。
『それではこれより未開ダンジョン調査団の団員を紹介する。調査団のサポートで冒険者ギルドマスター、リック!』
「おいおい、ギルマス自ら調査に加わるなんて珍しいな」
「あぁ、今回のメンバーがそれだけ面白いって事だろ」
周囲がざわつき始める。しかし、観衆が最も注目を集めているのは次の人物であろう。
『同じく、調査団サポート並びにモグラーサポートのロイ・グリード!』
ものすごい歓声が湧く。それほど皆ロイに対していつまでの感謝と憧れを抱いているのだ。軽く手をあげて歓声に応えるロイ。
『そして調査の監視役として、王国騎士団からはヘンドリック、そして補佐役のエミラ』
「おいおい、なんかあの爺さん、場違いな甲冑着て偉そうだぞ」
「普段の調査団に騎士団が2人も参加するなんてあり得ないし、あの補佐役も仮面被ってるし、なんか怪しいよな」
(……あの仮面の女の人)
ざわつきが止まらない。しかし、なんとなくその理由が次にあると観衆も理解している。
『最後に調査団のリーダー兼モグラーリーダー、ノア・グリード!』
ノアがゆっくりと前に出てロイたちの真ん中に立つ。
「ノアー! 頑張って! 魔物全部焼き殺してきなさい!」
「お兄ちやん! ダンジョン全部炎で燃やしちゃえー!」
物騒な応援をするのはリリカとティア。ノア以上に気合十分だ。
王国騎士のヘンドリックがロイの方へ歩み寄る。
「なんとも、物騒な応援ですな。初めましてロイ殿。私は王国騎士のヘンドリックと申します。今回、あなた様の調査団を一度見てくる様、国王陛下より申しつかっておりまして。ダンジョンでのご活躍を楽しみにしております」
いきなり王国騎士団監視役からの不快な挨拶にイラっとするロイ。自分のことはどう言われても構わない。だが、息子を愚弄する人間には容赦しない。
「ヘンドリック殿、どうやらお歳のせいか耳がよろしくない様で。先ほどの紹介にあった通りです。私の調査団ではなく、ノア・グリードの調査団です。お間違えのない様に」
「ハッハッハ! それは失礼しました。まさか本気だったとは。あんな小さな子供が調査団のリーダーだなんて、王国も地に落ちたものですな。困ったものだ」
苛立つロイをリックが抑えこむ。その空気を読んでノアが一言挨拶をする。
「騎士団のヘンドリック様、お初にお目にかかります。リーダーのノア・グリードです。不甲斐ないと思われてしまっても仕方がない容姿ではございますが、どうかご安心ください。
私がこの調査団を必ずや【ダンジョン踏破】という形で成功へと導き、ヒューマニア王国にとって新たな利を生み出す場所となるよう、開拓してご覧に入れましょう」
10歳の子供の完璧な挨拶に、周囲が静まり返る。そして大歓声が上がる。
顔を真っ赤にして黙って後ろへ下がっていくヘンドリック。
「あのすみません。一つ確認させてください」
ノアが騎士団補佐役エミラの前に立つ。
「エミラ様は回復系の魔土術士<ソレイジ>とお見受けしましたが、今回の調査団の活動においてはどの様なお立場での参加となるのでしょうか?」
「っ!!!」
(この子……なぜ私が回復系だとわかったの?)
ヘンドリックが汗をかいて戸惑いながら、エミラの代わりに返答する。
「エ、エミラは私の補佐役であり、調査団の活動には一切関わらない!」
「お答えいただきありがとうございます。承知しました」
ロイもリックもキョトンとしている。しかし、ノアにはわかるのだ。
『それではノア調査団による未開ダンジョンの調査を開始してください』
「よし! みなさん、行きましょう!」
「「おう!」」
* * *
「ウォームライト」
ノアがダンジョンに入ってまず明かりを点ける。暖かみがあって心が落ち着く光だ。
「皆さん、このまま前進します。暫くは魔物も出ませんのでリラックスしてください」
そしてどんどん先へ進んでいく。
「おい、ロイよ。ノアのやつ、手馴れ過ぎててちょっと怖いな。もうちょっと子供らしくてもいい年頃だろ」
「いや、俺もそう思うんだが、あいつどっかで知識得てるんだよ。だんだん喋り方も貴族化してて……さっきはびっくりしたぜ。ダンジョンに入るよりビビったわ」
「ははは。違いねぇや」
ノアの足が止まる。
「この穴を飛び降りますが、調査団は皆問題ないとして、騎士団のお二人は飛べますか?」
「何? 飛び降りるだと? そんなことできるわけないだろう」
「承知しました。ではリックさん、ヘンドリックさんを抱えてください。私はエミラさんを抱えて飛び降ります」
「くそ~俺が片腕じゃなければ……役立たずみたいで辛いぜ」
「いえ、父さんは先頭でお願いします。魔物がいれば倒してください」
「あ……はい」
そして、二人は騎士団2名を抱える。ヘンドリックもエミラもかなり恥ずかしそうだ。
「行きます!」
ロイが先に飛び降り、ノアそしてリックと順に降りていく。そして、あのティアを助けた場所に降り立つ。
「ここからが本番だな」
リックの言葉に頷くノア。
「調査を開始します! サーチライト<スキャン>!」
ソイラでできた自然の地下洞窟。そこへ地面、壁、天井に光のスキャンニングが始まった。大体20mほど先で光は消えて、ノアが右側の壁に向かって歩き出す。
「この先に何かアイテムがありそうです。モグってみます。スキャンした範囲内に魔物はいませんでしたが、ここはすでにB級相当の階層なので、父さんは護衛をお願いします。リックさんはギルドのアイテムボックスに僕が掘り出したソイラとアイテムを回収してください」
「「任せろ!」」
(何て手際のいい指示なの? 10歳の子供とは思えないわ)
そして、ついにノアの秘密兵器が登場する。
「探掘刀<グロー刃>!」
ノアが開発したグローブタイプの探掘刀だ。
両手の甲から探掘刀が飛び出してきた。そして器用にローソイラとソイラを分けて次々に掘り進めていく。リックはソイラのみを回収していく。
「聖水を発見しました!」
「おぉ! でかしたぞ」
ノアがリックに渡す。そして改めてスキャンしてその先をチェックする。
「ここから先を掘っても何も出ませんね。ではあちらに進みましょう」
こうしてサクサクとダンジョンの下層へと進んでいく。そして……
サーチライトでスキャンしながら前進していたノアの足が止まる。
「どうしたノア? この辺モグってみるか」
リックの言葉にノアが首を振る。
「魔物です! 五匹、こっちに向かってきます」
噂は王都まで広がり、多くのS級冒険者やモグラー、更には一部の貴族たちまで調査団の勇姿を一目見ようと駆けつけたのだ。
『それではこれより未開ダンジョン調査団の団員を紹介する。調査団のサポートで冒険者ギルドマスター、リック!』
「おいおい、ギルマス自ら調査に加わるなんて珍しいな」
「あぁ、今回のメンバーがそれだけ面白いって事だろ」
周囲がざわつき始める。しかし、観衆が最も注目を集めているのは次の人物であろう。
『同じく、調査団サポート並びにモグラーサポートのロイ・グリード!』
ものすごい歓声が湧く。それほど皆ロイに対していつまでの感謝と憧れを抱いているのだ。軽く手をあげて歓声に応えるロイ。
『そして調査の監視役として、王国騎士団からはヘンドリック、そして補佐役のエミラ』
「おいおい、なんかあの爺さん、場違いな甲冑着て偉そうだぞ」
「普段の調査団に騎士団が2人も参加するなんてあり得ないし、あの補佐役も仮面被ってるし、なんか怪しいよな」
(……あの仮面の女の人)
ざわつきが止まらない。しかし、なんとなくその理由が次にあると観衆も理解している。
『最後に調査団のリーダー兼モグラーリーダー、ノア・グリード!』
ノアがゆっくりと前に出てロイたちの真ん中に立つ。
「ノアー! 頑張って! 魔物全部焼き殺してきなさい!」
「お兄ちやん! ダンジョン全部炎で燃やしちゃえー!」
物騒な応援をするのはリリカとティア。ノア以上に気合十分だ。
王国騎士のヘンドリックがロイの方へ歩み寄る。
「なんとも、物騒な応援ですな。初めましてロイ殿。私は王国騎士のヘンドリックと申します。今回、あなた様の調査団を一度見てくる様、国王陛下より申しつかっておりまして。ダンジョンでのご活躍を楽しみにしております」
いきなり王国騎士団監視役からの不快な挨拶にイラっとするロイ。自分のことはどう言われても構わない。だが、息子を愚弄する人間には容赦しない。
「ヘンドリック殿、どうやらお歳のせいか耳がよろしくない様で。先ほどの紹介にあった通りです。私の調査団ではなく、ノア・グリードの調査団です。お間違えのない様に」
「ハッハッハ! それは失礼しました。まさか本気だったとは。あんな小さな子供が調査団のリーダーだなんて、王国も地に落ちたものですな。困ったものだ」
苛立つロイをリックが抑えこむ。その空気を読んでノアが一言挨拶をする。
「騎士団のヘンドリック様、お初にお目にかかります。リーダーのノア・グリードです。不甲斐ないと思われてしまっても仕方がない容姿ではございますが、どうかご安心ください。
私がこの調査団を必ずや【ダンジョン踏破】という形で成功へと導き、ヒューマニア王国にとって新たな利を生み出す場所となるよう、開拓してご覧に入れましょう」
10歳の子供の完璧な挨拶に、周囲が静まり返る。そして大歓声が上がる。
顔を真っ赤にして黙って後ろへ下がっていくヘンドリック。
「あのすみません。一つ確認させてください」
ノアが騎士団補佐役エミラの前に立つ。
「エミラ様は回復系の魔土術士<ソレイジ>とお見受けしましたが、今回の調査団の活動においてはどの様なお立場での参加となるのでしょうか?」
「っ!!!」
(この子……なぜ私が回復系だとわかったの?)
ヘンドリックが汗をかいて戸惑いながら、エミラの代わりに返答する。
「エ、エミラは私の補佐役であり、調査団の活動には一切関わらない!」
「お答えいただきありがとうございます。承知しました」
ロイもリックもキョトンとしている。しかし、ノアにはわかるのだ。
『それではノア調査団による未開ダンジョンの調査を開始してください』
「よし! みなさん、行きましょう!」
「「おう!」」
* * *
「ウォームライト」
ノアがダンジョンに入ってまず明かりを点ける。暖かみがあって心が落ち着く光だ。
「皆さん、このまま前進します。暫くは魔物も出ませんのでリラックスしてください」
そしてどんどん先へ進んでいく。
「おい、ロイよ。ノアのやつ、手馴れ過ぎててちょっと怖いな。もうちょっと子供らしくてもいい年頃だろ」
「いや、俺もそう思うんだが、あいつどっかで知識得てるんだよ。だんだん喋り方も貴族化してて……さっきはびっくりしたぜ。ダンジョンに入るよりビビったわ」
「ははは。違いねぇや」
ノアの足が止まる。
「この穴を飛び降りますが、調査団は皆問題ないとして、騎士団のお二人は飛べますか?」
「何? 飛び降りるだと? そんなことできるわけないだろう」
「承知しました。ではリックさん、ヘンドリックさんを抱えてください。私はエミラさんを抱えて飛び降ります」
「くそ~俺が片腕じゃなければ……役立たずみたいで辛いぜ」
「いえ、父さんは先頭でお願いします。魔物がいれば倒してください」
「あ……はい」
そして、二人は騎士団2名を抱える。ヘンドリックもエミラもかなり恥ずかしそうだ。
「行きます!」
ロイが先に飛び降り、ノアそしてリックと順に降りていく。そして、あのティアを助けた場所に降り立つ。
「ここからが本番だな」
リックの言葉に頷くノア。
「調査を開始します! サーチライト<スキャン>!」
ソイラでできた自然の地下洞窟。そこへ地面、壁、天井に光のスキャンニングが始まった。大体20mほど先で光は消えて、ノアが右側の壁に向かって歩き出す。
「この先に何かアイテムがありそうです。モグってみます。スキャンした範囲内に魔物はいませんでしたが、ここはすでにB級相当の階層なので、父さんは護衛をお願いします。リックさんはギルドのアイテムボックスに僕が掘り出したソイラとアイテムを回収してください」
「「任せろ!」」
(何て手際のいい指示なの? 10歳の子供とは思えないわ)
そして、ついにノアの秘密兵器が登場する。
「探掘刀<グロー刃>!」
ノアが開発したグローブタイプの探掘刀だ。
両手の甲から探掘刀が飛び出してきた。そして器用にローソイラとソイラを分けて次々に掘り進めていく。リックはソイラのみを回収していく。
「聖水を発見しました!」
「おぉ! でかしたぞ」
ノアがリックに渡す。そして改めてスキャンしてその先をチェックする。
「ここから先を掘っても何も出ませんね。ではあちらに進みましょう」
こうしてサクサクとダンジョンの下層へと進んでいく。そして……
サーチライトでスキャンしながら前進していたノアの足が止まる。
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