Bloody Code 〜特殊な血を持つ天才少年が謎のリングで仲間になった「アイドル」と現実世界を無双する〜

大森六

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第三章 関東大一揆、洛外編

第84話 GSDに丸投げ

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「おい、こりゃあ、とんでもねぇ戦力なんじゃねぇか? シーカーの体力を気にしないでガンガン強力なスキルを使えるってことだろ?」


 小松部長が驚きも喜びも隠さずに話す。


『まぁ、理論上はな。オイラがそれだけの数量を作ればの話だけどな』

 六太むったがソファに座って偉そうにこっちを見ている。


『いや、そこは今すぐ作れよ。このテロが連続して起こる非常事態以外に回復薬使うことなんてねぇだろ』

『なんだとぉ、三日月人みかづきと。お前さぁ、犬様いぬさまにモノを頼む時の態度を知らねぇみたいだから教えてやるよ。ここで3回まわって、<ポメ>って吠えやがれ!』

『チリ毛むしり取られたくなかったら、今すぐ犬小屋エンドサーフェイスに戻って作れ』

『おい! なんでも暴力で解決できると思うなよ野蛮人! オイラを動かしたければ金貨6億枚くらいは——』

「六太さんすごいっス! 天才っスよ!」

「ウンウン、これは僕らにはできないことだ。むっちゃんすごいよ」

 トンボと高杉がめちぎる。

『そ、そうか? そんなにポメられると照れるぜ。えへへ』


「むっちゃん。お願い。回復薬をたくさんつくって」


 天月千鶴あまつきちづる片瀬片奈かたせかたな六太むったを抱えてお願いする。


『うっ、千鶴と片奈がそこまでいうなら……しょうがねぇな……つくってやるよ』


(こいつ、チョロいなぁ……)

 高杉と小松部長はそう思っていたが、理由はともかく回復薬の数量を十分にストックしておけば、次から戦略の幅が大きく変わる!


「本当に太地さんのアイドルはすごいですわ。月人さんだけでも凄すぎるのに。六太さんまで……」

「あぁ、しかもアイツらまだ力隠してるぞ。きっと」


 小松部長がニヤリと笑った。



 * * *



 12月09日 9:00 ——   権田支部


 探索課はリモートミーティングで状況を整理していた。
 小松部長が地図を見ながら話を進める。


「次は12月15日だ。予告時刻は10:11   12:14   19:09  の三箇所 。そして、これまでのテロ襲撃地は五箇所だ」

 赤いシールが五箇所貼られている。

「いわき市、長野市、藤枝市、諏訪市、那須郡。この一見なんの繋がりもなさそうな五箇所がやられたわけだ」


 黙って関東圏と周辺地域の地図を睨みつけるが……

「やっぱりわかんね~や。というわけで、引き続き次回のテロ襲撃地予測は権田支部でやってもらう。もちろん無理に結論づける必要は無いからな」


「了解しましたわ」

『了解だ』


「それから……月人、今回の般若と対峙したお前の感想と次回のNFNFエヌフの想定される戦闘力をざっくり報告してくれ」


『おう。まず今回は三箇所で白鬼隊全てが出て来たな。一番隊伍長は島田魁だった。おそらく伍長は皆スキルを持っている。使わせる前に俺たちが奇襲で倒したからあまり見てはいないが、島田は回避スキルを持っていたぞ。片奈の闇夜刀あんやとうの攻撃を全部かわしていたからな』

「え! そういうことだったの⁈」

「いや、片瀬、お前が今びっくりするなよ……月人、続けてくれ」

『あぁ、最終的には一番隊の雑魚兵が白の【橋姫】だった。機動課のローダーがやられるくらいのレベルだからそこそこ強かったぜ。そして一番、二番、三番の伍長三人が白鬼の【般若はんにゃ】だから、白ではかなりの強さだったな』


 そう。般若へ変化する過程だ。【増女ぞうおんな】【泥眼でいがん】【橋姫はしひめ】【生成なまなり】【般若はんにゃ】となり、その上には怪物となった【真蛇しんじゃ】もあるが、白鬼隊ではそれはみられなかった。

「なるほどな。白鬼一番隊伍長は強かったか?」

『俺が片奈の戦いを観ていた印象での話だが、想定していたよりもかなり強かったな。俺からしたらゴミ以下だが』


 片奈が物凄く悔しがっている。これも月人の狙いか。

『それで、15日に出てくるであろう般若はおそらく赤鬼般若あかおにはんにゃだな。ここまでの流れで推測するなら……十番隊と九番隊が組んで最初に襲撃してくるんじゃねえか』


 赤鬼の存在……その強さを測れないこの状況とあってシーカーたちも多少の不安を感じている。


「おい! お前らそんなに辛気くさくなるな! 大丈夫だから! よし、次だ。
 宝生、司令室からの報告を読み上げてくれ」

「承知しました」

 ペラっと薄い書類を読み上げる宝生。

「7日の機動課と公安等による特別部隊の被害は甚大じんだいです。機動課は3分の1の兵力を失いました。公安も同様で、今後のテロ対策には探索課中心で対応するべしとのことです」


『はぁ? 自分たちの国のテロだぞ。派遣を渋るってどういう考えだ?』


「……月人さんをはじめ、探索課の大活躍によって人的被害を阻止できた諏訪市のテロ、また、爆破後に敵を殲滅せんめつできたここまでの戦いをみて、探索課に処理させるよう通達があったと司令室から連絡が来ております。まぁ、つまりはGSDジスドで全責任を負ってなんとかしろというお話ですね。」


「なんですかそれ。僕らが活躍したから? なんのために税金払っていると思ってるんだ」

「そうっスよ! 弱いのに偉そうっス!」

「まぁ、俺たちの給料も税金だけどな」

 当然ながら政府の決定に不満を持つシーカーたち。それをみて小松部長が割って入る。

「お前たちが怒るのも当然だ。一応平等な立場で説明すると戦略的にも不利なんだ。国家や都市一つが戦場となるような規模であれば、国は動きやすい。戦車転がして、飛行機で爆撃してとかな。だが、今回のように一つの建物を狙われたとなると、少々面倒だ。周りの地域に被害が出ちまうからな」

「でも公安にも機動隊ありますよね?」

「おう、ダメージがでかかったらしいぞ」

「あぁ、今回やられたんですね……」


「まぁ、待て。俺はあのクソ政府をかばっているわけじゃねーぞ。もしもGSDジスドで処理するとなったら、きちんとそれに見合う対価を要求するってこった」


『ヒゲ部長、対価ってつまりなんだ?』


「もちろん、金だ。特別ボーナスだ!」

 成美と太地と月人以外はそれなりに目を輝かせている。


「俺も今厳しいんだよなぁ。天皇賞・秋とジャパンカップでかなりやっちまったからなぁ。有馬だけは何としても取り返さないと……」

「部長、競馬の話はやめてください」


「「「……この人の下で本当に大丈夫か? 探索課は」」」


「とにかくだ。前回同様に宝生、高杉は俺と一緒にGSDジスドの全体会議に出るぞ。もうクソ政府の顔を気にする必要ねぇからな、むしろやりやすくなったとポジティブに捉えるぞ。獅子王ししおうのおっさんと不破ふわのババアと作戦練るぞ!」

「了解です!」



「あ~それから、トンボと片瀬もしばらく権田支部へ顔出せ。そこで月人とトレーニングしろ。時間はないが少しでもお前ら自身の生存率をあげるためにスキル磨いてこい」



「「了解!」」






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