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第四章 関東大一揆、洛中編
第126話 真の目的のために
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12月25日 9:30—— 日の出山
一方、夜逃げのようにGSDがもぬけの殻になっているとは気付かずにNFNFの黒鬼六番隊、七番隊、八番隊の隊長が日の出山からの土砂崩れ発生を確認した後、揃ってGSDへ向かっていた。
「藤堂よ。お前のスキル爆撃は凄まじいな。まさか、ここまで広範囲で土砂崩れなど起ころうとはGSDも思うまい」
『井上の空間移動あっての話だ。一人でこれだけの量を山々に仕掛けるとなると一週間は必要だ。それをたった一日で……』
『……待て。土砂の勢いが止まったぞ』
谷の一言で動きを止める黒鬼たち。高杉が防壁を一瞬で立ち上げたことに驚愕する。
『おいおいおいおい! どうなってんだ⁈ なんで防がれてんだよ……』
『不味いな……建物を飲み込むくらいの撹乱を想定していたんだが……やはり総帥の読みは正しかったということか……』
「谷、今から麓付近まで行くぞ。プランAからBに変更だ。風で煙を広げろ」
『了解した』
井上は空間系スキルで10メートルほどの距離を瞬間的に移動できる。それを頻繁に使用することで精神の疲労は激しいが、触れているローダー全員を瞬間的に長距離移動していた。
『スキル、鬼風<面>』
麓から黒鬼7番隊隊長、谷が風を発生させる。一定の広大な面積を一定の速度で。明らかに人為的な風に乗って土砂の深い煙は西から東へ、つまり都庁やGSDのファシリティへと流されていく。
「よし。それでは今からGSDのエリア内へ侵入する。あくまで建物の爆破が最優先事項だ。撹乱させて時間を稼ぐぞ。全ては総帥の……いや、我々NFNFの真の目的のために!」
『『この世の無慈悲な愚民共に惨き制裁を!』』
* * *
「宝生、お前もそろそろGGラインで避難しろ。スキルの維持さえしてくれれば、あとはこっちでなんとかする」
「……承知しました。ご武運を」
煙で覆われたGSD敷地内。小松部長と不破総司令がファシリティ terra 【大地】エントランスから様子をうかがっている。不破総司令の直感で建物から出たところで待機していた。NFNFの気配はまだ感じられない。
「ただの取り越し苦労で終わってくれたら嬉しいんだがな……」
「珍しく弱気ね」
「正面から来ねえ敵は正直苦手だ。駆け引きは嫌いなんだよ」
「ふふっ。正面から来るテロリストなんて、普通はいないでしょ?」
「本当だな。あんな風に正面から来るってことは何かあるってことだな」
そう。黒鬼が3人現れた。遠くから歩いて来たのか? 一瞬で気配が現れた感覚だ。
「私はNFNF黒鬼六番隊隊長、井上源三郎だ」
『同じく黒鬼七番隊隊長、谷三十郎』
『同じく黒鬼八番隊隊長、藤堂平助』
「GSD総司令、不破響香」
「GSD探索課、小松栄一だ。よろしくな」
《バフをかけるぞ》
《……》
「おい! 念話聞いてるか?」
「え? 突然何? 何も聞こえなかったわ」
「……念話が使えないだと?」
「無駄だ。お前たちがローダーリンクできないように遮断している。私のエリア内ではな」
その時、目の前を高杉が千鶴を抱えて通過していく。
「おい! 高杉! どうしたんだ! 千鶴に何かあったのか? おいっ!」
小松部長の声が高杉に届かない。そのままファシリティaquaへと向かっていった。
『自ら爆破する建物に向かって行くとは』
「なんだと!」
『入ったな、政府の犬が……死んで償え……』
藤堂が震える右手で指をパチンと鳴らす。
爆音とともに、ファシリティaquaが崩れていく。
「た、高杉! 天月! くそっ!」
向かおうとする小松部長を引き止める不破総司令。
「待ちなさい! あなたが行けばそれこそNFNFの思う壺よ! 冷静になって! シーカーを信じて私たちは目の前の敵を打つことに集中よ」
「ぐっ……すまねぇ……」
「次、仕掛けるわよ」
「わかった。……スキル<王の雄叫び>!」
「……ロード」
刀を出して構える不破総司令。
『なかなか優秀な指揮官だな。藤堂いけるか? 二発目だ』
指示を出した井上に向かって不破総司令が一瞬で間合いを詰めて刀で斬りかかる。
空間移動で即死は避けたが、井上は胴体に大きく傷を負った。
『っ!! なんてスピードだ……不覚』
藤堂がパチンと指を鳴らす、ファシリティ ignisから爆発が……そして何かに引火して炎が燃え広がっていく。
般若能面で表情はわからないが藤堂はおそらくダメージを受けている。身体が若干すけ始めていた。
「アイツ、宍土のアイドルか。爆破スキルの火力は高いがその分、アイドル自身への負荷も大きいわけだな……」
そう。藤堂は設置した爆撃エネルギーを自身のタイミングで爆破させることができる。そのエネルギー量も調整できるのだが、GSDのファシリティがあまりに強固であったため、爆破に膨大なエネルギーを要してしまった。
(よし、突撃だ!)
小松部長が藤堂との間合いを詰めようとしたが、強烈な風によって押し返されてしまう。風は更に威力を増し、距離が更に離れてしまう。そして不破総司令が小松部長と合流する。
「くそ……アイツら、時間稼ぎだな。戦う意思がねぇ」
「えぇ、しかもすでにヘロヘロだったわ。井上も傷を追う前から相当消耗していたみたい……一瞬で大規模土砂崩れを起こせたのはアイツの移動スキルね。でもそのおかげで今は守りに徹しているわ。放っておいても死ぬと思うけど。」
「爆破スキルの藤堂はあと一発で限界だな。見ろ。半分透明になっている……この際、次も爆発させちまうってのはどうだ? 」
反対するかと思いきや、不破総司令も同じ考えだ。
「施設を壊されても構わない。あとで建て直せる。それよりも奴らが他にどんなトラップを……」
三度爆発音が……ファシリティ ventusも爆発の餌食に。煙に隠れてよくわからないが、おそらく崩壊しているだろう。
「私が突破するわ。風がおさまった瞬間を狙って。あなたのバフが効いているうちに」
「いや、ちょっと待て……何かおかしいぞ。アイツら……なんで俺たちの前に姿を現したんだ?」
「……足止めじゃなくて?」
「隠れて爆破してればいいだろ……わざわざ現れたってことは……!!!」
シュッ!!
「そうだ、お前を殺すためだ。総司令」
意識が飛びそうな井上が隊長二人を連れて最後の空間移動で二人の側に現れる! ほぼ消えかかっている藤堂が自身に爆破エネルギーを溜め込んでいる。井上はそのまま倒れこむ。
(ヤベェ! 自爆か! 離れ……)
『スキル、鬼風<面>』
「くっ、強すぎて……かわせないわ」
そして谷のスキルで四方から強風が吹きつけて二人の動きを完全に封じ込める。
『やれ! 藤堂! NFNF真の目的のために!』
『この世の無慈悲な愚民共に惨き制裁を!!!!』
藤堂捨て身の爆発だった。
一方、夜逃げのようにGSDがもぬけの殻になっているとは気付かずにNFNFの黒鬼六番隊、七番隊、八番隊の隊長が日の出山からの土砂崩れ発生を確認した後、揃ってGSDへ向かっていた。
「藤堂よ。お前のスキル爆撃は凄まじいな。まさか、ここまで広範囲で土砂崩れなど起ころうとはGSDも思うまい」
『井上の空間移動あっての話だ。一人でこれだけの量を山々に仕掛けるとなると一週間は必要だ。それをたった一日で……』
『……待て。土砂の勢いが止まったぞ』
谷の一言で動きを止める黒鬼たち。高杉が防壁を一瞬で立ち上げたことに驚愕する。
『おいおいおいおい! どうなってんだ⁈ なんで防がれてんだよ……』
『不味いな……建物を飲み込むくらいの撹乱を想定していたんだが……やはり総帥の読みは正しかったということか……』
「谷、今から麓付近まで行くぞ。プランAからBに変更だ。風で煙を広げろ」
『了解した』
井上は空間系スキルで10メートルほどの距離を瞬間的に移動できる。それを頻繁に使用することで精神の疲労は激しいが、触れているローダー全員を瞬間的に長距離移動していた。
『スキル、鬼風<面>』
麓から黒鬼7番隊隊長、谷が風を発生させる。一定の広大な面積を一定の速度で。明らかに人為的な風に乗って土砂の深い煙は西から東へ、つまり都庁やGSDのファシリティへと流されていく。
「よし。それでは今からGSDのエリア内へ侵入する。あくまで建物の爆破が最優先事項だ。撹乱させて時間を稼ぐぞ。全ては総帥の……いや、我々NFNFの真の目的のために!」
『『この世の無慈悲な愚民共に惨き制裁を!』』
* * *
「宝生、お前もそろそろGGラインで避難しろ。スキルの維持さえしてくれれば、あとはこっちでなんとかする」
「……承知しました。ご武運を」
煙で覆われたGSD敷地内。小松部長と不破総司令がファシリティ terra 【大地】エントランスから様子をうかがっている。不破総司令の直感で建物から出たところで待機していた。NFNFの気配はまだ感じられない。
「ただの取り越し苦労で終わってくれたら嬉しいんだがな……」
「珍しく弱気ね」
「正面から来ねえ敵は正直苦手だ。駆け引きは嫌いなんだよ」
「ふふっ。正面から来るテロリストなんて、普通はいないでしょ?」
「本当だな。あんな風に正面から来るってことは何かあるってことだな」
そう。黒鬼が3人現れた。遠くから歩いて来たのか? 一瞬で気配が現れた感覚だ。
「私はNFNF黒鬼六番隊隊長、井上源三郎だ」
『同じく黒鬼七番隊隊長、谷三十郎』
『同じく黒鬼八番隊隊長、藤堂平助』
「GSD総司令、不破響香」
「GSD探索課、小松栄一だ。よろしくな」
《バフをかけるぞ》
《……》
「おい! 念話聞いてるか?」
「え? 突然何? 何も聞こえなかったわ」
「……念話が使えないだと?」
「無駄だ。お前たちがローダーリンクできないように遮断している。私のエリア内ではな」
その時、目の前を高杉が千鶴を抱えて通過していく。
「おい! 高杉! どうしたんだ! 千鶴に何かあったのか? おいっ!」
小松部長の声が高杉に届かない。そのままファシリティaquaへと向かっていった。
『自ら爆破する建物に向かって行くとは』
「なんだと!」
『入ったな、政府の犬が……死んで償え……』
藤堂が震える右手で指をパチンと鳴らす。
爆音とともに、ファシリティaquaが崩れていく。
「た、高杉! 天月! くそっ!」
向かおうとする小松部長を引き止める不破総司令。
「待ちなさい! あなたが行けばそれこそNFNFの思う壺よ! 冷静になって! シーカーを信じて私たちは目の前の敵を打つことに集中よ」
「ぐっ……すまねぇ……」
「次、仕掛けるわよ」
「わかった。……スキル<王の雄叫び>!」
「……ロード」
刀を出して構える不破総司令。
『なかなか優秀な指揮官だな。藤堂いけるか? 二発目だ』
指示を出した井上に向かって不破総司令が一瞬で間合いを詰めて刀で斬りかかる。
空間移動で即死は避けたが、井上は胴体に大きく傷を負った。
『っ!! なんてスピードだ……不覚』
藤堂がパチンと指を鳴らす、ファシリティ ignisから爆発が……そして何かに引火して炎が燃え広がっていく。
般若能面で表情はわからないが藤堂はおそらくダメージを受けている。身体が若干すけ始めていた。
「アイツ、宍土のアイドルか。爆破スキルの火力は高いがその分、アイドル自身への負荷も大きいわけだな……」
そう。藤堂は設置した爆撃エネルギーを自身のタイミングで爆破させることができる。そのエネルギー量も調整できるのだが、GSDのファシリティがあまりに強固であったため、爆破に膨大なエネルギーを要してしまった。
(よし、突撃だ!)
小松部長が藤堂との間合いを詰めようとしたが、強烈な風によって押し返されてしまう。風は更に威力を増し、距離が更に離れてしまう。そして不破総司令が小松部長と合流する。
「くそ……アイツら、時間稼ぎだな。戦う意思がねぇ」
「えぇ、しかもすでにヘロヘロだったわ。井上も傷を追う前から相当消耗していたみたい……一瞬で大規模土砂崩れを起こせたのはアイツの移動スキルね。でもそのおかげで今は守りに徹しているわ。放っておいても死ぬと思うけど。」
「爆破スキルの藤堂はあと一発で限界だな。見ろ。半分透明になっている……この際、次も爆発させちまうってのはどうだ? 」
反対するかと思いきや、不破総司令も同じ考えだ。
「施設を壊されても構わない。あとで建て直せる。それよりも奴らが他にどんなトラップを……」
三度爆発音が……ファシリティ ventusも爆発の餌食に。煙に隠れてよくわからないが、おそらく崩壊しているだろう。
「私が突破するわ。風がおさまった瞬間を狙って。あなたのバフが効いているうちに」
「いや、ちょっと待て……何かおかしいぞ。アイツら……なんで俺たちの前に姿を現したんだ?」
「……足止めじゃなくて?」
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シュッ!!
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