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第四章 関東大一揆、洛中編
第127話 永田町の違和感
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ファシリティ terraのエントランス前は全てが吹き飛んだように見えた。だが、その爆心部にいたはずの小松部長と不破総司令が生きている。いや、生き返ってきている。爆破でもがれた小松部長の四肢や胴体が徐々に復活しているのだ。
不破総司令は小松部長ほどではないが、それでも深くダメージを受けていた。それもどんどん回復しているのだ。信じられないという面持ちで自身の身体を眺める不破総司令。
「これは……一体……」
遅れて、かなりの深手を負った小松部長が目を覚ます。
「ブハッ!! いや~マジで今回は死んだと思ったわ! 六太に賭けて正解だったぜ! いやぁ危ねぇ~」
「……どういうこと? なんであの液体が?」
「うちの課の天才エンジニアに作ってもらってたんだよ。回復薬ポメナインM液体バージョン!」
「え……回復って……あの爆破から? 嘘でしょ……」
そう、小松部長は六太に要望を出していた。六太は面倒そうに4本作ってくれていた。
爆発前のほんの数秒で小松部長は不破総司令を押し倒し、ポメナインを頭と身体にぶっかけて、自身にもぶっかける。そしてあとはひたすらバフスキルを重ねがけして不破総司令に被さって守りながら、爆破に耐えたのだった。もともとバフがかかって速度が上がっていたとはいえ、とんでもない処理スピードである。
当然ながら、小松部長のスキル<王の雄叫び>はかなりのエネルギーを消耗するバフスキル。重ねがけをしようものなら吐血やめまいなど身体の異常をきたすことはわかっていた上で、何度も掛けて二人の身体を鋼鉄並みの強度に高めたのだ。
そして、藤堂が放った最後の爆撃は威力が数段弱かったのも幸いした。
回復しながら爆破をくらい、手足がぶっ飛ぶ衝撃だったが、胴体にぶっ掛けた六太の回復薬の効果に賭けるというまさに勝負師の大博打だった。
「そうか……この日のためだったのか。今年は買った馬券が全部外れてたからよ。
これに俺の運を全部ぶっ込むためだったんだなぁ」
「いや、違うでしょ……でも、本当に助かったわ。ありがとう」
《小松部長! 聞こえますか!》
《高杉か⁈ 生きていたんだな! 今どこだ?》
《やっと繋がった……今医療課の前です!》
10分後、小松部長たちは高杉たちと合流した。安否確認の後、それぞれの状況を共有する。そして千鶴はまだ目覚めていなかった。
「刺されて傷が回復した後、天月が一瞬起きたとき、どんな状況だったんだ?」
「意識が戻らず、僕も土砂崩れ防ぐのに全ての力使い果たしたのでファシリティaquaまで抱きかかえてダッシュしていたんです。その時に、目を覚まして『狙いは永田町じゃない!』って言ってました。そして念話で太地君に伝えようとしたんですが、太地君、月人、片瀬さんいずれも反応が無くて」
『……もしかして、刀で刺された時に三番隊隊長斎藤一から、何かを観たんじゃねぇか? 宍土の本当の狙いを』
六太が心配そうに千鶴を見ながら元気のない声で言う。
「そっか、あの時スキルを使おうとしていて刺されたから……」
* * *
12月25日 09:00—— 永田町国会議事堂前
防衛庁の特殊部隊が集まって待機している。国会議事堂前、内閣府周り、参議院議員会館周り、衆議院第一議員会館周りと至る所に武装した特殊部隊が待ち構えている。太地、月人そして片奈は国会議事堂前にいた。
胸騒ぎがする太地はずっと考えていた。宍土の本当の狙いとは何かを。
《犯行予告にあった「真の目的を果たさんとする」って言葉がどうしてもきになるんだ》
『おい、太地。15分後にはNFNFが攻めて来るぞ。まずは目の前に集中するべきじゃねえか?』
《……月人。僕の話を聞いてくれ。永田町は絶対にフェイクだ。宍土の狙いは永田町ではない。ここに来てわかったんだ。ここは囮だ。これまでの関東大一揆の襲撃も全てここ永田町へとミスリードさせるためのものだ》
『だったらどこだって言うんだ? 真の目的って場所は』
太地が無言になる。ブツブツと念話で独り言を言い始めた。
『おいおい! ここに来ていつもの独り言かよ!』
時刻は9時10分を回った。太地は目を閉じてずっとブツブツ言っている。
『……くそ、あいつまた深く潜りやがって。こんな時に……』
《永田町ではないと僕のBloody Codeがそう囁いている気がするんだ……考えろ……》
太地の思考が止まらない。本人も止めることができないのだ。
《もともと関東大一揆の円の中心はこの辺りで間違いない。だがそれだと目的が永田町になる。でも何かが違うんだ……宍土が残した言葉をもう一度振り返れ……政府を狙う……新撰組……》
『新撰組だって尊王攘夷派を潰して幕府を守ろうとしたんだろ? 今の宍土は偽の幕府、つまり日本政府を潰そうとしているんじゃねぇのか?』
今、ほんの一瞬、ハッとした。月人の言葉に何かが引っかかった……
『新撰組が果たせなかった夢を今果たすことが宍土の真の目的なんじゃねーのか!』
《果たせなかった目的……尊王攘夷派……NFNFの真の目的……》
「そうか!!!! そういうことだったのか!」
ビクッとする片奈と唖然とする月人。
「月人! わかったぞ! NFNFの真の狙いが! 本当の目的が!」
『な、、お前この土壇場で何を言ってんだ? どういうことだよ?』
「ちょ、ちょっと太地君どうしたの? 何? いきなり叫ばれても……」
片奈もいきなりの太地の叫びに驚いてしまう。二人だけの念話だったから当然だ。そして時刻は後2分で犯行予告の時間となる。
「片瀬さん! 月人! 行くぞ! 時間がない!」
『おいおい! 行くってどこへ行くんだよ! もう時間だぞ!』
「違う! 永田町じゃないんだ! 宍土の狙いは最初から日本政府なんかじゃなかったんだよ!」
唖然とする月人と片奈に自身に満ちた表情で太地が答える。
「NFNFの……宍土の本当の目的は皇居、……天皇陛下の命だ!」
不破総司令は小松部長ほどではないが、それでも深くダメージを受けていた。それもどんどん回復しているのだ。信じられないという面持ちで自身の身体を眺める不破総司令。
「これは……一体……」
遅れて、かなりの深手を負った小松部長が目を覚ます。
「ブハッ!! いや~マジで今回は死んだと思ったわ! 六太に賭けて正解だったぜ! いやぁ危ねぇ~」
「……どういうこと? なんであの液体が?」
「うちの課の天才エンジニアに作ってもらってたんだよ。回復薬ポメナインM液体バージョン!」
「え……回復って……あの爆破から? 嘘でしょ……」
そう、小松部長は六太に要望を出していた。六太は面倒そうに4本作ってくれていた。
爆発前のほんの数秒で小松部長は不破総司令を押し倒し、ポメナインを頭と身体にぶっかけて、自身にもぶっかける。そしてあとはひたすらバフスキルを重ねがけして不破総司令に被さって守りながら、爆破に耐えたのだった。もともとバフがかかって速度が上がっていたとはいえ、とんでもない処理スピードである。
当然ながら、小松部長のスキル<王の雄叫び>はかなりのエネルギーを消耗するバフスキル。重ねがけをしようものなら吐血やめまいなど身体の異常をきたすことはわかっていた上で、何度も掛けて二人の身体を鋼鉄並みの強度に高めたのだ。
そして、藤堂が放った最後の爆撃は威力が数段弱かったのも幸いした。
回復しながら爆破をくらい、手足がぶっ飛ぶ衝撃だったが、胴体にぶっ掛けた六太の回復薬の効果に賭けるというまさに勝負師の大博打だった。
「そうか……この日のためだったのか。今年は買った馬券が全部外れてたからよ。
これに俺の運を全部ぶっ込むためだったんだなぁ」
「いや、違うでしょ……でも、本当に助かったわ。ありがとう」
《小松部長! 聞こえますか!》
《高杉か⁈ 生きていたんだな! 今どこだ?》
《やっと繋がった……今医療課の前です!》
10分後、小松部長たちは高杉たちと合流した。安否確認の後、それぞれの状況を共有する。そして千鶴はまだ目覚めていなかった。
「刺されて傷が回復した後、天月が一瞬起きたとき、どんな状況だったんだ?」
「意識が戻らず、僕も土砂崩れ防ぐのに全ての力使い果たしたのでファシリティaquaまで抱きかかえてダッシュしていたんです。その時に、目を覚まして『狙いは永田町じゃない!』って言ってました。そして念話で太地君に伝えようとしたんですが、太地君、月人、片瀬さんいずれも反応が無くて」
『……もしかして、刀で刺された時に三番隊隊長斎藤一から、何かを観たんじゃねぇか? 宍土の本当の狙いを』
六太が心配そうに千鶴を見ながら元気のない声で言う。
「そっか、あの時スキルを使おうとしていて刺されたから……」
* * *
12月25日 09:00—— 永田町国会議事堂前
防衛庁の特殊部隊が集まって待機している。国会議事堂前、内閣府周り、参議院議員会館周り、衆議院第一議員会館周りと至る所に武装した特殊部隊が待ち構えている。太地、月人そして片奈は国会議事堂前にいた。
胸騒ぎがする太地はずっと考えていた。宍土の本当の狙いとは何かを。
《犯行予告にあった「真の目的を果たさんとする」って言葉がどうしてもきになるんだ》
『おい、太地。15分後にはNFNFが攻めて来るぞ。まずは目の前に集中するべきじゃねえか?』
《……月人。僕の話を聞いてくれ。永田町は絶対にフェイクだ。宍土の狙いは永田町ではない。ここに来てわかったんだ。ここは囮だ。これまでの関東大一揆の襲撃も全てここ永田町へとミスリードさせるためのものだ》
『だったらどこだって言うんだ? 真の目的って場所は』
太地が無言になる。ブツブツと念話で独り言を言い始めた。
『おいおい! ここに来ていつもの独り言かよ!』
時刻は9時10分を回った。太地は目を閉じてずっとブツブツ言っている。
『……くそ、あいつまた深く潜りやがって。こんな時に……』
《永田町ではないと僕のBloody Codeがそう囁いている気がするんだ……考えろ……》
太地の思考が止まらない。本人も止めることができないのだ。
《もともと関東大一揆の円の中心はこの辺りで間違いない。だがそれだと目的が永田町になる。でも何かが違うんだ……宍土が残した言葉をもう一度振り返れ……政府を狙う……新撰組……》
『新撰組だって尊王攘夷派を潰して幕府を守ろうとしたんだろ? 今の宍土は偽の幕府、つまり日本政府を潰そうとしているんじゃねぇのか?』
今、ほんの一瞬、ハッとした。月人の言葉に何かが引っかかった……
『新撰組が果たせなかった夢を今果たすことが宍土の真の目的なんじゃねーのか!』
《果たせなかった目的……尊王攘夷派……NFNFの真の目的……》
「そうか!!!! そういうことだったのか!」
ビクッとする片奈と唖然とする月人。
「月人! わかったぞ! NFNFの真の狙いが! 本当の目的が!」
『な、、お前この土壇場で何を言ってんだ? どういうことだよ?』
「ちょ、ちょっと太地君どうしたの? 何? いきなり叫ばれても……」
片奈もいきなりの太地の叫びに驚いてしまう。二人だけの念話だったから当然だ。そして時刻は後2分で犯行予告の時間となる。
「片瀬さん! 月人! 行くぞ! 時間がない!」
『おいおい! 行くってどこへ行くんだよ! もう時間だぞ!』
「違う! 永田町じゃないんだ! 宍土の狙いは最初から日本政府なんかじゃなかったんだよ!」
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