勇者と魔王、選ぶならどっち?

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第二章 勇者のスローライフ??

エレメンタル登場!? ーその3ー

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「そろそろ行ける?」
 倒れ込んでいる私を呆れたように見ながら、ミュウが言う。
「ん、大丈夫。」
 私が起きあがると、クーちゃんと目が合うが、クーちゃんはプイッと顔を背ける。
「ミュウ、どうしよう?クーちゃんが激おこだよぉ。」
「自業自得でしょうがっ!」
「だってぇ、ミスリルが……。」

◇ ◇ ◇

 クーちゃん達が戻ってきた時、私は丁度このフロアのラスボスである、ミスリルゴーレムと死闘を繰り広げていたのよ。
 死闘の果てに私は勝利を納め、後は次の階層へ繋がる扉を開けるスイッチを押すだけ、だったんだけどね、よく見るとミスリルゴーレムが出現するボタンが復活してるじゃない。
 だったら、普通は押すよね?

 そして、再び現れるミスリルゴーレム、再び繰り返される死闘。
 二度の勝利に調子に乗った私は、ミュウやクーちゃんが止めるのも聞かずに3回戦目に入り、無事勝利を収め、更に4回戦目に入ろうとした。

「ミカゲ、いい加減にしなさいよ。もう時間がないんだよ。」
「だいじょうぶ。ちょっとだけ、すぐ終わるから、ねっ、ねっ。」
「大丈夫なわけ無いでしょうがっ!周りをよく見なさい!」
 ミュウに言われて周りを見回す。
 広間全体を覆っている魔法陣の光が点滅をしていた……心なしか、さっきより点滅の間隔が短くなっている気もする。
 多分、この魔法陣の光が消えたら、最初から槍なくぉしになるのだろう、そして、この点滅はもう直ぐ時間切れを示している事は間違いない。
 それくらいは分かっているのよ。
 でもね、ミスリルだよ?
 全長5m以上もある人型のミスリルの塊……それ一体でどれだけの稼ぎになる事か。
 目の前のお宝を見過ごすなんて出来ないわ。
「……って事だから、あと一回だけっ、お願いっ!」
 等とミュウと言い合っている間にも、魔法陣の点滅は早くなる。
 早くしないと本当に時間がなくなっちゃうわ、と思ってスイッチに手を伸ばしたら、横から手が伸びてきて『解除』のボタンが押される。

「ミュウお姉ちゃんも、ミカ姉もいい加減にしなさいっ!」
 ボタンを押したのはクーちゃんだった。
 クーちゃんがボタンを押したことにより、魔法陣は一際輝きを増し、広間の一点に向かって光が集束する。
 光が消え去った後には5下層へ続く扉が開いていた。

◇ ◇ ◇

 で、今もクーちゃんは、おこのままなのよ。
「えっと、クーちゃん、お姉ちゃん頑張ったんだけど……。」
「ミカ姉のバカ。」
 ……取り付く島もなかった。

 …………よし、なかったことにしましょ。
「さぁ、5階層に向けて出発よっ!」
 そんな私を見る三人目がちょっと冷たかったのが悲しぃ。



「まぁ、そんなわけで5階層に辿り着いたわけだけど……。」
「どんな訳よ?」
 すかさずミュウからツッコミが入るが気にしない。

「ここが5階層ですかぁ……何もないですねぇ。」
 5階層への入口を潜り抜けた、私達の眼前に広がる大広間。
 マリアちゃんの言う通り、何もなかった。
 いや、正確には一つだけ存在するものがある。
 広間の中央に、ぽつんと佇む何かの台。
 他には何もないので、私達はそこへと行ってみることにする。

「えっと、これはスイッチ?」
「スイッチだよ?」
「スイッチだな。」
「スイッチですわね。」
 演台の上には、スイッチが一つだけある。
 周りを見回しても何もなく、気配すら感じられない。
 とにかくこのスイッチを入れない事には始まらないようだった。

「えっと、入れちゃっていいのかな?」
「入れるしかないと思うよ。」
「いいんじゃない?」
「仕方がありませんものね。」
 
 クーちゃんが、ミュウが、マリアちゃんが、口々にスイッチを入れろと言うけど……。

「これって何かの罠じゃない?」
「罠、なのかなぁ?」
「罠ですわね。」
「少なくとも、スイッチを入れた途端、何かが起きる事は間違いないね。」

「皆、分かってるのに、それでもスイッチを入れろと言うの?」
「「「他にどうしろと!」」」
 三人の声がハモる。
「デスヨネェ……。」
 私は仕方がなくスイッチを入れた。

 広間の床に魔法陣が浮かび上がる。
 このかなり広い広間全体を使用した大規模なものだ。
「かなり大掛かりね……ッ、来るよっ、皆気を付けてっ!」
 急に大きな気配を感じた私は、皆に注意を促す。
 私が感じた気配は、ミスリルゴーレムなどとは比べ物にならないほど大きなもので、本能がヤバいと警告してくる。
 クーちゃんが、私の背後で再びエストリーファの加護を受け取る。
 ミュウも双剣を構え、マリアちゃんもハンマーを取り出していて、既に戦闘態勢はばっちりだ。

 私達が見守る中、目の前に光が収束し、数体のゴーレムが姿を現す。
「なに、アレ……ゴーレム?」
 ミュウが呟く。
 確かにゴーレムに見えるけど……。

「ミカ姉、あれゴーレムにゃの?見た事がにゃいにゃん。」
 クーちゃんが聞いて来るけど、私だって初めて見るから答えられないのよ。

「あれは、まさか……そんな……。」
「マリアちゃん、知ってるの?」
 皆がマリアちゃんを見る。
「知っているというか、話に聞いただけなんですけど……伝説の『エレメンタルゴーレム』じゃないかと。」

『エレメンタルゴーレム』……マリアちゃんの話によれば、精霊の遺し物なんだって。
 この世界では精霊は滅多に姿を現さないのね、殆どの人が一生かかってもお目にかかれないのが普通なくらいに。
 一説によると、人間界のくだらない争いに愛想をつかした精霊たちは、人間界を見捨てて精霊界に引きこもる事にしたらしいのね。
 でも人間を見守る、というか監視するという古の契約があるため、自分たちの力を籠めた物を人間界に遺した……それが『精霊の遺物』と言われるもので、『エレメンタルゴーレム』もそのうちの一つと言われてるんだって。

 そんな話をしている間にも、エレメンタルゴーレム達は何かを探すかのようにウロウロしているが、そのうちの一体とばっちり目が合ってしまう。

「あ、目があっちゃった。」
「来るね。」
「来ますわ。」
「いつでも大丈夫だにゃん。」
 皆の気合は十分……だけど……。

「ダメッ!魔力が増大してる……暴走?皆、気を付けてっ!」
 エレメンタルゴーレムの周りから膨大な魔力が溢れ出し、私達を包み込む。
「みんなっ!」
 光に巻き込まれ、魔法陣が発動する。
 私は近くにいたクーちゃんの手を掴もうと腕を伸ばし……あと少しの所で届かなかった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「ここは……っ!」
 いきなり襲ってきたファイアーボールを身を捩って躱す。
 私は双剣を構え、相手の動きを見定める。
 ファイアーボールが連発される。
 その軌道を先読みし、躱しながら周りの様子を窺う。

「っと、ファイアーランスも使うのっ。」
 床に突き刺さる炎の矢を躱す。
「みんなとはバラバラになっちゃったみたいね。だとすると、コイツを倒さないとこの先は進めないって事ね。」
 ファイアーボールとファイアーランスが乱れ交う中、ミュウは紙一重で躱しながら間合いを計る。

 目の前の敵はファイアーゴーレム。
 全身が炎に包まれているのが特徴なんだけど、私が斬りかかるときは、どうしてもあの炎に焼かれることになるのよね。
 ミュウはそんなことを考えながら、どう攻めるべきかを思案していた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「うぅ、お姉ちゃん達とはぐれちゃったにゃ。」
 あの時、ミカ姉の手に後わずかで届かなかった。
 私がもう少し大きければ……とクミンは思う。
「クーちゃんはまだ小さいんだから……」とミカ姉はよく口にするけど、いつまでも、子供扱いされるのは嫌だった。
 でも年の差があるのはどうしようもない事実なので仕方がない。
 だからこそ、クミンは早く大きくなりたかった。
 せめて外見だけでも大きければ、子供扱いされることも少なくなるだろう。
 今回だって、もう少し大きければ手が届いたはず。
 そうすればミカ姉に心配されることもない。
 それどころか、ミカ姉を助けることだって出来たんじゃないかと思う。

(クミン、反省するのは後にした方がいいよ。)
 頭の中にエストリーファの声が響く。
 と同時に、危険を察知して考える前より先に左へと飛び退く。
 直後に、さっきまでクミンがいた場所に穴が穿たれる。
 攻撃してきた敵を確認する間もなく、次々と放たれる飛礫を辛うじて躱し続けるクミン。

(新装備になってて良かったね。) 
「確かにっ、そうにゃんだけどっ……。」
 飛礫を躱しながら答えるクミン。
「素直に喜べにゃいにゃん。」
 ミカゲが勝手に魔改造したエストリーファの剣。
 エストリーファ自信が乗り気で協力していたのだから、勝手にじゃないのだろうけど……。
 街で売っていた強力な効果が付与されたアイテムを融合させることによって、今のクミンは以前より力、スピード、感知能力が上がっていた。
 上がっていても尚、避けるのがギリギリな事を考えると、エストリーファの言うとおり、改造してなければ、今頃あの辺りに倒れていたとクミンは思う。

「この姿と語尾は、にゃんとかにゃらなかったにゃん?」
 エストリーファの加護を受けた今の姿は、以前と違い余分なモノが付いている……ネコミミとネコ尻尾と言う余分なモノが。
(その姿可愛くていいじゃない。再現するのにかなり苦労したんだからねっ。)

 何でも、このネコミミをつけるために、ミカゲの持つあらゆる知識や発想力と、エストリーファの持つ古代文明の英智をフル稼働させ、幾度となく試みた試行錯誤の末に完成させたモノらしい。
 でも流石に設備の整っていないところで、無理矢理やっちゃったから、不具合もあって……。

(そのしゃべり方も可愛いじゃない?あれだけのことをしておいて、不具合が言語機能だけなんて、普通じゃ有り得ないのよ?ミカゲは才能あるわね。)

 その才能と努力を別のところに向けて欲しいと願うのは我が儘なのかな?とクミンは思う。

(ところで、いつまでも逃げてばかりじゃジリ貧になるよ?)
「そんなこと、判ってるにゃん。」
 クミンは飛礫を避けながら、エストリーファに叫ぶ。

 クミンと相対しているのはアースゴーレム。
 一見すると普通のロックゴーレムと変わらないように思えるが、その身体を構成している岩から発する圧力によって、ただのゴーレムじゃないと思わされる。
(あの手のモノのお約束でかなり堅いからね。)
「堅い上に素早いなんてズルいにゃん。」

 エストリーファの助言を聞きながら、どうやって間合いに入ろうかと思索するクミンだった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「ちょこまかと、鬱陶しいですわね。」
 死角から飛び込んでくるを躱してハンマーを打ち下ろすが、すでにその姿はかき消えている。
 チカチカと明滅する光源が気に障って仕方がない。
 また、それ程広くないこの部屋の中に乱立する柱や瓦礫の山が、多くの死角を作っている。
 光源が明滅する度に位置を変える柱や瓦礫の陰……敵はそこから現れそこに消えていく……。


 マリアが相手にしているのはシャドウゴーレム。
 物理的な実体を持たない時点でゴーレムと言っていいのか疑問が残るところだけど、とマリアはどうでもいいことを考える。

 いつ、どこから襲ってくるか判らない敵を相手するだけでも疲れるのに、マリアの気を滅入らせる原因がもう一つ……。
 

 マリアは4層辺りから、自分を見つめている存在に気づいていた。
 最初は気にしないようにしていたけど、この場所に飛ばされてから、その視線の存在力が増した。
 マリアはその外見と職業から、他人に見られることは慣れていた。
 特に、ある程度成長してからは、男性からの卑猥な視線異晒されることも少なくなかった。
 だからと言って、見られていることが気にならない訳でもない。

 姿を現さない癖に存在だけ示してくる謎の視線に晒されている中、チョコチョコと襲いかかってきてはすぐに逃げるシャドウゴーレム。
 マリアのイライラは頂点に達しようとしていた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「エレメンタルが、いち、にぃ、さん……。」
 私は目の前のエレメンタルゴーレムの数を数える。
「三体かぁ。」
 目の前のゴーレムを観察してみる。 
 あのスライムみたいなのは水のエレメント?ウォーターゴーレムかな?
 じゃぁ、あの竜巻みたいに気流が蠢いているのは風のエレメントで、エアゴーレムだよね。
 残った光の玉みたいなのは、光のエレメントだね。差し詰め、ライトゴーレムってところかな。
「じゃぁみんなの所には、火のエレメント・ファイアーゴーレムと、土のエレメント・アースゴーレム、そして闇のエレメント・シャドウゴーレムかぁ。上手くかち合うといいけどね。」

 エストリーファを持つクーちゃんと相性がいいのはシャドウゴーレム、わずかだけど水の魔法が使えるマリアちゃんはファイアーゴーレム、残ったアースゴーレムをミュウが担当すればいいと思うけど、それ以外の組み合わせだと苦労しそう。

「って考えていても、今更しょうがないよね。まずはこの三体をどうにか……出来るのコレ?」
 正直、他の皆を心配してる場合じゃなかった。

「すみません、すみません、調子に乗ってました。だから1体づつ……ってやっぱりダメですかぁ!」
 水属性のウォータースプラッシュ、風属性のエアカッター、光属性のフラッシュジャベリンが、一斉に私に襲い掛かってくる。
「ムリっ!ムリっ!こんなの避けられるわけないでしょ!」
 私はエリアシールドを張って何とか猛攻を絶え凌ぐ。

「これは持久戦かなぁ……。」
シールドを張っているのにも構わず、更に猛攻を加えてくるエレメンタルゴーレム達を見ながら、私は呟いた。
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